Hatena::ブログ(Diary)

メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20120331(Sat)

globalhead2012-03-31

[]それは買い物かごだった それは買い物かごだったを含むブックマーク それは買い物かごだったのブックマークコメント

残業終わって夜の9時、さて今日の晩飯はなんにしようかのう、と近所のスーパーに辿り着いたオレなのである。取り合えずサラダも食いたい、そうだ今日はベビーリーフがいい、オレはあのルッコラの味が好きなんだよ、とスーパーの野菜コーナーを覗いたら、おおあるではないかベビーリーフが、よしこれで今晩の一品は決まりだ、ああそうだまだ買い物かごを取ってきてないな、とスーパー入り口に置いてある買い物かごを取り、さてさてベビーリーフ、と思ってさっきの場所に戻ったら、無い!ベビーリーフが無い!まだ何袋も残っていた筈のベビーリーフが一個も無い!という急転直下の事態に直面したのである。ちょっと待て、これは何かの間違いなのではないか、オレは全然別のコーナーに来てしまったのではないのか、と目を凝らし目を擦り首をぐるんぐるん回しながら野菜コーナーを見渡してみても、やはりベビーリーフは無い、無い、全く無い、ではさっきのはオレの見間違いか?夢なのか?幻想なのか?などと自分の正気まで疑いながらふと傍らで買い物をしてた気だるげな主婦の持つ買い物かごを見ると、なんとなんとベビーリーフの袋が山になっているではないか。どうもオレが目を離した隙に気だるげなその主婦にベビーリーフを一つ残らず奪い去られてしまったようなのである。おいおいどういうことだ、それはオレが今まさに買おうとしていたはずのベビーリーフだろ、なんであんた一人で全部持ってっちまうんだよ、買い占めかよそれ、いったいどういう了見だよ、あんたいったい何様のつもりだよ、そのベビーリーフはこのオレが食う筈のベビーリーフだったんだよ、それを全部持ってってしまうなんて信じられないよ、オレの、オレのベビーリーフを返せよ!というか、一個でいいんだからこっち回せよ!と、オレはそのどこか爛れた雰囲気の主婦の後ろ姿を睨みつけながら心の中で地獄の炎のように燃え盛る恨み節を唱えていたのである。その時のオレは主婦の買い物かごに手を突っ込んでベビーリーフを一袋奪い取ろうかといういうほどの怒りに燃えていたのである。ああしかしなんていぎたない主婦なのだろう、だいたいなんだ、買い物かごにはベビーリーフ以外には3つ入り納豆パックが大量に突っ込んであるではないか、なんだこのコンセプトも何も無い大雑把な買い物のセンスは、納豆ダイエットでもしているのか、納豆とベビーリーフがあんたの晩飯なのか、痩せたいのか、あんたは痩せたくて堪らないのか、そうかそうなのか、いやしかしあんたのその弛緩し切った顔つきには意志力の欠片も見られない、そんなあんたに多分TVのいい加減なバラエティ番組で仕込んだのであろうダイエット方法を試したところで無理だね!ああ無理さ!無理に決まってるよ!あんたは全てにおいてなにもかも完膚無きまでに無理なんだよ!無理と無理のつづれ織り、それがあんたの人生なんだよ!…などと見ず知らずの赤の他人に心の中であらんかぎりの呪詛を並べてかえって空しくなってしまったオレはすっかり疲れ切って帰るとこの日も結局ピザ頼んで食っていたのであった。

買い物かごと言えば以前この日記で書いたことがあったけど、昔、やはりスーパーで買い物していて、レジで清算を済ませ、そして外に出て家に帰ろうとしばらく歩いてふと気付いたら、なんと買い物の入ったスーパーの買い物かごを持ったまま歩いてたんだよね。オレこの日よっぽどボーッとしてたんだろうなあ。疲れてたんだろうなあ。よっぽど疲れ切ってたんだろうなあ。自分が何を持ち歩いているのか気付かないほど疲れまくってたんだよ…。ああオレなんて可愛そうなんだろう…。あ、その買い物かごは…ええとまだ部屋にあります…(返せよ)。

もう一つ買い物かごの話。やっぱりスーパーで買い物してたんだけど、スーパーって通路の真ん中にも商品置いてあって、ところどころ通路の狭くなっているところがあるじゃないですか。オレ、そこを通り抜けようとしたら、すれ違った主婦風の女性の持っている買い物かごと、自分の買い物かごがぶつかっちゃったんだよね。オレはそんなに気にせず通り過ぎ、通路の向こうのコーナーにある食材眺めてたんだけど、そうしたら、さっきすれ違ったらしい主婦がスタスタと戻ってきて、オレの買い物かごに思い切り自分の買い物かごをぶつけると、またスタスタと向こうへと歩き去っていったんだよ。おおおおおいなんだよオレ復讐されたの?逆襲なの?報復なの?さっき謝らなかったオレがきっと悪いんだろうけど、何も戻ってきてまでぶつけ返さなくとも…。でも話はこれで終わりじゃなくて、それから何日かしたあとの事なんだけどね、オレ、たまたまラジオ聴いてたんですよ。で、いわゆる視聴者のお便りコーナーというのが始まったんですね。なんとなく聴いていたらアナウンサーがこんなお便りを読んでいる。「東京都○○区の主婦です。先日スーパーで買い物をしていたら、どっかのオッサンが私の持っている買い物かごに自分の買い物かごぶつけて、しれーっとした顔で向こうに行っちゃったんです。私あったま来て、戻ってそのオッサンの買い物かごにわたしの買い物かごを思いっきりぶつけてやりましたよ!あーせいせいした!」なんだよなんだよこれオレのことじゃないかよ!?公共の電波で見ず知らずの主婦の方に勝利宣言されたオレなのかよ!?すいません、オレがわるうございました…。もうグウの音も出ずにそのままぐったりと肩を落としたオレでありました。…しかしこんなことを日記に書いているけど、案外これを読んでるどちらの方かが、「あれ、これ、私のことじゃない?」なんてあったら怖いなあ。ええとすいません、あの時のオッサンはオレでございます、その節は失礼いたしました…。

20120329(Thu)

[] 最近読んだコミック / 『狼の口(ヴォルフスムント)』『ディザインド』『セツ』『なのはな』その他  最近読んだコミック / 『狼の口(ヴォルフスムント)』『ディザインド』『セツ』『なのはな』その他を含むブックマーク  最近読んだコミック / 『狼の口(ヴォルフスムント)』『ディザインド』『セツ』『なのはな』その他のブックマークコメント

狼の口(ヴォルフスムント)(1)〜(3) / 久慈光久

狼の口 ヴォルフスムント 1巻 (BEAM COMIX) 狼の口 ヴォルフスムント 2巻 (ビームコミックス) 狼の口 ヴォルフスムント 3巻 (ビームコミックス)

14世紀初頭、アルプス地方に位置した森林同盟三邦(現在のスイス)は、権益を狙うハプスブルク家により占領され、過酷なる圧政に苦しんでいた。民衆は山脈に囲まれた"陸の孤島"と呼ばれるこの地に文字通り閉じ込められ、イタリアへと通じるザンクト=ゴットハルト峠には密航を企てたものを情け容赦無く処刑する関所、『狼の口(ヴォルフスムント)』が設けられていた。物語は、この『狼の口(ヴォルフスムント)』を中心に、関所を守る狡猾冷酷な代官ヴォルラムと、自由とハプスブルク家への復讐を誓う民衆との、血で血を洗う反目の抗争を描いたものである。物語はほぼ読み切りの章立てで描かれているが、もう、どの章でも、自由を求め関所を抜けようとする者たちが、次から次へと処刑場の露と消えてゆくのだ。関所破りを企てるもの達はあの手この手の策を弄するけれども、鬼代官ヴィルラムは冷徹な目で見破り、笑みさえ浮かべながら処刑を命ずる。このヴォルラムが物凄く穏やかな優男の顔つきで描かれているため、逆に薄気味悪さが一層増す。そして関所破りを企てる者たちはそれぞれが止むに止まれぬ事情を持つ者であったり、暴虐なる圧制を退けるために命を賭けて関所の彼方の反乱分子に連絡を取ろうとする者であったりして、否応無しに感情移入してしまうような人たちばかりなのだ。にも拘らずその誰も彼もが章の終わりには必ず正体を見破られ殺され、惨たらしい死体が見せしめとして晒される。そんな章ばかり続くので正直1、2巻は読んでいて段々気が滅入って来るのだが、3巻目に入ってようやく反逆の狼煙が上がり始め、にっくきヴォルラムとハプスブルク家への逆襲が開始されるのである。それでもやっぱり反乱分子たちは次々に死ぬ、もう屍だらけといっていいぐらい死ぬ、この無情さ、ひたすら突き放したドラマ展開がいい。こういった、圧政の下で名も無き民草が無念を胸に闇から闇へと葬られてゆき、その怨念と憎悪が反逆の炎となって燃える様はどこかかつての白土三平漫画を思い出してしまった。そういえば登場人物たちも、いわゆる"一芸の武術"に秀でた者たちであり、その個性の有様もどこか白土忍者に似ていなくもない。

■ディザインド(1)、セツ (1)(2) / 木葉功一

ディザインド(1) (シリウスKC) セツ 1 (マンサンコミックス) セツ 2 (マンサンコミックス)

『キリコ』『クリオの男』など、情念の塊となった者たちのマジック・リアリズム的バイオレンス・ドラマを描き続けた漫画家・木葉功一、しばらく活動の噂を聞かなかったと思っていたら自分が見逃していただけで、きちんと雑誌連載して単行本を出していた。『ディザインド』はフリーランスのカメラマン・虎髪明が不死身とも言うべき体力と不屈の意思で社会の裏側に巣食う闇にカメラのメスを入れる、という作品だ。虎髪はゴリラの肉体と狼の感性を併せ持った動物的な男であり、社会の正義を貫くというよりは金の為に誰もが尻込みするようなスクープに食らい付く。この虎髪に撮影依頼を出す報道番組プロデューサー・鷲頭の、スクープにヒルのように食いつく冷徹な態度が、物語を一層クールなものにしてゆく。この第1巻では序章に銃を持った男たちによる病院占拠事件を配し、次の章では事情を知る者が偽装殺人により次々と命を落とす、政府の不正金融事件を追う。誰もが報道しようとしない魑魅魍魎の蠢く世界にカメラという武器でもって切り込んでゆく虎髪のその姿は、英雄というよりもむしろ鬼神のようですらあり、それは木葉功一がこれまで描いてきた男たちと共通するものだ。木場の描く主人公には、生身の人間の肉体を超えたどこか超自然の匂いがする、それが木場作品を独特のものとしている。

