1937 DATSUN Roadster


展示車にはフェートンという説明があったが、フェートンとは20世紀前半のオープン・スタイルの主流であった一形式。折りたたみ式の幌を備えた乗用車で、おもに2列4人乗以上の4ドア幌付オープンカーに対する名称である。2座オープンでランブルシートを備えるこの個体は、どうみてもロードスターであろう。
1937年以降、ダットサンのオープンモデルのドアは前ヒンジの後開きになった。これは戦前最後のモデルとなる。水冷直列4気筒 747ccのエンジンはこの年に圧縮比を5 から5.4 に高め、出力は16HP/3600rpm に上った。前後にフリクション・ダンパーがつき、乗心地もかなり改善されたようだ。ブレーキは油圧式ではなく機械式。

CARグラフィック62年7月号のニッサン特集記事のなかで、五十嵐平達氏は、戦前の教習所ではダットサンが使われ、「小さいくせに馬鹿に重く、その上切れば切れっぱなしで戻らないハンドルや、カラカラと特徴的な音をたてるUジョイントの響きに若き日の郷愁を感ずる方も多かろう」と述べている。


トランクに見えるのはランブルシート。開けると2座のシートが現れる。左側に乗り込むための小さなステップがある。


3ペダルのアクセルは真ん中。




本日、日銀本店前で開催されたジャパン・クラシック・オートモービル 2014から。
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