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最新刊『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』発売開始!

『ポストヒューマニティーズ――伊藤計劃以後のSF』発売中!

『21世紀探偵小説』も絶賛発売中!

文学フリマ新刊『Genkai vol.3』はおかげ様で完売しました!
申し訳ありませんが、再版・通販の予定はいまのところございません。


2015-12-25

『ユリイカ』スターウォーズ特集に限界研メンバーが寄稿!

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12月28日発売の『ユリイカ 2016年1月号 特集=『スターウォーズ』と映画の未来―あるいはYouTube以降の映画史』に限界研メンバーが寄稿しています!



石岡良治+渡邉大輔『「ポスト〇五年=You Tube」の映画をめぐって』

●渡邉大輔『世界観、オブジェクト、生命化「スター・ウォーズYou Tube以降」の現代ハリウッド』

小島秀夫桜坂洋 司会・構成=飯田一史『見たことがないものが見たい』

海老原豊『振り返ればトムがいる 二〇〇〇年以降のトム・クルーズSF映画論』

●宮本道人『「映画の未来」を考えるための作品ガイド 2005年以降のSF映画

現在公開中の映画『スター・ウォーズ』を中心に、動画時代における映画を考えるための一冊になっています。


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是非ご覧になってください!

2015-12-24

限界研編『ビジュアル・コミュニケーション 動画時代の文化批評』が紀伊国屋じんぶん大賞2016候補作にノミネート&電子書籍化!

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今年9月に刊行され、絶賛発売中の限界研編『ビジュアル・コミュニケーション 動画時代の文化批評』が「紀伊国屋じんぶん大賞2016 読者と選ぶ人文書30」の読者推薦のノミネート作品に選ばれました!

「じんぶん大賞」は「哲学哲学・思想/心理宗教/歴史/社会/教育学/批評・評論」といったジャンルの本の大賞を読者と選定する賞です。


●紀伊国屋じんぶん大賞2016年


また、そんな本作『ビジュアル・コミュニケーション』がkindleでも購入ができるようになりました。


●『ビジュアル・コミュニケーション』kindle版



まだ読まれていない方は是非この機会にお買い求めください!

2015-12-23

島田荘司監修『本格ミステリー・ワールド2016』にて限界研メンバーが寄稿!

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12月18日発売の島田荘司監修『本格ミステリー・ワールド2016』にて、限界研メンバーが座談会、レビューを寄稿しています。

本格ミステリー・ワールド2016

本格ミステリー・ワールド2016




藤田直哉「二〇〇七年と二〇一四年のあいだ――『最後のトリック』論」

●宮本道人「2015旬な作家たち 吉田恭教」

●竹本竜都×蔓葉信博×冨塚亮平×藤井義允×宮本道人「映像文化とミステリーの過去と現在」


藤田直哉は深水黎一郎『最後のトリック』についての評論、宮本道人は吉田恭教についてのレビュー、また座談会では限界研メンバーが今年刊行した限界研編『ビジュアル・コミュニケーション 動画時代の文化批評』とつなげてミステリの過去と現在についてそれぞれの論者が語っています。

是非ご覧になってください!

2015-11-16

「「距離」と「親密さ」 ―濱口竜介監督旧作上映に寄せて―」

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「距離」と「親密さ」 ―濱口竜介監督旧作上映に寄せて― 冨塚亮平


本稿では、『ビジュアル・コミュニケーション』に寄稿させていただいた拙論「世界は情報ではない 濱口竜介試論」の内容と、濱口作品の上映情報について簡単に紹介します。




第六十八回ロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞脚本賞スペシャルメンションを受賞し話題となっている濱口竜介監督の最新作『ハッピーアワー』の日本公開がいよいよ間近に迫って来ています。ロカルノ映画祭での受賞がYahooニュースやテレビでも取り上げられたことで、最近になって濱口監督の名前を新しく知り、興味を持った方も多いのではないでしょうか。濱口監督はこれまでに九本の長編、数本の中短篇作品を監督しており、『ビジュアル・コミュニケーション』に寄せた拙論では、長編『親密さ』、『PASSION』、『THE DEPTHS』などを中心に、多くの過去作について論じています。