そしてこれも現在雑誌連載中の漫画『セツ』。しかしこの『セツ』の主人公はこれまでの木場作品を裏切るかのような明朗天然な体育会系少女が主人公となる。主人公・セツは世界陸上金メダリスト。彼女はある事件をきっかけに刑事になるが、行動が破天荒過ぎていつも警官の職務の枠内を越えて犯人を追ってしまう。いや、こういった"はみ出し刑事"の物語はゴマンとあるのだが、木場のユニークな部分は主人公セツが、ただ社会の正義や道理の為に犯罪を追うのではなく、論理や理性を飛び越えた、自らの肉体と魂の裡にある動物的なインスピレーションを源として犯罪者の心情によりそっていってしまう、という部分だ。結果的にセツは犯罪者を挙げることとなるが、理性の枠組みから外れた者同士として、セツと犯罪者は実は表裏一体の存在であるということが、物語を追うにつれ描かれてゆくのだ。しかしその表裏一体であるセツと犯罪者を決定的に分かつものは何か、というと、それは、セツの、曇りのない清浄さ、皮膚感覚での健康さなのだろう。木場の描く物語には常に獣の如き非理性と霊感がその根幹にあるが、この『セツ』と『ディザインド』を併せて読むと、その非理性と霊感を男女二つの性で描き分けた作品のようにも読めた。つまり、一見木場作品らしくなく見えながら、やはり『セツ』も木場ならではの作品だったのだ。

■なのはな / 萩尾望都

なのはな (フラワーコミックススペシャル)

なのはな (フラワーコミックススペシャル)

萩尾望都による"3.11後"の作品集。タイトル作「なのはな」は被災後の福島を舞台に、津波の犠牲となった祖母と放射能によりもはや帰ることの出来なくなった家、という喪失感に苛まれる一人の少女が、夢幻の中で希望を見出す様子を描く。状況がどんなに悲惨であろうと、悲しみに包まれたものであろうと、それでも明日へと繋ぐ物語を紡ぎ出そうとする、一人の創作者の決意とも言えるようなラストが素晴らしい。続く「プルート婦人」「雨の夜-ウラノス伯爵-」「サロメ20xx」は放射性物質の"擬人化"の物語。どれも乾いたシニカルさに満ちた作品だが、"擬人化"というのは創作者にとってある種の生々しいことがらをソフティケートされたものとして語るための一つの手段なのかもしれない。最後を飾る「なのはな-幻想『銀河鉄道の夜』」は「なのはな」の続編ともいう作品で、ここでは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」「ひかりの素足」を引用しながら、震災被害への鎮魂歌とも言うべき物語を描き出している。萩尾作品にしては相当ウェットな気がしたが、逆に萩尾をしてさえこのような物語を書かせるほど、震災の恐怖は甚大なものであり、そしてそれを創作によって乗り越えようとする様が痛ましいほどに伝わってくる。

ハカイジュウ(6) / 本田真吾

ハカイジュウ 6 (少年チャンピオン・コミックス)

ハカイジュウ 6 (少年チャンピオン・コミックス)

モンスター、というより怪獣パニック漫画の第6巻。舞台は立川からお台場へ、破壊と殺戮の限りを尽くす怪獣達の進撃は止まらない!いやーそれにしても舞台がお台場ってね、レインボーブリッジにフジテレビですよ、ついでに言うとオレの勤務先の近所ですよ、ここが気色悪い怪獣に蹂躙されるなんて楽しいじゃないですか!そもそもね、怪獣撃退の為に観覧車やフジテレビビルが軍事兵器にトランスフォームするとかって、普通ギャグですがこれを大真面目に描いているって言う段階で、この漫画の株はオレの中で上がる一方ですよ。立川編の真の主人公だった頭のイカレた体育教師も十分マイルドなスメルを醸し出していましたが、この6巻では設定そのものがイっちゃってて、今後の展開への期待は高まる一方です。

■JUNKIN' GAP CLASH (1) / 小林じんこ

JUNKIN' GAP CLASH 1 (IKKI COMIX)

JUNKIN' GAP CLASH 1 (IKKI COMIX)

小林じんこといえば80年代ヤングマガジンで連載され人気を博した『風呂上がりの夜空に』の作者である。奇妙な多幸感に満ちたその物語は、やはり時代の空気感を体現したものであったと思う。そしてその小林じんこが長いブランクを終えて帰ってきた。この物語『JUNKIN' GAP CLASH』のテーマは、「全身タイツに魅せられた青年のラブコメディ」である。いわば"微"変態さんのお話なのである。大好きな全タイをしている所を家で見つかると何言われるか分かんないため、大学の寮に入った主人公が、そこで様々な変人、そして全タイ大好きサークルと出会うという物語なのだ。しかし"微"とはいえ変態さんが主人公であるこの物語、少しも暗くも汚くもない。そもそも主人公は美少年であり、その彼が恋をする少女もとても可愛らしい美女だ。そして特殊な趣味、特殊な性向を描きながら、この物語には鬱屈もルサンチマンも存在しない。なぜならそれはこの物語の主題ではないからだ。ユニークであることは、それは人が個人的であろうとすることだ。そしてそれは、自分が誰でもないかけがえのない"自分"であることを肯定するということだ。この物語の素晴らしいところは、特殊でありながら全てが肯定的な部分だ。だからこの物語は、"変"なものを描きながらも、少しも"変"じゃない。全タイというもう一つの皮膚を通して、世界の美しさをもう一度新たに体験すること。『JUNKIN' GAP CLASH』は、小林じんこの新たな代表作となる予感を孕んだ傑作コメディである。

大東京トイボックス(8) / うめ

大東京トイボックス (8) (バーズコミックス)

大東京トイボックス (8) (バーズコミックス)

ゲーム製作業界熱血物語であるが、ゲーム製作の現場やゲーム業界を取り巻くオトナのお話など、ゲーム好きの自分には面白そうな題材を扱ってはいるのだが、その自分が"熱血"が苦手なタチなせいで、本当に申し訳ないのだが時々引いてしまうんだよな。いや、物を作る情熱っていうのは、きっとこういうものなのであり、全部がそうではなくとも、こうして情熱を注いでゲーム作りをしている製作会社もあるのかも知れないとは思うんだけどさあ。それとゲームそのものに密かに復讐を誓うとある調査部員のエピソードが、どうも物語の印象を散漫にしているようにも感じるのだよ。そしてついこの間がゲームレーティングの話題だったのが今回はモバゲーの脅威へとすり替わってきてさ、まあゲームを取り巻くいろんな状況を盛り込もうとしているのは分かるんだけど、最初にテーマとして存在した主人公とかつての彼の盟友との確執の物語が、どんどん置いてけぼりにされてきてしまっているように思えるんだよなあ。きっと作者は描きたいものがあとからあとから沸いてしまってそれをなるたけ一つの物語に収めようとしているんだろうなあ。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120329

20120326(Mon)

[]この世の果ての地へ。〜映画『第九軍団のワシ』 この世の果ての地へ。〜映画『第九軍団のワシ』を含むブックマーク この世の果ての地へ。〜映画『第九軍団のワシ』のブックマークコメント

■第九軍団のワシ (監督:ケヴィン・マクドナルド 2011年イギリス・アメリカ映画)

f:id:globalhead:20120325124310j:image

西暦140年、神聖ローマ帝国統治下にあるブリタニア(現在のイングランド)を舞台にした歴史ミステリ・アクション映画です。主人公は新任軍隊長として境界線警護の任に就いたローマ軍人マーカス・アクイラ(チャニング・テイタム)。その彼の父は20年前、「第九軍団」と呼ばれる5000人の軍団を率いたままブリタニア辺境の地で忽然と消息を絶っており、その時ローマ帝国の旗印ともいうべき【黄金の鷲の像】を失い、それによりマーカスの家名は失墜し、彼は父の失踪と共にそのことを大きな心の傷として抱えています。

物語は、マーカスが失われた【黄金の鷲の像】を取り戻すべく、蛮族の闊歩する荒野のブリタニア北部へと隠密潜入し、その地で出会ったものを描いてゆきます。映画冒頭からマーカス率いるローマ軍と、ローマ侵略を善しとしないブリタニア部族軍との血飛沫切り株乱れ飛ぶ熾烈な戦闘が描かれ、「特に大きな宣伝も無い単館ロードショー作品だし割と地味目の映画なのかな」と思って観ていた自分はすっかり度肝を抜かれて映画への期待度が一気に高まりました。ここで勇猛果敢に敵を打ち破るマーカスの姿は、冒頭から彼の人となりを存分に説明し、観るものに強く印象付ける事でしょう。

この映画のもう一つの見所はマーカスとブリタニア人奴隷エスカ(ジェイミー・ベル)との奇妙な友情です。エスカは闘技場で命を奪われようとしていたところをマーカスに救われ、マーカスの奴隷になります。エスカはかつてブリタニア人兵士としてローマ軍と戦い、家族を皆殺しにされた男です。本来ならローマ軍人など憎き仇であるところを、命を救われたという恩から、マーカスに忠義を誓います。そしてこのエスカとマーカスがたった二人で【黄金の鷲の像】を求めて旅立つのです。しかしいくら忠義を誓ったとはいえ、彼らの赴くのはブリタニア人の支配する土地。ブリタニア人であるエスカがいつ寝返るとも限りません。物語はそんな緊張感を孕みながら進んでゆきます。

当時、ブリタニアを支配しながらもブリタニア人の反乱に悩まされていたローマ帝国は、イングランド北部、現在のスコットランドとの境界線に【ハドリアヌスの長城】というものを築きます。これは118kmにも及ぶ長城で、この長城がブリタニアにおけるローマ帝国征服の北限になるわけです。言うなればこの長城は、当時の"(ローマ帝国の支配する)文明社会"の境界線であり、そこから向こうは、文明果つる未踏の荒野がどこまでも続くんです。このイングランドの寒々しい荒野の情景が実に荒々しく、そして美しい。そこはまさに"この世の果ての地"です。そこにはブリタニア人部族の貧しい集落が点々と存在し、マーカスとエスカはブリタニア人の襲撃を度々受けるのです。

"ある任務"を帯びて闇の国の奥へと苦難の旅を続けるマーカスとエスカの姿は、あたかも『指輪物語』のフロドとサムに似ていないこともありません。そして文明ということわりの通用しない未開の地を目的地へとひたすら分け入ってゆくその物語は、『地獄の黙示録』さえも髣髴させます。マーカスとエスカが出会い、そしてこの物語の大きな鍵となるブリタニアの部族、「アザラシ族」は体中に白い灰のようなものを塗りたくり、毛皮と動物の骨の装飾品をまとい、モヒカンのような頭をした"蛮族"です。紀元1世紀前後のイングランド原住民がこのような姿で描かれている、というのが実にショッキングでした。

紀元1世紀前後のブリタニア人というのは未だ狩猟採集生活を営む部族社会なんです。その貧しく原始的な生活や見てくれは当時既に文明化されていたローマ人と比べるとまさに"蛮族"です。勿論"蛮族"という表現は征服者であるローマ人の視点から見た言葉であり、ブリタニア人はローマが侵攻してくるまで彼らなりの生活と文化を持ち、部族間の衝突も当然あったでしょうから平和に暮らしていたとは言えないにしろ彼らなりの自決権を持って生活していたのでしょう。ですから当時のローマ人と比べて文化成熟度や資源や武器がより劣勢であったブリタニア人をそれをもってして"蛮族"と単純に言い切ってしまうのは大きな間違いですが、当時ローマ帝国とブリタニアにどのような衝突があり、そしてどのような文明の差異が存在したのか、ということをビジュアルと物語で観ることができる、という意味で、この映画は非常に好奇心をそそる作品でした。

消え去った【黄金の鷲の像】と5000人の軍隊の謎やマーカスとエスカの友情の行方は映画に最後まで興味を持たせ、さらにクライマックスの大規模な戦闘も、血湧き肉躍る凄まじいスペクタクルを見せ、娯楽性も十分に高い良作映画でしたね。

