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メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20111121(Mon)

[]『エルム街の悪夢 Blu-ray Box-Set』を観た (その1) 『エルム街の悪夢 Blu-ray Box-Set』を観た (その1)を含むブックマーク 『エルム街の悪夢 Blu-ray Box-Set』を観た (その1)のブックマークコメント

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エルム街の悪夢』Blu-ray Box-Set買いました。シリーズ全7話をDisc4枚に収めたコンパクトな作りで、第1作がDisc1に、残りの作品は3枚のDiscにそれぞれ2作づつ収録されています。『エルム街の悪夢』といえばやはり焼けただれた顔と長爪をはめた手を持つ怪人フレディ・クルーガーですね。このシリーズでフレディは押しも押されぬホラー映画の人気キャラクターとなってしまいましたね。ただ自分は1作目以外はあまり評価しておらず、観ていない作品もあるぐらいです。そんなわけだったので今回この『エルム街』シリーズを全部観てみようと思い購入してみることにしました。例によってざっくりした感想を2回に分けてあげておきますのでドウゾ(なお粗筋は全てWikipediaからパクってきました)。

エルム街の悪夢 (監督:ウェス・クレイヴン 1984年アメリカ映画)

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高校生のナンシーは、フレディの悪夢に毎晩悩まされていた。だが、夢の中で負った傷がなぜか現実に戻っても残っている。果たして、これは夢なのか?それとも現実か?

記念すべき『エルム街の悪夢』第1作です。公開当時はちょっとしたホラー・ブームだった頃で、この作品も注目を集めておりました。この作品が凡百のホラーより抜きん出ていたのはそのシュールなホラー演出の冴え渡り具合からでしょう。低予算だったと聞きますが、これでもかとばかりにアイディアが盛り沢山で、しかも単に殺戮や死体ばかりがだらだらと並ぶホラーとは違う、実にユニークな演出だったのですね。これは"夢"を基本テーマにしていたことが理由でしょう。だから現実では有り得ない面白い演出や特殊効果が施され、それがとても目を引いたんですね。空中を血まみれになりながら転げまわって殺される女性や、ベッドから滝のように天井へと噴出される血飛沫、教室に突然現れる立った状態の死体袋、死体の口から蠢き出すムカデ、電話の受話器から現れる舌など、どれもこれも斬新でホラーセンスに溢れています。あとやっぱりお風呂で眠るヒロインの股の間から長爪が現れるシーンはホラー映画史上屈指の名場面といってもいいでしょうね。なんかやっぱりメッチャやらしいものを感じたよなあこのシーン。「眠ると死が来る」という縛りもいいですね。にもかかわらずフレディの縞々セーターは、何度見てもセンス悪いというのがまた可笑しい。そもそもこのシリーズ、登場人物たちのルックスや衣装が徹頭徹尾不思議なくらい野暮ったくて、そこだけなんだか不思議でした。実は特典映像で知ったんですが、衣装に予算を回せず、全部古着だったんだそうですね。というか、衣装に予算回す気がなかったような気がしますが…。それとナンシーの恋人役がジョニー・デップで、この映画が俳優デビューだったなんて全然知らなかった!もう一回観直して確認したぐらいだけど、この当時はまだ全然オコチャマで、言われなきゃ分かんないかもなあ。あとナンシーのお父さん、どっかで見た顔だなあと思って調べたら、『燃えよドラゴン』に出てたジョン・サクソンだったんですね!初めて知りました!


エルム街の悪夢2 フレディの復讐 (監督:ジャック・ショルダー 1985年アメリカ映画)

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ジェシーは引っ越してきて以来毎日のように、スクールバスの運転手が爪の男になって襲ってくるという悪夢にうなされていた。ある日、ジェシーは押し入れからその家の前の住人であるナンシーが書いた日記を発見し、彼女もまた自分と同じように、フレディという怪人に襲われる悪夢に悩まされ、そして戦ったことを知る。

