多弦楽器の暴奏

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

心よりいず、願わくば再び心に至らんことを

キアゲハに求愛するナミアゲハ

キアゲハに求愛するナミアゲハ

 ナミアゲハ

アゲハチョウが三頭、 くるくる回りながらダンスでもしているように飛んでいます。

しかも、メスのキアゲハに求愛で追っかけ回しているナミアゲハは二頭。いや、よく見ると追いかけているのはキアゲハとナミアゲハか。動きが速くてよくわからないというのが本音です。異種間求愛とでもいうのでしょうか。

それにオスとメスの一対二頭ではなく、性別は不明ですが 恐らくオスが一頭張りあっているかのようです。


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動画におさめることはできませんでしたが、このすぐ後にモンキチョウとモンシロチョウの求愛飛翔も見ることができました。異種間求愛というのでしょうか。よく似たチョウ同士ですから対象となる種を間違えているのか、縄張りのようなものがあってそれを主張し、出て行くように促しているのか。そかし、交尾はできたとしても受精には至らないと思いますし、ただ、ちょっかい出してるだけか、一緒にトリオのグループとして踊ってみたかったとか。

ちなみにチョウの数え方は「匹」や「羽」ではなく、「頭」を 単位として用いるそうです。

 

都会の夜の漁

都会の夜の漁

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対岸にも、いくつもの漁火が灯る

毎年この時期の恒例、大和川シラスウナギ漁が先週から始まっています。

ランプで川面を照らし、ウナギの稚魚が光に集まる習性を利用してすくい獲るそうです。暗闇の中に灯るランプの灯りが、星の輝きのようにとても綺麗で幻想的な風景です。そんな灯がぽつりぽつりと対岸にもいくつも見えます。

最初は何をやっているのかわからなかったのですが、何か夜釣りのような漁だろうということは予想にたやすかったです。では何を獲っているのかというとわからない。時期は決まっていて2月から3月にかけての寒い時期で、期間は数週間のみ。他の季節に見たことはありません。

ここは大和川の北側のサイクルロードですが、通常は車が出入りできないように鍵がかかっています。そこに、この時期に限って鍵を開けて車を乗り入れているのを見て、漁業関係者の方が来て漁をしているのだ。それもシラスウナギ漁だということを知りました。

最初は都会の真ん中のこの川でウナギが獲れるなんて、にわかに信じられなかったものです。

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ランプに照らされる川面

シラスウナギとは、ウナギの稚魚のことで全長5センチほどの細長く透き通った体をしています。ウナギの人工ふ化は非常に困難とされていて、官民を挙げて研究が行われていますが、現在でも主流はというと、こうやって天然のシラスウナギを捕獲して養殖するそうです。

回遊魚としてウナギの生態については長らくの間謎とされていました。その謎が明らかになったのは2009年のこと。日本から遥か遠く2000kmも離れたマリアナ諸島西の深海で産卵していることが明らかになりました。その後ふ化した稚魚は海流にのり再び日本に戻り、海から川へと遡上して成熟するまで過ごすそうです。今ここで獲られているシラスウナギは海から帰ってきた稚魚をとっているということになります。十数年前までは謎だっただなんて、日本の食文化を飾る食材なのに意外です。

ここで獲られたウナギの稚魚は養殖業社に引き渡されるそうです。大変希少性が高く、高値で取引されるといいます。したがって漁業権を持った組合員以外が漁をすることは法律に基づきかたく禁止されているといいます。

他府県でもうなぎ資源の保護のため、密漁の罰則の強化や乱獲を防ぐため法整備をし、漁をする期間や漁獲量もコントロールしている。継続可能な安定供給のための取り組みが行われているおかげで、こうして我々日本の多彩な食文化のひとつとして「鰻」があるのだと、この漁を通して学ぶことができました。

ちなみに、私は休日の昼食に鰻重を冷たいビールで一杯やるのが大好きです。

 

第8回 日展 大阪展

第8回 日展 大阪展

 

