2010年を振り返る
今年を振り返ると、私生活では就活と卒論が忙しかった。開発関係ではMouseとXslateの開発に大きく力を注いだ。来年はいよいよ社会人となる。遅い社会人デビュー*1だが、まあこんなものだろう。今はただ、働き始めるのが楽しみである。
一方反省点としては、まず英語でのコミュニケーションがやや疎かであった。2009年の反省でも同様であったので、来年こそもっと積極的になりたい。次に、あまりネタに走れなかったことが悔やまれる。Acme::Don't 2.0のように、思わずニヤリとするようなネタはそうそう思いつくものではないが、ハッカーが遊び心を失ってはならない。今年はあまり余裕がなかったのも確かなので、来年はもっと余裕を持ちたいものである。
以下、2010年の主な記事を取り上げてみた。振り返ってみると、そこそこブログは書いていたようだ。
- File::Spec::MemoizedはPath::Classがボトルネックになっているときには試してみるとよい。しかし、Path::Classそのものに手を加えるほうが真っ当といえる。
- Data::Cloneは佳作だが、テストがコケる環境もあるので近いうちに手を入れたい。
- return;とreturn; undefの違いについて考察したりもした。
- どうすればプログラミングが上達するのかということについての考えは、基本的には変わっていない。はじめの一歩として、ある言語からある言語へコードを移植するというのは悪くない。
- XS基礎文法最速マスターは一連のブームに乗ったもの。
- perlインタプリタの最適化について考えたりもしたが、いまのところ成果は出ていない。
- bytesプラグマがdeprecatedになった件については先の使っちゃいけない標準モジュールでも触れた。
- Test::Varsはauthor's testとしてよく使っている。
- Text::ClearSilverはid:Craftworksさんの依頼で作成した。この時の経験が後にXslate開発の動機となる。
- 就職が決まったのは4月半ばであった。Xslateの開発を開始したのもこの時期である。
- Tsukuba.xsでもXslateについて発表した。当日に遅刻してしまったのも今となってはいい思い出である。
- XSでメモリリークを避ける方法は、XS初心者向けの記事である。
- Class::Accessor(::Fast)がimport()を持つようになったことは、継承ベースのこのモジュールにとってはバグを生み出すことになった。今はClass::Accessor::Liteを使うほうがいいだろう。
- XSでCの文字列操作関数は利用すべきでない理由もXSを書くテクニックについての記事だ。
- Re: Perlスクリプトの一行目には何と書くべきなのかはなぜかブクマが多かったが、その理由はよくわからない。
- MouseX::ForeignはMooseX::Foreignができて初めて完成するものなので、早くMooseX::Foreignを書かなければ。
- /x modifierはもっと使われていい。
- Compress::Raw::Zlibを使うのは案外簡単だった。
- Data::Validatorは、書いたはいいがまだあまり使う機会がない。
- 5.14でeach $hashrefなどができるようになるのは非常に楽しみである。
- base.pmを避ける理由も明文化できてよかった。
コミュニティとの関連では以下のイベントで発表を行った。内容は主にPerlの新機能やMouse、Xslateに関するものが多かった。
- Shibuya.pm#13 at OSDC.TW
- Yokohama.pm #5
- Yokohama.pm #6 x Perl Casual #3
- Shibuya.pm #14
- YAPC::Asia 2010
JPerl Advent Calendarにもいくつか記事を書いた。
- Pseudo closures in XS(English Track 3rd)
- Cygwin Perlに関する小ネタ(Win32 Track 17th)
- Text::Xslateで安全なテンプレート生活を送ろう!(Hacker Track 21st)
- 使っちゃいけない標準モジュール(Casual Track 23rd)
- Mouseに関する4つの誤解(Hacker Track 25th)
また、Perl HackersによるWEB+DB Pressの連載「Perl Hackers Hub」で執筆する機会をいただいた。これはとても楽しい経験だった。また機会があればなにか書きたい。
コミッタとして関わったりパッチを送った主なプロジェクトは以下のとおりである。
来年も充実した一年にしよう。
cf. 2009年を振り返る
*1:来年私は29歳になる。