フェイクシティ ある男のルール
ジェイムズ・エルロイが脚本だったことを知ったので(via: http://d.hatena.ne.jp/FUKAMACHI/20090213)、先週の金曜観に行った。
話の筋などは置いて、中盤「ジム・トンプスンの『おれの中の殺し屋』っぽいなー」と感じた。というのは、『おれの中の殺し屋』の主人公ルー・フォードが自分の嘘によりのっぴきならない状況に追い込まれていくのと同様、この映画の主人公トム・ラドローは自分のしたことと自分の述べた真実により、のっぴきならない状況に追い込まれていくからだ。そういえばルー・フォードとトム・ラドローは名前も似ている。いないか。
面白いのはそこからで、ルー・フォードが自分の犯罪と嘘により追い込まれ破滅したのに対し、トム・ラドローには上司の庇護により平穏が与えられる。そして彼にとっての苦闘が始まっていくことになる。
オチは予想の範囲を出ないが、甘美な敗北も許されないという点で、やはり『おれの中の殺し屋』とは対称的であるなあと思った。
- 作者: ジム・トンプスン,三川基好
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 文庫
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