■『第九軍団のワシ』 予告編

D

20120325(Sun)

[]ビール日記 ビール日記を含むブックマーク ビール日記のブックマークコメント

先日は渋谷に用事があったので、渋谷のビール屋を攻略しちゃるわい、と相方さんと二人で飲み歩いていました。最初に入ったのはドイツビールの店「ワサファル」。小さなお店でしたが、店長さんが相方さんと同じ仙台出身ということでたちまち話の花が咲き、しかもなぜかその後から入ってくるお客さんお客さんが全て東北人で、店長さんは「いつもはこんなじゃないです!」と言っていましたが、なんだか楽しかったですね。置いてあるドイツビールは優しい味わいのものが多く、この辺のセレクト具合は店長さんの人となりをあらわしているのかもしれません。

f:id:globalhead:20120325151629j:image f:id:globalhead:20120325151628j:image

f:id:globalhead:20120325151623j:image f:id:globalhead:20120325151621j:image

○ワサファル (Wasserfall)

続いて同じく渋谷にある「ワサファル」の系列店だというお店「カタラタス」。ここもビルの地下2階にある小さな店なんですが、満席で賑わっておりました。ドイツビール中心の「ワサファル」と違いこちらの「カタラタス」は世界のビールをあれこれと取り揃えています。勿論ドイツビールもありましたが、ここではアメリカのエールとフィッシュ&チップスを注文。渋谷駅の近くのせいかとても若者が多く、自分のようなおじさん向けではないのですが、わいわいやるのにはいい店かもしれませんね。

f:id:globalhead:20120325152251j:image f:id:globalhead:20120325152250j:image

○カタラタス (CATARATAS)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120325

20120322(Thu)

[]『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス 3D』を観に行った 『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス 3D』を観に行ったを含むブックマーク 『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス 3D』を観に行ったのブックマークコメント

スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス 3D (監督:ジョージ・ルーカス 2012年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20120320173813j:image

スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス 3D』を観に行きました(しかしタイトル長いなあ。頭文字で縮めても「SWEP1FM3D」だもんなあ)。なにしろ初公開1999年だから13年前、なんだか当時の事が走馬灯のように頭をよぎりそうですねえ。当然初公開時劇場でしっかり観てるし、その後DVD化された時に購入して観いの、Blu-rayになればなったで購入して観いの、というSW大好きのオレではありますが、こうして3Dという形になって再び劇場で観られるというのは嬉しいことですね。こんな自分にとってSWEP1は今更あれこれ言う必要のない大好きな映画のひとつで、ポッドレースはスリリングだしダースモールはえれえツエエし、その後のEP2、EP3とどんどん悲劇の影が濃くなってゆく展開と比べるととりあえずハッピーエンドだし、これはこれで全然OKな作品ですね。

そんなわけで内容については特に書きませんが、やはり今回【3D】だということで、その"立体具合"について二言三言。いや実はね、確かにしっかりちゃんと立体はしてるんですが、例えばポッドレースとか宇宙での戦闘シーンとか、この映画で最も盛り上がり、だからこそ存分に3Dして欲しいシーンが、実はあまり3Dして観えなかったんですよね。これ、オレの3Dメガネの掛け方が悪いのかなあ、とか思って、映画の間しょっちゅう3Dメガネ弄ってたぐらいなんですよ。だからね、そういった最初の期待があんまり叶えられず、なんでかなあ、と思ってパンフレット読んでたら、ジョン・ノールさんというこの映画担当の視覚効果スーパーバイザーの方が言うに、どうやら3D映像設計段階で、これらのシーンが、極端な3D効果にならないように仕上げようとしていたらしいんですよ。というのは、ポッドレースにしろ宇宙空間にしろ、基本的にはワイドショットのシーンであり、カメラに近い場所に被写体が無いがゆえに、何かが飛び出してくる要素が無く、これに無理矢理3D効果を与える(ハイパーステレオと呼ぶらしい)と、立体的になったとしても、逆に目の前の情景があたかもミニチュアのように見えてしまう、要するにパースの狂った不自然な映像になってしまう、ということから、あえてそういった方法を取り入れなかったということらしいんですね。あと、あんあり3Dしすぎちゃうと、観ている人が頭痛くなっちゃう、というのもあるらしいですね。この辺、映画の主題に則った映像設計をするのか、あくまで見世物としての3Dを作り出すのか、という映画製作における美学、哲学にも関わることなのだと思いますが、実のところSWEP1がどういう映画なのかすっかり知っている自分などは、ここはあえて見世物としての3Dを追求して貰いたかった、と思ってしまいました。だって、正直なところ、この間発売されたSW・Blu-rayのクオリティの高さ(Blu-ray製作に際しデジタルスキャンしたことによりDVDよりも画面上下左右の映像情報が8%も増えているらしい)に相当感動した者としては、この3D版はそれを超えるものが無かったということが残念なんですよ。

しかしね、このEP1って、SWシリーズでは従来のフィルムで撮影した最後の作品で、続くEP2、EP3はデジタル撮影が行われていた、ということですから、今後製作されるそれらの作品の3D化は、もうちょっと違った形で3D表現されるかもしれませんね。じゃあそれ以前にフィルム撮影されたEP4〜6はどうなんだ、って思っちゃいもしますが、あの辺はすでに古典なので、3Dになるだけ凄いじゃないか、と思うことにしていますよ。それにその頃はもっと技術革新されているでしょうからね。

さて、13年前にとっくに公開されていたのに、今回パンフレット読んで初めて知ったことをつらつら挙げてみます。知っている人はとっくに知っているだろうけど、なにしろオレは今まで知らなかったんでびっくりしたんだよ!だから突っ込まないで!
ダース・モール役の人(レイ・パーク)は今何やってんのかなあ、と思ったら、実は『X-メン』にトード役で出ていた。知らなかった!
・アミダラ女王の影武者サーベを演じていたのはキーラ・ナイトレイだった。知らなかった!メイクしたナイトレイは彼女のお母さんも区別できなかったとか。
・アミダラ女王の侍女役で映画監督のソフィア・コッポラカメオ出演している。知らなかった!
・ワトーの店の裏には、『2001年宇宙の旅』に出てくるスペースポッドが置かれている。知らなかった!
元老院評議会のシーンでは、隅っこに『E.T.』が3人いる。知らなかった!
・新3部作では旧3部作の星々が線になるハイパースペース映像が出てこない。言われてみれば!
・アミダラ女王が初めて登場する通信場面の視覚効果と効果音は『フラッシュ・ゴードン』のそれを再現したもの。なるほどー。
・アナキンのテーマはダースベイダーのテーマのアレンジ。ラストシーンのマーチの主旋律をマイナーにするとダース・シディアスのテーマ曲になる。ほうほう。

これがパンフレットだよー。

f:id:globalhead:20120320173811j:image

それと今宅配ピザの『ドミノピザ』では「スター・ウォーズ スペシャルセット」というのをやってるんだね。これ、ピザにプラス450円で、ピザのケースがMサイズだとR2-D2に、LサイズだとSWスペシャルバージョンになり、さらにライトセーバー型ポスターケース付リバーシブルポスターが付いてくるんだね。今更SWのポスターもいらないけど、ピザは好きなので話のネタに買ってみたよ。

こちらがR2-D2ピザケースの裏表。

f:id:globalhead:20120320173810j:image f:id:globalhead:20120320173809j:image

そしてこちらがポスターとライトセーバー型ポスターケース。

f:id:globalhead:20120320173831j:image

■『スター・ウォーズ EPISODE I ファントム・メナス 3D』予告編

D

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120322

20120321(Wed)

[]最近読んだBD〜『鶏のプラム煮』、『3秒』 最近読んだBD〜『鶏のプラム煮』、『3秒』を含むブックマーク 最近読んだBD〜『鶏のプラム煮』、『3秒』のブックマークコメント

■鶏のプラム煮 / マルジャン・サトラビ

イランの伝統弦楽器タールの奏者として活躍していたナーセル・アリはなによりも大切にしていたタールを妻に壊され、生きる望みを失った。死を決意してから8日後の彼の死まで、ナーセル・アリの最期の日々が始まる。はたしてタールの音色に秘められた想いとは…?『ペルセポリス』で激動のイラン現代史とともに自らの半生を描き切ったマルジャン・サトラピが、1958年のテヘランを舞台に綴る、可笑しくも、やがて哀しき人生の物語。2005年度アングレーム国際漫画祭最優秀作品賞。

イランで生まれフランスに亡命した作者が、コミックの中である時代のイラン文化を切り取る、というだけでも相当ユニークな作品だ。作者の出世作である『ペルセポリス』(未読)もイランを舞台にしたものだそうだが、知っているようで全然知らない中東の国の生活を垣間見るだけでも十分面白い。そこには自分が見知っているような欧米文化と、何も変わらない部分やとても似通っている部分もあり、そしてこの国独特とも言うべき部分もある。しかし、どんなに生活が違っていようよいまいと、愛や孤独や、幸福や悲しみといった感情は、やはり国家や文化を超えて共感できてしまうのだ。あえていうなら、この物語に登場するイラン人たちの人懐こそうな表情や喜怒哀楽の表し方は、欧米人のそれよりも理解しやすいような気さえしてしまった。物語は、楽器を失って生きる気力をなくし、第1章でさっさ死んでしまった主人公の、その死までの8日間を描いたものなのだけれども、決して暗い物語ではなく、むしろのほほんととぼけていて、おまけに主人公の我儘ぶりの可笑しな物語だったりもする。しかし主人公の本当の絶望の理由が明かされる最後の章で、面白うてやがて悲しき、一つの感傷の物語であったことを描き出すのである。

■3秒 / マルク=アントワーヌ・マチュー

3秒

3秒

3秒―それは光が90万kmを走破する時間であり、銃弾が1kmを駆け抜ける時間。呼吸をするのに必要な時間。涙が零れ落ち、爆発物が爆破し、SMSが送受信される時間。3秒―それは登場人物と手がかりが奇妙にも錯綜する沈黙の謎。飛行機と銃を構えた人物たちとスタジアムの間に、どのような関係があるのだろうか?このパズルを解くのは読者である。3秒―これは紙の本の形式だけでなくデジタル・ヴァージョンでも読むことができる物語だ。ズームを多用した、めくるめくグラフィックで時空をめぐるさまざまな実験を行った野心作。

1ページに正方形のコマが9つ、約70ページ、モノクロ、台詞なし。そして物語は、タイトルが示すようにたった3秒の間に起こったある事件を、まるで微速度撮影の映像のように描き出す。しかもそれは一つの視点から別の視点へ、ズームインとズームアウトを繰り返しながら、短距離を、長距離を、次々と移動し、「この事件を巡る3秒の間に同時に何が起こっていたのか」をあからさまにしてゆく。さらにその視点の移動は、レンズや鏡や水面など、様々な物体の"反射する光の軌跡"として描かれてゆくのだ。物語には一切説明が無く、3秒間の時間の流れの中に映し出される様々な映像の断片を総合して、読者が判断するしかない為に、ある種の「解答の書かれていない推理物語」を読まされているような気になってくる。実に野心的であり、実験的なコミックで、何度も読み返しながら物語を把握するしかない、という部分が面白い。


20120319(Mon)