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大阪市立美術館

毎年楽しみにしている日展。朝一番で入館してゆっくり見ようと思い大阪市立美術館に足を運びました。

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「釣具の部屋」加藤 寛美

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「小さな冬景色」浅見 文紀

毎年通い始めてもう何年になるでしょうか。すっかり名前を覚えてしまった画家も何人もおりまして、さて今年はどんな作品かと毎年楽しみです。

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「CARD GAME」志水 和司

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「雨の水の輪」久保多 貞夫

会場に入ると朝一番とはいえ、思ったよりも朝早く訪れている人は多いものでした。それでも、午後以降よりも人は少ないと感じます。日本画に至っては人がほとんどいない。しんと静まる中、号数の大きい絵が並んでいるのは、なかなか壮大なものを感じます。

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二階の会場は日本画

日展は、日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の五つの部門からなる総合美術展で、また世界でも類を見ない規模の公募展です。」とあります。全国各地から幅広く応募があり、その中から厳選した作品が3000点が一堂に会するのですから、現在進行形の「今」の日本の美術の選りすぐられた作品が見られるのは素晴らしいことです。

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瞳子変容 - 春 - 」間瀬 静江

全国を巡回する作品と、地元作家の作品が展示してあるのですが、他の地元作家で巡回作品に選ばれたなかった作家の作品が見たくても見れないのが少し残念です。気になっている作家さんがいるのですが、巡回作品として大阪展で出会い、すっかり気に入ってしまったものの、もう何年も大阪まできていないのです。

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「林檎の木の下」池内 璋美

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「林檎の木の下」(部分)池内 璋美

数年前までは写真撮影は許可が必要でしたが、今は一部の作品を除いて許可なしで撮影可能となっています。ですから来場者はそれぞれ自分の気に入った作品をスマートフォンに収めていました。

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「記憶の渚」尾長 保

前にも何かで書きましたが、やはり今はSNSで拡散されることが期待されているようで、実際に日展Twitter公式アカウントで「お気に入りの作品を、ぜひSNSなどでご紹介ください。」とあります。ただし条件付きで、個人的かつ非営利な利用目的に限り、作家名・タイトルを表示させる必要があります。

作品を写真撮影するのは長らくタブーとされていましたので、マナーさえ守れば誰にはばかることなく撮影できる。スマートフォンSNSの登場以降、いろんなことがずいぶん変わってきたものだとつくずく感じます。

明るい夜

明るい夜

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美しい光景

 

日中に久しぶりに雨がよく降りました。仕事を終え帰宅する頃はちょうど雨が上がり、少し霧雨が残るほどまでに回復。今は少し夜空は霧雲がかっています。しかし、視界は良好です。風も感じません。

なんだか今日の夜道は妙に明るい気がします。霧雲のせいでしょうか、空が全体的に明るいく、特に川の対岸の空が淡く明るく見えます。確かあの辺りには住之江ボートレース場があり、その照明の光が霧雲に散乱しているのでしょう。

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今日は雨の予報なのでマウンテンバイク

突然現れたとても綺麗な光景。思わずバイクを止めてしばらく佇んで眺めていました。

風がないので川の水面は磨き込まれた鏡のように建物の影と光を静かに映しています。そこに渡りの時期が迫った水鳥達の姿もあります。

巨大な弦楽器のような鉄塔がそびえ立ち、まるで命を宿しているかのように赤い航空障害灯を光らせています。

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霧にむせぶ阪堺大橋

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少しアングルを変えてみます

橋と並行してパイプラインが渡っています。これは水道のパイプのようで大和川を渡った南側の堺市でも淀川のを水源としているのでしょうか。

橋の上の道路照明灯もオレンジ色に光るナトリウム灯と白く光るLED灯の両方が見られます。ちょうどこの辺りが、大阪市堺市の境目に当たります。管轄が違うので堺市側はLED化が進んでいるということですね。

今後はナトリウム灯から消費電力が少なく長寿命のLED灯への切り替えが進んでいるようです。私はナトリウム灯の方が雰囲気があって夜霧によく似合うと思います。しかし、街からどんどんこのオレンジ色の温かい光は姿を消そうとしています。

信号機の青や赤の光も加わり滲んだように灯ります。夜空に街の明かりや、それを水面に映す光。さまざまな光が満ちた明るい夜を眺めながら家路につきました。

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イオンモール鉄砲町あたりの夜景

 

ギターのペグ交換

ギターのペグ交換

 

コロナ禍で休日を自宅で過ごす時間が随分と増えたこの二年間ですが、それまでは暇な時間を持て余すことはあっても、ギターまでは手が伸びなかった。しかし、今年に入って心境の変化でしょうか、あまり弾くことのなかったギターを爪弾く日が増えました。

