第11回 ポンさん(東方手書き作者)


東方手書き作者。秋田県在住。
2009年の6月20日、『元々シュールな東方手描き4コマ』でニコニコ動画デビュー。
手堅く面白い、昔ながらの4コマらしい4コマを精力的に制作し続けている手書き作者。自分オリジナルでのネタだけではなく、人からお題を募集し、それに沿った4コマを描く東方無茶ぶり4コマシリーズなども制作している。
幼少時から現在に至るまで、好きが高じて自らの仕事にするほどの大の車好き。
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4コマでギャグやシュールを描く人って、本当へそ曲がりが多いと思うんですよ

(∵)<ポンスカポン


――東方見聞録第11回。本日は無茶ぶり東方4コマなどの4コマ動画を制作されているポンさんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
ポン:よろしくお願いします。


――さっそくですが、ポンさんのお名前の由来は?
ポン:昔友人と一緒にやってたmixiでの名前がポンスカだったんですよね。それで呼びにくいからポンって呼ばれるようになって、それをそのまま使ってる感じです。


――ポンスカのほうには由来があるんですか?
ポン:ハンドルネームを決めるにあたって、あまり気合の入った名前というか、かっこいいものにしたくなかったんですよ。間抜けで愛嬌のあるものにしたくて、それで手元にあったスカポンタス*1のCDを見てつけました。


――バンドが元ネタだったんですか。動画では音楽の選曲についても毎回反応がありますよね。
ポン:昔からインストが好きなんですよね。父がインストばっかり聴く人で、その影響もあったと思います。小さいころからそういうの聞き慣れてたせいか、自然とインストを聴くようになって。ギターとかジャズっぽいのとか、打ち込みっぽい電子音楽の入っていない、ライヴ的な音が好きで、そういうバンドの曲ばっかり買い集めてて。タワレコで3時間くらい試聴して選んでましたね。集まってガチャガチャしてるような曲が好きです。初めてでもすぐノれるような。


――特にお好きなバンドはありますか?
ポン:これといってないんですけど、ザ・サーフコースターズ*2は昔っから好きでよく聞いていますね。ランナバウトっていう車のゲームのBGMを担当してて、そこから気に入ってサントラを買って。父と一緒に車に乗っている時にかけたら、父も気に入ってくれましたね。音楽については父と話題になることが多くて、お互いの気に入ったCDの貸し借りなんかもよくしていました。今でもそうなんですけど。


――共通の話題があるというのはいいですね。ボーカル曲でお好きなものはありますか?
ポン:ボーカル曲は有名どころをちょろちょろって感じなので、思い入れのあるものはあまりないですね。カラオケなんかに行っても、流行りのアニメの曲とかが全然わからなくて。あ、でもぱにぽにOPの『黄色いバカンス*3って曲はすごく好きです。自分が好きな音楽のノリを知ってる人にはなんとなく好きな理由がわかると思います。ノリがいかにもって感じなので。


――音楽以外では何か趣味はありますか?
ポン:車とゲームと……あと、服屋行くのも好きですね。古臭いのが好きで。アメリカの昔の小物とか。高校の頃から古着屋に通い始めて、今でも行ってますからね。


――飽きずに続いてる趣味なんですね。
ポン:ですね、長く続いてます。今年の夏とか、3回着てるかわからないシャツがありますからね、凄い気に入ってるのに。メインで着まわしてるのだけで20枚くらいありますから。ちょっとサイズが小さいのでも、柄が良いと飾ろうと思って買っちゃいますね。


(∵)<東方に至る長い道


――ポンさんが動画を投稿されたのは、2009年の6月20日、元々シュールな東方手描き4コマが最初ということですが……。
ポン:おお、調べてきてますね(笑)。


――元々東方動画は見られてたんですか?
ポン:そもそも東方を知ったのは、『魔理沙は大変なものを盗んでいきました*4で。


――おお、やはりそこからですか。
ポン:いや、初めて見た東方動画はそうだったんですが、そのまますんなり入ったわけじゃなかったんです。


――そうなんですか。
ポン:当時は就職してしばらく経っていた頃だったんですけど、あの時は、新しい何かを知りたいっていう欲が凄い時期だったんです。漫画でも映画でもゲームでも、とにかく気になったものは手当たりしだいに買っているという、今思うとちょっと異常な時期で。その頃が自分の中で一番漫画読んでた時期だと思いますね。映画もDVD三本ぶっつづけで見たりしてました。


――何かを取り込みたい時期だったんでしょうか。
ポン:でも、パソコンを手に入れて、漫画や映画を買い漁るのにも飽きてくると、今度はニコニコ動画の存在を知って、今度はそっちを見るようになって。あの頃のニコニコのランキングって今みたいにカテゴリ分けされてなくて、全ジャンルが混ざってたじゃないですか。なので、ランキングの動画を1位からとりあえず見ていたんです。で、ある日『魔理沙は大変なものを盗んでいきました』が上位のほうにきていて、それが初めて見た東方動画だったんですけど……最初はよくわからなかったですね。盛り上がっているのはわかったんですが、音ゲーか何かだと思ってました。



――その認識はしばらく続いたんですか?
ポン:うん、というよりその時点では深く掘り下げようとしなかったんですよね。あの頃の、例えば陰陽師とかと同じようなものと思ってました。なんだかわかんないけど、盛り上がってるモノっていう認識でした。


――確かに私も最初はそんな認識でしたね。なんだかわかんないけど、盛り上がってる人たちの中心にある動画群のメインの一つというか。
ポン:そうそう。で、そのうち今度はうどんげの座薬やウサテイFLASH動画も出てきたじゃないですか。あの動画には、シューティングゲームとしての演出が入ってたので、そこで初めてシューティングゲームなのかな、っていう風に思い始めた。そんな風に思ってた所に、ある日友人が東方をやりはじめたんです。


――ちなみにどの作品を?
ポン:紅魔郷ですね。これが今流行ってる東方の原作ゲームなんだよーって言われて。やってるところを見てたんですけど、難しそうなゲームだなぁという印象でしたね。私はそもそもシューティングを全然やってなくて、唯一やったことあるのが、スーファミ雷電伝説*5くらいだったんですけど。で、その友人は元々ハマればなんでも突き詰めていくタイプで、紅魔郷に続けて今度は妖々夢をやりはじめたんですよ。だいたい遊ぶメンバーが、いつもその友人含めた4人くらいで固定されてるので、みんな彼のプレイを脇から見てる形になっていって、そのうちみんな俺もやらせろと参加するようになって。


――そこで東方に入っていくようになったんですか。
ポン:いえ、まだです。


――まだ入ってこないんですね(笑)。
ポン:さっきも言ったとおり、俺はシューティングゲームの経験が少なかったので、相変わらず後ろから見てるだけだったんです。でも脇から見てるから段々キャラの名前とかがわかるようにはなっていく。確かそれが、東方風神録が出るか、出ないかくらいの頃だったと思います。で、その頃、東方と同時に、友人達の間で「うろ覚えお絵描き対決」っていう遊びが流行ってたんです。


――お題に対して、おぼろげな記憶で絵を描いてどれくらい似てるかを競うやつですか。
ポン:そうです。俺達はぷっすまで知って4人でやるようになって、例えばルパンならルパンの絵をかいて、全然似てないのを笑い合ったりしてたんですけど。そこに東方のキャラがお題に入るようになったんです。何しろ覚えたてなのでみんなうろ覚えで、記憶が曖昧なもんだから面白くて。


――題材としてはすごいいいところ狙ってますね。
ポン:それからしばらくして、遊び友達が一人増えたんです。それまでは、うろ覚え対決の中では、俺が一番似せるのがうまかったんですけど、新しい友人はギャルゲっぽい絵を描くのが得意な人で。その人の絵見て凄い上手いと思うと同時に凄い負けた気になったのを覚えています。それから、今度は絵を練習するのが仲間内で流行り始めたんです。