[]もふもふ!にゃあにゃあ!ぺしぺし!がしがし!〜映画『長ぐつをはいたネコ』 もふもふ!にゃあにゃあ!ぺしぺし!がしがし!〜映画『長ぐつをはいたネコ』を含むブックマーク もふもふ!にゃあにゃあ!ぺしぺし!がしがし!〜映画『長ぐつをはいたネコ』のブックマークコメント

■長ぐつをはいたネコ (監督:クリス・ミラー 2011年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20120318192444j:image

  • ドリーム・ワークスのCGアニメ『シュレック』のスピン・オフ作品『長ぐつをはいたネコ』です。実は『シュレック』って3作全部観てない程度に思い入れの無い作品なんですが、劇場予告で観た主人公ネコちゃんのあまりのもふもふ具合にヤラレてしまい、これは観に行かねば、とわざわざIMAX3Dで視聴しました。
  • 主人公である"長ぐつをはいたネコ"ちゃんの名前はプス(これってネコを呼ぶときにあちらの国の人が「プス、プス」ってやるからなんでしょうかね)。彼はサーベルを腰に下げ、帽子に長靴、マント姿のお尋ね者。このプスが、かつて仲違いした親友ハンプティ・ダンプティ、謎の雌ネコ・キティと共に、黄金の卵を産む鳥が居るという天空の城を求め冒険の旅に出る、というものなんですね。
  • この天空の城へ行く為に、流れ者のジャックから魔法の豆を奪おうとするのですが、これは御伽噺「ジャックと豆の木」からの引用になっているんですね。『シュレック』も様々な御伽噺の引用で成り立っている部分がありましたが、この『長ぐつをはいたネコ』もそれを踏襲しているのでしょう。
  • 見所はキザな台詞と立ち振る舞いのプスが、実際のところネコちゃんでしかない部分のギャップの面白さでしょう。酒場に立ち寄っても頼むのはミルクで、それをネコちゃんらしくペチャペチャ舐めてるんですね。あと、壁や床に小さい光がチラチラ動いてると、それをどうしても捕まえたくなってクルクル回っては肉球でぺしぺし叩いちゃうんですよ。さらにいつもは渋い低音の声で喋ってるのに、何かの拍子で「にゃあにゃあ!」とネコ鳴きしてしまうんです!こういった描写ってネコが好きだと堪らなく愛くるしく感じてしまいますよ。CGでもふもふに描かれた毛並みも実にもふもふで、危機に至るとつぶらな瞳で人間を見上げ、その愛らしさで虜にして危機を脱するなんていうのも可笑しかったなあ。
  • 相棒となる謎の雌ネコ・キティとのやりとりはほのかなロマンスを伺わせますが、この彼女とのダンス対決シーンも楽しかったですね。ただ、CGですから綺麗にシンクロするのは当たり前なんですが、もう少しネコ的な柔らかい動きも入れてもらえば完璧だったかも。
  • そしてフィーチャーされている「ジャックと豆の木」のエピソードもよかったですね。子供の頃この物語が大好きだったものですから、ある意味後日談的な扱いになっているとはいえ、天まで伸びる魔法の木に登って天空の城へと入りこむシーンはとてもファンタジックで胸躍りました。そしてこの魔法の豆を持つジャックとその奥さんというのが荒くれ者という設定で、そのジャック夫妻とプス一行とのアクションが物語を盛り上げるんですね。
  • ただ問題はもう一人の仲間ハンプティ・ダンプティなんですよ。いくら御伽噺の引用で成り立っている『シュレック』の世界観の中にある映画とはいえ、この卵野郎がなんだかとても異質に見えてしまうんです。ある意味シュールだし、見方によってはキモいヤツなんですよ。
  • 物語はプスとこの卵野郎との長きに渡る愛憎と確執とが主軸になっているのですが、この卵野郎のやっていることってどうもチグハグだし回りくどいし、卵野郎の持つ"動機"の説明はどこか矛盾しているし、このキャラの造形と立ち位置の設定の拙さが、結局物語を観終わった後に「なんなのこれ?」というもやもやしたものを残してしまうんですよね。そういった部分でのシナリオの練りこみ不足が残念に感じました。

■長ぐつをはいたネコ 予告編

D

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120319

20120318(Sun)

[]飲み食い日記 飲み食い日記を含むブックマーク 飲み食い日記のブックマークコメント

■某月某日

ホワイトデーとかいうのでとりあえず相方さんにご馳走しようと銀座へ飲みに行く(まあオレも飲み食いしたかったんだが)。この日のお店は大正14年創業、谷崎潤一郎が『細雪』にも登場させたというドイツ料理の老舗店「ローマイヤ」。もともとビールは好きなのでドイツビールとドイツ料理を堪能したかったのである。この日食したのはザワークラウト、シーザーサラダ、パンの盛り合わせ、鶏レバと豚のパテ、ハム盛り合わせ、仔牛のカツレツ。仔牛のカツレツは昔村上春樹のエッセーで読んで一度きちんと食べてみたかった。店は落ち着いた雰囲気で店員のサービスも良く料理も酒も美味かった。ただ酔っていたのかとても元気のいい声で喋られていた男性客に少々遠慮してもらうともっと良かった。

f:id:globalhead:20120318171636j:image f:id:globalhead:20120318171634j:image 

f:id:globalhead:20120318171632j:image f:id:globalhead:20120318171631j:image 

ドイツビールもたらふく飲みました。この間まではベルギービールばっかりだったのだが、最近はドイツビールづいているな。

f:id:globalhead:20120318171630j:image

f:id:globalhead:20120318175247j:image f:id:globalhead:20120318175245j:image f:id:globalhead:20120318175246j:image

○銀座にあるドイツ料理とビールの店 レストラン ローマイヤ

■某月某日

焼肉が食いたい!と思ったのだがたまには豚で行こうじゃないか、と関内から少し歩いて福富町のコリアンエリアへ。ここの「豚パパ」という店に入ってサムギョサプルを注文。サムギョサプルを焼く鍋って少し傾いていて端に穴が開いており、そこから肉から出た脂が下に置いたコップに滴り落ちるようになっているというとても機能優先な作りで面白い。焼きあがった肉は店員が鋏でチョキチョキと切ってくれてその手際のよさを眺めているのもまた楽しい。お肉の味付けはもう少し濃い目のほうが好みだったかな。焼いたキムチと肉を野菜に巻いて食うのは美味かった。

f:id:globalhead:20120318174231j:image f:id:globalhead:20120318174229j:image

マッコリも呑みました。美味かったです。

f:id:globalhead:20120318174228j:image

○豚パパ

そしてこの後久しぶりに日本の地ビールの店「クラフトビアバー」へと流れていって軽く地ビール呑んで帰りました。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120318

20120316(Fri)

[]バイセクシャルの父、レズビアンの私〜『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』 バイセクシャルの父、レズビアンの私〜『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』を含むブックマーク バイセクシャルの父、レズビアンの私〜『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』のブックマークコメント

■ファン・ホーム ある家族の悲喜劇 / アリソン・ベクダル

セクシャルマイノリティとして、文学を愛する者として、共感を覚えながらもすれちがい続けた父と娘。互いをつなぐ微かな糸を、繊細にして静謐な筆致でたどる、ある家族の喪失と再生の物語。アイズナー賞、最優秀ノンフィクション賞受賞、全米批評家協会賞最終候補作品、アングレーム国際漫画フェスティバル優秀作品賞ノミネート。

亡き父の思い出を、娘は語り始める。家族は、ペンシルベニアの片田舎で葬儀屋を営んでいた。父は、英語教師だった。父は、心から文学を愛していた。父は、常にスタイルに拘っていた。父の死は、自殺だったのかもしれなかった。そして父は、バイセクシャルであり、その娘である私は、小さな頃から、レズビアンであることに目覚めていた――アメリカのコミック・アーチスト、アリソン・ベクダルが7年の歳月を費やして完成させた『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』は、そんなセクシャル・マイノリティである親子同士の共感と孤独を描く、作者の自伝的作品である。

7章から成り立つ物語は、時間軸を交差させながら、"ちょっと風変わりだった"自分の一家を回想してゆく。田舎町にはふさわしくないような洒落た内装とインテリアの家にすることに心血を注ぐ主人公の父は、己の美意識に頑なな男だった。父はフィッツジェラルドとジョイスとプルーストを愛し、主人公もそんな父に感化され、文学を愛するようになる。父と母の関係は冷えており、父の死の直前には離婚の話が持ち上がっていた。そんな母は演劇好きであり、自らも役をこなしていた。いうなればこの家族は、それぞれが、何がしかの仮想や夢想の中が唯一身の落ち着ける場所である、非常に内省的な家族であったのだ。

夢想の中で、人は完全なものになれる。自らの理想とする完璧なものになれる。しかしそれは逆に、現実に対する欠落感の裏返しでもある。その欠落感が強ければ強いほど、人は夢想の虜になり、そして現実と夢想の乖離は、さらに残酷な失望感を人に課すこともある。スタイルと美意識は、人を完璧な物に近づける方便のひとつだけれども、自分を取り巻く全ての世界を自らのスタイルと美意識で覆うことは出来はしない。そんな時たいていの者はどこかで折り合いをつけるものだが、つけられない者に待っているのは苦悩と苦痛だけだ。そして物語の時代はニクソン政権の崩壊前後。セクシャル・マイノリティに対する理解は生まれつつあったが、それも大都市だけだったろう。主人公たちの住む田舎町で同性愛行為はいまだ警察と精神科のお世話になるような時代だったのだ。高雅な美意識を持ちセクシャル・マイノリティであった主人公の父にとって、その世界はやはり生き難いものだったのだろう。主人公の父の死亡の原因が自殺だったのかどうかは明らかになっていない。しかしそれがもし自殺だったのだとしたら、そんな理想と現実の乖離が彼を殺したのかもしれない。

一方、そんな父の背中を見ながら育った主人公は、父の趣味性が単に堅苦しく窮屈なものであることを知っている。スタイル、に彼女は拘らない。彼女は自由でありある意味現実に対してがさつであり、その分強さを持っている。彼女は物心付いたころから自分がセクシャル・マイノリティであることに気付き、そして学生時代にカミングアウトするが、少なくともこの物語の中では、セクシャル・マイノリティであることの苦悩は描かれない。最後まで隠し通さねばならなかった父親と比べ、ここでも彼女は自由なのだ。そんな彼女の性向は、父親の生き方を見て来たからこそではあるが、しかし彼女は決して父の生き方を否定しているわけではないのだ。ただ、彼女は、自分の父は、なぜこうなのだろう、という不思議さでもって父を見つめていた。そして、父は、何故死なねばならなかったのだろう、といつも考えていたのだ。

そんな彼女の父の理解を助けたのは、文学だった。父の愛する文学の、その珠玉の如き一章一章に触れることで、いつしか彼女は、父が見ていたもの、見ようとしていたものを、文章の向こうに垣間見るのだ。そこにはセクシャル・マイノリティ同士の共犯感覚もあったのかもしれないが、やはり二人を繋いだのは文学だったのだ。この『ファン・ホーム ある家族の悲喜劇』は、"ちょっと変わった生き方"を選んでしまった父と娘が、文学を通じてお互いの魂の奥底をみつけあう、その作品自体が文学的な香りに満ちた珠玉のコミックだといえるだろう。

f:id:globalhead:20120203184349j:image f:id:globalhead:20120203184348j:image

f:id:globalhead:20120203184347j:image f:id:globalhead:20120203184346j:image

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120316

20120315(Thu)

