M65 280mm Atomic Cannon

 ミサイルが発展していなかった50年代、大砲で核弾頭を撃ち込むという原子砲があった。M65 280mmキャノン砲は1953年にアメリカで開発された原子砲。移動には砲の前後に2両の大型専用トレーラーを連結する。トレーラーは前後ともエンジンと運転席を持ち、後部もステアするので意外に小回りも利いたようだ。全長25.6m、総重量83.3tという巨大な砲にもかかわらず、設置は15分で完了する。



 1953年5月25日にネバダ核実験場にてW9核砲弾の実射を伴う核実験の映像。核砲弾の実射試験はこの1回のみである。
 原子砲の移動は、もっとゆっくりなのかと思っていたが、軽快に走っているのがわかる。発射時に砲兵が退避壕に非難する場面があるが、30㎞離れているとはいえ、放射能の影響はなかったのだろうか? キノコ雲の横に不気味に立ち上る数本の細い煙に注意。
 20門が製造され、欧州と韓国に配備されている。10年後の1963年に退役した。