――うろ覚えとかでなく、真面目に描く方向に変わったんですね。
ポン:そこでも、東方のキャラクタが、絵のモデルに丁度よくて。射命丸ってどいつだ、この天狗みたいな奴か、と。じゃあちょっとこれを描いてみようと。キャラクターの絵を一時間くらいで描いて、けっこうこれ上手く描けたんじゃね?みたいな感じで見せ合ったりして。……何してたんだろうな本当あの時。すごい面白かったんですよね(笑)。で、その絵の練習をするうちに、キャラクタの外見やデザインをちゃんと見ながら練習したくて。それで東方の手書き動画を参考にするようになったんです。


――なるほど、そこで動画を見るように!
ポン:最初は、自分でお絵かきするための資料として見ていたんですよね。このキャラはこういう名前でこういう格好をしていると覚えていって、友だちンちに遊びに行った時に、その絵を描くんですよ。この前あの動画を見たから、今日はあいつを描こう、みたいな感じで。そんなことをしばらく繰り返していたら、周りが割と飽きはじめて、いつの間にか絵を描いているのが俺一人になっていて。


――でもポンさんはその後も続けられたんですね。
ポン:絵もそうだし、資料として東方動画を見ているうちに、手描き動画を見るのが習慣になっていったんですよね。最初はランキングを見て、目に付く動画を見ていたんですが、徐々に車と東方系に見るものが偏っていって、そのうち「東方手書き動画」タグで伸びているものを見ていくようになって。万再生いってるものなら大抵のものは見ているくらいになってました。


――なるほど、『魔理沙は大変なものを〜』がキッカケ、という人は今までも多かったんですが、その後の経緯が長かったんですね(笑)。
ポン:凄く文にしづらい内容だと思います。


――(笑)。お好きな動画はなんでしたか。
ポン:この人は間違いないと思って最初見ていたのは、コーポさん*6のやつでしたねー。

(∵)<最初の理由は「確かめたかった」


――ご自分で動画作るようになったのはどういう理由があったんでしょうか。
ポン:またこれが色々あるんですよ。


――色々あるんですね(笑)。
ポン:さっき話に出た、新しく遊びはじめた友達が、4コマ漫画もすごい好きなんだと言ってきて。今まで4コマ漫画が好きなのは、その4人の中では俺とあと一人しかいなかったので、3人になってこれはもっと深い4コマトークができるなーってわくわくしてたんです。ところが、彼が好きなジャンルはいわゆる萌え4コマで、ギャグよりキャラが強いやつが多かったんですよね。対して俺は、ドラクエ4コマなんかのギャグ押しのものが好きだったので、好みがちょっとズレてて。で、しかもそいつは、面白い面白い言いながら読む割に、全然笑わないんですよ(笑)。

スクエア・エニックスから発刊されていた4コマ本シリーズの一つ。ドラゴンクエストを題材に多数の作家が4コマを描くトリビュート的な作品集。ここで定番と化したネタが、のちに元のドラクエに逆輸入され公式化したこともある


――顔に出ないタイプの人じゃないですか?
ポン:いや、試しにうちにあるオススメのギャグ4コマを持って行って、それは萌えとかそういうのが全然ない奴なんですけど、それを読ませるとめっちゃくちゃ笑うんですよ。の割りに自分がオモシロイオモシロイって言って買ってくるやつは全然笑わない。それを見て、ギャグが笑えて『面白い』っていうのと、キャラが可愛くてほんわかしてて『面白い』っていうのとでは、同じ4コマでも意味合いが違うのかもと思うようになって。


――面白いっていう感覚にちょっとズレがあったんですね。
ポン:しかもそいつは、絵が可愛くないと読んでくれなくって(笑)。シンプルな線の絵のを持って行くと、絶対見ないんですよ。あーわかったわかったって言いながら。


――キャラ萌えがまず大きいんですね。
ポン:で、論じ合った結果、自分は多数決で負けてしまって(笑)。2対1ですけど。『絵が可愛くてゆるってしてほんわかしてるのが面白い』という声に勝てなかったんですよ。で、当時から巷でも萌え4コマがブームだったこともあって、段々不安になってきて。自分が面白い面白い言って買ってるモノは、誰が読んでも面白いモノじゃなくって、自分だけが面白いと思ってるモノなのだろうか?って思い始めたんです。


――唯一語れる友人二人から好みを否定されると、そうも思いますよね。
ポン:自分の感覚が古いのかなと。


――今時は違うのかもしれないと思い始めたんですね。
ポン:そんな時、すっかり見るのが当たり前になってた東方動画が目に止まったんです。その頃から、「何々と何々をあわせてみた」とか「原作があって、それに東方動画をあわせてみた」とか「そのとき流行ってたアニメを東方キャラで再現してみた」とか、東方手書き動画では割と多かったんですよ。これを、自分がやってみたらどうなるかなと思ったんですよ。最初の頃の自分の絵って、だいぶ線が雑で見るに堪えないレベルだったと思うんですけど(笑)。萌えるなんてもんじゃないこの絵柄で、自分が面白いと思ってるネタに東方キャラを乗せてみたら、どうなのかなと。ニコニコユーザーが比較的若いっていうこともわかってたので、自分が面白いと思ってる漫画は、今時でもウケるものなのかどうか、それを確かめてみたかったんです。



――確かにポンさんの絵ってシンプルな線ですもんね。
ポン:かろうじて、誰が誰か判別のつくだけで、キャラで萌えるなんて絵ではなかったんですよ絶対。今もちょっと微妙ですけど(笑)。なのでこの絵を、自分が面白いと思うネタに乗せたら、面白く見てくれる人がどれくらいいるのか知りたかったんです。でも最初さっぱり伸びなかったんですよ。で、続きを作ってみたらどうだろうと割とすぐ投稿してみて反応を見たんですけど、2は1より伸びなくて。


――まぁシリーズものはそういう感じですよね。
ポン:でも、まだやりたいこともあったので、とりあえず3を投稿したんです。そしたら毎時のランキングにはいって、そこから割と動画が伸びるようになったんですよ。段々またおまえかみたいな感じで見てくれる人が増えてきて、こっちも調子にのってどんどん作って。7か8くらいになると、安定して見てもらえるようになってて、こういうネタは今でもウケるんだって思えるようになりました。


――最初は好みの調査という意味合いが強かったんですね。確かに、最初の頃は和田ラヂヲさん*7大橋ツヨシさん*8のネタが元っていう但し書きがあったりしました。
ポン:東方キャラ風にひねったりはしていたんですけどね。その頃は、まだキャラクターの名前が一致しないこともあって。よくわかっていないままにあれこれあれこれやっていたんですが、他の人の動画を見て、あぁこのキャラはこういう感じなんだと自分の中でも位置づけみたいなのが段々決まっていきました。でも、ウケるのがわかるようになっていくと、何か新しいことをしたいと思うようになって、そこで絵柄真似のネタをやったんです。あれもそこそこ反響があって。


――普段の絵柄がシンプルなだけに、絵柄を変えられるんだ!と驚いた記憶があります。
ポン:家にある原作漫画のページを模写してるだけなんですけどね。パソコン見て本見てパソコン見て本見てっていうのを繰り返して(笑)。一度車の絵を描くときにトレスもやってみたんですけど、全然面白くないんですよ。なぞってるだけで線も硬くなるし。


