Hatena::ブログ(Diary)

メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20120831(Fri)

[]コッポラの描くアメリカン・ゴシックの世界〜映画『Virginia / ヴァージニア』 コッポラの描くアメリカン・ゴシックの世界〜映画『Virginia / ヴァージニア』を含むブックマーク コッポラの描くアメリカン・ゴシックの世界〜映画『Virginia / ヴァージニア』のブックマークコメント

■Virginia / ヴァージニア (監督:フランシス・フォード・コッポラ 2011年アメリカ映画)

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売れないホラー作家ホール(ヴァル・キルマー)は、"サイン会"という名の自作営業で訪れたアメリカのとあるひなびた町で、数日前、胸に杭を打ち込まれて殺されたという少女の噂を耳にする。ホールは死体安置所でミステリー小説好きの保安官ボビー(ブルース・ダーン)にその死体を見せられ、そのボビーに「この事件を題材に一緒に小説を書かないか」と持ちかけられる。事件に興味を覚えたホールは予定を変えその町に滞在することにするが、宿泊したモーテルで奇妙な夢を見ることになる。夢の中に現れたのはV(ヴィー)と名乗る奇妙な少女(エル・ファニング)。夢の中で彼女とそぞろ歩くホールは、かつてエドガー・アラン・ポーが宿泊したというホテル、チカリング・ホテルに辿り着く。ホテルに入ったホールは、そこの経営者に「ホテルの床には12人の子供が埋められており、13人目は逃げ出して地獄に堕ちた」と教えられる。そしてその床からは殺されたという子供たちが次々に現れるのだ…。夢から覚めたホールは、その町でかつて実際に、12人の子供たちが虐殺されるという事件があったことを知ることとなる。

アメリカ中西部、エドガー・アラン・ポー、怪奇と幻想、夢と非現実。フランシス・フォード・コッポラが2011年に完成させた映画『Virginia/ヴァージニア』は、そんな、"アメリカン・ゴシック"の香りを濃厚に漂わす物語だ。

「アメリカン・ゴシック」は1930年にグラント・ウッドによって描かされた油絵だ。その絵の中には古風な家の前に立つ農民風の初老の男女が描かれている。妻は口を固く結び眉間に皺を寄せた渋い顔で夫を見ている。夫はというと頑固そうな表情を浮かべて正面を睨み、その手には三叉のピッチフォークを手にして立っているのだ。その絵は農民として暮らすアメリカ人の土着気質と泥臭さ、その質素で排他的な生活ぶり、頑なな信仰心と頑迷さ、そしてそこに秘められた暗くどろどろとした暴力の匂いをうかがわせるものがある。どこにでもいるような農民夫婦を描いているにも関わらず、その絵からはどこか超自然的な妖しさが漂っているのだ。そして映画に登場するエドガー・アラン・ポーもそういった、アメリカン・ゴシックの作家、ということができるだろう。

映画『Virginia/ヴァージニア』では、不気味な殺人事件を通し、そんなアメリカの片田舎の持つ、どんよりとした暗い情念と暴力、超自然的な妖しさが全編を通して描かれる。しかし、予告編やエル・ファニングの血まみれの姿のスチール、作品紹介で漠然と印象付けられる、"吸血鬼の現れるホラー映画"というわけでは決してない。"吸血鬼"は事件のミスリードを誘うキーワードでしかないし、子供たちを襲ったいたましい大量殺人は描かれはするものの、ホラー映画というジャンルの作品では全くない。むしろ幻想映画と呼べるものであり、そしてその幻想を通じて、主人公の魂の救済と、殺された子供たちへの鎮魂を描く作品として仕上がったものだということが出来るだろう。

その"主人公の魂の救済"とは、かつてこの主人公が愛する娘を事故で亡くしたことが発端となっている。この娘の名がヴィッキー、さらに夢の中で主人公と行動を共にするエドガー・アラン・ポーの若くして亡くなった妻の名がヴァージニア・クレム。これらは、謎の少女Vと頭文字を共にする女性たちだ。主人公は夢の中でVと邂逅を重ね、その残酷な運命の結果を知り、彼女を哀憫することで、心の奥底で封印していた娘への悲痛な思いと再び対峙することとなる。即ち、夢の中での幻想世界での遍歴は、かつて起こったおぞましい事件を知り、謎の少女Vへの鎮魂を願うものであるのと同時に、主人公自身の心の痛みを昇華する、という二重の意味が込められたものとなっているのだ。

さらにこれは、監督コッポラがかつて息子を事故で亡くしている、ということとも重ねあわされる。幻想と怪奇のアメリカン・ゴシック世界を描きながらも、そのテーマとするところは、実はコッポラ監督自身の救済と祈りであった、という部分に、この作品を重く深いものにしている要因があるだろう。しかし、作品自体は決して暗いだけではなく、奇妙なユーモア感覚もあり、それは作品全体を覆う美意識も含めてデヴィッド・リンチ作品、特に『ツイン・ピークス』のそれを思わせるものがあるのだ。デヴィッド・リンチが神経症的な側面を全快させて映画を撮ったらこんな作品になるかもしれない、そんなことを考えながら映画を観ていた。コッポラ作品は暫くご無沙汰だったが、これ以前に撮った『テトロ 過去を殺した男』『コッポラの胡蝶の夢』もまだ未見なので、これも観てみたいと思わせる良作だった。

■映画『Virginia/ヴァージニア』予告編

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■映画『 Virginia/ヴァージニア』メイキング

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Virginia/ヴァージニア (竹書房映画文庫)

Virginia/ヴァージニア (竹書房映画文庫)

somewhere Blu-ray

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20120830(Thu)

[]改変された並行世界で戦うヒーローたちの運命は!?〜『フラッシュポイント改変された並行世界で戦うヒーローたちの運命は!?〜『フラッシュポイント』を含むブックマーク 改変された並行世界で戦うヒーローたちの運命は!?〜『フラッシュポイント』のブックマークコメント

フラッシュポイント / ジェフ・ジョーンズ、アンディ・キューバート

フラッシュポイント (DC COMICS)

アメコミ・ヒーローの「フラッシュ」というと、自分にとっては随分前あまり評価の芳しくない映画化がされていた、程度の認知度だったんですよ。そんなフラッシュが主人公として登場するコミック『フラッシュポイント』、最初は食指が動かなかったものの妙に評判がいい。それに、あまり馴染みの無いヒーロー物のコミックを読んでみるのも新鮮かもしれない、と思い手にとってみたんですが…これがなんと、バットマンやスーパーマンも登場し、怒涛の展開をみせる凄まじいクオリティのコミックだったのですよッ!!

