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メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20120516(Wed)

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■ポスト非リア充時代のための吾妻ひでお / 吾妻ひでお

ポスト非リア充時代のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

ポスト非リア充時代のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

『21世紀のための吾妻ひでお』に続く吾妻ひでおベストセレクション第2弾がこの『ポスト非リア充時代のための吾妻ひでお』であります。ちなみに表紙モデルは夢見ねむという方らしいですな。前回の表紙凄かったからなあ。さて内容のほうですがこれがもう「吾妻が面白いのは知っていたがこんなに面白かったとは」と思い知らされるような傑作揃いです。なにもかもから吹っ切れ過ぎて怖いぐらいに切れ味がいいです。これだけ現実を100億光年の彼方まで剛速球でぶん投げちゃったら乖離し過ぎちゃって後期の吾妻は鬱にもなるってもんでしょう。吾妻の漫画は全部取っ払ってみるとアナーキズムとアンモラルなんですね。でもアナーキズムとアンモラルの作家漫画家なんてゴマンといますが吾妻はさらにナンセンスなんですよ。意味なんか無いんです、全部無意味なんです。そしてそのナンセンスの中心部には美少女とエスエフしか存在を許されないんです。セルロイドで出来てるようなつるつるの美少女と徹底的に無意味無意味無意味三昧のナンセンスギャグ、そしてその核となっているエスエフ、これらがアナーキズムとアンモラルを躁的に演じているのが吾妻の漫画で、これらは全て異様なテンションの元で危うい均衡を保っていたんですね。これらが破綻して暗黒の鬱世界に行ってしまうのが後期の吾妻なんですが、これなんかは本書終盤に収録されている「るなてっく NO.2」に顕著でしょう。この「るなてっく NO.2」は躁的なスラップスティックギャグの収められた本書の中では徹底的に異質な作品で、ダークサイド・オブ・吾妻の始まりともいえる異様な内容なんですが、ここで吾妻はアナーキズムとアンモラルとナンセンスの果てにニヒリズムを見出してしまったんですよね。しかし、吾妻漫画では最重要作のひとつである「るなてっく NO.2」ですけど、あまりに凄まじ過ぎて、この作品集には収めなかったほうがよかったかもなあ。むしろ、全国のロリコンどもが実名で登場し、血で血を洗う抗争に明け暮れるというナンセンス作「仁義なき黒い太陽 ロリコン篇」の構成に吾妻漫画の秀逸さを感じました。

■改訂版・デビルマン(1)(2) / 永井豪

改訂版デビルマン(1) (KCデラックス)

改訂版デビルマン(1) (KCデラックス)

改訂版デビルマン(2) (KCデラックス)

改訂版デビルマン(2) (KCデラックス)

「デビルマン生誕40周年」を記念したとかで永井豪がオリジナル・デビルマンに新たなページを加筆してお送りする「改訂版・デビルマン」です。今のところ2巻まで出てますが全4巻の予定だとか。永井豪の自伝漫画「激マン!」でも「デビルマン創作秘話」が物語られている最中ですが、そこでも描かれていたけれど、出版社の都合でデビルマンを思ったように描けなかった怨念がこうして40年経った今またもやデビルマンを描かせることになっているんでしょうね。確かに、「出版社都合で打ち切りだった物を無理矢理延命させて描いた」デビルマンが結果的には日本漫画史に残る大傑作中の大傑作として完成したことを考えると、これがもしも永井の思うがままに全て描ききれていたらどのような恐るべき作品なっていただろう、と想像してしまうのは確かです。だけどこの「改訂版・デビルマン」はそういう"完全版"なのではなくて、音楽や映画なんかでもよくある「ロングバージョン」、それも内容を深化させたのではなく水増しした結果の「ロングバージョン」となってしまっているんですね。しかし、自分は案外この「改訂版・デビルマン」が嫌いになれないし、批判的にもなれないんです。言ってしまえばこれ、漫画家・永井豪の道楽なんだと思うんですが、あれだけ沢山の漫画でお世話になった永井豪がいい年になって道楽に走る、それに読者として付き合うのも悪くないかな、と思わせるものがあるんですよ。だってこっちだってすっかりいい年、ファン暦も伊達じゃないですからね。ただし今まで一度も「デビルマン」を読んだことのない方には「こっちじゃなくてオリジナルを読め」と言っておきますけどね。

■アオイホノオ(8) / 島本和彦

アオイホノオ (8) (少年サンデーコミックススペシャル)

アオイホノオ (8) (少年サンデーコミックススペシャル)

漫画家プロデビューを目指し新作漫画を描く主人公ホノオ君ですが、まだプロにもなってない段階でホノオ君、「いかに手を抜いて楽に描くか」に汲々とします。そして手を抜いて楽をしていい理由を「他のプロ漫画家がやってるから」といちいち理屈を見つけ、さらには「俺の漫画家としてのオリジナリティー」だとか矛盾したことを言ってるんですね。このいい加減さと自己完結さが今回もいい味出しているアオイホノオの8巻目です。

■GANTZ(34) / 奥浩哉

GANTZ 34 (ヤングジャンプコミックス)

GANTZ 34 (ヤングジャンプコミックス)

まだまだ続く巨大異星人地球侵略篇です。はっきり言ってもう訳が分かりません。いや、訳が分からない訳ではないんですが、いわゆる例のボスキャラインフレーションというヤツで、敵も訳分かんなくなるぐらい強いみたいだけど味方も訳分かんなくなるぐらい強い、そういう訳分かんないぐらい強い者同士の戦いですが、訳分かんなくなるぐらい強い者同士の戦いも散々描かれたのでここではもう細切れに「なんかもっともっと物凄く強い!」と描かれているだけで、なんだかもう読んでいて「もうわかったからそろそろ終わらせようよ…」と思うだけなのでありました。

■星を継ぐもの(3) / 星野宣之

星を継ぐもの 03 (ビッグコミックススペシャル)

星を継ぐもの 03 (ビッグコミックススペシャル)

J・P・ホーガンの原作をかなり弄っちゃってるようですが原作のほうは読んでないんでその辺はどうなってるのかわからないんですが、なんかこうどんどん荒唐無稽になってきているような気が否めません。顔のでっかい宇宙人の連中はギリ許せるとしてネアンデルタール人の進化した人類の陰謀論ですかあ…。

■血引きの岩 / 星野宣之

血引きの岩 (ソノラマコミックス)

血引きの岩 (ソノラマコミックス)

「星を継ぐもの」新刊のついでに買っちゃったんだけど、星野宣之の伝奇物はやっぱりつまらないなあ、ということを改めて思い出させてくれただけなのであった。いまどき「琵琶湖と淡路島は同じ形だ!?」とか言われても…。

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