龍谷大学 里山ORC 国際シンポジウム「里山とは何か 自然と文化の多様性」

里山学・地域共生学オープン・リサーチ・センター(里山ORC)3年目のシンポジウムとして、12月16日(土)国際シンポジウム「里山とは何か:自然と文化の多様性」を開催します。

また企画として、里山に関する活動を行うスタッフや学生のパネル展示も行います。

<展示内容>
・講演者である江南先生による江戸期に描かれた詳細な植物画
京都造形大学の森田先生による環境教育とアートとの関わりをテーマとした
実践の報告をビデオとパネル展示
龍谷の森をフィールドに行われる調査・観察「鳥と昆虫の写真展」
里山を舞台に活動する学生グループ「きのっこ」の活動報告
里山の暮らしから家つくりを考える絵本『わらの家』の原画展

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国際シンポジウム「里山とは何か: 自然と文化の多様性」
What is Satoyama? Diversity in Nature and Culture

日時: 2006年12月16日(土) 13:00〜17:30
場所: 龍谷大学 深草学舎 21号館603号教室

講演会場への行き方
京阪電車深草」・JR奈良線「稲荷」から南西約0.5km、地下鉄「くいな橋」から東約0.8km。龍谷大学深草学舎正門入ってすぐ左の建物が21号館。その6階。

龍谷大学深草学舎→http://www.ryukoku.ac.jp/web/map/fukakusa.html

事前申し込み・参加費不要
同時通訳あり

プログラム:
宮浦富保(里山ORCセンター長、龍谷大学理工学部教授)
「日本の里山の現状」
ヴォルフガング・ホルツナー(ウィーン農芸大学教授)
里山生物多様性の保護: グローバルな問題- オーストリアからの事例」
江南和幸(里山ORC研究スタッフ、龍谷大学理工学部教授)
「江戸の市民が見た自然」
パク・チェルホ(江原大学校農業生命科学大学教授)
「韓国における里山の山菜・雑穀利用とそれに関わる文化」
須藤 護(里山ORC研究スタッフ、龍谷大学国際文化学部教授)
里山: 人と神と動物たち」
〔コーディネーター〕 丸山徳次(里山ORC副センター長、龍谷大学文学部教授)

主催: 龍谷大学 里山ORC(里山学・地域共生学オープン・リサーチ・センター)
http://satoyama-orc.ryukoku.ac.jp/
チラシはこちら 
http://satoyama-orc.ryukoku.ac.jp/symposium/img/20061216j.pdf
後援: 京都府京都市滋賀県大津市朝日新聞毎日新聞京都新聞NHK京都放送局KBS京都BBCびわ湖放送・一学一山運動実行委員会

<開催趣旨>

 龍谷大学 里山ORC(里山学・地域共生学オープン・リサーチ・センター)が、
里山に関する総合研究を開始して、今年で3年目になります。

 "里山(Satoyama)"という言葉は、もちろん日本で生まれた言葉ですが、海外でも知られるようになってきました。里山の重要性について、世界的な関心が高まってきています。日本では、人々の生活の近くにある森林を里山と呼んできました。薪や柴、肥料のための落ち葉、キノコや山菜など、里山から得られる種々のものは、人々の生活になくてはならないものでした。

 現代のような石油エネルギーの大量消費が行われる前、世界の多くの国々では、人々は身近な森林からエネルギーや生活に必要なものの多くを得ていました。

 里山が、人と自然が長期にわたって共存してきた場所(森林)であるとすれば、世界の多くの国々は"里山"と呼んでよい森林を持っていたはずです。地域により、自然環境は異なり、成立する森林の種類も異なります。自然環境の違いはそこに生活する人々の文化にも影響しているでしょうし、文化の違いは自然を利用する方法の違いとなって現れていることでしょう。里山のありかたは、自然と文化の多様性とその歴史を反映しているのではないでしょうか。

このシンポジウムでは、里山の自然と文化の多様性およびその歴史を考え、人々の自然観などの国際比較を通して、人と自然の共生についての理解を深めたいと思います。

宮浦富保(里山ORCセンター長)

「湖族の郷アートプロジェクト」大津市堅田地域

12月9日〜17日の一週間、大津市堅田地域で「湖族の郷アートプロジェクト」という、
町全体を使った約100人の作家によるアートの展覧会が行われます。

企画を行っているのは、成安造形大学の学生有志で結成したグループ「U−si」と、堅田商工会。
昨年に始めて開催され、大反響を呼びました。今年、新たにメンバーを加え第二回目の開催となります。「まちづくりとアート」という難しいテーマを実践で探る学生のがんばりに触発されます。

堅田の町並みは、湖に沿って街道沿いに連なり、家と家の間からは湖へぬける路地で結ばれています。湖の交通の要衝となった堅田では、町の中へ船で入れるように大きな水路が張り巡らされ、昔の様子を今に伝える魅力的なまちです。

今回は私もイラストレーションの作品を出品することになりました。
9日、10日は展示場に居ます。
ご都合がつく方はぜひ足をお運び下さい。

http://u-si.net/kaptop.html

愛媛大学にて講演会

geniusloci2006-12-01


11月29日(水)愛媛大学情報メディアセンター主催により「時空間情報の芸術的圧縮表現 −絵地図の作成−」というタイトルで、絵地図に関する講演を行いました。

当日は、愛媛大学学生、教職員、松山市職員、地域からも市民活動をされている関心ある方などが来られました。
「絵地図」をつくる際に、地域をフィールドワークすることによって地域に潜む記憶や物語、希望など人々と出会いながら、何を描いて、どういう場所として捉え、表現するかを決めていく手法について解説しました。また絵図を地域で作り上げる過程や出来上がった後に「絵図を味わい」うことで、さらに地域に向けられる目が育てられるという点から、「絵図」のもつ効力について話しました。
最後に、愛媛や松山を描いた「絵図」をみながら、ディスカッションする時間をもち、参加者に過去の松山をイメージしながら話をしてもらいました。