――模写っていうのは労力もかかると思うんですけど、変化をつける手段として何故それを選んだんでしょう。
ポン:その頃上野顕太郎っていう人の漫画が好きだったんです。この人の「謹製イロイロ漫画」っていう本があるんですが、『サイボーグ009*9とか『ブラックジャックによろしく*10とか。絵柄を忠実に真似したノリとかセリフとか、話運びとか擬音にいたるまで、完璧に真似した、本人が描いたとしか思えない麻雀漫画を描くんです。なんでこんなの描けんのってくらい色んな絵を描くんですよ。絵柄真似を始めたのはこの人に影響を受けたところが大きいですね。


――なるほど、上野顕太郎さんの模写ネタがきっかけだったんですね。
ポン:ちなみに一番好きなのは『帽子男』っていう漫画ですね。ギャグマンガなんですけど、目薬が目に上手く入らないっていうネタを5,6ページにわたって劇画調で、恐ろしいほどの画力で描ききるんですよ。ここまでするかっていうくらいの表現力で、どうでもいい馬鹿臭いことを描くんです。才能の無駄遣いってあるじゃないですか。これは無駄にはなってないんでしょうけど、生きてるんでしょうけど。間違った方向にメチャクチャ頑張ってみようと思ったのは、この人がきっかけですね。

何者からか逃走している正体不明の男『帽子男』。目的も、追われる理由も一切が不明。そんなハードボイルドな彼の終わりなき逃亡劇を、細やかな筆致で、なによりくだらなく描いたギャグ漫画作品。上野顕太郎作品の顔とも言える代表的キャラクターである。


――話を伺っていると、動画を作る理由も段々変化していったように思います。
ポン:「このネタがウケるのかどうか」っていう最初の目的が達成されたら、今度は4コマを一から全部作ってみたいという気持ちが段々強くなってきたんですよね。自分オリジナルのネタを描きたいという方向に気持ちが向くようになったんです。投稿を重ねるごとに、オリジナルの4コマを混ぜるようになって、その量も段々増えて行ってたんですけど、無茶ぶり4コマで、完全にそっちに切り替わった感じでしたね。

(∵)<これが私の『車』道


――ポンさんは4コマ漫画がお好きということ以外に、車好きの一面もよく知られています。
ポン:小さい頃って合体ロボで遊んだりとか、なにかしらハマるじゃないですか。そういう感じで小さいときから、ただ車が好きで。甘いものが好き、外で遊ぶのが好きに続いて、車が好きって感じで、自分の中で特別な物ではなかったんですよね。男の子がハマるものの一つとして、車がたまたま当てはまったっていう感じでした。


――何かキッカケはあったんでしょうか? 例えば、親戚に車マニアで有名なおじさんがいて、環境が充実していたとか。
ポン:それが特にないんですよ。うちは親も割と車がすきなんですけど、自分でめちゃめちゃ改造したりとか、立派な車で遠くに出かけたりとか、車好きのやつらと会って〜とか、そういうことはなくて、ただ普通にちょっと好きなだけっていう感じで。そういうところが自分にも受け継がれてたのかなと思います。でも、より好きになったキッカケっていうのはたぶんビデオだと思います。うちの親は割と映画を見るのでレンタルビデオ店を良く利用してたんですけど、中古あがりのビデオが安い値段で売られていることってあるじゃないですか。その中で面白そうな車のビデオを買って来てくれたりするんですよ。


――車のビデオっていうと、走っている、そういう専門のやつですか。
ポン:買ってもらってたのはレースのビデオでしたね。それの中のシリーズで『ハボック』*11っていう、モータースポーツの決定的瞬間を捉えたビデオっていうのがあって。これがオールジャンル、全世界の有名なモータースポーツを網羅して、そっから面白い映像だけをチョイスして収録してあるんですね。これがもうめちゃくちゃ好きで。クラッシュ映像集みたいなのがメインなんですけど、まとめかたが凄惨なシーンを集めたって感じじゃなくて、走りの合間におこったおとぼけハプニングを中心に収録していて、ナレーションも明るく見やすいビデオだったんですよね。お手軽な感じで。みのもんたプロ野球珍プレー・好プレー大賞みたいなノリなんです。それ見ているうちに、車関係・バイク関係のレースはこういう決まりがあるんだなっていうのがだんだん自然に頭に入ってたんですよね。


――ただそれなりに車で遊んでいたのが、そっから少しその道に進み始めると。
ポン:そんな風にただの車好きな小学生だったんですけど、ある日これが絵を描くことにつながるんです。


――4コマからではなく、車から絵につながったんですね。
ポン:そうなんですよ。中1くらいのときに初めて漫画の『頭文字D*12を読んだんです。もうとにかく、車を描くのがめちゃめちゃうめえ!と圧倒されて。落書きなんかは、小学生レベルで適当に描くくらいはやってたんですけど、『頭文字D』を見て、自分もこんなふうに車が描けるようになってみたい!と思うようになったんです。それから、スケッチブック買って来て必死こいて『頭文字D』を模写するようになって。それを続けるうちに、とにかく車が描くのが好きになりましたね。一枚の紙に本気でつっこもうと思ったのは、それが結構大きな体験でした。それから『頭文字D』だけじゃなく、車そのものにも興味が出てきて、中古車情報誌を買うようになりました。あれって車の写真がいっぱいのってるじゃないですか。スポーツカーっていうのはそんなに多くないですけど、アメ車とかイタリアの車とか、色んなジャンルの車が載ってるんですよ、古いのから新しいのまで。車の絵を描くにあたってこんなに資料に適した物はないな!と当時かなり買い漁ってました。中学生が(笑)。


――通常の車情報誌ならわかりますが、中古車情報誌というのが、中学生にはなかなかミスマッチですね(笑)。
ポン:そうそう(笑)。それで、『頭文字D』は速く走るのが主題のストーリーじゃないですか。


――走り屋さんの話ですもんね。
ポン:そうですね。なんですけどそういうのではなく、ドレスアップした車とか見せる系の、カスタムカー系にも段々興味をもつようになって、次第に見ためでカッコイイものを描くようになったんです。シボレーのトラックとか。それまではスポーツカーしか見ていなかったのが、ぱっと見がカッコイイ車であればオールジャンル行ってしまうようになりました。



――なるほど、守備範囲が広くなったんですね。
ポン:そんな風にひたすら車の絵ばかり描いてみると、やっぱり誰かに見てもらいたくなってくるんですよね。で、車雑誌を運転しないなりに買うようになると、どの雑誌にもお約束として読者投稿ページがあったんですよね。案の定、車の絵のコーナーもあったので、次第に描いたものをそこに投稿するようになりました。


――そこではいわゆる常連投稿者になっていたんですか?
ポン:一時期はそういうこともありましたね。高校は自動車学科のある学校に通っていたので、みんなが読み終わった車雑誌をもらったり、宛先だけ調べて送ったり、いろんな雑誌に送っていました。車雑誌の投稿コーナーって競争率が低いので、ある程度の水準を満たしていればけっこう載る気がしますね。送ったものの半分くらいは載っていたと思います。コーナーに掲載されると、その雑誌の名前が入ったロゴステッカーがもらえるので、それがまたやる気に火をつけてましたね。


――コレクションとしての楽しみもあったんですね。
ポン:ただ、ステッカーがもらえるのは嬉しかったんですけど、そういうコーナーをやってるのってだいたいスポーツカー系の雑誌だったんです。雑誌も書いてあること自体は面白かったんですけど、高校から専門学校にあがるにつれて、趣味がそっちから古い車とかのほうに変わってきていたので、そのステッカーもいらなくなって友達にあげちゃったんですよね。自分が車手に入れても貼らねえよなぁと思って。絵も描かなくなって、そういう投稿熱は覚めちゃいましたね。それから、絵を再開するのには5年くらい期間があきました。


――なるほど、4コマを描くという発想は4コマ漫画が好きだったからこそだけど、絵を描きはじめる直接の原因は車だったんですね。ちなみに、現在は何台所有されているんでしょうか。
ポン:一台です。昔は二台だったんですけど一台に減らしました。