[]最近聴いたCD / Burial、Ital、Fluxion、Ken Ishii、Pinch、DJ Sneak 最近聴いたCD / Burial、Ital、Fluxion、Ken Ishii、Pinch、DJ Sneakを含むブックマーク 最近聴いたCD / Burial、Ital、Fluxion、Ken Ishii、Pinch、DJ Sneakのブックマークコメント

■Street Halo + Kindred / Burial

Street Halo / Kindred [解説付・国内盤] (BRC320)

Street Halo / Kindred [解説付・国内盤] (BRC320)

ダブステップの鬼才Burialの去年と今年リリースされたシングルのカップリング盤。『Street Halo』では相変わらずのダーク&メランコリックさだが、『Kindred』は一転、よりエモーショナルな展開を見せ、今後発売されるであろうニューアルバムの完成が非常に楽しみだ。 《試聴》《試聴》

D

■Hive Mind / Ital

Hive Mind

Hive Mind

ItalはUSインディの人でこのアルバムは”ネクスト・バレアリック・ハウス”なんて呼ばれているらしい。確かにダンス・ミュージックのリズムは刻んでいるのだけれど、ユラユラと音の芯が動いてゆくような感じが奇妙で、そして10分程度の長めの曲は催眠的な音の連なりを見せ、ジャケットの如くサイケデリックさを感じさせるのだ。 《試聴》

D

■Traces / Fluxion

Traces

Traces

ミニマル・ダブ・レーベルECHOCORDからリリースされたFluxionのアルバムはECHOCORDレーベル独特の静謐さと落ち着きに満ちたチル・アルバムだが、ビート入りの曲もあり、これがまたじわじわと効いてくる。 《試聴》

D

■MUSIC FOR DAYDREAMS / KEN ISHII & Metropolitan Harmonic Formulas

Music for Daydreams

Music for Daydreams

KEN ISHIIが様々なアーチストと繰り広げる新たなプロジェクト。テクノの枠組みだけに囚われないゴージャスな音世界を展開する。MR FINGERSの"CAN YOU FEEL IT"のカヴァーはやっぱりいいね。 《試聴》

D

■FABRICLIVE 61: Pinch

Fabriclive 61: Pinch

Fabriclive 61: Pinch

FABRICLIVEの61番はダブステップ&ベースミュージックのPinch。ダブステップにとらわれない様々なダンストラックスをMIX。

《試聴》

D

■Fabric 62: DJ Sneak

Fabric 62: DJ Sneak

Fabric 62: DJ Sneak

Fabricの62番はプエルトリコ出身のハウス・アーティスト DJ Sneak。ここしばらくどんよりしたダブステップ系の音ばかり聴いていたので、このDJ Sneakのパキパキした陽性なハウス・ミックスは雨続きの後の晴天のような開放感があった。やっぱりこういうのも聴かないと。 《試聴》

D

きりきり 2012/03/18 13:58 いつも新しい情報をありがとうございます!楽しませてもらってます。youtubeでちぇきりますわ。

globalheadglobalhead 2012/03/18 17:57 オレの日記の中でも読んでいる人間が誰かいるのか全く分からないCD紹介記事、参考にしてもらえれば光栄です〜。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120315

20120314(Wed)

[]旧約聖書 創世記編 / ロバート・クラム 旧約聖書 創世記編 / ロバート・クラムを含むブックマーク 旧約聖書 創世記編 / ロバート・クラムのブックマークコメント

旧約聖書 創世記編

旧約聖書 創世記編

内容紹介:世界中でベストセラー! アメリカンコミックの巨匠ロバート・クラムが4年がかりで描き上げ、「聖書の登場人物を血の通った人間に描いた」と話題になった傑作が、ついに日本語版で登場! 原典と数々の資料から、徹底したリアリズムで旧約聖書の世界を忠実に再現。今まで想像もしなかった本当の創世記がここにある!

ロバート・クラムといえばアメリカ60年代ポップ・カルチャーの申し子であり、アンダーグラウンド・コミックの草分け、という紹介が成されるが、フリッツ・ザ・キャットというキャラクターを生み出した存在であること以外は、日本人にとってちょっと馴染み薄いアーチストかもしれない。かく言う自分も、柳下毅一郎編・訳 である『ロバート・クラム BEST』を1冊読んだことがあるだけで、彼の功績を理解しているとはまるで言い難い。しかし『ロバート・クラム BEST』を読んで感じたのは、自分のユダヤ人としてのアイデンティティーに対する葛藤を、シモネタを含めてとても生々しく描いているコミック・アーチストだということだった。

60年代ポップカルチャーというキーワードから往時の政治・文化に対する反体制的な、今で言うならパンキッシュな表現活動をしていたということは想像できるが、そんな彼が、あろうことか、旧約聖書の創世記部分を、聖書の文言に殆ど解釈や省略などを加えず、できるだけ忠実に再現したコミックを描いた、というのが実に興味深かった。旧約聖書といえば膨大な系譜図が書かれているが、その系譜図に登場する人物一人一人の肖像さえこと細かに描き込んでいるのだ。

そこには『ロバート・クラム BEST』でも見られたユダヤ人的アイデンティティーの発露もあったのだろうが、それよりも、"ロバート・クラムが描いた"という部分に、実は旧約聖書それ自体への批評行為が成り立つ、とはいえないだろうか。それは例えば、かつてイギリスのニューウェーブ・バンド、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドが、ブルース・スプリングスティーンの「BORN TO RUN(明日なき暴走)」を下手なアレンジ無しにカヴァーし、にもかかわらず、それ自体がアメリカ的なロックンロール・キングへの批評となっていたことと似ているように思える。

しかも、"忠実に再現した"この旧約聖書の物語は、「天地創造」、「アダムとイブ」、「ノアの方舟」や「ソドムとゴモラ」などお馴染みのエピソードも含め、そこで語られている暴力とセックスが、それこそ旧約聖書に書かれている通りに、誤魔化し無しで描かれているのだ。また、そういった部分とは別に、聖書という宗教経典的な部分を離れ、当時の人々の生活や文化の片鱗に触れられるのがまた面白かったりする。現在何気なく使っている言葉には、実はこういった聖書的な部分があったのか、ということを知ることが出来るのも楽しい。自分のような日本人には、古の時代のある国家に生きた人々の、一つの寓話物語として読むことも十分出来、さらに旧約聖書を読んだ気にすらなれる、という部分で、意外とお得な読み物だった。

f:id:globalhead:20120314122004j:image

f:id:globalhead:20120314122001j:image

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120314

20120313(Tue)

[]最近聴いたCD〜Andy Stott、Oneohtrix Point Never、Balam Acab、Julia Holter、Memory Tapes、Laurie Anderson 最近聴いたCD〜Andy Stott、Oneohtrix Point Never、Balam Acab、Julia Holter、Memory Tapes、Laurie Andersonを含むブックマーク 最近聴いたCD〜Andy Stott、Oneohtrix Point Never、Balam Acab、Julia Holter、Memory Tapes、Laurie Andersonのブックマークコメント

■Passed Me By + We Stay Together / Andy Stott

Passed Me By / We Stay Together

Passed Me By / We Stay Together

最近ではダブステップから様々に進化した音を聴くことができるが、このAndy Stottなどはコラージュ、ループを駆使したアンビエント的でサイケデリックな音を鳴らしている。アルバム『Passed Me By』とEP『We Stay Together』がカップリングになっている盤が出ており、そちらのほうがお得でありましょう。 《試聴》

D

■Replica / Oneohtrix Point Never

Replica

Replica

Andy Stottよりもさらにコラージュ、ループ、サンプリングを施し、ドローン、ミニマルなどエレクトリック・ミュージック的要素を備え奇怪でダークな音世界を展開するOneohtrix Point Never、やはりサイケデリック・ダブの変異体と考えればいいのか。だけどこの手のコラージュ系は飽きるのも早いかも。 《試聴》

D

■See Birds / Balam Acab

See Birds

See Birds

以前聴いた『Wander / Wonder』がとても素晴らしかったBalam Acabがそれ以前にリリースしていたEP。こちらもアンビエント&ダブステップで、美しい旋律多し。 《試聴》

D

■Tragedy / Julia Holter

f:id:globalhead:20120222193821j:imageasin:B007BS10NU

ロサンゼルス出身の女性アーチスト、Julia Holterのアルバム。音的には実験音楽的なアンビエントだが、ダブステップ派生のサイケリック・ダブとも親和性が強い気が。エモーショナルな音色が時々聴けるのは女性アーチストならではか。 《試聴》

D

■Seek Magic (Bonus Track Version) / Memory Tapes

Seek Magic

Seek Magic

ニュージャージー発のエレクトロニック・ユニットMemory Tapes、音的にはオルタナ系のインディー・ギターロック的な側面が強いけれども、インストのアンビエント風味がなかなか美味しかった。 《試聴》

D

■Homeland (Audio Version) / Laurie Anderson

Homeland

Homeland

音楽パフォーマー、ローリー・アンダーソンの音が突然聴きたくなり購入。実際のところ、彼女の音楽はパフォーマンスとセットで評価されるべき未完成さというか音の足りなさが多いのだが、その未完成な部分がたまに面白かったりする。 《試聴》

D

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120313

20120312(Mon)

[]今度のホームズはヨーロッパが舞台だ!〜映画『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』 今度のホームズはヨーロッパが舞台だ!〜映画『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』を含むブックマーク 今度のホームズはヨーロッパが舞台だ!〜映画『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』のブックマークコメント

シャーロック・ホームズ シャドウゲーム (監督:ガイ・リッチー 2011年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20120311143223j:image

