大怪獣まんだら

GIGAN YAMAZAKI & WAGAYA FACTORY's blog

一日一超獣(ベロクロン)


さてさて。今回は彩色方法について、つらつらと述べていこう。もちろん、これはあくまでも自分のやり方であり、唯一の正解ということではない。むしろ間違いだらけというか、シタデルカラーの性能に頼りきった無茶な塗装ともいえる。ただ、あんまり器用じゃないんだよあという人ほど、このシタデルカラーはオススメだ。必ずしも万能ではないが、絶対にリカバリーできるという安心感が違うぞ。


普通、PVCフィギュア(塩ビ人形)に塗装するということになったときは、まず塗料の食いつきをよくするためにサーフェイサーを吹いたり、メタルプライマーを塗ったりする。これまで自分もそうしてきたし、今回も最初の1、2体はプライマーの上から彩色していた。ところがシタデルカラーは隠蔽力が強く、塗料の食いつきも段違いなので、この第一工程は飛ばしても構わないと思う。
ガシャポンフィギュアの場合、ちょっと強めにサフを吹いただけで、せっかくのモールドが埋まってしまうこともある。ついつい厚吹きする悪い癖のある自分にとって、これはすさまじく大きな発見だった。今のところ、そのせいで塗装が剥げたり、うまく塗料が乗らなかったということはない。すごいぜ、シタデルカラー。


肝心の塗装工程だが、非常に簡単だ。まずはベース……最も面積の大きい部分に使う塗料でもって、全面を塗り上げてしまう。ベロクロンでいえば、黒(ABADDON BLACK)だ。まあ、最終的に赤く塗る部分は避けてもいいんだが、あんまり細かいことを考えなくてもいいよという意味だと受け取って欲しい。
また、Mr.カラーなどの缶スプレーで一気に塗ってしまうのもアリかもしれない。ただし、細かい部分はシタデルカラーで筆塗りしていったほうが効率が断然いい。ベロクロンであれば、黄(AVERLAND SUNSET)、白(CERAMITE WHITE)、赤(MEPHISTON RED)、金(RETRIBUTOR ARMOUR)といった具合に塗っていく。このとき、少しはみ出したり、間違った箇所に色を乗せてしまったとしても気にしなくていい。


で、全部の箇所への着色が完了したら、ちょこちょこと重ね塗りで修正していく。はみ出した赤の上から黒を塗り、黒を塗り過ぎたら赤を塗り、金を塗り……そんなふうに繰り返しているうちに、いつしか綺麗に塗り分けることができているはずだ。ほかの塗料だと、下塗りのアクリルやエナメルが溶け出してきたりするので、最初はラッカーを使い、それからアクリル、エナメルの順番に上塗りしていったり、あるいは溶け出す間も与えずにサササササッと上塗りしなくちゃいけなかったりするんだが、シタデルカラーならば何度でも気にせず重ね塗りすることが可能だ。これが先述の「絶対にリカバリーできるという安心感」というヤツである。


そして仕上げは、SHADEカラーを使ったウォッシング、スミ入れ作業である。いつぞやの怪獣ソフビかんたんリペイントにおけるMr.ウェザリングカラーと理屈は一緒。粘性が低く、サラサラしたSHADEカラーを凹部に流し込めば、勝手に自然な陰影が付いていく。ちなみに生身の部分にはNULN OIL、金属部分にはREIKLAND FLESHSHADEを使用した。これで第2期ウルトラ怪獣特有の、あの薄汚れた感じを再現することができる。
こちらも失敗したら、SHADEカラーが乾くのを待ってから重ね塗りで修正すればいい。自分もベロクロンは汚し過ぎてしまい、あとから再び赤を乗せている。まったくシタデルカラー様々だ。別にシタデルカラーでないと、この手のリカバリーができないワケではないが、とにかく楽チンで何も考えなくていいという点において、その右に出るものはないと断言していいだろう。さあ、キミもシタデルカラーで怪獣を塗って塗って塗りまくれ!