――おお、凄い。結構買う時もこだわったりするんですか?
ポン:いやそれがそうでもないんですよ。自分の車は、動いて壊れなきゃいいやっていう。


――意外と所有欲まではいかないんですか。
ポン:いやー欲しいことは欲しいんですけど、雪国なので、保管場所とかもあるし、冬走れなくなると困るんですよ。あと住んでるのがアパートだし。単に金がないってのもあるんですけどね。


――なるほど、使い勝手も考慮すると選択肢は限られますよね。では、お金とか環境とか、障害となる条件をまったく考えなくて良いと仮定すると、欲しい車って何があります?
ポン:うーん、難しいですねー。あの車はココがいい、この車はココがいいって色々あるので一概にどれとは言えないんですけど……やっぱり昔の日産*13のワゴンとか欲しいですね。サニー*14とかセドリック*15のワゴンとかブルーバード*16とかああいうのがいいですね。何も考えなくて良いなら。


――こういう車はどういうところが魅力なんしょうか?
ポン:なんでしょうね。古いものが好きで、好みがアメリカの古物に傾倒してるので、アメ車っぽい西海岸っぽい雰囲気がいいんだと思います。でも本当のアメ車くらいでかいのは自分には必要ないんですよ。自分も身体でかいわけじゃないし、乗り回すのも大変なので。ちょっとアメ車っぽい、カクカクっとした形の、古めのワゴンは欲しいですね。

(∵)<4コマ今昔


――さて、ポンさんも製作されている4コマですが、ご自身も4コマ漫画は凄くお好きだと思います。
ポン:好きですよ。好きだと思います。


――特に好きな4コマ漫画はなんでしょうか。
ポン:好きなのはやっぱり、和田ラヂヲさんですね。元々4コマの人じゃなくてショートギャグの人なんですけど。あとは、大橋ツヨシさんとか小坂俊史さん*17とか。『ひがわり娘』*18が好きでした。最近の人だとそれこそ大沖さん*19とか。それと、やっぱりドラクエ4コマですね。


――私はちょっと世代が違うので、タイトルを知っているくらいなんですけど、あの頃の人はかなり読んでますよね。
ポン:東方で4コマ描いてる人って、けっこうドラクエ4コマに影響される人多いと思うんですよ。あの頃の世代の人はほんと多いと思う。


――多いでしょうね。なんなら、描いてた人がいるくらいですもんね。
ポン:(笑)。そうですね、堀なんとかさん*20とかいますね(笑)。


――ドラクエ自体もお好きだったんですか。
ポン:いや、ゲーム自体はあんまりやってないんですよ。プレイしたのは、1,2,5だけですね。3や4は4コマの流れでキャラやストーリーを覚えて行きました。とにかく、作家さんが10人いれば十人十色の作風があって。この人はネタが面白い、この人は絵が可愛いな、この人はモンスターばっか描いてるな、この人はやたらこいつだけを推してくるなとか、人によって違う感じの描き方がすごい面白かったですね。


――聞いていると、なんだか東方二次創作に通じるものがあるような気がします。二次創作から原作を知ったり、人によって作風がまるで変わったり。
ポン:似てますね。同じキャラを描いてもここまで変わるのかと感心しますよ。ドラクエ自体から離れてからは、ドラクエ4コマもあまり読まなくなってしまったんですけどね。


――あとはやはりまんがタイム*21系列が多かったんですか。
ポン:うちの親がけっこう4コマ読んでて、よくまんがタイム買ってきてたんです。小さい頃からよく読んでました。


――環境もあったんですね。
ポン:そうですね。小学生でしたから、ジャンプ*22やコロコロ*23読んでるのが普通なんでしょうけど、うちはそういう少年漫画誌をあまり買っていなかったんです。雑誌は続けて買わないといけないし、量も多くなるので。その点、4コマ漫画はどこから読んでもいいし、連載も続きから読んでもそんなに支障がない。なので、単行本を買ってもらう時も、大抵4コマ漫画でした。


―― 一般の小学生とはだいぶ違う漫画体験ですね。
ポン:自分も最初は面白いものだと思ってみてはいなかったんですよ。うちの親が読み終わったのが手に届くところにあるから、まぁとりあえず読んでみるかな。なんだかんだで最初から最後まで読んじゃって。まあ暇つぶしになったな、くらいの感じだったんですけど。……そんなことしてるうちに、段々親がまんがタイム買ってくるのが楽しみになっていったんですよね(笑)。声に出して面白いとは言わないんですけど! 親が読んでるのを眺めながら、「早く読み終わらないかな早く読み終わらないかな」ってずっと待ってて、向こうが終わったらすぐばっと取ってきてました(笑)。


――気づかないうちに完全にハマっちゃってたんですね(笑)。
ポン:頭の中がもう4コマ好きになってたのかもしれないです。


――話を伺っていると、ポンさんはいわゆる真っ正直にネタ勝負というか、昔からの4コマらしい4コマがお好きなように感じます。
ポン:そうですね。今まんがタイム見るとびっくりしますよね。『おとぼけ課長』*24がなかったら少女漫画雑誌かと思うくらいになってて。


――キレイ系の絵柄が増えてきてますよね。
ポン:おとぼけ課長がまんがタイムでこんなに浮くんだー……って軽く衝撃でしたね。とは言え、そういう4コマが悪いわけではなくって。最近の美少女系の4コマの人だと『トリコロ*25っていう作品はかなり好きです。連載は中断しちゃってるんですけどね……。


――動画の絵柄リスペクトでも描かれていましたね。
ポン:この漫画は、絵はパッと見美少女系のまんがタイムきらら*26って感じですけど、ネタがすごいしっかりしてるんですよ。うまく言えないですけど、一回の話で16本4コマがあるとするじゃないですか。一つのストーリーを進行させつつ4コマ目でちゃんと落として、っていうのをすごいきれいにまとめるんですよ。4コマ漫画としてもストーリー漫画としても読めるというか。最初に出した主題を本当に最後のほうできれいにまとめて、そうしつつ途中の流れがちゃんと4コマで落とされてて、すごくきっちりしてるんです。話しづくりがすごく上手いなと思いました。


――話にも力入れてらっしゃるんですね。
ポン:これはすごく思うんですけど、自分も『あずまんが大王*27は持ってるんですけど、4コマってあずまんがの前と後でだいぶ変わりましたよね。


――変わりましたね確かに。
ポン:あずまんが登場してから、ギャグとしての面白さより、ほのぼのとした可愛い女の子の日常みたいな需要が増えたのか、一気に萌え系4コマみたいなのが色々出来て。あずまんがは割りと好きで、これはこれでありかなーと思って読んでたんですよ。友だちもやたら買ってたりして。絵も可愛いし、ネタも全力で笑わせる感じじゃないけど、寝る前にぱらぱらと見て、いいなーと思うような感じで。これは完全にこっちの話なんですけど、自分があずまんがに感情移入した理由って、登場人物たちと時系列が一致してたからなんですよね。大阪達が高校二年生のときに、自分も高校二年生だったんです。


――キャラクターとともに歳を重ねたんですね。
ポン:だから最後に卒業ってなったときに、言い知れない悲しさを覚えましたね。卒業しちゃうんだーって思って。


――その後、萌え4コマブームを作ったあずまさんが波に乗らず、あずまんがの後に『よつばと!*28に行ったときは凄いなぁと思いましたね。
ポン:でもやっぱり4コマ漫画って、ギャグであれば意外性出してなんぼだと思うんです。想像がつきそうなことが、想像がつきそうな感じに終わる っていう感じにはあんましたくないんですよね。100円が落ちてました→交番に届けました→よかったね みたいな、そんなノリが最近多いというか。そこでなにかひっくりかえるような何かを、最近はあまり見ない気がします。こういうこと言うと煙たい顔されそうですけど(笑)。