物語内容はこんな感じ(Amazonからコピペ)

世界最速の男の名を欲しいままにしてきたフラッシュことバリー・アレン。ある日、まどろみから目覚めた彼は、かすかな違和感に眉をひそめた。いつもの見慣れた光景のはずなのに何かがおかしい……。やがて彼はその真相を知る事になる。彼がまぶたを閉じていたほんの刹那に世界は姿を一変させていたのだ。この世界には、ジャスティス・リーグもスーパーマンも存在しない。アクアマンとワンダーウーマンは世界の覇権を懸けて死闘を繰り返し、人類を破滅の瀬戸際に追いやっている。そして、バットマンは……。果たしてバリー・アレンは並行世界に来てしまったのか? 敵の作ったミラーワールドに閉じ込められてしまったのか?いや、そのどちらでもない。これは紛れもない現実なのだ。そして、世界を変えた張本人とは、フラッシュ本人……!?

主人公・フラッシュが紛れ込んでしまった並行世界では、アクアマン勢力とワンダーウーマン勢力の熾烈極める戦いによりヨーロッパの半分が水没しており、既に1億を超える人々が死亡し、人類は滅亡の危機に立たせられていたわけですね。これを阻止するために"サイボーグ"率いる第三勢力が立ち上がろうとするんですが、イマイチ足並みが揃わない(この"サイボーグ"率いる第三勢力、というのも様々なヒーローが登場して楽しかったりする)。その理由というのは、ヒーローたちに最も信望を集めているバットマンが参加しないからなんですが、ここで物凄く面白いのは、このバットマンというのが、平行世界なもんですから、設定が全然違う、ということなんですね。少々ネタバレするとこのバットマン、なんと「妻と我が子ブルース・ウェインを暴漢によって殺された、ブルースの父トーマス・ウェインが悪漢への報復を誓ってマスクを被ったバットマン」、という設定なんですね!この換骨奪胎ぶりは燃えるわ!そして、ブルース・ウェインが生きている元の世界を知るフラッシュに、「息子の生きている世界を取り戻したい」と詰め寄るんです!これ泣けません!?

さらにこの物語では「平行世界のスーパーマン」も登場するんですが、このスーパーマンがかつて地球に来る際ロケットに乗り墜落した現場はメトロポリスであり、そこで3万5千人が死亡した、とか、そのスーパーマンは現在国家機密として地下に幽閉されている、とか、もういちいち設定の改変振りが楽しい!フラッシュはこのテのヒーローもののお決まりとでも言いますか、最初にその力の殆どを奪われていて、文字通りボロボロになってその力を取り戻そうとする。その間にもアクアマン勢力とワンダーウーマン勢力の戦いは拡大し、人類の滅亡は刻々と近づく。そんな中、バットマンはどう出るのか、幽閉されているスーパーマンの運命はどうなるのか、そもそもフラッシュを平行世界に落としたのは誰の仕業なのか。物語は予断を許さぬ展開を見せ、天も地も荒れ狂う凄まじい戦いが連打され、そして胸にズシンと来る哀切極まりないラストを迎えます。グラフィックも美麗で、ページを開くと大コマにキメポーズで立ち尽くすヒーローの姿の格好良さは、そのヒーローなんか特に知らなくともしびれてしまうこと請け合い、「フラッシュって誰?」という方でも存分に楽しめる【熱い】ドラマとして完成していますよ!

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20120829(Wed)

[]『庵野秀明 特撮博物館』に行ってきた 『庵野秀明 特撮博物館』に行ってきたを含むブックマーク 『庵野秀明 特撮博物館』に行ってきたのブックマークコメント

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東京都現代美術館で開催されている『館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技』に行ってきました。この展覧会は"庵野秀明が館長となって博物館を立ち上げた"というコンセプトのもと、円谷英二が始め、そして現在デジタル技術に押されて消えつつある日本の特撮をもう一度見直してみよう、という企画です。会場にはゴジラやガメラ、ウルトラマン・シリーズをはじめとする特撮ドラマに使われたスーパーマシンや町並みのミニチュア、小道具、ヒーローのマスク、コンセプト・アートが所狭しと並び、特撮映像文化のまさにタイムカプセルといった展覧会になっています。自分も、幼少の頃に親しんでいたTV特撮シリーズに使われたミニチュアを眺めながらあれこれ懐かしい思いが蘇っていました。日本の映画文化、映像文化の歴史とその一端に触れる、という意味でも貴重な展覧会だといえるでしょう。

この展覧会にはもう一つ目玉があって、それは庵野秀明・企画、樋口真嗣・監督、スタジオジブリ・製作の『巨神兵東京に現る』という特撮短編映画です。あの『風の谷のナウシカ』にも登場した巨神兵が東京に現れ、街を壊滅し火の海へと変えてしまう、という内容の9分に渡る特撮映画なんですね。エヴァンゲリオンの原点はウルトラマンと巨神兵である、という庵野ですが、この映画ではナレーションを綾波レイ役の声優・林原めぐみがあてており、実に庵野的な世界が繰り広げられています。巨神兵の担当?は宮崎駿となっていますが、きっと巨神兵の中に入ってミニチュアの街をぶち壊していたのでしょう…というのは冗談ですが、多分巨神兵の原案者ということなんでしょうね。

●特報 巨神兵東京に現る

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会場には破壊された東京の街の巨大な特撮ジオラマがしつらえられており、この中を歩くことも出来、さらにここだけ撮影可能になっています。

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展覧会は非常に懐かしいオブジェに溢れていたのですが、実を言うと自分はあまり"懐かしい"という感覚を持ち上げないほうで、というのは懐かしい古いものよりも、今ある新しいものを体験したい、という感覚のほうが強いからなんですが、それでも、自分がかつて観て来た特撮の歴史をもう一度振り返ってみる、といった点で、楽しい展覧会でした。

ガシャポンで手に入れた巨神兵フィギュア

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●館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 3D:立体動画

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館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 HP

東京都現代美術館HP

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20120828(Tue)

[]映画『プロメテウス』は人類の起源なんて実はどうでもいい立派なグログロ『エイリアン』映画だった! 映画『プロメテウス』は人類の起源なんて実はどうでもいい立派なグログロ『エイリアン』映画だった!を含むブックマーク 映画『プロメテウス』は人類の起源なんて実はどうでもいい立派なグログロ『エイリアン』映画だった!のブックマークコメント

■プロメテウス (監督:リドリー・スコット 2012年アメリカ映画)