その日、講演会に参加くださった地域活動をされているMさんと意気投合し、松山のまちづくりに関わっている方々を紹介いただき、刺激をいただきました。

広報ページ
http://www.cite.ehime-u.ac.jp/modules/news/article.php?storyid=85
報告ページ
http://www.cite.ehime-u.ac.jp/modules/news/article.php?storyid=88

上田上牧町 真光寺 報恩講

geniusloci2006-11-16


 浄土真宗のお寺では毎年盛大に行われる「報恩講」という、親鸞聖人への感謝の儀式の見学に行ってきました。
仏教大学のS先生、学生2名と一緒に伺いました。S先生の解説を聞きながら、「報恩講」について基本的なことを知り、少し、早くついたので牧町の「八幡神社」に参拝に行きました。

真光寺の「報恩講」は1日行われ、午前は尼講(70〜90歳のおあばあちゃん)対象、午後は二十八日講(50〜80歳のおじいちゃん)対象、夜は一般の方と3部に分かれて、それぞれ毎回、法要・説法が行われます。

今回は尼講にお邪魔し、その後社務所で住職と説法をされた草津から来られた住職にお話を聞きました。今では簡略された「絵系図参り」「講汁」「七夜」などのお話を伺うことができました。また、草津のみくら大根と牧町の芝や割木の交換が昔から行われているなど、お互いの地域で採れないものを物々交換しながら補ってきたお話を聞くことができました。

また、帰りに本堂を見学させていただくと、尼講のおばあさんが4人まだおられて、昔のくらしについて聞き取りができました。
「田上手ぬぐいはどういうときに使ったか」「戦後の米の価格の急激な変化の中での買い物」「芝刈りのコツ」「芝の束を美しくつくること」など、次々と話してくださり語り口調のなかにいきいきとした山や里での暮らしぶりが見えるようでした。

最後にお年を聞くと、なんと90歳の方がお二人、80歳代の方がお二人!この続きは日を改め、じっくり伺いたいと再会をお願いしました。

帰りは、牧町、芝原町、堂町を散策しながら瀬田キャンパスまで徒歩40分。
次に繋がる充実した一日でした。

HPリニューアル!

里山学・地域共生学オープン・リサーチ・センター(ORC)のWEBサイトがリニューアルしました!

写真をふんだんに使い、見やすくデザインされて、里山ORCの活動などがわかりやすくなりました。ご覧下さい!

http://satoyama-orc.ryukoku.ac.jp/

絵本『わらの家』ができました!

geniusloci2006-07-07


5月から ずっと制作していた 絵本がついに発売します!!!

私の出身大学である成安造形大学大岩剛一先生が執筆し、 表紙やイラストの作画を私が担当しました。

「家と家族」のあり方をもう一度再構築するために、建築家が子どもと同じ目線で分かりやすく家を語った、家族みんなで読める画期的なシリーズ「くうねるところにすむところ」(芦原義信賞受賞)のシリーズ17番目。

施主自らが参加してつくるストローベイル・ハウス(わらの家)を通して、里山の暮らし中にはあった命とつながることの大切さ、家づくりの楽しさ、わらという素材のもつ哲学などが語られています。

去年から細密画を描き始めていることもあって、 今までとは違うタッチで描くことに挑戦しました。 来週から店頭に並ぶことになりそうです。 建築専門コーナーに並ぶと思われるので、 小さい書店にはないかもしれないんだけど、 見かけたら、一度手にとって見てみてください☆

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前書きから…

わらの家をつくること。それは、建築家として家づくりに携わってきたこの30年間に、ぼくが失ってきた実に多くのものと、遅ればせながらつながり直す旅でもあるのです。小さなもの、つつましいもの、失われたもの、ゆるやかに循環するものとつながり直すこと。手間ひまかかる家づくりという古くて新しい物語を掲げ、住まいと私たちとの間にもう一度血の通った関係を築くこと。これが、ぼくがこの本に込めた思いです。

タイトル:くうねるところにすむところ17『わらの家』
著  者:大岩剛一 
出版社 :インデックスコミュニケーションズ
A4変判、上製/56項 定価1680円(税込)

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公開講座「自然観察会−『龍谷の森』に暮らす鳥と昆虫」


里山ORCと「龍谷の森」保全の会の共催で、「自然観察会−『龍谷の森』に暮らす鳥と昆虫」を行いました。

参加者は、龍谷大学生、「龍谷の森」保全の会員合わせて14名。谷垣先生、龍谷の森の鳥を見続けている龍谷大学環境工学科Y君のレクチャーを受けながら、龍谷の森を歩きました。

鳥の姿を双眼鏡でとらえたり、静かに鳴き声に耳を澄ませ、鳥の名前を覚えたり、植物の見分け方の話など、立ち止まり立ち止まりしながら専門的な話や興味深い話を聞く充実した2時間を過ごしました。

確認できた鳥について→「龍谷の森」の生き物たちhttp://d.hatena.ne.jp/kheperer/20060517