――いやいや(笑)。
ポン:あと最近はやってる4コマ漫画って、狙いがすごく狭いと思うんです。例えば、何かの部活の日常を描く、みたいなお話とか。その部活をやってた人にはいいかもしれないけど、他の人にはあんまわからない4コマっていうのが増えてる気がするんですよね。すっと入り込みにくいというか。


――なんというか、意外性が、設定のほうに寄ってる感じはしますよね。
ポン:そうですね。新聞の4コマって、家族の構造とかって、名前とか知らなくてもわかるじゃないですか。おじいちゃんに対してお母さんが何か言ってるってのは、一目みればわかる。それをおじいちゃんがパソコン研究部に入っててですよ、こういう活動してますとか、そういう話って前情報として必要じゃないじゃないですか。


――そうですね(笑)。
ポン:4コマ漫画って、どっから見てもぱっと見て流れがわかって、その中に意外性があって、変化があって面白いなっていう感じが自分は好きなので、キャラ設定が先行しすぎると、入り込みにくくなるように感じちゃいますね。このキャラはこれこれを食べれないとか、そういうのこっちは知らないじゃないですか。いきなり50ページから言い出しても。だから、のめりこめないんですよね。1から読めばのめりこめるのかもしれないけど、4コマ漫画ってだいたい雑誌を開いて目にはいったものを途中から読み始めるので、そういう時に前々から知っとかないといけないやりとりをされると、読みにくくなっちゃうんですよ。


――作品の設計論自体が変わってるんでしょうか。
ポン:時代の流れでウケるものは変わっていくものなんでしょうけどね。

(∵)<無茶ぶりと合作


――すっかりポンさんの4コマ漫画のもう一つの魅力となった感のある無茶ぶり企画ですが、どうしてこのシリーズをスタートさせたんでしょうか?
ポン:最初は、「無茶ぶりリレーの4コマを自分なりにやってみた」っていう動画を投稿するつもりだったんですよ。同時期くらいに、東方手書き作者のコミュニティがあったんですが、あれの合作企画に、62人がかりの無茶ぶりリレー動画っていうのがあったんです。メチャクチャなお題を振って、振られた側がそれを描くっていう。アレを凄くやりたくてコミュニティに入ったんですけど、その企画は頻繁にやっているわけではなく、かといって突然そのことを話し始めるような人間でもなかったので、しばらく放置してたんですね。もう自分の中で、こういうお題が来たらこういう絵で返そうかなっていうのも、いくつか出来てたんですけど(笑)。で、ある時それを思い出して、無茶ぶりのお題を、4コマで再現したら面白いんじゃないかと思ったんです。


――なるほど、無茶ぶりリレーのお題を、全部自分でやってみると。
ポン:でもそうすると62本も4コマ描かないといけないんですよ。きついじゃないですか(笑)。それに、自分以外の誰かにあてられたお題を自分が4コマにするのもおかしな話かなとも思って。コミュニティに参加してるとはいえ、いきなり関係ないところから「勝手にやってみましたー」ってのもどうかという気がしたし。で、少し前からtwitterを初めて、東方作者の人を始め、色んな人と気軽にやりとりもするようになったので今度は手書きコミュとかじゃなくて、twitterでむちゃくちゃなお題を募集して、それを4コマにしてみようと思いついて。それで無茶ぶり東方4コマを作ったんですよ。


――無茶ぶり東方4コマは……加速度すごかったですよね。
ポン:あれは自分でも驚きましたね(笑)。


――それ以前からポンさんの名前はもう知ったんですが、当時見てていきなりこの人すごい有名になったなって感じてました。
ポン:自分も自分で思った以上に伸びたのでびっくりして。twitterで募集したお題を元に作ったものですっていう説明も書いて、自分のアカウントのリンクも貼ってたんですけど、3日でフォロワーが800人くらい増えてて(笑)。なんだこれはと。


――回を重ねるごとにリクエストも増えたんじゃないでしょうか?
ポン:最終的に500本くらいきてましたね。それを全部4コマにしてると1年かかっても終わらないので、申し訳ないんですがある程度選別させてもらってます。



――今後リクエストが選ばれやすくなるための、コツとかあれば教えていただけますか。
ポン:あまりにも単純すぎるものや、他の誰かがすでにやっているネタは申し訳ないんですが選ばないようにしてますね。そういうのは他のものと混ぜたりだとか。あと、自分で選ぶとどうしても簡単な方にいってしまうので、たまにおもいっきり無茶苦茶なものをわざと選んだりもしています。


――最近は、東方ママレード・ボーイ*29でも4コマを描かれて。
ポン:合作でしたね。


――あれは新境地でしたね(笑)。ポンさんが百合!?っていう反応多かったですが。
ポン:そうはならないだろうっていう人選ですよね(笑)。あの動画はほんとすごいと思います。百合?って言われると微妙なところありましたけど(笑)。


――アレは合作企画としても凄く良い作品だと思いましたね。参加した人たちの選び方が上手いなと思いました。
ポン:ガチのストーリーあり、ギャグあり、PV風ありですからね。あんなにバラけると思いませんでした(笑)。軽く誘われて、「あ、いーよー」って作ったものを渡したんですけど、出来上がった動画があんなふうになってて驚きましたね。あんなに方向性が違うんだと。それぞれ個性も出てるし。機会があればああいう企画にもまた参加したいですね。

(∵)<ポン流4コマの作り方!


――では実際に、4コマを作りかたとしてはどういうことを意識されていますか? 4コマはネタの消費テンポも速いと思いますが。
ポン:自分の場合は、いわゆるネタ本っていうのを昔から読んでまして。これがネタのベースとは言わないですけど、影響は強く受けてると思います。ファミ通町内会*30とか、ゲーム帝国*31とか。ハガキのやりとりがめちゃくちゃな奴なんですけど。そういうのが昔っから好きで。VOW*32とかもよく読んでいました。変な看板とか誤植とか、いかがなものかと思うキャッチコピーとか。あれがすごい好きです。あとはバカドリル*33とか。
あとはちょっと真面目系のものだと、自分が小学生くらいのころにはもうあったと思うんですけど、『マーフィの法則』という本ですね。いわゆるあるある系の走りといえる本です。これあるって納得してしまうネタが凝縮されてる本なんですよ。元はアメリカの本なんですが、続刊では日本向けのネタを中心に収録してるので、そっちはわかりやすくなってますね。

21世紀版 マーフィーの法則
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誰もが身に覚えのあるネガティブな笑える経験を、さもそこに法則が存在するかのように言い表したジョークの一種・マーフィの法則。アメリカ空軍のエンジニア・エドワード・アロイシャス・マーフィー Jr.大尉が装置のセッティングミスを指摘し、「失敗する方法があれば、誰かはその方法でやる」と語ったことが由来であると言われる


――ほうほう。
ポン:オフィス学やマスメディア学、趣味学や恋愛学といった具合に分かれてるんですが、だいたい一言ネタなんですよね。「横にいる男のかっこ良さと、女の酔いやすさは比例する」「あなたにやさしい相手は、だれにでも優しい」「若くさえあれば、ニュース沙汰になれば頭に『美人』がつく」 これなんかは今でもそうですよね。


――『美人すぎる海女』とか今でも話題にされますもんね。こういうネタ系の本が、4コマ製作の糧になっていると。
ポン:あとは、最初に言った、何かを吸収したかった時期に見まくった漫画や映画もネタ元になってますね。最近はインプットが全然できていないんですが。