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リドリー・スコット監督が自身の作品『エイリアン』の前日譚として製作した映画、『プロメテウス』です。「人類の起源の謎に迫る」とかなんとか勿体ぶったこと言ってますが、仕上がった映画はもっとずっと下世話で立派にエグいグログロ『エイリアン』映画だったのは確かでしょう。そもそも「人類の起源」だなんだというのは取っ掛かりに過ぎません。それに「謎」とかいっても「要するに人類はどっかの異星人に作られたもんだっていうお話なんでしょ?」ということは誰でも気付きそうな話の流れです。ええ。だから起源とかなんとかそういうのはそもそもどうでもいい映画なんです。

で、探査船を建造するっていうのがあの悪名高いウェイランド・ワタミ、じゃなくてユタニでしたっけ、あのブラック企業なわけでしょ、てぇことは送り込まれた乗組員・従業員はみんなどっかのバケモノに踊り食いにされてワタミ、じゃなくてユタニ(それにしても会社名似てる)の人柱となる、と、まあその辺も、映画『エイリアン』シリーズをなんとなく観たことがある人間ならすぐさま気付きますよね。というわけでこの映画の本当のテーマは「気色悪いバケモノが出てきて登場人物はみんなエゲツない殺され方をする」、もうその一点であり、そしてすべてのプロットはそのためのお膳立てにしか過ぎないんですよね。観客はみんな「早く気色悪いバケモノ出ねえかなあ!」とか「みんなどんなエゲツない死に方すんのかなあ!」とかわくわくしながら観ていればそれでいい映画でもありますね。

しかしそれだけだと普通にB級ホラーSFで、『イベント・ホライズン』あたりでも観ていれば事足りるんですが、単なるB級ホラーSF映画にしていないのは、やっぱり監督がリドリー・スコットだからなんですね。やっぱりねえ、さすがリドリー・スコットだけあって、ビジュアルがねえ、いちいちキマッてるんですよ!やっぱりこの人「SFは絵だ」って分かってらっしゃいますよね。オープニングの荒々しい自然を映し出した映像から始まり、宇宙船から宇宙船内から宇宙服からビーグルから、さらにエイリアン・テクノロジーのホログラム映像から、どれもこれも美しくて見ていてうっとりしちゃうんですよねえ。あのビジュアル堪能するだけの為にもう一回観たいぐらい。やっぱりこのへんのビジュアルへのこだわりは一級品でありましょう。だからある意味「高級B級ホラー映画」ということができるんだと思います。まあ『エイリアン』もある意味そんな映画でしたしねえ。ただ「モアイ像?」と誰もが一瞬思う宇宙人の顔の石像だけはいただけませんでしたが。

感触としては『エイリアン』に『遊星からの物体X』が混ざってさらに『エイリアン』をパクった海洋SFホラー『リヴァイアサン』をさらにパクったみたいな内容になっていますね。お話の流れは映画『エイリアン』のシナリオをなぞりつつもまた離れ、予想通りの展開と予想を覆す展開が交互にやってきて『エイリアン』ファンを喜ばしたり驚かせたりする部分が心憎かったですね。「ここで絶対これ来るよね!」とか「ここでこれが来るか!」とか「あーここはこういう展開にするのかー」とかいちいち納得してみたり頷いてみたり。ぶっちゃけ『エイリアン』シリーズは全作ビデオで買い次にDVDで買い直しさらにBlu-rayで買い直した『エイリアン』ファンの端くれとしては嬉しくてたまんなかったですね。『エイリアン』を知らない人はどう思ったかわかりませんが。

あと映画を観て思ったことをつらつらと。

  • まず「遺跡に残された異星人のメッセージ」というのが「ムー」臭くてヤダ。
  • 人類の起源宇宙人のやりたいことがよくわかんなかったけど宇宙人なんだからわかんなくていいんだと思った。
  • やっぱりあれはモアイ像だろ。
  • あの手術随分簡単にできすぎないか?
  • 手術の後全力疾走すんなよ。
  • アンドロイドの人はなんであそこまでやりたい放題なのにとがめられないんだ?
  • プロメテウス号の中、人多過ぎ。何人乗ってるんだ?
  • 笛吹くのかよ。
  • 「異星人があれを作った本当の理由」がとてもいい感じにSFしていてオレ的にはグレッグ・ベアSF小説『天空の劫火』あたりを思い出した。
  • で、あのアンドロイドが将来レプリカントと呼ばれるようになって、ユタニ社は未来の街に「地球外の世界へ行こう!」という看板がかかった飛行船飛ばして、それにまんまと乗っちゃったあわれな人をエイリアン探索に使う、という『ブレードランナー』の裏シナリオということなんだな?
  • で、シャーリーズ・セロン演じるお姉さんが人間かアンドロイドか?という問題は、そのうち発表されるディレクターズ・カット版『プロメテウス』にユニコーンの映像が出るかどうかで判断される、というオチですねわかります。
  • 個人的にこの夏公開された『ライジング』とか『アベンジャーズ』とか『トータル・リコール』とかの大作映画の中で一番好きだった。なぜって一番グロくてエゲツないから!
  • 続編作れ。観るから。キャッチコピーは勿論「今度は戦争だ!」、そしてラストはクイーン・プロメテウスとの戦い!(なんだそれ)

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PROMETHEUS

PROMETHEUS

20120827(Mon)

[][]《WIRE12》に行ってきた 《WIRE12》に行ってきたを含むブックマーク 《WIRE12》に行ってきたのブックマークコメント

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この間の8月25日、横浜アリーナで開催された《WIRE12》にぶらっと行ってきました。ぶらっと行ってきた、というのは今回行こうと思い立ったのが3日前ぐらいだったからなんですね。そもそもWIRE自体、2009年に行った《WIRE09》以来でした。しかも今回は自分一人だけでの参加だったんです。みんなで行くのも楽しいのですが、たまに誰にも気兼ね無く音楽楽しみたかったもんですから。

で、3年ぶりに行ってみて、随分様変わりしたなあ、とビックリ。まず入り口に《WIRE12》なんて書かれた大きな垂れ幕が無く、そして入ってみると今度は3階の観客席が閉鎖されていて、変わりに1階アリーナの隅に客席がしつらえてある。基本的にWIREはオールスタンディングなんですが、なにしろ長丁場なので疲れたらこの客席で休む、というのが定番なんですよ。そして、DJブースが、これまでアリーナの両端に在ったのが片側だけになっている。なんかこう、あれこれ経費削減しているみたいなんですね、まあ確かにお客さんの入りは以前行った時よりも少ないような気がしましたが。しかしDJブースが片側なだけな分、その片側に今まで無かったような大きなオブジェを置いてみたり、片側だけにレーザービームを当てればよい訳ですからそこだけ集中して演出できる。そういった運営の努力が出ているわけなんですが、ただし、スピーカーがこれまで4隅に置かれていたのがDJブース側だけになってしまった分、ブースから離れると若干音圧が低く感じてしまう。DJブース側は人が殺到してしまいやすいので、後ろのほうでゆったり聴きたい、というと今度は音圧が低く感じてしまう、という結果になってしまうんですね。でもこのへんも仕方ないか。

