婆さんが毒々のトロマ映画はヨーロピアンなテイストだった!?

■悪魔の毒々おばあちゃん(監督:エマニュエル・ケルヴィン 1988年ベルギー/フランス/オランダ映画)

悪魔の毒々おばあちゃん [DVD]

悪魔の毒々おばあちゃん [DVD]

悪魔の毒々おばあちゃん!なあみんな、おばあちゃんは毒々だったんだぜ!?というラブリーかつプリチーなタイトルが既にハートを鷲掴みじゃないかベイベー!?なにしろ毒々っていうぐらいだから例のトロマなんだが、例のトロマのグジャドロゲログロバカアホタコカスなしょぼくてバッチイ特殊メイクとIQ低すぎて涙と鼻水と耳垂れまで出てきそうな安い物語展開を期待していつものピザとビール片手にぼんやり観る事にしたいつもぼんやりしているオレだ!
でまあお話なんだが二人の婆さんの誕生会に遺産目当ての親戚どもが集まり嘘くさいおべっかまみれのパーティーが始まったところに謎の小箱が届けられて開けた婆さん二人が悪魔に変身し親戚どもをなぶり殺しまくるという愉快で楽しいハートウォーミング・ストーリーなんだね!しかし観ていて気付いたんだがどうも町並みやセットが奥ゆかしく格調高くてなんだか下品で頭の弱いトロマっぽくないんだよな。
それでDVDのパッケージひっくり返してみたらこれベルギー/フランス/オランダの合作映画なんだよ。この雰囲気ってヨーロッパ映画のせいだったんだな。全くトロマのくせに生意気だ!このヨーロピアンな雰囲気がバカアホタコカスを身の上としたトロマ映画なのにこってりした味わいを醸し出してるんだな。ソ連映画『妖婆 死棺の呪い』や『ロマン・ポランスキーの吸血鬼』とかを思い出しちゃったよ。まあ内容はスッカスカだがな!
なにしろ取り合えず一番萌え要素が残存していたメイドの若いムスメを最初に殺しちゃったところが敗因だと思うよ!あのメイドが死んだ段階でオレは観る気が半減したもんな!オッサンやオバサンが死のうが生き残ろうがどうでもよかったもの!あと謎の小箱を送ったとかいうヤツがどうなったのかさっぱり分かんないんだけど、まあ多分ラストのほうは観ているオレがビール飲み過ぎてゲロゲロになってたから覚えてないだけかもな!

『ミスト』みたいなモンスター・パニック・ホラーはバカとダメ人間しか出てこない映画だった!?

■フィースト (監督:ジョン・ギャラガー 2006年アメリカ映画)

フィースト アンレイテッド・バージョン [DVD]

フィースト アンレイテッド・バージョン [DVD]


スゲエ!カスとダメ人間しか出てこないモンスター・パニック・ホラーだ!こいつらがしみったれたド田舎のしみったれた安酒場でしみったれた安酒あおりながらパンツについた小便のシミみたいなみみっちい欲望をチンカスのついた指でいじましく弄繰り回していたときのことさ!「怪物が出た!ドアと窓を封鎖しろ!」とか言いながら血飛沫を浴びた男が飛び込んできて《こいつはヒーローです》なーんてキャプションが画面に出て来るんだが、その後ドアを破って出てきた怪物にあっけなくひねり殺される!
その後2階の部屋でまごまごしていたガキを助けようとカス&ダメ人間達が向かうシーンでも、ガキはあっさり怪物の餌食だ!「こいつがヒロインなのか?」と思わされた女もとっとと死体に変わる!この辺の映画的常套句を完璧に無視した意外な展開が最初は小気味いい!でもテンポがいいのはここまでで、中盤からは安酒場を上行ったり下行ったりを繰り返すばかり、皮肉っぽい演出も段々と鬱陶しくなってくるし、怪物の造型もあんまり面白くないしそもそもこの化け物がなんなのかさっぱり説明されないし、段々とグダグダになってくるわけだな。
だいたいカスとバカしか出て来ないからこいつらが生きようが死のうが観ているもんとしてはどうでもよくなってくるんだよな。こいつらの人生に希望なんてこれまでもこれからも絶対縁がなかったわけだし、今更虫けらみたいに死んだって騒ぐことじゃねーだろ?ぐらいにしか思えなかったりすんのよ。まあ怪物に襲われて篭城するパニック・ホラーということではある意味『ミスト・裏版』ともいえる映画ではあるね!