WK Interact: Exterior - Interior Act 2

WK Interact: Exterior - Interior Act 2

WK Interact: Exterior - Interior Act 2

ニューヨークに住むフランス人アーティスト「WK INTERACT」。過去にコム デ ギャルソン、ヨウジ ヤマモト、クーパー美術館、ヘンリーベンデルなどのディスプレイを手掛けてきた彼の作品集。スケーター、カンフーマスター、ボクサーなどダイナミックで独特な人物像が、ストリートを中心とした様々なオブジェに現れる。グラフィック・デザインはもちろん、インスタレーション作品等も収録されています。
InteriorVibe http://interiorvibe.com/56.html

ヒップホップやグラフィティアートには興味は無いのだが、ストリートアートには何故か惹かれるものがある。そしてこのWK Interactのグラフィックアート/インスタレーションには非常に洗練され完成されたものを感じた。美術の門外漢なりに考えると、アートと言うのはひとつの手法をどこまでも洗練(または極端にカオティックに)させていくことなのかな、などとこれを見て思った。WK Interactがやろうとしていることはストリートアートが持つ手法としての直接性に注目し、その視覚的な衝撃性と暴力性を抽出して洗練させ、そしてそれが存在する街並みを含めてひとつの作品としてみることなのだろう。だからこれは都市の存在そのものを批評したシチュエーションアート/インスタレーションということも出来る。何も無い山の中にこのアートを持ってきても意味が無いからである。もしも山の中ならWK Interactは山の中なりのアートを描き出すだろう。多分WK Interactは山の中に興味は無いと思うが。
以前紹介したBanksyやShepard Fairey含めこのような作品を面白いと思うのは、多分これらの作品に、先程も書いた表現としての直接性、即ち社会と現実の在り方にシンクロナイズした作品存在の生々しさ、そして批評性に興味を覚えるからなのだろう。こうしたストリートに根ざしたアートからは非常に強固なタフさを感じる。このWK Interactに関してはストリート・アートとして洗練されすぎているきらいがあり、その辺が有名デザイナーのアパレルブランドに起用される所以でもあるのだろうが、それは手法の剽窃というよりもアーチストとしての目の付け所の違いと判断したほうがいいのだろう。
■WK INTERACTオフィシャルHP


■作品制作風景