それと漠然と感じたのはメインフロアでDJしていた人たちの選曲が随分アゲアゲというか分かりやすい選曲になっていたなあ、ということ。プログレッシブ・ハウスみたいな乗りの選曲って、WIREっぽくないんだよなあ。WIREはもっとヨーロッパした暗くてゴリゴリのDJが多かったような気がしましたが、このアゲアゲの分かりやすい選曲、というのは客層に合わせたのでしょうか。WIREは卓球好みのマニアックなDJを所々に配し、よくわかんないけど聴いてみたら面白い、というのがよかったんだけど。その分セカンドステージは従来のWIREぽくて充実していたかもしれません。全体的にDJ数が少ないのはあれこれ目移りする必要が無く慌しくないのでこれはよかったですね。

さてこの日はPM11時ごろにゆっくり入場。既に電気グルーヴも卓球のプレイも終わってましたが、実はもともとそれほど好きじゃないんです。入ってまずセカンドフロアのFRANK MULLERをちょっと観て、次にメインのHELLへ移動、これもちょっとだけ観て会場をブラブラ。そしてまたセカンドのA.MOCHIに移動しさらにメインのKEN ISHIIへ。なんとなくアゲアゲ感がつまんなくてセカンドに行ったらそこでプレイしているREBOLLEDOというDJのプレイが実によい。全然知らなかったんですがメキシコのテクノアーチストということで、ミディアムテンポでエレクトロ風味なディスコといった音に延々リピートされる呪術的なヴォイスサンプリングがヤヴァい。これは今回みっけもののDJでした。プレイ最後まで観てしまいましたよ。REBOLLEDOの後は腹も減ったし喉も渇いたので休憩タイム。ここでAM2時ごろですね。途中メインのGARY BECKを観たけどこれもアゲアゲだったなあ。

さて3時になりこの日の最大の楽しみだったデトロイトテクノDJ、ROBERT HOODのプレイを待ちます。ぶっといビートの中にソウル・ミュージックのテイストが入っていて、PLASTIKMANあたりのクラシックを挟んだりして安定のDJぶり。黒人DJは裏打ちビートの選曲が多いのでいいですね。そしてラスト、なんとNEW ORDERのBLUE MONDAYが飛び出してびっくり。これはマジなんでしょうかジョークなんでしょうか。ROBERT HOODは全編聴き通しました。ROBERT HOODが終わり今回メインでのトリを飾るのはDERRICK MAY。しかしDERRICK MAY、嫌いじゃないんですが今まで何回も観に行ったことあるし、WIREのトリって、この辺も随分分かりやす過ぎるセレクトでなんだか食指が動かない。一回通路に出て、この日初めてアルコールを飲むことに。オレ、酒は大好きなんですが、クラブとかで酒飲むと足に来るし疲れやすくなるんで、本当はあんまりこういった場所で飲みたくないほうなんですけど、まあROBERT HOODも終わったことだしということで。そうしたら、ビールはメッチャ美味かったんですかやっぱり足に来ましたけどね!その後セカンドでFUMIYA TANAKAを観ましたが、DERRICK MAYよりはよかったかなあ。最後はDERRICK MAYにもう一度戻りましたが、やっぱり立ったまま寝てしまいそうになり、プレイはまだ続いていましたが5時半ごろに帰りました。

とまあ今回のぼっちWIRE、不満はない事も無いですが、久しぶりにデカイ音聴きながら踊れたからそれでよかったかな。それにしてもうすぐ50になるっていうのに殆ど休み無しでオールで踊れて、オレもまだまだ行けんじゃん、と思いましたね。クラブも暫く行ってないからまた行きたくなってきたなー。帰りの朝日が眩しかったでした。

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WIRE 12 COMPILATION

WIRE 12 COMPILATION

WIRE TRAX 1999-2012

WIRE TRAX 1999-2012

20120824(Fri)

[]”シェイクスピア四大悲劇”というやつを読んでみた ”シェイクスピア四大悲劇”というやつを読んでみたを含むブックマーク ”シェイクスピア四大悲劇”というやつを読んでみたのブックマークコメント

何の間違いかあろうことにこのオレが【シェイクスピア四大悲劇】と呼ばれる四作品、『リア王』『マクベス』『ハムレット』『オセロー』を集中的に読んでしまいました。最初はどこかの書評で「『リア王』はとりあえず読んどくべし」と書かれていたのを見て、「まあ教養の一環として読んどくべか」と思い購入、そして読み進めてみるとこれが想像以上に面白い、想像以上どころかとんでもなく面白い、「こりゃついでに【シェイクスピア四大悲劇】というやつを全部読んでしまおう!」とばかりに四作一気呵成に読了してしまったんですな。オレはこういった古典文学を読むクチでは全然ないんですが、世界に名だたる文豪であるシェイクピア作品をこうしてまとめて読んだのはいい体験でした。まあ、全部本が薄いから読むの簡単だしね!というわけで、英国文学にも古典文学にも何の知識も無いオレですが、恥さらしではありますけれどもざっと感想などを書いて見たいと思います。

■『リア王』は怒り狂っていた!

リア王 (光文社古典新訳文庫)

リア王 (光文社古典新訳文庫)

老王リアは退位にあたり、三人の娘に領土を分配する決意を固め、三人のうちでもっとも孝心のあついものに最大の恩恵を与えることにした。二人の姉は巧みな甘言で父王を喜ばせるが、末娘コーディーリアの真実率直な言葉にリアは激怒し、コーディーリアを勘当の身として二人の姉にすべての権力、財産を譲ってしまう。老王リアの悲劇はこのとき始まった。

最初に読んだのはこの『リア王』。まず読んでみて何がビックリしたかというと、登場人物みんなが初っ端からキレキレのテンションなんですよ!舞台設定とか導入部とか性格描写とか背景説明とかすっ飛ばして、まずいきなり【状況】があり、その【状況】があれよあれよという間にグルグルと変転してゆく、そしてその間も登場人物たちは物凄いテンションで自らの感情をぶちまけあう、その生々しく骨太過ぎる展開になにより舌を巻きました。確かに展開の唐突さとか説明のされていない部分も感じたのですが、まずこれは戯曲であって小説ではないということと、古典である為複数の底本やら原稿があり公演中の変更などがありうるという部分で厳密な「オリジナル」というものが無い、という部分で納得ができるんですね。そもそも、そういった"物語説明"なんかではなく、戯曲はそれが舞台公演された際の【状況】の切れ味の良い屹立のあり方、これが重要なんだということなんだと思ったんですね。正直に言うと戯曲観たこと無いから想像でもの言ってるんですが、そういったことをまざまざと感じさせた作品でしたね。

■『マクベス』は出世欲に狂っていた!