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もちろん、作品を観ていない方にもある程度内容が掴めるよう心掛けはしましたが、細部の描写に触れている、いわゆるネタバレ的な部分も含まれるため、可能であれば過去作を観た後で読んでいただきたい、そういった構成の論考となっています。しかし、実は濱口監督の作品で現在のところソフト化されている作品は『PASSION』のみであり、映画配信サイトLOAD SHOWにてダウンロード購入可能な中篇『何食わぬ顔(short ver.)』と『不気味なものの肌に触れる』をあわせても、まだまだ鑑賞の機会は限られていると言えます。



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そんな中、『ハッピーアワー』の全国公開を控え、今月から来月にかけて全国で未ソフト化作品を含む濱口監督の旧作上映が行われます。

まず、11月14日(土)と11月19日(木)には、論集に寄稿いただいた佐々木友輔氏の企画で、武蔵野美術大学美術館ホールにて、それぞれ『親密さ』、『不気味なものの肌に触れる』が上映されます。また、19日には論集の責任編集を担当された渡邊大輔氏と濱口監督のディスカッションが予定されています。


⬛︎第43回イメージライブラリー映像講座「映画⇆世界のサーキュレーション」


また、同じく14日より11月30日(月)までの三週間にわたり、新作『ハッピーアワー』の舞台となった神戸では、「濱口竜介の軌跡 東京=東北=神戸」と題した大規模な特集が行われます。


⬛︎「濱口竜介の軌跡 東京=東北=神戸」


17日(火)には関西大学千里山キャンパスにて『不気味なものの肌に触れる』の上映と、濱口監督による講演会「見えないものを撮る?」が開催されます。


⬛︎関西大学文学部学術講演会 濱口竜介(映画監督)見えないものを撮る?


さらに、来月12月5日には、新潟大学中央図書館ライブラリーホールにて、「平行線をたどる言葉と心 映画監督 濱口竜介」と題した『永遠に君を愛す』、『親密さ』の上映会が行われます。


⬛︎平行線をたどる言葉と心 映画監督 濱口竜介


そもそも門外漢である私が今回映画論を寄稿しようと考えたのは、『親密さ』をはじめて観た時に受けた衝撃を何とか言葉にしなければならない、と感じたからです。すでに終了したものも含め、各地で自主的に行われている濱口作品の上映会もまた、いずれも作品に触れた企画者の方々の熱意が契機となって開催にこぎつけたものだと思います。これらの機会に旧作をご覧いただき、その後論考にも目を通していただけると嬉しく思います。




続いて、論考の内容について紹介します。

まず私は、「世界って、情報じゃないでしょ?」という『親密さ』第二部に登場する台詞に着目するところから論を立ち上げています。フィルム時代の終焉に伴い、世界(映画)はもはやデータの束にすぎないとする、レフ・マノヴィッチらの情報一元論が影響力を増している状況を取り上げつつ、そういった発想に対するオルタナティブとして、スタンリー・カヴェルの映画論に注目しました。

メディウムの物理的基盤からは区別される、諸々の映画技法に意義を与える再解釈・発展をカヴェルは「メディウムの創造」と呼んで評価しています。この概念は、フィルムというメディウムの固有性が失われつつあるデジタル映画時代の到来とともに、近年再評価が進んでいるものです。

本論では、単に反時代的な上品さを保つのでもなく、かといって近年の潮流を無批判に取り入れるわけでもない、形式と内容が高度に拮抗した濱口作品の魅力を、カヴェルの言う「メディウムの創造」の試みとして捉える事で、「世界は情報じゃない」という一見反時代的な言葉が、いかにして説得力を伴ってわれわれ観客に届けられるのかを明らかにすることを目指しました。

具体的には、まず濱口作品にしばしば登場する対話場面の独特な撮影方法が持つ意義について、小津安二郎作品との比較を絡めて考察しました。そして、そこから抽出した「距離」の主題を通奏低音として、ジャンル映画としての魅力、性関係描写の特徴、他の芸術ジャンルとの異種混交性、作品の複雑な入れ子構造などについて論じました。さらに、以上の形式性を巡る議論を前提として、最後に改めて登場人物の感情や言葉のレベルに着目し、結論を導いています。全体を通じて、小津作品と並んで、濱口監督自身が敬愛するジョン・カサヴェテス作品を複数取り上げて論じています。

濱口作品は以前から多くの注目を集めてきましたが、全国公開作品がなかったこともあってか、これまで監督に関して長尺の作家論が書かれることはありませんでした。それでも、各作品についての短い論考はWeb上に発表されたものも含めすでに数多く存在します。拙論では可能な限り多くの論考に目を通した上で、引用、参照したものについては全て注釈にて出典を明示しましたので、これまでに発表された作品論をサーヴェイする上でもある程度は参考になると思います。