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帰ってきた、マニュエル・ロドリゲスのフラメンコギター

このギター(Manuel Rodriguez Flamenco Guitar C3 Flamenca)を買ってもう14年。もともとグレードの高いギターではありませんが明るい音色が気に入って手放さずに残ったギターのひとつです。いいギターだとは思うのですが、ペグ(糸巻き)が長年使っていると色褪せてしまい、使い古した五円玉のような色合いに。

 

特に機能的には問題はないのですが、輝きを失いくすんだペグ。思い切って前から気になっていたこのペグを新しいものに交換することにしました。

 

楽器屋さんに持ち込み相談。ペグは日本のパーツメーカーの「GOTOH」社製のものにしました。糸巻きのつまみ(ボタン)は選べるようになっていて、気分を変えて白色のものにするか悩みましたが、外見をオリジナルに保つべく黒の木製のつまみを選びました。

 

ギターペグの世界もなかなか奥深いものがありそうで、値段が上がると当然の如く高級感が増し造形の美しいものになってきます。しかし、ギター本体の値段を考えてわきまえると10,000〜20,000円までが妥当かなと。

 

現在、コロナ禍の影響からか、色々なものの流通の遅れや材料不足が叫ばれています。今回のペグ交換に至っても、ペグメーカーからの納入の予定がたたないということで、交換作業がいつ完了するかわからないとのこと。1ヶ月、あるいはそれ以上になるかも。とはいっても仕方がないので楽器屋さんに交換作業お願いしてギターを預けて帰ることにしました。

 

結局、作業完了して工房から届いたと連絡を受けたのが、預けてから3週間後でした。思ったより早く上がってよかった。ペグのヘッドに取り付けている木ネジの穴埋め作業も発生せずに済んだということで、取り付けに関してはすぐ完了した模様で、要するにパーツ待ちの日程がほとんどだったようです。

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GOTOHのペグ(35G16001WX)

持ち帰って新しいペグを見るとキラキラ輝いてとても綺麗です。もともと付いていたものは、すぐに金色の塗装が落ちてしまいましたが、今度はメッキ処理もしっかりしていますし、植物を象った刻印模様もはっきりしていて見た目がいい感じです。なんといっても世界に誇る信頼の日本製ブランド「GOTOH」。ちなみにポストピッチは35mm、ギヤ比は1:14で、ウォームとウォームホイールの加工精度が高く、滑らかな動きでチューニングの微調整もしやすいです。

 

【ペグ交換にかかった費用】

  工賃     :3500円

  パーツ代   :13900円

  工房への送料 :3000円

  合計     :22440円(税込)

 

キラキラした新しいペグになって、またこのギターを末長く使っていきたいと気持ちを新たにしました。

 

レッサー・ユリィを観に行く

レッサー・ユリィを観に行く

先立って東京で同展が開催され、にわかに脚光を浴び話題沸騰。SNSを沸かせた「知られざる画家」、レッサー・ユリィ(1861〜1931) 。そんな作品が大阪にもやってきたというので、あべのハルカス美術館で開催されている「印象派・光の系譜/イスラエル博物館蔵」に足を運びました。

 

印象派というとモネやルノワールといった有名画家が人気ですが、このレッサー・ユリィという方は、知名度が低く知る人ぞ知るといった感じで、あまり日本では広く名を知られている画家ではないようだったのです。

 

数奇な運命でイスラエルにたどり着いたとされるこの絵「夜のポツダム」を紹介する記事を読み、作家の人生とはまた違う、作品そのものが持っている物語という側面からも大変興味が湧いていました。

 

【探訪】一躍人気のレッサー・ユリィ 独特の作風がコロナ禍の人々の心に響いた? 「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜」展(三菱一号館美術館)で注目 – 美術展ナビ

 

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「夜のポツダム広場」レッサー・ユリィ
1920年代半ば、油彩/カンヴァス、79.6 x 100.0 cm、イスラエル博物館蔵 

ドイツのベルリンの雨のポツダム広場を描いた作品。20世紀初頭の都市化が進んだ夜の繁華街からは、カフェやネオンから放たれる眩いばかりの夜の街の明かりが、雨で濡れた路面に反射しています。明るく放たれた光の黄色とは対照的に大胆に黒を使って人々の影や闇を描き出し、滲むようなコントラストが印象的でした。