マクベス (新潮文庫)

マクベス (新潮文庫)

卓越した武勇と揺るぎない忠義でスコットランド王ダンカンの信頼厚い将軍マクベス。しかし荒野で出会った三人の魔女の予言はマクベスの心の底に眠っていた野心を呼びさます。夫以上に野心的な妻にもそそのかされ、マクベスは遂に自分の城で王を暗殺。その後は手に入れた王位を失うことを恐れ、憑かれたように殺戮を重ねていく…。

2冊目に読んだのはこの『マクベス』、読了して個人的には最も面白く読んだ【シェイクスピア四大悲劇】作品でした。まずなにしろ冒頭から"3人の魔女"とやらが登場し、不気味な呟きをもたらす部分から物語は既に「これは異常な物語なんですよ」と言っていて、この異様さ、奇怪さは『リア王』の時と同じくやはりとんでもないテンションで全編を多い尽くしクライマックスまで爆走してゆくんですよ!そしてその物語は血が血を呼び殺戮が殺戮を呼ぶどこまでも暗く非道な情念に満ち満ちた展開を見せ、さらにそれが魔女たちに代表される超自然的な、ある意味それ自体が禍々しい災厄とでも呼ぶべき物語として成り立っているんですね。これは即ち人智の及ばないおぞましい運命に弄ばれた男の物語として読むことが出来、そのおぞましい運命に脳髄の奥底まで狂わされきった主人公が雪崩の如く破滅へとひた走ってゆくという凄まじい崩壊感覚に圧倒されました。これは是非舞台で観たい!

■『ハムレット』は復讐に狂っていた!

ハムレット (新潮文庫)

ハムレット (新潮文庫)

「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。―」王子ハムレットは父王を毒殺された。犯人である叔父は、現在王位につき、殺人を共謀した母は、その妻におさまった。ハムレットは父の亡霊に導かれ、復讐をとげるため、気の触れたふりをしてその時をうかがうが…。

シェイクスピア作品の中でも誰もが知る作品の一つであろうこの『ハムレット』、有名作なだけあって今回読んだ四作品の中で最も構成が密であり、展開がしっかりしており、その分濃厚な戯曲世界を楽しむことが出来ました。なにより訳文が素晴らしい、とても美しく格調高く絶妙のリズムとテンポで訳出されている台詞の数々は、原文を理解しそれを読むことができればさらに美しく格調高く韻律の素晴らしい台詞として読むことが出来るのであろうと想像させます。勿論、これは戯曲ですから、これを原文で役者がとうとうと声に出して演じているのを観て聞いてさらに理解ができたのなら、それは素晴らしい演劇体験となるであろうことも想像できるというものです。さてこの『ハムレット』、"父の亡霊”なる超自然的な存在によって運命を狂わされてゆくのは『マクベス』と同様ではありますが、主人公ハムレットは真正であり公正でありしものを追い求めた結果として悲劇に見舞われるという意味では四大悲劇の中でもやはり最も悲痛な作品なのではないかと思います。

■『オセロー』は嫉妬に狂っていた!

オセロー (新潮文庫)

オセロー (新潮文庫)

ヴェニスの勇猛な将軍オセローは、美しい妻デズデモーナをめとり、その愛のうちに理想のすべてを求めようとした。しかし、それも束の間、奸臣イアーゴーの策略にはまり、嫉妬に狂ったオセローは自らの手で妻を扼殺してしまう…。

最後に読んだこの『オセロー』は、それまで読んだ3作と比べ展開がゆっくりで、最初からとんでもないテンションで飛ばしてゆくという作品ではありません。ゆっくり、というよりも、この『オセロー』は先の3作と違いまず【状況】がある、のではなく、次第に【状況】が作り上げられてゆく、それの違いなんですね。その【状況】というのは無骨で生真面目な軍人である主人公オセローが悪党の姦計によりじっくりと狂わされてゆく、この【狂気】の過程が、最初から狂っている他の3作と違う、ということなんですね。それにしてもシェイクスピアの悲劇作品というのはすべてがある種の【狂気】の物語なんですね。【悲劇】というよりも【狂気】なんですよ。人というのは様々な感情を持った生き物ですが、その感情のどれか一つが他を圧倒し、"それ"だけが一人の人間の唯一絶対の感情となる、いうなれば妄執であり強迫観念ということができますが、【狂気】というのはそういったものなんですね。逆に言えば【狂気】という形を取って人間のたった一つの感情を徹底的にクローズアップしてゆく、そしてその生々しさと激しさを徹底的に描ききる、それが【シェイクスピア四大悲劇】の本質なんではないのか、そんなことを感じましたね。

20120823(Thu)

[]ビートルズ第5のメンバー、スチュアート・サトクリフの生と死〜『ベイビーズ・イン・ブラック』 ビートルズ第5のメンバー、スチュアート・サトクリフの生と死〜『ベイビーズ・イン・ブラック』を含むブックマーク ビートルズ第5のメンバー、スチュアート・サトクリフの生と死〜『ベイビーズ・イン・ブラック』のブックマークコメント

■ベイビーズ・イン・ブラック / アルネ・ベルストルフ

ベイビーズ・イン・ブラック THE STORY OF ASTRID KIRCHHERR & STUART SUTCLIFFE

1960年、ドイツ、ハンブルグ。若き芸術家の卵、クラウス・フォアマンとアストリッド・キルヒャーは、地下の薄汚い怪しげなクラブで、最高にクールなロックンロールを奏でるイギリス人バンドに魅せられる。その"5人"のバンドの名前は、「ビートルズ」といった。アストリッドはバンド・メンバーの一人、スチュアート・サトクリフに惹かれ、二人は愛し合うようになる。ビートルズを脱退し、ドイツで芸術家を志すこととなるスチュアートに、アストリッドは最大限の助力を惜しまなかった。芸術家として輝かしい未来が待っているはずの二人に、しかし、悲劇が待ちかまえていたのだ。

ドイツのグラフィック・ノベル・アーチスト、アルネ・ベルストルフの『ベイビーズ・イン・ブラック』は、ビートルズ第5のメンバー、スチュアート・サトクリフと、後に有名カメラマンとして世に出るアストリッド・キルヒャーとの出会いとその後の運命を、史実に基づいて描くグラフィック・ノベルだ。