  • ロバート・ダウニー・Jrジュード・ロウがホームズとワトソンを演じ大ヒットした2009年の映画『シャーロック・ホームズ』の続編です。
  • 前作は知性派な原作ホームズのイメージと離れた肉体派でしかもちょとだらしないホームズが主役を演じるアクション主体の映画でしたが、逆にそんなイメージを裏切る部分が楽しめた映画でした。それと合わせセットとCGIで事細かに再現された19世紀のロンドンの雰囲気がとってもリアルで、それにスチーム・パンク的な味付けが施され、自分もとてもお気に入りの映画でした。
  • さて今作、アクションは前作を上回る派手さになっており、爆破・銃撃・破壊はてんこ盛り、さらにロケーションもロンドンを離れ、フランス、ドイツ、スイスとホームズがヨーロッパを股に掛けた大活躍を見せます。つまりこの『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』、前作をさらにグレードアップさせたゴージャス版として完成しているんですね。
  • そして今作のホームズの敵は前作でちらりとだけ姿を見せたモリアーティ教授。原作でもホームズの宿敵として現れたモリアーティ教授はホームズさえ上回るその悪魔的な頭脳で、ホームズと仲間たちを絶対の危機に陥れるんですね。
  • そんなこの『シャドウゲーム』が前作を上回るほど面白かったのか、というと、えーっとちょっと…と思っちゃうんですよ。
  • 前作で見せたホームズの破天荒な解釈や一瞬で戦局を見切る鋭利な判断力の描写、そして盟友ワトソンとのコミカルなやり取りはそのままなんですが、そのままなだけにそれだけだともう新鮮味を感じなかったんです。なんだか前作と同じ事やっているなあって気がしちゃったんですよ。逆に言えば同じだからこそ前作ファンは楽しめるだろうとも言えるので、この辺は好みなんだと思いますけどね。
  • そして爆破だ銃撃だ、とどんどん派手になり、さらにヨーロッパを股に掛けて世界の危機を救う、というこの物語は、いくらホームズのイメージから離れていることが前提の物語とはいえ、ちょっと遣り過ぎなんじゃないかなあ、と感じてしまったんですよ。
  • 要するにこの物語って、19世紀を舞台にした007でありミッション・インポッシブルなんですね。そういう物語があってもいいし、十分面白くできるだろうし、実際、この映画も力のこもった演出がされていることは間違いないのですが、これ別にホームズじゃなくてもよくない?と思えてしまったんです。このシナリオでホームズを登場させない物語にしても、結局成り立っちゃう部分が多いんですよね。
  • 007やミッション・インポッシブルをその作品らしくさせているのはその"世界観"なのですが、この『シャーロック・ホームズ』の世界観はどこら辺にあったかというと、それは19世紀のロンドンの佇まいだったと思うんですよ。そういった点で今作は1作目で構築した世界観を逸脱してしまったんじゃないかな、と思ったんです。
  • 自分としては、あくまでもヴィクトリア朝と産業革命の匂いの残るイギリス、そしてそこに住むホームズというものにこだわってもらいたかったんですね。そういった部分で個人的に不満を感じてしまいましたが、映画的には決して退屈させないアクション娯楽作品に仕上がっていると思いますよ。

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム 予告編

D

シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム オリジナル・サウンドトラック

シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム オリジナル・サウンドトラック

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120312

20120309(Fri)

[]壮大なる謎の都市群〜コミック『闇の国々』 壮大なる謎の都市群〜コミック『闇の国々』を含むブックマーク 壮大なる謎の都市群〜コミック『闇の国々』のブックマークコメント

■闇の国々 / ブノワ・ペータース, フランソワ・スクイテン

闇の国々 (ShoPro Books)

〈闇の国々〉――それは、我々の現実世界と紙一重の次元にある謎の都市群。 ある日突然増殖しはじめた謎の立方体に翻弄される人々を描く『狂騒のユルビカンド』、 巨大な塔の秘密をめぐる冒険から、数奇な運命へと導かれる男を描く『塔』、 未知の天文現象により、体が斜めに傾いてしまった少女の半生を描く『傾いた少女』、 傑作と名高い選りすぐりの3作品を収録した歴史的名作シリーズの初邦訳。 メビウス、エンキ・ビラルと並び、BD界の三大巨匠と称されるスクイテンが、ついに日本上陸。 繊細な描線、計算されつくされた構図、あらゆる芸術のエッセンスを詰め込んだBD芸術の真骨頂!

ブノワ・ペータース&フランソワ・スクイテンのコミック『闇の国々』は、いつともどことも知れぬ架空の世界を覆う壮大なる巨大都市群そのものが主人公となった幻想物語である。スクイテンの描く都市の姿は細微であり硬質であり、中世の銅版画のように暗く冷たく陰鬱な様相を呈しており、ペータースの紡ぐ物語はカフカ的な不条理とボルヘス的な迷宮世界を表出させる。ここで描かれる都市はアール・ヌーヴォーやアール・デコが発狂したかのような偏執的な重層構造を持ち、ジュール・ベルヌとレオナルド・ダ・ヴィンチとブリューゲルが悪夢の中で描いたかのようなレトロ・フューチャーと寓話的古典主義が坩堝となって混在する。ここに登場する人々は都市にかしずき都市に奉仕し、そして都市に翻弄され都市に飲み込まれる形でしか存在しない。

バンドデシネ『闇の国々』はブノワ・ペータースとフランソワ・スクイテンにより1982年より描かれている連作コミックで、現在12編の物語が描かれ、その他にも番外編となる関連著作やDVDが発表されている。今回日本で発売された『闇の国々』にはその中から傑作と名高い『狂騒のユルビカンド』、『塔』、『傾いた少女』の3作が訳出され単行本に納められている。これらは独立した物語であり、舞台も時代も登場人物も異なるが、さらに言えばそれぞれの存在する次元さえ違うということが出来る。『闇の都市』の物語は異次元の都市の夢なのだ。

ではそれぞれの作品を紹介。『狂騒のユルビカンド』は巨大都市ユルビカントに突如現れた謎の格子状立方体が巻き起こす混乱と狂騒を描く。工事現場で発見され、最初机に乗る程度の大きさだった格子状立方体は、次第にその大きさを増し、格子の数とその寸法を増大させながら、終いには都市ユルビカントそのものを飲み込んでしまう。しかし当初の混乱の後ユルビカント市民たちはこの格子状立方体を互いが行き来する橋代わりに使用し始める…といった物語。川を挟んで二つに分断されていた都市ユルビカントが格子状立方体の登場により交流が始まる、という内容は、ベルリンの壁崩壊やインターネット登場による情報のグローバル化を暗喩しているのかもしれない。しかし成長を止めない格子状立方体が迎えるその終末は、気の遠くなるような壮大さに満ちている。

『塔』はいつの時代から存在するのか定かではない建造物"塔"の保守担当の男が、"塔"の真実の姿を確かめるために旅に出る、という物語。最初"塔"から下降し、そしてまた"塔"の最上層部を目指す、という旅路の中から徐々に明らかになっていく都市の全貌。これなどは勘のいい読者なら「バベルの塔」の物語だとすぐ気付くだろうが、旅路の果てに主人公が見た光景と驚愕のラストに度肝を抜かれる。また、この物語は在命中のオーソン・ウェルズが主人公のモデルとなる為に作品協力しており、この作品自体がオーソン・ウェルズ最後の作品であるということもできる。

『傾いた少女』はある日突然地球の重力を無視して"傾いて立つ"ことしか出来なくなってしまった少女の数奇な運命を描く。おりしも地球には謎の妖星が接近しており、妖星探検のために建造されたジュール・ベルヌ式砲弾型宇宙船に密かに乗り込んだ少女は、降り立った未知の星で彼女が"傾いて立つ"こととなった理由を知る…というミステリアスかつロマン溢れる物語。物語には写真のパートも用意され、グラフィックと写真映像のせめぎあいは、現実と虚構の境界を曖昧にし、そしてそれ自体が物語のテーマともなっている。また、ジュール・ベルヌが実名で登場しているところも面白い。

f:id:globalhead:20120203173451j:image

f:id:globalhead:20120203183148j:image

f:id:globalhead:20120203183149j:image

20120308(Thu)

[][][]最近買った画集やらなにやら 最近買った画集やらなにやらを含むブックマーク 最近買った画集やらなにやらのブックマークコメント

■GARY PANTER PICTURE BOX

Gary Panter

Gary Panter

アメリカのパンクなグラフィック・アーチスト、ゲイリー・パンターの1970年代〜最近の仕事を集めた箱入り2冊組豪華画集。体裁は豪華だけどアート作品はラクガキみたいなのばかり!それぞれ350ページあまり、でかい、分厚い、重い、凶器にもなる、そして楽しい、そんなボリュームたっぷりの画集となっております。定価は結構お高いですが海外ネットショップで古本を探して購入しました。

f:id:globalhead:20120303110849j:image

D

スチームパンク / ジェイ・ストロングマン

スチームパンク

スチームパンク

おお麗しのネオ・ヴィクトリアン・ロマン!ジェイ・ストロングマンが編集したアート集『スチームパンク』はタイトル通りスチームパンクにまつわる30を超えるアーチストたちの様々なアート作品が網羅されています。蒸気機関が発達したもうひとつのヴィクトリア朝時代、重々しく物々しくそして懐古趣味的なエレガントさに満ちたこれらの作品は、収録されたグラフィック作品などよりもオブジェ作品のほうにその真骨頂が現れているでしょう。

f:id:globalhead:20120303111359j:image

f:id:globalhead:20120303111358j:image

■遠い町から来た話 / ショーン・タン

遠い町から来た話

遠い町から来た話

町外れに住む水牛、誰にも愛されなかったものからペットを手作りする方法、真夜中に犬が吠える訳、誰にも読まれず忘れ去られてしまった詩の行方。文字の無い絵本『アライバル』で驚異の幻想世界を創り出したショーン・タンの新作絵本。こちらは幾編かのショート・ストーリーで綴られ、今回は文章付き、ファンタジックなイラストレーションと物語でちょっと懐かしくちょっと不思議な世界を創出しています。

f:id:globalhead:20120303111726j:image

f:id:globalhead:20120303111725j:image

■SUN CHILD / ヤノベケンジ

SUN CHILD

SUN CHILD

現代美術作家のヤノベケンジ氏が「再生・復興してゆく人々の心に、大きな夢と勇気を与える希望のモニュメント」としてプランニングした「SUN CHILD」プロジェクトの様子を収めた小冊子。当然"再生・復興"という言葉の影には3.11以降の芸術活動とは何か、という自分への問い掛けがあったのだろうけれども、それ以前にも、氏は自作の放射能防護服を着て原発事故後のチェルノブイリを訪問する「アトムスーツ・プロジェクト」というのも行っていて、ただ理念のみでアート作品を成しているというわけではなく、氏には確固とした未来像がヴィジョンとして存在するのだろうと思う。

f:id:globalhead:20120303112105j:image

R.I.P. Best Of 1985-2004 / THOMAS OTT

R.I.P.: Best of 1985-2004

R.I.P.: Best of 1985-2004

スイスのコミック・アーチスト、トーマス・オットによるダークかつブラックなホラー作品集。そして絵のほうもダーク&ブラック、これは黒い画用紙を削り取って描く「スクラッチボード」という手法によるものなのだそうです。台詞は全く無く、救いようの無い暗くおどろおどろしい話が幾編も収められています。物語自体はひねりがあまり無いのですが、真っ黒なグラフィックをひたすら堪能するのが正解なのだと思います。

f:id:globalhead:20120303112538j:image

f:id:globalhead:20120303112537j:image

20120307(Wed)

[]鉄拳3D PRIME EDITION (Nintendo3DS鉄拳3D PRIME EDITION (Nintendo3DS)を含むブックマーク 鉄拳3D PRIME EDITION (Nintendo3DS)のブックマークコメント

TEKKEN 3D PRIME EDITION - 3DS

TEKKEN 3D PRIME EDITION - 3DS

Nintendo3DSの『鉄拳』シリーズ最新作『鉄拳3D PRIME EDITION』ってぇやつを買ってやってるんですけどね。なにしろ『鉄拳』みたいな格ゲーを3Dで出来るっていうのが面白いですね。自分、格ゲーは昔みたいにやらなくなっちゃいましたが、携帯ゲーム機でいつでもどこでもお手軽に、というのは悪くないですね。ただしもともと格ゲーは下手糞なので、この『鉄拳』もガチャプレイスタイルです。要するに技のコマンドなんかはいちいち覚えたりせず、キーをなんとなくガチャガチャやってプレイしてるんですよ。この“なんとなくやってる”という感覚が好きなんですよね。最強になりたいとか複雑なコマンドを覚えて華麗なプレイをしたいとかこれっぽっちも思ってないです。それに「簡易コマンドキー」があったりするので割と困りません。

