ビティ・マクリーンが凄い。

■Peckings Present Old Skool Young Blood Vol.1 / Various Artists

I Ain't Come 2 Beg Friend

I Ain't Come 2 Beg Friend

Bitty Mcleanの「On Bond Street With The Supersonics」の大ヒットで好調のUKの老舗レーベルPeckingsからの続編とも言える内容のロックステディリメイクアルバム!参加アーティストには今やUKラバーズ界の貴公子Bitty Mcleanはもちろん、Peter Hunningle、Janet-Lee Davis、そしてルーツクラシック「Traibal War」で有名なLittle Royの娘でもあるNatijahとUKベースに活躍する人気アーティストばかりです!Tommy McCook率いるSupersonicsのやさしく包み込むかのようなホーンアンサンブルが心地よいTreasure Isle産のオリジナルテイクに無理なく溶け込んだヴォーカルが本当に素晴らしく今後のリリースも楽しみな好企画盤!
http://www.reggaerecord.com/index.php?content=description&code=63322

最初に出会ったのはこのアルバムであった。レゲエDUBアルバムも大体聴いたかなあと思い、ヴォーカルもの探していたんであった。
タワーレコードで試聴したこのアルバムは、古いレゲエ・ロック・ステディのオケをDUB処理し、最新シンガーのヴォーカルを乗せたもの、というふれこみだった。早速聴いてみると、まずその1曲目の歌声にぶっ飛んだ。


古く懐かしい響きを聴かせるロック・ステディリズムセクション。暖かく優しげな音色のホーン。そしてそこに被さる歌声は伸びやかで爽やかなラヴァーズロックの甘いヴォーカルだ。朝露のようなひんやりとした清々しさに満ちたその歌声は、まるで青空の彼方にまで届いているかのよう。
何も予備知識無く聴き始めた音がこれほど極上のものだったことに慄然としたものであった。


シンガーの名はビティ・マクリーン。幾つかのシンガーとプレーヤーが納められたこのアルバムは全体としても高い完成度を誇り、その甘いメロディと軽やかかなレゲエのリズムに彩られた楽曲の豊かさは最新レゲエ・ラヴァーズロック・アルバムの一つの完成形なのだと思うが、その中でもビティ・マクリーンの歌声は抜きん出たものだった。


その後アルバム『On Bond Street』と『It Keeps Rainin'』を購入。『On Bond Street』は前述の『Old Skool Young Blood Vol.1』の曲が入っているアルバムで、基本コンセプトも同じ、全篇に渡ってロック・ステディのリズムとビティ・マクリーンの歌声が甘く響く珠玉の名作と言えるだろう。『It Keeps Rainin'』はベスト・アルバムということだが『On Bond Street』以前の曲を集めたようだ。ただこちらはどちらかというとR&B色の濃い作品が多く、『On Bond Street』の突き抜けたようなサウンドを聴くことができないのは若干残念だった。


どちらにしろ今年聞いた中ではNO.1のヴォーカル・アルバムであることには変わりは無い。ビティ・マクリーン、恐るべきポテンシャルを秘めたレゲエ・シンガーであろうと思う。


○Walk Away From Love Remix / Bitty McLean 《聴いてみる》
○Baby Tonight (Remix) / Bitty McLean 《聴いてみる》


■On Bond Street / Bitty McLean

On Bond Street

On Bond Street

■It Keeps Rainin': The Best Of Bitty McLean
It Keeps Rainin: The Best of

It Keeps Rainin: The Best of