この物語でのビートルズはまだレコード・デビュー以前、ステージではロックンロール・カヴァーを奏でるドサ周りバンドではあったが、その才能にはいち早く周囲が注目していた時期で、そんなビートルズの胎動期の様子を窺い知る事が出来るのがまず興味深いだろう。特にこの作品での若きジョン・レノンの兄貴肌な態度や言動には注目だ。それと同時に、60年代ドイツの、芸術を志す若者たちのボヘミアな生活とその風俗がとても目を引く。そしてこの物語の実際の主人公となるのは彼らであり、彼らの織り成す青春群像、芸術に対するその情熱が中心として語られるのだ。カメラマンとして大成するアストリッドだけではなく、彼女にビートルズを紹介したクラウスも、ビートルズとの交際を経て、後にアルバム・ジャケット製作や、またミュージシャンとしてビートルズ・メンバーのソロ作品に参加している。即ち、このハンブルグの若者たちとビートルズの出会いは、彼らのその後の人生をも決定する、まさに運命的な出会いだったのだ。

この作品のタイトル、『ベイビーズ・イン・ブラック』は、ビートルズの同名曲のタイトルだが、これは、黒い服を好んで着ていた、アストリッドについて書かれた曲であった。それはこんな曲である。

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作品は、鉛筆画風のとても柔らかく素朴な絵柄で、どの登場人物たちも実にキュートに描かれている。実際のスチュアート・サトクリフとアストリッド・キルヒャーはこんな二人であったらしい。

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ベイビーズ・イン・ブラック THE STORY OF ASTRID KIRCHHERR & STUART SUTCLIFFE

ベイビーズ・イン・ブラック THE STORY OF ASTRID KIRCHHERR & STUART SUTCLIFFE

スチュアート・サトクリフについてはこんな映画もある。

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20120822(Wed)

[]《偽》小学生映画日記〜夏休みなので『センター・オブ・ジ・アース』をみました 《偽》小学生映画日記〜夏休みなので『センター・オブ・ジ・アース』をみましたを含むブックマーク 《偽》小学生映画日記〜夏休みなので『センター・オブ・ジ・アース』をみましたのブックマークコメント

■センター・オブ・ジ・アース (監督:エリック・ブレヴィグ 2008年アメリカ映画)

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★★★★

夏休みなので パパにデズニーランドに 連れてって って言ったら パパはこれでも見とけと言って 私に センターオブアースというDVDを 見せました。

デズニーランドの センターオブアースは乗りたいですが べつにDVDを見たいと 言ったわけではないので パパはバカなのかと 思いました。

映画はズドーンと ちていにもぐって ドカーンと 空にあがるのが おもしろかったです。

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<パパより>

会社零細だから夏休みなんて取れないんだよ。わかれよ。だいたいバカってなんだよ。少しは親のありがたみを感じなさい。

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■センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島 (監督:ブラッド・ペイトン 2012年アメリカ映画)

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★★★★

夏休みなのに デズニーランドに 連れて行ってくれないパパに もう一度 こうしょうしたら これでも見とけって こないだ見た映画のぞくへんを見せられました。

また同じ手をつかって 子供をなっとくさせた気になっているパパは ちょっとどうかと思いましたが まいにちおしごとが 大変なので しょうがないかと思いました。

映画は ハゲの人がしゅじんこうで 大きなハチにのったり 金を出す 火山が すごかったです。

パパにも金をあげて らくしてもらいたいです。

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<パパより>

忙しい忙しいばかり言ってお前の事ちゃんと見てあげられてなくてゴメンな…。今度絶対、ママも連れて、3人でディズニーランド行こうな。

お前の事、いつも大事に思ってるよ。

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※注:今回の文章はすべてフィクションであり、ブログ主に子供はおらず、汚い絵は自分で描いたものです。

また、『小学生映画日記』へ敬意を表してのパロディですので、マーリーちゃんとパパ、大目に見てやってください!

サメジョーサメジョー 2012/08/24 08:38 来年か再来年の夏休み、この子がまたお願いしたときには、センターオブジアース3のDVDが渡されるであろうことが容易に想像がついて、涙が止まらないです。

globalheadglobalhead 2012/08/24 12:33 そしていつかやっとディズニーランドに行けた時、センターオブジアースのアトラクションだけは何があっても絶対乗らない、存在すら認めたくない、と意固地になって拒否するような屈折した子にならないように祈りたいです。

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20120821(Tue)

[]アベンジャーズ、一番強いヤツは誰!?〜映画『アベンジャーズアベンジャーズ、一番強いヤツは誰!?〜映画『アベンジャーズ』を含むブックマーク アベンジャーズ、一番強いヤツは誰!?〜映画『アベンジャーズ』のブックマークコメント

アベンジャーズ (監督:ジョス・ウィードン 2012年アメリカ映画)

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MARVELのアメコミ・ヒーロー勢揃い映画『アベンジャーズ』を観て来ました。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、さらにホークアイにブラック・ウィドウと、それぞれの面子が一人一人登場し集められ、最初は反目しつつやがて力を合わせて強大な敵と戦う、という王道ともいえる物語運びと、そのヒーローの面々それぞれに見せ場を配した実にバランスのいい脚本、そしてこの作品を成功させる為に何年も何作ものヒーロー・ムービーを成功させ続けたことが功を奏した、非常に秀逸なエンターティメント作品であることは間違いないでしょう。

まあ、例の空飛ぶ空母、別にあんなして飛びさえしなけりゃ中盤の空中パニックなんて起きなかったんじゃ?とか、異世界のテクノロジーが地球にあったばっかりに、そのテクノロジーが生み出した異次元断層から宇宙の彼方のワルモノどもが大挙して地球に襲い掛かるヒーロー・ムービー、なんてぇのはなんか『トランスフォーマー』でもやったんじゃないか?とは思いましたけど、船の上のまんまだと絵にならないばかりかそれだと『バトルシップ』だし、基本的にはどこにでもいる青年が主人公である『トランスフォーマー』と比べて【ヒーローがいっぱい】というお得感は何者にも換え難い、という点で、やっぱり『アベンジャーズ』のほうに軍杯が上がっちゃいますね。