格ゲーってもう完成されちゃったジャンルで、一見さんお断りみたいな部分もあるけど、もっと気楽にプレイしてもいいんじゃないかと思うんですよ。それに、適当にキーを押していても、キャラがいい具合に秒間60フレームの綺麗なモーションで動いてくれるんですね。なんとなくプレイしながらこのモーションを眺めているのが好きなんですよ。もちろん勝ったほういいんですが、勝てるようになるためにがむしゃらに頑張るっていうのもねえ、別にいいやあ、って感じです。今回はプレイヤーキャラが41人も用意されているので、あえて自キャラを一人に設定せず、41人のキャラを順繰りに試すだけでも楽しめると思いますよ。

ところでこのゲーム、携帯機なもんですからプレイしてると持ってる手が揺れて、で、そのせいで3D立体視の焦点がずれちゃうんですよね。まあこれは自分がガチャプレイしているせいで、上手い方なんかは手元なんか揺らさずプレイできちゃうでしょうけどね。気になるのなら3D切っちゃえばいいし。

それとこのゲーム、2011年に劇場公開されたCG映画『鉄拳 ブラッド・ベンジェンス』がまるまる収められているのがびっくりですね。実はまだ全部見てなくて、噂だと映画の出来はちょっとナニらしいのですが、それにしても3センチ四方ぐらいのゲームソフトのチップにゲームと映画両方入っているっていうのが面白いですね。ちらっと観たんですがこんな綺麗な画面の映画がよく収録できるもんだなあと思いましたよ。あ、ちなみにキャラで一番好きなのは【熊】ですコフッコフッ。

D

鉄拳 ブラッド・ベンジェンス [DVD]

鉄拳 ブラッド・ベンジェンス [DVD]

juicy19780123juicy19780123 2012/03/07 12:35 僕はブライアン・フューリーが一番好きです。
誰がどう見てもロイ・バティ。

globalheadglobalhead 2012/03/07 12:39 おーブライアン・フューリー、一撃が強烈ですが上級者向けなキャラですね。自分上手く使えないです。ルックスも鉄拳ではオチャラケのないキャラで凄味がありますよね。あとオレ、ドレッドでジャージ着ててクルクル回るヤツ(誰だよ)が好きですね。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120307

20120306(Tue)

[]『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』に行って来た 『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』に行って来たを含むブックマーク 『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』に行って来たのブックマークコメント

f:id:globalhead:20120304201552j:image

先日は東京国立近代美術館へ『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』を観に行きました。例によって美術のことは少しも知らない自分なのですが、絵の具をばしゃばしゃと豪快に散らかした彼の抽象作品が載っているチラシを見て、あーなんだか面白そう!と思って観にいったんですね。

ポロックは、第二次世界大戦中に戦禍を避けてアメリカに避難していたシュルレアリスト達との交流や、かねてから尊敬していたパブロ・ピカソやジョアン・ミロらの影響により、無意識から湧き上がるイメージを重視したスタイルをとりはじめる。1943年頃から、キャンバスを床に広げ、缶に入った絵具やペンキを直接スティックなどでしたたらせる「ドリッピング」という技法を使う。はじめは遠慮がちに使っていたが、1947年から全面的に展開する。このころ、批評家のクレメント・グリーンバーグにより「いくら称えようとしても、称えるための言葉が存在しない」と最大級の賛辞を受ける一方、雑誌や新聞によってからかい半分の取り上げられ方をする。床に置いて描くことはインディアンの砂絵の影響などによると言われる。

また、絵画(平面芸術)は現実の風景や物の形などを再現するものではなく、描画行為の場(フィールド)であると考えていた。彼は単にキャンバスに絵具を叩きつけているように見えるが、意識的に絵具のたれる位置や量をコントロールしている。「地」と「図」が均質となったその絵画は「オール・オーヴァー」と呼ばれ、他の抽象表現主義の作家たちと通じるものがある。

Wikipedia-ジャクソン・ポロック

躍動感溢れる代表作も楽しかったのですが、初期の作品である「西部へ」の幻想性がとても気になりました。

f:id:globalhead:20120304203632j:image

目玉はかつてイラン革命によって門外不出となったという伝説の作品《インディアンレッドの地の壁画》。いや、ポロックの作品のどれが一番優れているかなんて判断できないんですが、しかし「作ってるとき楽しかったろうなあ」という気はします。精神療法として絵画を描いていた部分もあったそうですから、描きながら自分の心の内にあるものを探り出してゆく、その行為には、無私なる自分に没頭できるものがあったのではないでしょうか。「私は音楽を楽しむように抽象絵画を楽しむべきだと思う」とポロックも言っていたそうですから、しかつめらしい顔などせずに、カンバス一杯に踊る絵の具の軌跡を無心になって楽しめばいいのだと思います。

f:id:globalhead:20120304203440j:image

ポロックの半生はエド・ハリス主演・監督で映画にもなっているようですね。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120306

20120305(Mon)

[]カメラ・オブスクラとしての『ヒューゴの不思議な発明カメラ・オブスクラとしての『ヒューゴの不思議な発明』を含むブックマーク カメラ・オブスクラとしての『ヒューゴの不思議な発明』のブックマークコメント

ヒューゴの不思議な発明 (監督:マーティン・スコセッシ 2011年アメリカ・イギリス映画)

f:id:globalhead:20120304184811j:image

  • マーティン・スコセッシ監督の新作映画『ヒューゴの不思議な発明』は1930年代のパリを舞台に、駅の時計台に隠れ住む孤児の少年が、父から遺された機械人形の秘密を一人の少女と共に解き明かしてゆく冒険ファンタジーです。
  • 冒険ファンタジーとは書きましたが、ファンタジックな映像こそ展開され、超自然的な物語が語られるわけではありません。この物語は、【映画】というファンタジーそのものについての自己言及的な映画であるということができます。それは映画の合間合間に観ることのできる様々な古典映画の実際の映像であったり、そのオマージュともいえる映像の挿入であったりする部分から分かるでしょう。そして物語を追うに連れ正体が明かされる、ジョルジュ・メリエスの隠遁後の姿と彼の送った半生についての物語がそれを象徴しています。
  • それと同時に、監督マーティン・スコセッシの、【映画】という表現ジャンルへのラブレターとでも言える作品へと仕上がっています。
  • 面白いのは、主人公の少年が暮らす、駅時計台の裏側の世界でしょう。巨大な歯車があちこちで動き回り、一つの機構として運動するその様は、時計台の歯車というよりは、この世界を裏側から動かしている巨大なメカニズムそのもののようにすら見えます。
  • 少年はいつもこの裏側の"暗い部屋"から世界を覗き見ます。この描写それ自体に、写真術発明に重要な役割を果たした装置、「カメラ・オブスクラ」="暗い部屋"の暗喩が見て取れます。
  • つまり一つの解釈として、主人公少年は常にカメラの向こうから世界を覗き込んでいた、ということも出来るわけです。
  • そしてそんな世界の裏側では歯車が常に動き、世界の秩序を作り出している。
  • カメラの向こう側から世界を覗き込む者、それはカメラマンであり、そして、映画を監督し、映画という一つの世界を表出させる者でもあります。そして世界の秩序を作り出す機構とは、一つの世界を構成し形作るための想像力であるともいえます。
  • この映画で主人公は、様々な冒険の末、特撮映画の功労者とも言えるジョルジュ・メリエスの正体に肉薄し、あまつさえ、失意にあった彼の人生さえ救います。
  • 主人公=カメラの後ろから映画を作り出す者、と捉えるなら、この映画作品は、ジョルジュ・メリエスを救い出す為に創出されたものであるともいえるのです。
  • つまりこの映画は、映画愛についての物語であるのと同時に、映画という方法論によって、一人の映画人の人生を救う、という物語でもあったのです。
  • ただ映画としてみると精緻を極めたダイナミックなCGIが存分に楽しめる反面、物語としては少々主題のブレを感じる上に映像美に打ち勝つようなストーリーテリングが存在しないような気がしました。

ヒューゴの不思議な発明 予告編

D

よしぼうよしぼう 2012/03/11 18:11 はじめまして
いつも愛読しています。
駅の時計の裏側=カメラの裏側の暗喩との解釈、説得力ありますね。
私としては「大スクリーン」でメリエスの諸作品を見れただけで満足です。
ただ、スコセッシにしてはいつものケレン味が薄いのも事実。
原作があまりにも有名な絵本のせいか、
原作をほとんどそのまま映像化したような感じなので、
もうすこし大胆に脚色してもよかったかなと思います。
あと鉄道公安官役のサーシャ・バロン・コーエンが映画を締めていたのが印象に残っています。

globalheadglobalhead 2012/03/12 11:37 こんにちは。いつも読んでいただいてありがとうございます。大画面で観るメリエスの作品、楽しかったですね。どこかでちょっとだけ観たことはあったけれど、こうやってまとめて観ると、その自由な想像力に驚かされ、時代を超越した部分すら感じました。メリエス作品に彩色されたものがあるのも驚きました。きちんと調べていないのでこれが事実なのか映画上の脚色なのかは分からないのですが、少なくとも貴重なものを見せてもらったな、という気がしましたね。スコセッシは前作『シャッター・アイランド』でもそうでしたが、ここ最近CGIのような技巧に走ろうとしているのかな、と思いました。こういった技術を積極的に取り入れていこうとする部分に、スコセッシの「若いもんには負けておられん」という気概を感じましたね。ただその分、従来のスコセッシのイメージと違う映画になってきているのかもしれませんね。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120305

20120304(Sun)

[]飲み食い日記 飲み食い日記を含むブックマーク 飲み食い日記のブックマークコメント

■某月某日

いつものベルギービール屋で本日樽開封というオーストリアビール「エーデルワイス」を飲む。危険な高山に咲く花エーデルワイスを摘み素敵な女性に捧げようと幾人もの男たちが山を目指す、そんなビールだそうな。

f:id:globalhead:20120304221303j:image

5種の春野菜のサラダ(ふきのとう、たらの芽、芽キャベツ、こごみ、菜の花)がなかなかいい味だった。苦いの美味い。あと仔羊とふきのとうのソーセージも美味かった。

f:id:globalhead:20120304221525j:image f:id:globalhead:20120304221524j:image

■某月某日

某有名ラーメン店に始めて入って半ば個室状態になった特殊なカウンターに驚く。店員の顔さえ見えない。これってニーズもあったんだろうけど個室ビデオ屋に入ってるみたいな倒錯性を感じるなあ。ってか日本ってやっぱり未来に生きてるわ。

f:id:globalhead:20120304221858j:image

しかしカウンターに驚いてラーメンの味は記憶に薄いという…。

f:id:globalhead:20120304221853j:image

■某月某日

半熟卵ととろろのうどんなどを食すが、揚げちくわのほうが美味かったなど。

f:id:globalhead:20120304222040j:image

■某月某日

で、ピザばっか食ってんじゃないよ、という。

f:id:globalhead:20120304222925j:image

lazy-daisy5113lazy-daisy5113 2012/03/05 00:15 ピザがすっごい賑やかな事になっとりますね…。

globalheadglobalhead 2012/03/05 00:20 こんだけ具があるんだからきっと食べてすんごい栄養バランスがよくて決してジャンクなんかじゃないんだ、と心の底で思うことにしております。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20120304