 

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「冬のベルリン」 レッサー・ユリィ
920年代半ば 油彩/カンヴァス 71.0 x 53.0 cm、イスラエル博物館蔵

こちらも都会の風景を描いた作品。雨上がりでしょうか、濡れた路面に人々の影が写りメランコリックで寒々とした都会の空気を感じます。

 

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遠くで見ても綺麗 土曜日の午前の館内の雰囲気

モネ、ルノアールゴッホやゴーガンといった印象派を代表する作品も十分堪能できました。だいたい1時間半ほどかけて観て回りましたが、だんだんと人が増えてくるのが感じられました。きっと午後はもっと多くの人が訪れるのでしょう。やはり、早い時間んに来て正解でした。空いているのでゆっくり楽しむことができました。

 

写真撮影可能な作品がいくつか用意されていて、SNSを意識した周知方法なのかなと感じました。この2作品以外にゴッホとモネのなどの有名画家の作品が自分のスマートフォンに収められるのですから、みなさんこぞって撮影されていました。もちろん自分もですが。

 

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美術館フロアのガラスのエレベーター

バタバタと時間に追われる日々の中、疲れた自分を癒すべく静かな美術館で絵画に触れ、気分をリフレッシュ。喉が渇いたので冷たいビールを喉をうるわせて好物の鰻重を食べて帰る。今日はとてもいい休日でした。

 

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美術館のある16階庭園からの望むビル群

 

日常にみる海洋ごみ

朝の堺浜一号公園。もう少しで仕事先に着きます。

ここで一度止まって遠景を眺めながら喉を潤して一休みしていると、いつもより随分と海が綺麗だということに気づきました。

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今日は海がとても綺麗

少し入江になっているので、大和川から河口に流れ着いた大量のプラスチックごみなどの漂流物が潮の流れで入江に入ってきていつも漂っています。ヒドリガモオオバンといった水鳥たちが餌と一緒に、あるいは間違えて食べてしまい、体内に残ったままになるんだろうな、といつも考えさせられる光景です。

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いつもは漂流ごみが打ち寄せる

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オオバンが海面で採餌

河川の上流から下流、河口付近に至るまで、ポイ捨てや意図せず出てしまったごみが寄せ集まり、その全てがたどり着く終着点がこの海です。台風や大雨の後などは驚くほど多くのごみで溢れます。ペットボトルにポリ容器、発泡スチロールやビニールの包装やレジ袋、運動靴にサッカーボール、などなんでもあります。少し珍しいのは木魚とか、あんなものどういった経緯で流れ着くのか理解不能です。

 

社会問題となっているプラスチックごみなどの問題に取り組むため、大阪府では昨年2021年3月に「おおさか海ごみゼロプラン(大阪府海岸漂着物等対策推進地域計画)」の計画が決まっているようですが、行政に任せっきりにしないで、個人レベルで環境に負荷をかけないための、誰でもできる簡単なことからでもやっていこうと思います。

 

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しかし、今日は一転して海が綺麗。水が澄み渡り透明度が高く、波も穏やかで漂流物もほとんどない。とてもいいことですが、一時的な現象なのでしょう。潮の流れや風向きや波の高さ、降雨がないなども関係しているのでしょうか。気温の低い冬の時期で植物プランクトンが少ないとかも関係しているのかも知れません。良くいうとエメラルドグリーンといえなくもない。この入江においてこんな澄み切った海を見るのは珍しいと思いました。

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海底に眠る原付バイク

よく見ると盗難車を投棄したのでしょうか、浅瀬の海底に静かに横たわる原付バイクがみえる。こんなものが眠っているとは今まではわからなかった。少し距離を置いてこちらには自転車の影が。皮肉なもので、漂流するプラスチックごみがない代わりに海中に不法投棄された大型のごみが現れるとは。これだって海洋汚染であることには違いありません。

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こちらには自転車の影

見えていないだけで海底眠る大型の投機物はどれぐらいあるのか計り知れません。しかし、これを海から引き上げるとなるとそう簡単には行かない。このままずっとここで静かに眠り続けるのでしょう。

 

 

yutaka.hateblo.jp

 

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