さてこの『アベンジャーズ』のヒーローの皆サマ、召集掛けられた当初は互いに腹の探りあいを演じており、非常にギクシャクしている、また、敵役であるロキにたぶらかされて最初は敵役についちゃう人もいる、という筋運びになっているんですが、そんな彼らが前半で敵と戦うどころかお互いで戦っちゃう、なんていうシーンがありましてですね、ストーリーテリングの一環であるとはいえ、このシークエンスの面白さはなんと言っても「ヒーロー同士戦ったら誰が一番強いの?」という誰しもが思うようなシーンを再現しちゃっている、という部分なんですね。この「結局一番強いのは誰だ!?」というのはある種ひとつのオコチャマの夢であると思うのでありますよ。「ジャイアント馬場とアントニオ猪木が戦ったらどっちが勝つんだ!?」なんてぇのはオレみたいな世代が子供の頃、最も熾烈に戦わされた議論のひとつでありますしね!まあこのシーンでは全員が全員戦うわけでもないし、勿論決着なんか付かないんですが、それでもヒーロー同士が歯を剥き出し合いその特殊能力を使いまくって戦う姿は、物語とは関係ない部分で観る者の中にあるオコチャマの心をくすぐったのではないでしょうか!?でまあ、そんなわけでですね、ここで【アベンジャーズ・ヒーローの中で一番強いヤツは誰!?】ということを、それぞれのヒーローの印象なんぞを並べながら考えてみたいと思うわけなんですね。

まずは【アイアンマン】。多分一番知名度もあり派手に活躍するアイアンマンとその中の人・トニー・スタークですが、変身前のハルクであるブルース・バナー博士に「うりうり、早くハルクに変身してみろっつーの」なんてやってたり、何十年もずっと氷漬けだったキャプテン・アメリカに「いやああんた昔の人だよねえ、要するにジジイってことだよねえ」とかやってて、『アイアンマン』の時よりも皮肉屋で癖のある食えない性格の登場人物を演じていましたね。そしてテクノロジーの粋を集めた一見無敵のパワードスーツですが、相手が神サマだったり異星人だったりして、結構ボロボロにされちゃう上に、機械の悲しさで動力が切れると動けない、という弱点も。

【ソー】。なんてったって神サマなんだし、武器であるトンカチ、ムジョルニアはテクノロジーというよりも殆ど神器なわけで、繰り出す攻撃も人間離れしてるし、そうしてみると『アベンジャーズ』の中で一番強いんじゃないの?と思われますが、実はこの映画の最大の敵ロキが彼の弟である、という点が、ソーの弱点となってしまっているんですね。あとちょっとむらっ気があり過ぎて、どことなく宿六みたいにふらふらしていて、やるときはやってくれるんだけど、ここぞって所でどっか行っちゃっていない、ってイメージがありますね。

【キャプテン・アメリカ】。超人血清を打たれて超人になった人造ヒーロー、キャプテン・アメリカですが、ウリとなっているのは多分宇宙最強である盾と、とりあえず屈強な肉体だけなんですよね。ピンだとそれだけでもいいんですが、しかし『アベンジャーズ』の面々の中ではそんな能力がどうしても見劣りしちゃうんですよ。なんといっても空が飛べない!でも製作者もそれはきちんと気付いていて、能力の面では今一歩でも、そのリーダーシップと生真面目さでキャラを演出していた、こういう部分は上手いなあ、と思いましたね。

【ハルク】。ガンマ線浴びちゃったせいで怒ると緑色の怪物に変身し目の前にあるものを手当たり次第にぶっ壊してしまう怪物ハルクですが、ハルクの中の人ブルース・バナー博士、この映画ではなかなかハルクに変身しません。「いやもうきちんと抑えられるようになったし」とか余裕見せてます。しかしだからこそ観客は博士がハルクに変身するその瞬間を今か今かと待ち遠しく思えちゃうんですね。そして一旦変身すると核爆発並みのとんでもないパワーを発揮して、その力を見せ付けます!格ゲーでいうと動きはもっさりだが一撃必殺の大技を持つ重量級格闘家といったところ。なにしろ焦らして焦らしてここぞという所で大活躍するもんですから、実はこの映画の中で一番目立ってたかも!?

最後に国際平和維持組織《シールド》で活躍する人間枠はまずホークアイ。並み居る超人たちの影で生身の人間でしかないホークアイですが、その弓矢の超絶的な技は既にして超人的といっていいのではないかと思います。映画ではあっちの方向向いて話をしながら敵をガシガシ弓矢で射殺してゆくシーンはカッコよかった!そしてもう一人の人間枠は紅一点の【ブラック・ウィドウ】。彼女も生身の人間ではありますが、オリンピック・アスリート並みの身体能力を持つ、ということで超人ということにしてしてしまいましょうよ。いいじゃないですか、なんてったっ紅一点だし色っぽいしスカヨハだし!(まあしかしペッパー・ポッツさんことグウィネス・パルトローも素敵だし写真だけの出演とはいえソーの心の恋人役ナタリー・ポートマンのほうがスカヨハより好きだしあとちょい役だったけどシールドの副司令官役のコビー・スマルダーズさんという人もこれがいい感じの美人ちゃんで「これ結構ええんちゃう?いやこれかなりええんちゃう?」などと暗い劇場の椅子の上で隣に一緒に行った相方さんがいるにも関わらず心の中で一人自問自答してしまったりああああ一人だけにしろって言われてもオレ決められないよ!?なんなのこの夢が広がるディスクシステム状態!?

というわけでそれぞれのヒーローの印象を並べてみましたが、この【アベンジャーズ・ヒーローの中で一番強いヤツは誰!?】という当初の命題をですね、映画の中での活躍のあり方などを考慮し、独断と偏見を加味しつつ、厳正なる審査に基づき決定したところではですね、栄えある【キング・オブ・アベンジャーズ】の名に輝くのは、【超人”俺はいつも怒っているぜ”ハルク】、彼ではないかと思うのですが皆様如何でしょうか!?なんつーかねー、ハルク、強いだけじゃなくてなんか可愛いんっすよねー。なんでオレがハルクを選んだかは映画を観れば一目瞭然なので気になった上にまだ観てない人は劇場にGO!だよ!