――4コマを描くにあたって気をつけていることはありますか。
ポン:何というか、辻褄を合わせるようにしてるんですよ。1コマ目で登場したコレは何故出てきたのか、とか。4コマ目で最終的にそのオチをぶん投げるようなことになってもいいんですけど、なんというか、話が支離滅裂にはならないようにしています。例えるなら…ちょっとむずかしいんですよね例えが。


――そういえば、ポンさんにインタビューするにあたって、ちょっとおもしろい本を買ったんです。河出書房新社から出てるいしいひさいちさん*34のムックなんですけれど。これ、巻頭に、いしいさんのインタビューが載ってるんですよ。
ポン:いしいさんですか。言われてみれば、今までインタビューとかされてないですよね。

2012年に発売された『総特集いしいひさいち』。人前に現れず、自ら発言する機会をほとんど持たなかった氏の、そういう意味では貴重な特集本。4コマ作家からの寄稿や仕事場の公開などの企画もさることながら、巻頭20Pに渡る本人の直筆インタビューは、40年間4コマを描き続けた氏の思考体系が伺える貴重な資料である。


――ほとんどないですね。しかもこのインタビューは実際に行われた訳じゃなくて、いしいさん自身が描き下ろしたものなんですよ。ののちゃん*35が大人になった姿を新聞記者として登場させて、彼女がインタビュー取材を敢行しているという体裁なんですが。
ポン:面白いなぁそれ。気になりますね。


――いやほんと良いものですよこれ。中盤あたりから4コマ論の話に入っていて。「いしいさんは4コマの起承転結のセオリーを破壊されたと言われますが、その辺どうお考えですか?」っていう質問に、「いや、4コマにそもそも起承転結のセオリーなんて存在しません。起承転結に則って描く者はプロにはおりません。4コマ全体で『腑に落ちれば』いいわけで、4コマ目で落とす必要すらない」と仰ってるんですが。
ポン:そう、まさにそういうこと言いたかったんです!(笑) 4コマが起承転結でないといけない必要なんかないと思います。話の辻褄があっていれば、どこかが面白ければそれでいい。別に出落ちでもいいし、最後までモヤモヤした感じでもいいし。起承転結にとらわれ過ぎないほうがいいと思いますね。


――おお、いしいさんの考え方と完全に一致するんですね。
ポン:面白い!って感じるときって意外性がはいったときなんですよ。だから4コマを起承転結だと思い込んでる人には、出落ちが効果的なんですよね。自分はテンプレを崩すのが重要だと思います。ネタにもしやすいし。例えば桃太郎。「桃太郎」ってタイトル聞いただけで、始めから終わりまで何が起こるかって思い浮かびますよね。そこに全然関係のないモノをはさむだけで意外性が出て面白くなる。


――ほうほう。
ポン:例えば、どんぶらこどんぶらこと桃が流れてきますよね。仮に桃が静かに流れてきて、それをおばあさんが洗濯に夢中で気づかなくてスルーしてしまったら、それだけでもう意外性が出来るんですよ。桃太郎の話が成立しなくなるので。他には例えば、桃から生まれたから桃太郎じゃなくて、どんぶらこどんぶらこ流れてきたから、この子の名前はドン=ブラーコにしよう、ってことになったら。


――もう桃太郎じゃなくなりますね(笑)。
ポン:メキシコ人みたいになっちゃいますからね。しかも育っていくごとに、どんどんメキシコ人みたいな服きてテキーラ呑んで…ってこれで、もう意外性としてできちゃうんですよ。元からあるテンプレートを崩すっていうのはすごく効果的なやり方だと思います。


――なるほど……。
ポン:もし、仮に起承転結が4コマのセオリーだとしても、それだと飽きてくるんです。意外性があるのが4コマ目、というのがわかりきってると、3コマ目まで説明にしかならなくて、単調になっちゃうんですよ。ずっとそれだと飽きてきちゃうから、出落ちだとか入れて変化をつける。これから4コマをギャグで描こうとしている人は、起承転結は考えないほうがいいと思います。元々4コマは起承転結でないといけないなんてルールはありませんからね。


――意外性、そして話を成立させるための辻褄合わせが重要ということですね。
ポン:わざとそういうのをやぶるときもありますけどね、変化をつけるために。基本はそういう形だと思います。いしいさんも言っていましたが、4コマ全体で腑に落ちればいいわけですからね。しかし面白そうですねそのムック。今度買ってみようかな。


――そういうのを踏まえた上で、具体的に4コマを描くにあたってのコツとかありますかね?
ポン:ネタの出し方について言えば、最初のとっかかりをどうやって作るのかが重要だと思います。自分の場合は、単語から出します。例えば身の回りにあるものだと、スピーカーとか、腕時計とか。祝日、麦茶、目薬、とこういう単語をメモして置いておくんですよ。で、東方4コマだと、これと誰かをくっつけてネタを作ります。ちょっとやってみましょうか。げんきゅーさんの目の前にはなにがあります?


――えーと、電子辞書とか、ホッチキスとかですね。
ポン:ではホッチキスで。ホッチキスは何かを閉じるための道具ですよね。これと東方キャラの誰か……。


――紙をメインに使うといえば、射命丸が浮かびますね。
ポン:阿求でもいけそうですね。別にホッチキスとわからなくてもいいんです。「なんだこの道具は」ってなって、そこから始めてもいい。


――こういうの見つけそうなのだと、魔理沙ですかね。
ポン:それを香霖堂に持って行って。


――これはなんだと訊くわけですね。
ポン:そうすると「紙をとめるための道具だよ」と説明されますから。


――「髪をとめる道具」か、と勘違いしたりして。
ポン:どうやって使うんだと聴いたら、「中に針が入っていて、ばちん!だよ」って言われて。当然おっかないですよね。


――ヘアピンみたいなのだと思ってるでしょうからね。
ポン:で、とめた髪はどうなるんだ?と聴いたら、「穴があくね」と返ってくる。勘違いが進みますよね。


――あるいは、「何の道具なんだ?」「紙をとめるのさ」「(神を仕留める!?) どうやって?」「穴を2つあけて…」「穴を!?」って方向でもいけそうです。
ポン:そうそう、そんな感じで作っていくんです。けっこう思いつくでしょ? 


――やってみると、確かにそうですね。
ポン:こういう広げ方ですね。あまり東方と関係がない場合は、ここに能力なんかを嵌めこんでいく。パズルみたいなもんなんですよ。はまるときはぴたっとはまる。はまんないときは、まぁはまんなくても描きたいと思ったら描いちゃいますけど。あとはそれをつじつまを合わせて4つに分けるだけなんです。


――なるほど、これは実践しやすいですね。
ポン:あとは、自分の生活に変化を積極的に取り入れるのが重要だと思います。例えばいつもとは違う道を通ってちょっと遠回りしてみるとか。弁当じゃなくて今日はパスタとパンにしてみるとか。そんな風にいつもと違うことを選んでみる。積極的に変化を見つける。広く浅くですけどね、自分の場合は(笑)。


――自分の興味のないものでも、思いついたら積極的に取り込んでみるのが大事なんですね。
ポン:やっぱり、自分の頭の中でだけで考えていると、頭のなかに入る言葉の情報量って限られているので、そこにない言葉って出てこないんですよね当たり前ですけど。その頭のなかにない言葉を、無理やりどこからか仕入れないといけない。だから全然興味のない雑誌や本、例えばタウン情報誌を読んでみるとか(笑)。タウン情報誌を読まないとわからない情報は少なからず入ってきますから。そこからネタを仕入れる感じですね。


――経験することが大事なわけですか。4コマ以外にも言えることですよね。
ポン:取り込むのは漫画のみに限っても、ダメってわけじゃないですけど、やっぱり情報は限られてしまうので。自分もネタが出なくなると、4コマ描くのやめて他のことをするようにしてます。飯食いに行ったり服買いに行ったり。それで帰ってくるころには、何か情報を受け取って思いついてますからね。机の前でウンウン唸ってても思いつかない。色々経験してみるのがネタ作りには重要だと思います。


――なるほど。他の4コマ描いてる人と話すとどうですか?やっぱりネタの出し方に違いありますか。
ポン:あんまり話したことないんですよね。イベントとかで遠くに行ったりしても、イベントに忙しくて。打ち上げでもたいてい馬鹿話で終わっちゃって、ものづくりの話まで行かなくて、こんなふうに話す機会はないです。ほんとは話したいんですけどね。


――他の方と作り方を比べてみるのも面白そうですね。
ポン:あと、4コマだけじゃないんですけど、話の作り方として、まゆげさんの話作り講座*36という動画がすごく参考になりましたね。長編を作る人でも4コマ作る人でも、ストーリーの長い短いに関わらず、創作をしたいと思っている人は見ておくといいと思います!