エルム街の悪夢2』は脚本がよくない、と言う理由でウェス・クレイヴンが退き、代わりに『バーニング』『ヒドゥン』のジャック・ショルダーが監督を務めました。で、この2作目、ぶっちゃけつまんないんだよなあ。まず主人公が男の子だっていうのがよくない。ホラーの主人公はやっぱり女子にしてもらいたい。そしてこの作品からフレディがなんだかオチャラケキャラになってきたこと、そして舞台が少年少女を中心とした学園モノとして描かれるようになってきた下地を作ってしまったことがよくない。この2作目から妙に迎合したような若者風俗とかMTVっぽい音楽趣味が使われるようになってきたのも緊張感を削ぐ。しかし逆に考えると、『エルム街の悪夢』シリーズがそれでも人気を得ながら続いてきたのは、実は『エルム街〜』のファン層というのが「オチャラケキャラのフレディ」「少年少女を中心とした学園モノ」を求めていたからだったのかもしれないとも思えるんですよね。例えば『13日の金曜日』があれだけシリーズ化されながらホラーファンにとってはイマイチ評価が高くないのも、ここら辺のファン層とホラー映画好きとのニーズがちょっとずれていたからなのかもしれないんですよね。いってみればポップコーンムービーみたいな受け方をしてきたのでしょう。最初のコンセプトから外れて悪夢の中のフレディではなく現実世界に現れるフレディ、というのもちょっと妙だった。そしてヒロインも可愛くない。この映画、少年が主人公のせいか、ホモセクシャル的な演出が多くて、なんとこの年のゲイムービーアワードで1位になったんだとか。


エルム街の悪夢3 惨劇の館 (監督:チャック・ラッセル 1987年アメリカ映画)

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第1作から5年後、エルム街の女子高生・クリスティンはフレディによる悪夢に悩まされ、とうとう精神病院に入院してしまった。精神病院では同じくフレディの悪夢に悩まされる子供たちで溢れていたが、医者にはロクに相手にされなかった。そこへある日、夢心理学の研究生となったナンシーが来院する。

製作総指揮にウェス・クレイヴンが就き、監督を『マスク』『イレイザー』のチャック・ラッセルが担当しています。脚本にはフランク・ダラボンの名前もありました。舞台も学園から精神病院に移り、ある意味この病院での密室劇として物語は展開してゆきます。この舞台により、全体的に暗い影を引き摺った雰囲気が醸し出されていますね。少年少女たちが主人公ながらも、精神病院に入院しているということからそれぞれに影があり、さらに彼らの治療を担当する医師、という大人の存在が加味され、人間関係に広がりが出来ているんですよ。それと1作目の主人公だった少女が再び登場して活躍するのも続編の醍醐味を否応にも増していますね。そして物語の確信はフレディの呪われた出生の秘密と、彼をどうやったら消し去ることが出来るか、を中心に語られてゆくんですよ。こんな具合に物語的に力が入っていて、ある意味1作目の正式な続編ということが出来るかもしれません。ただね…登場人物がみんな不細工で参ったなあ…。あと相変わらず衣装がしょぼくて泣かせてくれます。登場人物が多かったせいか、それぞれの殺し方を様々なバリエーションで見せてくれたのは楽しかったけれど、後半ちょっと作業的に殺されちゃってたかなあ。


エルム街の悪夢4 ザ・ドリームマスター 最後の反撃 (監督:レニー・ハーリン 1988年アメリカ映画)

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前作から2年、クリステンはまたもフレディに襲われる悪夢に悩まされていた。そしてとうとうフレディは復活し、クリステンの仲間は次々と殺され、ついには彼女も惨殺された。だが彼女は死の直前に超能力で恋人・リックの妹で友人のアリスを夢の世界に呼び込んだ。アリスは夢を自在にコントロールする「ドリーム・マスター」であり、やがて彼女はフレディとの対決を決心する。

シリーズ4作目は『ダイハード2』『クリフハンガー』のレニー・ハーリンが監督しています。とはいっても当時はまだ無名で、この映画のヒットにより大作映画監督へと抜擢されるようになったんですね。シリーズでもこの4作目のファンの方は多いようです。物語は前作の生き残りの少年少女たちがまたもやフレディとあいまみえるというもの。ところが前作「3」の主人公だった少女がこの「4」では別な女優で演じられていたため、最初観たときは「この子誰?」とか思っちゃいましたよ。しかもこの少女も含め前作と引き続き登場人物がみんな不細工なんで観ていてやっぱり野暮ったい雰囲気は否めないんだよなあ。物語も中盤まで前作の生き残りの少年少女とフレディとの戦いが描かれて、なんだか「まだやってんのかこいつら」とか思ってしまいました。不細工な連中(しかもガキ)が何人死んでも燃えてこないんだよなあ…。しかし主人公が別の少女と交代する中盤から物語のカラーがガラッと変わってくるんですよね。そもそもこの新主人公、物語冒頭ではノーメイクの精彩のないダサ娘だったのに、主人公になったとたん可愛くなるからびっくりです。そしてこの少女がフレディに対し孤独な戦いを挑んでゆく後半の展開がいいんですよね。死んでいった友人たちの特殊能力を受け継ぎフレディと戦う、というコンセプトも技アリでしたね。


それでは次回に続きます。

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