「ハルヒ」でキャラの顔がアップになった理由

# megyumi 『>ハルヒ厨さん
コメントありがとうございます。ハルヒは、1-5巻と6-8巻で装丁のテンプレを変えてきてるのが面白いと思います。あれ、「何巻まではこのデザインで行く」って決めてやってんのかなあ。

電撃文庫表紙デザインの意義(コメント欄)
http://d.hatena.ne.jp/megyumi/20060916/p5

 去年のSF大会で「ライトノベルの包み方 〜編集者に聞くライトノベルのカバーデザイン〜」という講演がありまして、そこでスニーカー文庫編集長の野崎岳彦さんのお話を聞くことができました。その時にとったメモによると

  • シリーズの1冊目はメインキャラクターをいかに見せるかが重要

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)

  • 6冊目でフォーマットをリニューアルすることになった際「これはキャラを大きくしても行ける!」と判断した

涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)

ということだそうです。

以下「SF大会に行って参りました」でも書きましたが、その時のメモから拾い書き。あくまでスニーカー文庫の場合であって、他レーベルでは少しずつ違うそうです。

  • 講演には電撃と富士見も呼ぶつもりだったが仲が悪いのでやめたとか。(司会進行の東京創元社小浜徹也さん談)
  • シリーズものは1作目をデザインするときには2作目、3作目も考える。フォーマットも統一して読者に続き物だとアピール。(これはラノベに限らないでしょうが)
  • マンネリ化しそうな時はシリーズ途中でフォーマットを変える。
  • 売れ行きが良くない時もイメージチェンジを図ってフォーマットを変える。
  • タイトルロゴはかなり作品のイメージを意識している。
  • 作者名はタイトルよりかなり小さくする。一般文芸では作者名がタイトルより大きいことも少なくないが、ライトノベルは作者名よりタイトル重視。
  • 小説とイラストの制作は同時進行。特にカラーイラストは時間が掛かるので早くから始める。
  • 小説とイラストで内容が食い違ってしまった時は基本的にはイラストを修正するが、イラストの出来が良い時は文章の方を変えるときもある。
  • イラストレーター選定は作者の意向を汲む時もある。
  • イラスト、デザインには作者の意見は入れない。編集、イラストレーター、デザイナーはその道のプロです。
  • デザインはイラストレーターにはやらせない。イラストレーターは得てして自分のイラストをどうデザインしたら映えるかを分かっていない。
  • キャラクターデザインはイラスト重視。イラストのためにキャラ設定を変えることあり。
  • 帯によってデザインが台無しになってしまうことがある。
  • 余談

小浜徹也さん「(ハルヒの表紙を指して)『谷川』は何も書いていないのに『流』には(『ながる』と)ルビが振ってあるのは何か深い意味があるのですか?」
野崎岳彦さん「いや、これは読者が正しく読めないと思いまして」