(∵)<4コマ作家はへそ曲がり!?


――現在はインプットすることより、アウトプットの作品作りを趣味のメインに据えているポンさんですが、いつか、過去の趣味と同じように、漫画や絵を描くということにも、飽きるかもしれないっていう気持ちはありますか?
ポン:いや、今のところないですね。あれもやりたい、これもやりたい、時間がないっていう感じなので、よっぽど何かが無い限り、ずっとこれで遊んでると思いますね。自分にとっては遊び道具なんですよ、コレ。何かを描いたりして、それに反応が返ってくるのが面白いので。


――しばらくこれは続くだろう、と。
ポン:ですね。お金もかからないし。でもたまに、こういう4コマばっかり描いてると、すごいストーリー系の作品とか、書き込まれたイラストなんかを見ると、「なにやってるんだろう」っていう思うことあるんですよね(笑)。


――でもギャグも描くのに凄い技術いりますからね。ギャグの連載は4年と続かないと言いますし。
ポン:いやでも、ギャグって感動させるまで人を動かすことってできないんですよね。その場で人をワハハと笑わせることはできても、後からあれはすごかったよな、と人を震わせられるようなモノにはならないんです。一過性のモノで終わってしまう。


――エンターテイメントの宿命と言いますか。
ポン:以前例大祭のイラスト企画で村上さん*37が投稿した、「無意の深淵」ってイラスト*38があったじゃないですか。


――はいはい。
ポン:あれみた瞬間ほんっと俺なにやってんだろうって(笑)。一枚の絵でこう、ガーンときたと言うか。心折られそうになりましたよね。どうあってもこの人に、逆立ちしても勝てねえ!って思い知らされたと言うか。


――4コマでは、読んだ人をこういう気持ちにさせられることはないだろう、と実感したわけですね。

ポン:そうなんです。でもあれを見て、じゃあ俺はこっちで頑張ろう!と思ったところもありました。


――なるほど、奮起させられたところもあったと。

ポン:ちょっと話がズレるんですが、4コマでギャグやシュールを描く人って、本当へそ曲がりが多いと思うんですよ。


――へそ曲がりですか。
ポン:右向けって言われても素直に首を振らない。左側から首を一回転させて右向く的な。


――気管がぎゅうぎゅうなってても構いやしねえと(笑)。
ポン:あるいは目だけ右を向くとか。どんなふうに右を向いてやろうかと考えるんですよね。どう予想を裏切ってやろうと常に考えてる。そんな風に、へそ曲がりが多いところだと思います。


――へこたれないへそ曲がりの思考が大事なわけですね。
ポン:そのままやったらその場で終わっちゃうわけですからね。東方や4コマにこれから先、新しい人が入ってきて――ジャンルが充実していくという意味ではもちろんいいことなんですけど――そういう人達に凹まされることがこれからあっても、俺はその人らに負けないくらい、良い物を4コマで作っていこう!とちょっと意地が悪いくらいのことを、今は思ってます。


――そんなポンさん、今後はどのように活動していかれるんでしょうか。無茶ぶり4コマの次回時期などは……?
ポン:やりたい時にやりたいことをやってるのでわからないですね。初めて無茶ぶり動画をだしたあたりは、転職を考えていて、何もしてなかった時期だったんですよ。求職活動をしつつ、今どうせフリーなんだしと思って、やりたいことやってたんです。時間が割とある間に無茶ぶり4コマ2を作ったり、夏コミや紅楼夢に行ってみたり。で、行きたいところ行って、作りたいもの作って、紅楼夢が終わってあー楽しかったっていうところで転職したので、こっちとしては大変充実した1年でした(笑)。


――密度の濃い期間だったんですね。
ポン:ですね。twitterを始めた年の1年は本当に濃かったです。その頃に比べると、今は仕事もありますし、イベントに向けて本も作っているのでちょっと投稿の間隔があいてしまってますね。本を作ると動画が作れず、動画を作ってると本が作れなくて、どっちかは必ずおろそかになっちゃうんですが……ただ、本は誰にも言われず自分で描けるのが面白いし、無茶ぶりはリクエストに上手く応えられると面白いし。どっちも面白いんですよね。


――どっちにも違った楽しさがあると。
ポン:動画から出た人間なので、同人誌作りにかまけて動画を投稿しなくなると「あの同人に行っちゃったな〜」って思われそうなんですけど、やっぱり、そっちはそっちで面白いんですよ。同じ東方動画作ってる人を見てみたいし、そういう人らが出てる例大祭には行ってみたいし、イベントに出るのであれば、自分の作るモノを出し物として出品させてみたい。とは言え、今後も時間があけば、普通に動画も投稿したいなぁと思っています。


――わかりました。では最後に、作品作りをこれからするかたに対して、なにかあれば。
ポン:求めているものがなんであれ、面白いモノが見られたらいいなぁと思います。たまにtwitterの流れで、「絵師さんと仲良くなりたい」とか、「輪の中に入りたい」っていう言葉を見かけるんですけど、その気持ち自体は別にいいと思うんです。でも自分は、以前とある本で読んだ「何かが欲しければ、まず与える側になりなさい」という言葉がそれへの答えなんじゃないかなと思います。例えば東方の作品を作ろうとするんだったら、そりゃ作ろうとするくらいなんだから、東方は好きではあるじゃないですか。これに加えて、東方以外の、自分の好きなモノとか、得意なモノを掛けあわせて作品を作る。すると、そういうのが好きな似たような人は集まってくるでしょう。あたりさわりのないものを作るというよりも、尖っている、個性を出すのは重要だと思います。「この人と言えばこれ!」くらいの。そういうのがあるといいんじゃないかなと思います。


――ありがとうございました。本日はお疲れ様でした。
ポン:こちらこそ、ありがとうございました。

次回は初の二人同時インタビュー! 東方SS作家の野田文七さんと、そのコミカライズをされているこゆびさんが登場予定!乞うご期待!