20120302(Fri)

globalhead2012-03-02

[]目が、目がぁ! 目が、目がぁ!を含むブックマーク 目が、目がぁ!のブックマークコメント

先週は結膜下出血とかいうのになってしもうてこれは白目の血管がキレて白目の部分に血の赤い色がドバッ!と散りなんだかどこかで観たホラー映画のような恐ろしいありさまの目になってしまうというやつなんですね。しかしあのホラー映画なんてタイトルだったっけかなあ髪が長くて両目が真っ赤な女がこっちを睨んでいる絵が浮かんでくるんだけど思い出せない。外国映画だったと思うけど邦画かもしれない。そして映画を観たんじゃなく映画は観ていないんだけどスチール写真を見て覚えているのかもしれない。いやあれはTVの怪談特集の再現フィルムだったかもしれないし漫画かなんかだったのかもしれない。

いや実はあれはなにがしかのフィクションの映像ではなくてオレがどこかで本当に真っ赤な目をした女を見ていて、それがあまりにも恐ろしい体験だったから無意識に記憶を封印していたんだけれどもそれが時々フラッシュバックのように脳裏に蘇ってくるのかもしれない。ちょっと待て、それマジ怖いじゃないかよ。怖過ぎるよ。却下だよ。とか言いつつググってみたよ「赤い目の女」。そしたらそういう都市伝説が出てきたよ。怖いから読まないでおこう。そうだ画像検索してみよう。うあっあったよ赤い目の女の画像。これブラクラじゃないかよ。あれブラクラだったのかな。しかし夜中に見るもんじゃないな。

話が逸れたけど要するに赤い目をしてたんですよオレ。左目でしたがね、それはもうまっかっかで。恥ずかしかったんで面出歩くときはうつむいて歩いてましたよ。あとわざと顔をしかめっ面にして目を細めてみたりしてね。で、その結膜下出血というやつになっちゃうのは原因不明らしいんだけど、そのかわりあんまり心配したもんじゃなくて、まあ1週間もすれば消えちゃうということだし、実際随分昔(20年ぐらい以上前)になんかやったことがあったので、実際心配してなかったんだけどね。あとつい最近会社の若いヤツが同じ症状出て、ヤツは心配して目医者行ったけどやっぱり心配無いとか言われて3,4日で消えたけどね、そん時も言ってやったんだ、それあんまり気にしなくていいってね。それとあとこれも大昔、というか子供の頃弟と兄弟喧嘩して弟ぶったら弟の目がやはりこの結膜下出血になったことがあって、あんときは良心の呵責感じたなあ。弟ごめんよ。

弟とは仲悪かったなあ。あんまり口きかなかったし、喧嘩もけっこうしてたなあ。オレと弟とは全然性格違ってて、オレはいつも部屋に篭って妄想ばかりしていたけど弟は活発で家の手伝いも好きだったらしくよくしてたよなあ。というかオレ、弟の性格がずっとよく判んなかったんだよなあ。で、その弟と仲良くなったのがオレが上京した18の時で、ホームシックにかかったオレはよく実家に電話してたんだけど(東京から北海道の実家まで長距離電話ってえらい料金だったけどしょっちゅうかけてた)そのときはたいてい妹と話すんだけど、そのうち弟ともよく話すようになって、このとき話したことで「ああ、こういうヤツだったのか」と弟のことがつかめるようになってきて、「なんだこいつ話すと面白いヤツじゃん」とか思えてきたんだよね。そのころ弟はゲームにはまってたんだけど、オレはやってなくて、それで自分もゲーム始めたくなってよくゲームの話弟から聞いてたなあ。そのうち弟と話したくて電話するようになって、さらに帰省した時はいつも弟と遊んだり話したりしてたよ。今でもとても気さくに話せるんだよな。

なんかまた話が逸れたが、そんなわけで目がそのような事態になってたのですが、1週間経ちましたがやっぱり良くなってきたみたいで、今はちょっと充血して見える程度、というか要するに殆ど気にならないぐらいに治りましたがね。しかし先々週は風邪で会社休んじゃうしその前は酷い胃痛で胃カメラで禁酒禁煙でその前が帯状疱疹でしょ、これまでそんなに体悪くしたことが無いのにここ2,3ヶ月でなんだかバタバタ体の調子壊してるよなあ。これ会社の異動と時期がぴったり重なってて、どう考えてもストレスなんだよなあ。それまでそんな残業なかったんだけどこっちきてから結構深夜とかやってたもんなあ。もう残業はいいや。生活乱れるもの。まあ最近は仕事も落ち着いてきて7時までには帰れるけどね。家着いて8時ぐらいですか。ホントはもっと時間欲しいんだけどね。会社に滅私奉公したいなんてこれっぽっちも思わないもんなあ。とかいいつつ早く帰ってもゲームして酒飲んでるだけだが。実はオレ、まだXbox360のゾンビゲー『デッド・アイランド』をやってるんですが、なんかもう廃墟になった町やジャングルうろつきながらゾンビ叩き殺してまわるのが楽しくて楽しくて(オレもしょっちゅう叩き殺されてますが)、職場にいる時も「早く帰ってゾンビ殺してェ…」なんぞといつも考えてるんですな。

          /::::'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
         ,/::::'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ      目が、目がぁ!
         'i:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ゝ
         i;:::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ii:.:.:.:.:ゞ
_,.、-‐'''"´^~ ̄;;リ:::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.i i:.:.:.:.リ^~`゛`'‐-、,_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`i"'i_;、:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:i.:.:.i`'i、:.:.:,ノ';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;``'‐-、.,_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|i'´,/:.;ノ~フ.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/`'-ミi, 'i,'´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`'‐、
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ -,l´ /ィ'"´⌒).:.:(⌒l/ミゞ  ヾ 〕;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i / .イi'´ ,,r‐'´:.:/´フ匕 `ヽ  } /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i !  ' 彡ィ'⌒''レィ'`'-、_`i  i  ,i. };;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i    ',/  f´ ``'r、 `'゛     l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;i       | '-、/ 〕      l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、-‐、ィ'       lこニニニl       i、;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ  ヽ.      ノ  -   l        ,`ィ‐-;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l   l   ,-‐'‐-------‐'ゝ、    ,r'  /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l   l_,,ィ'´ゞ`'‐,r''´⌒`'-、‐''´'‐、 ,r'   /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

DEAD ISLAND 【CEROレーティング「Z」】 - Xbox360

DEAD ISLAND 【CEROレーティング「Z」】 - Xbox360

20120301(Thu)

[]最近ダラ観したBlu-rayとかDVDとか 最近ダラ観したBlu-rayとかDVDとかを含むブックマーク 最近ダラ観したBlu-rayとかDVDとかのブックマークコメント

■モンティ・パイソン / ノット・ザ・メシア (監督:オーブリー・パウエル 2009年アメリカ映画)

モンティ・パイソンが結成40周年記念公演として『モンティ・パイソン ライフ・オブ・ブライアン』のオペラ版を由緒正しきロイヤル・アルバート・ホールでやっちゃった、というもの。パイソンズからはエリック・アイドル、マイケル・ペイリン、テリー・ジョーンズ、テリー・ギリアム、キャロル・クリーヴランドが出演、そして一緒に歌う4人のオペラ・ソリストと140人のバック・コーラスは全員本業の人(多分)、この彼らがタキシード姿にクソ真面目〜な顔して下品で冒涜的な歌を歌いまくる、というわけなんですな!「愛のオペラ」なんて格調高い歌声で「ああああああ〜♪」「ああああ〜♪」と"愛の営み"を歌っちゃったりして始末に負えません。ゲイネタ・女装ネタもあちこちにちりばめられ、勿論クライマックスはあのブラック過ぎる迷曲「Always Look On The Bright Side of Life」が高らかに歌い上げられます。しかしそれだけじゃない、そのさらにラストには「きこりの歌」が!この「真面目な顔して下品三昧」ってホントにイギリス人好きですなあ。

コンテイジョン (監督:スティーブン・ソダーバーグ 2011年アメリカ映画)

コンテイジョン Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

コンテイジョン Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

いわゆるパンデミックものの映画って今さらな気がするし、ソダーバーグって生真面目なドキュメント・タッチの映像を淡々と撮る人だからこの映画も盛り上がらないんじゃないのかなあ、とか思って観たら、逆にその生真面目さが功を奏し、はったりの無い誠意さえ感じるきちんとしたパンデミック映画に仕上がっていて、かなり面白く観られた。生真面目に撮りつつ俳優はオールスターっていうところがまたいいんだよね。グィネス・パルトロウがさっさと死んじゃったのにはびっくりしたが!この映画観てから清潔感の無いオレですらきちんと手を洗うようになりましたよ。

■ホステル3 (監督:スコット・スピーゲル 2011年アメリカ映画)

ホステル3 [DVD]

ホステル3 [DVD]

残虐拷問ホラーの第3弾は舞台をラスベガスに移し、そしてなんとびっくりその内容は『ハングオーバー』のスプラッタ版!結婚前にラスベガスで羽目を外そう、という男たちの一人が行方不明になって、というプロットもそのまま!ただこれまでの『ホステル』シリーズ観ている人には残虐風味が足りなくて物足りないんじゃないかな。それに『ホステル』はやっぱりあの東欧のこってりした暗さとばばっちさがよかったんだよなあ。監督はホステル1、2の製作総指揮してたりフロム・ダスク・ティル・ドーン2監督したりした人。

■5デイズ (監督:レニー・ハーリン 2011年アメリカ映画)

5デイズ [Blu-ray]

5デイズ [Blu-ray]

戦争は悲惨なものだし、戦場カメラマンは大変な仕事だとは思うが、「戦争は悲惨なんだ!」「戦場カメラマンは大変なんだ!」とそのまま撮られても乗れなかったりするんだよな。同じ戦場カメラマンものならリチャード・ギア主演の映画『ハンティング・パーティー』のほうがひねりがあって面白かった。ただ、グルジアにロシアが軍事介入したという南オセチア紛争を知るきっかけになったし、なんといってもグルジアの街並みや風俗がエキゾチックで素敵なんですね。そういった部分を現地ロケできちんと撮っている部分はよかったかな。

ファイナル・デッドブリッジ (監督:スティーヴン・クォーレ 2011年アメリカ映画)

ファイナル・デスティネーション』シリーズ第5作は、落ちる橋から逃れたワカモノたちが次々と命を落とすことからデッドブリッジというわけなんですな。最初の橋が落ちるパニックシーンはそんなに悪くなかったですよ。「死のピタゴラ装置」も時々フェイントかけたりして楽しかったですね。このシリーズは特に思い入れもなくソフトでしか観たことがないんですが、このぐらいのレベルの作品で続いてくれればまた観るだろうなあ。あと、ラストがよかったね。

■嘘つきは恋の始まり (監督:ジェフリー・ハーレー 2008年アメリカ映画)

嘘つきは恋の始まり [DVD]

嘘つきは恋の始まり [DVD]

ウィノナ・ライダー主演ということで観てみたラブ・ロマンスもの。それにしても始終むっつりした暗めの主人公に、「なんだか気になる人」とかいってウィノナ・ライダーのほうから迫ってくるなんて、そりゃあありえないだろいくらなんでも!とかいいつつ、言い寄られる男役である主演男優ウェス・ベントリーが意外といい男で、なんだか秘密っぽいところがよかったということなのかな。