ここからはやや余談めきますが、スタンリー・カヴェルについて少し捕捉しておきたいと思います。カヴェルの映画論は、近年アメリカフランスではドゥルーズのそれに匹敵するほどに注目を集めており、何人かの現役監督にも一定の影響を与えていると言われます。中でも有名なのはハーバード時代の教え子であるテレンス・マリックと、しばしばカヴェルの影響を公言しているアルノー・デプレシャンです。

『PASSION』公開時に筒井武文監督らがデプレシャンを引き合いに出していたことを想起するならば、カヴェルの議論と濱口作品の親近性もある程度は納得できるものとなるのではないでしょうか。また、著名なカサヴェテス研究者で邦訳書もあるレイモンド・カーニーや、カヴェルとの相互影響のもとで美術批評を行ったマイケル・フリードなど、拙論で言及した複数の著者が実際にカヴェルの指導を受けた経験を持っています。

主著『眼に映る世界』を除き映画論の翻訳が進んでいないため、日本ではまだまだ知名度の低いカヴェルですが、今後言及される機会も増えて行くと思います。現在日本語で読める『眼に映る世界』以外のカヴェルによる映画論としては、『クリスマス・ストーリー』公開時のデプレシャンとの対談「映画はなぜ重要なのか?」(須藤健太郎訳、nobody 34 pp. 26-35.) に加え、『眼に映る世界』の翻訳者である石原陽一郎氏が訳出したいくつかの論文をWeb上で読むことが出来ます(http://d.hatena.ne.jp/criticon/)また、カヴェルの映画論に関する研究としては、拙論でも紹介した木原圭翔氏の論文が示唆に富んでいます。

nobody 34

nobody 34



『ハッピーアワー』は、今月の広島国際映画祭でのジャパンプレミア上映を皮切りに、その後年末年始にかけて全国で順次公開となります。こちらも是非お見逃しなく。

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2015-11-14

「防犯/監視カメラの映画史ーー風景から環境へ」

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「防犯/監視カメラ映画史ーー風景から環境へ」海老原豊

『ビジュアル・コミュニケーション』に収録した「防犯/監視カメラ映画史ーー風景から環境へ」は、どのようなものか?

この論考は、防犯/監視カメラが出てくる映画をたどる通史。

1 そもそもそのカメラは防犯なのか? 監視なのか? 
2 「監視カメラ」と聞いたときに、防犯に役立つならと思うけれど、どこか感じる居心地の悪さ。その正体は?
3 これだけカメラが社会に街にあふれたとき、私たちのアイデンティティはどう変化するのか。

がわかる論考になっている。

論じている作品は以下。

モダンタイムス
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『1984年』

1984 [DVD]

1984 [DVD]

裏窓

ディスタービア
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『LOOK』

LOOK [DVD]

LOOK [DVD]

エネミー・オブ・アメリカ
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マイノリティー・リポート』
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『イーグルアイ』
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ロボコップ
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限界研のイベントがあります!!!

「「動画の時代」の「映画批評」はいかに可能か
ポストメディウム的状況を考える
『ビジュアル・コミュニケーション』(南雲堂)刊行記念トークイベント」

ジュンク堂書店 池袋本店
開催日時:2015年11月17日(火)19:30 〜
書店ウェブサイトへ


佐々木友輔×三浦哲哉×渡邉大輔 (司会進行:冨塚亮平)

ここ最近、映画の世界は大きな変化を迎えている。誰でもスマホで「映画」っぽいものが作れ、ネット上にはVine動画やゲーム実況など、いままで見たこともないような新しい映像コンテンツが映画と肩を並べるようにして、活況を呈するようになりつつある。
『映画とは何か』(筑摩書房)など、映画の現在について先鋭な批評活動を繰り広げる俊英・三浦哲哉氏をゲストに迎え、9月末刊行の評論集『ビジュアル・コミュニケーション――動画時代の文化批評』(南雲堂)の内容を踏まえ、こうした「動画の時代」にかつての「映画批評」はどのように対応していくべきなのか。『ゼロ・グラビティ』『親密さ』 『ルック・オブ・サイレンス』『THE COCKPIT』……などなど、数々の話題作を
素材に、そして映画誕生120年の現在、あらためて「映画」と「映像」の関わりについて「映画批評」の観点から徹底的に語り合う。