*1:日本の9人組スカバンドディスコグラフィーに『市松ロケット』、『STARS』など。

*2:日本のインストゥメタルバンド。ディスコグラフィーに『SURF PANIC '95』など。海外でも評価の高いサーフギタリスト・中シゲヲを中心に結成されている

*3:4コマ漫画。作者は氷川へきる。天才少女・レベッカ宮本が教鞭をとる、私立桃月学園1年C組の日常を描くコメディ漫画。2005年には『ぱにぽにだっしゅ!』のタイトルでアニメ化されており、インタビュー中で話題になっているのはそのOP

*4:魔理沙は大変なものを盗んでいきました』。同人サークル:IOSYSの東方アレンジ楽曲。ボーカルは藤咲かりん(現:miko)氏。ニコニコ動画においては、カギ氏が制作したFlashPVが早い段階にUPされ、その中毒性から爆発的な再生数を記録した

*5:シューティングゲーム。販売元はセイブ開発。縦スクロールのシンプルな作りで、世界中で大ヒットを飛ばした

*6:同人作家。時に転々々々とすら称される、予想の七次元上の4コマを一貫して描いており、pixivで公開された作品はニコニコ動画でも編集され公開されている。当サイトの第6回インタビューにも登場いただいた

*7:漫画家。代表作に『和田ラヂヲのここにいます』など。ふらりと参加した「梅干の種飛ばし高松大会」で優勝、後に全国大会にも参加し日本一の座を勝ち取った、日本最高の梅干しの種飛ばシストでもある

*8:漫画家。代表作に『エレキング』など。非常にシンプルな線と、日常の中に不条理を織り交ぜたギャグが持ち味。

*9:漫画作品。作者は石ノ森章太郎。改造され、人ではなくなってしまった島村ジョーら9人のサイボーグ達が、創造主である「黒い幽霊団(ブラックゴースト)」に反旗を翻し、野望を打ち砕くために戦い続けるSFストーリー。20年全8期に渡る未完の大作であり、現在でも様々なクリエイターの手により続編やリメイクなどが制作されている

*10:漫画作品。作者は佐藤秀峰。どこまでもまっすぐな研修医・斉藤英二郎が、医局の現実や不条理にぶつかりながらも、患者を救うために奔走する医療ストーリー。講談社小学館と出版社を経て連載されていたが、現在は作者の手により著作権フリー化が行われ、web上で無料で読めるほか、あらゆる二次利用も全面的に認められている

*11:ウィック・ビジュアル・ビューロウから販売されている、ヨーロッパで人気のクラッシュ映像集。日本ではベスト・オブ・ハボックの名前で日本語訳版が発売されている

*12:漫画作品。作者はしげの秀一。父親の愛車を駆り、公道最速を目指す男・藤原拓海ら走り屋の青年たちの戦いを描く青春グラフィティ漫画

*13:日本の大手自動車メーカー。代表的な車種にフェアレディZGT-Rなど。現在はフランスの自動車会社・ルノーの実質的な傘下となっている

*14:1966年から2004年まで製造・販売していた日産の自動車。実用性と経済性、信頼性に優れた大衆車ブランドとして長年に渡り支持されていた

*15:1960年から2004年にかけて製造・発売していた日産の上級セダンブランド

*16:1959年から2001年まで生産・販売していた日産の自動車。

*17:漫画家。代表作に『せんせいになれません』『おかん』など。ゆるく親しみやすい絵柄と鋭いギャグで精力的に作品を書き続ける、伝統的な4コマの流れを汲む作家

*18:4コマ漫画作品。作者は小坂俊史。毎回役職とシチュエーションの異なる主人公・笹木まみの活躍を描くコメディ作品

*19:漫画家、同人作家。代表作に『はるみねーしょん』『ひらめきはつめちゃん』など。デフォルメのきいたキャラたちが繰り広げる、言葉遊びを織り交ぜた会話劇ギャグ4コマを得意とする。東方二次創作的には\すげぇ/チルノの人でもある

*20:かつてドラクエ4コマ劇場において破天荒なギャグで人気を博し、最近では同人サークル「シルバーチョップ」を立ち上げ、東方projectを中心に同人活動なども行なっているあの人のこと。ていうか堀口レオさんのことである

*21:芳文社から発刊されている漫画雑誌。代表される連載作に植田まさし『おとぼけ課長』など。日本最初の4コマ漫画専門雑誌。

*22:言わずと知れた集英社から発刊されている少年漫画誌ドラゴンボールやワンピースなど、誰もが知っている人気作を輩出しつづけている

*23:小学館から発刊されている漫画雑誌。低年齢層向けの作品が多く、玩具会社とのタイアップで様々なブームを牽引してきた雑誌でもある

*24:漫画作品。作者は植田まさし。芳文商事の課長を務めるおとぼけパパの会社と自宅での日常を描く

*25:海藍の4コマ漫画作品。ふとした出来事から知り合うこととなった、七瀬八重ら4人の女の子たちの日常を賑やかに描くコメディ作品。まんがタイムきららの創刊から人気を博した、萌え4コマの草分け的作品の一つ

*26:芳文社から発刊されている漫画雑誌。いわゆる萌え4コマを初めて専門として取り扱った雑誌であり、代表的な連載作には、アニメ化された『けいおん!』など。月刊誌の『まんがタイムきららフォワード』、新人発掘に主眼をおいた『まんがタイムきららMAX』など、姉妹誌も非常に多い

*27:あずまきよひこの4コマ漫画作品。どこにでもいるようでちょっと変わった女子高生たちの、くすりと笑える日常を切り取った『超本格女の子エンターティメント』(当時の帯より)。女の子の可愛さが重視された作風は、のちの萌え4コマムーブメントの走りだった。2009年にはあずま氏自らが全編に渡り大手術を行い、ノリを現代風に調整した新装版も刊行。

*28:漫画作品。作者はあずまきよひこ。怖いモノ知らずの女の子・よつばの発見に満ちた、何気ない日常が丁寧に描かれたストーリー作品

*29:東方手書き作者のベネットさんが主催した動画合作企画。参加者それぞれが指定したカップリングを振り分け、それに応じた百合動画を作るというシンプルな内容。一癖も二癖もある参加者たちの繰り出す百合は非常に前衛的で、様々な方向性の作品が集うボリュームある動画となった

*30:ゲーム雑誌・ファミ通で長年に渡り連載されている読者投稿ページ。非常に質の高いネタ投稿が集うことで有名で、近年では一年ごとに投稿作をまとめた単行本も発売されている

*31:ファミ通で連載されていた読者投稿ページ。読者の珍奇な質問に、ゲーム帝国の支配者たちが珍奇な回答で返す質問コーナーを中心に三つのコーナーが連載されていた。2005年に帝国滅亡と称し連載は終了済み

*32:『宝島』で連載されていた読者投稿コーナー。Voice Of Wonderlandの略であり、町中で見かけた変なモノを写真に収めたネタが非常に有名

*33:フリーペーパー『GOMES』に連載されていた漫画作品。作者は、天久聖一タナカカツキ。教科書風な絵と文章で、様々なくだらないネタを描くネタ作品。回し読みで目にした人も多いはず

*34:4コマ漫画家。代表作に『ののちゃん』『問題外論』『がんばれ!!タブチくん!!』など。毒のある風刺と、実在の人物を戯画化した憎めないキャラクタで、野球、ミステリ、時事問題など、多岐にわたるジャンルを描く4コマ漫画界の雄。作品傾向から敵が多く、引越しを繰り返しているという

*35:いしいひさいちとなりの山田くん』『ののちゃん』のキャラクター。勉強より遊び、浮いた話より今日のおやつで忙しい、元気な小学3年生。どこかひねくれたキャラの多いいしい作品の中にあって、非常に素直で純真な性格をした主人公である

*36:ntcrシリーズで知られる東方手書き作者・まゆげさんが、作品完結後に投稿した講座動画。自分なりに作品作りについて勉強してきたまゆげさんが、プロットの作り方をメインに話作りのノウハウを解説している

*37:東方手書き作者。作品に『博麗霊夢は金がほしい』『ふゆのひまわり』など。練られたシナリオ構成と緩急の妙で、魅せるストーリー動画を多数制作。当サイトの第5回インタビューにも登場いただいた。最近では生放送でお絵かき配信や自作ゲーム企画なども行なっている

*38:pixivで行われた例大祭イラストコンテストで、村上さんが投稿したイラスト作品。地霊殿のキャラクタを描いた6枚のイラストからなる大作であり、地霊殿チームのコンテスト優勝を導く中盤戦の原動力となった。