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アベンジャーズ:プレリュード (ShoPro Books)

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アイアンマン Blu-ray BOX(2枚組)

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インクレディブル・ハルク [Blu-ray]

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20120820(Mon)

[]「首都圏外郭放水路」へ行って来た 「首都圏外郭放水路」へ行って来たを含むブックマーク 「首都圏外郭放水路」へ行って来たのブックマークコメント

この間の8月15日は夏休みをとって相方さんと二人で「首都圏外郭放水路」へ行って来ました。

首都圏外郭放水路は、あふれそうになった中小河川の洪水を地下に取り込み、地下50mを貫く総延長6.3劼離肇鵐優襪鯆未靴胴掌誉遒卜す、世界最大級の洪水防止施設です。 日本が世界に誇る最先端の土木技術を結集し、平成18年6月に完成。完成に先立ち、平成14年から部分的に稼動し、毎年5〜7回の洪水を安全に処理することで、高い治水効果を発揮しています。

私たちの目にふれることなく、洪水と闘う首都圏外郭放水路のスケールはまさにギネス級。洪水を取り込む直径30m、深さ60mにおよぶ5本の巨大立坑をはじめ、地中深く6.3kmにわたって走る直径10mの地底トンネル、重量500トンの柱が59本もそびえるマンモス水槽、そして、毎秒200tの水を排水する14000馬力タービンなど、そのすべてが想像を超えるスケールです。

首都圏外郭放水路HP

簡単に言うと「関東を流れる河川の雨水による増水を緩和するための巨大地下水路」ということなんですが、これら増水した雨水を一所に集めて江戸川へと流す為に設けられた貯水槽が「調圧水槽」という場所で、今回はそこの見学をしにいったというわけです。

さてその「首都圏外郭放水路」までは電車で約2時間の距離。ちょっとした小旅行だったのでとりあえずグリーン車に乗ってお昼に鯵のお寿司なんぞを食したり。

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でもやっぱり足りなくて、「首都圏外郭放水路」所在の駅であるJR南桜井でマクドナルドハンバーガーを食してしまう…。

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そして駅からタクシーで10分(バスが殆ど無いんですよ)、今回の見学会の催される「首都圏外郭放水路管理支所・龍Q館」へ到着。見学会は火曜日から金曜日のみ、1日3回、各回25人。参加は予約が必須で、1ヶ月前から受付、インターネットでも予約出来るんだけど、お盆時期ということもあってか、この日の予約を取ろうとしたら超混雑で殆どサーバーに繋がらず、一瞬焦りましたが、なんとか取ることができたんですよ。

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見学コースは1時間半。受付で「見学参加証」を渡され、係の方に「龍Q館」内の模型で「首都圏外郭放水路」の概要と仕組みを説明され、その後屋上に案内される。

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屋上。下に見える丸いものは放水路を掘削するのに使ったシールドマシンのカッターヘッド(の多分模型)を時計にしたもの。遠くに見えるのは筑波山。

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屋上反対側。このサッカー場の下が、実は今回潜入する「調圧水槽」。

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手前に見える3角形のコンクリートの建物が「調圧水槽」の入り口。

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「調圧水槽」へは地下へ階段が約100段。温度は通年19度で管理されているらしい。階段を下りてゆくと、外はあんなに暑かったのがすぐにひんやりしてきて、さらに湿気が強くなる。そして階段を降り切ると…。

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どーん。

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「調圧水槽」は幅78m、長さ177m、高さ25mの広さ。柱の数は59本、長さ7m、幅2m、高さ18m、重さ500トン。大雨が降ると、ここの3分の2ぐらいが水で一杯になるのだそう。

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その姿はあたかも神殿のよう。

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「調圧水槽」の横には他の河川からの雨水を貯める「第一立坑」。幅30m、高さ70m。

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人の大きさと比べるとスケールの大きさが分かる。

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「調圧水槽」の見学自体は10分ほどでしたが、非常に有意義な時間でした。外に出るとグライダーを引いた飛行機が飛んでいました。

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そして「首都圏外郭放水路」を後にしたオレと相方さんはまた2時間掛けて地元まで戻り、この日はジンギスカンで乾杯をしました。お疲れ様!楽しかった!

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20120817(Fri)

[]富士の裾野へ洞窟探検しに行ってきた 富士の裾野へ洞窟探検しに行ってきたを含むブックマーク 富士の裾野へ洞窟探検しに行ってきたのブックマークコメント

この間の日曜日は河口湖近辺に謎の洞窟が存在するというのでこれは世界に名だたる冒険野郎のオレとしては無視できん、とちょっくら探検に行ってきました。ぱ〜っぱぱっぱ〜んぱ〜ぱぱ〜ん♪(インディー・ジョーンズのテーマで)この日は前日まで天気予報が雨マークだったんですが、当日になってみると雲は多めなものの見事に晴れ、こりゃ幸先良いわい、と朝早く高速バスに乗って河口湖を目指したオレと相方さんなんですが、お盆ということもあってか行く道行く道大渋滞、結構大変な目に遭ってしまいました。

この日見に行く予定だったのは「富士山の洞窟 天然記念物 富岳風穴・鳴沢氷穴」(HP)。渋滞で遅れた高速バスから路線バスへタッチの差で乗り継ぎ、まずは「鳴沢氷穴」に向かいます。しかーしここでまた渋滞。やっとのことでバス停で降り、「鳴沢氷穴」に目指したところなんと今度は人人人の長蛇の列、係の方に聞いたところ1時間半待ちとかいうではありませんか!

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こりゃ駄目だねパスだねと諦めの早いオレと相方さん、さっさと次の「富岳風穴」へと向かいます。「富岳風穴」は「鳴沢氷穴」から青木ヶ原樹海を歩いて25分の距離。しかしこの青木ヶ原樹海がなんだか凄かった。転がっている石は全部黒くてブツブツの穴が開いた溶岩石、地面はあちこち割れたり陥没しており、そんな場所から生えている木はどこか捻じれて立っています。鬱蒼と茂る青木ヶ原樹海は荒々しいなんていうよりもやはり異様な感じでしたね。そしてかつてここに溶岩が押し寄せたんだ…と想像するとなんだか背筋がヒヤッと来ました。

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そしてお約束の例の看板…。

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さてそんな樹海を向けて「富岳風穴」に到着したところ、こちらはなんとガラガラで並びなんてありません。こりゃ幸いと早速入場料を払って中に入ってみます。

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その「風穴」への階段を一歩下りた途端、気温が一気に下がります!

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そして屈まなければ通れないような狭い洞窟を抜けると…。

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なんと氷柱が!

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この「風穴」、8月でも気温は0度なんだそうです。昔は蚕や食料の保存庫として使われていたのだそうです。

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この辺一帯の洞窟は大昔富士山が噴火した際の溶岩になぎたおされた木が冷えて固まった溶岩の中で灰になり、その部分が空洞化してできたものなのだそうですね。

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渋滞に悩まされて予定の場所を殆ど回れませんでしたが、この風穴に入れただけでもよかったなあ。まあ、この風穴出た後も、乗る筈だった路線バスが50分遅れて来たりしてたけどね…。

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河口湖駅前に「ほうとう」の店があったので遅い昼食もしくは早い夕食をとることに。広々としたなかなか風情のある内装で、有線ではずっと民謡がかかっていたのがまたなんだか雰囲気。

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初めて食べたほうとうはでっかい鉄鍋で出てきて、野菜もやっぷり、勿論カボチャも入り、食べ応え満点でした!

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しかしお店で売っていた「桃カレー」と「葡萄カレー」は…どうなんだろう…。

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そんなわけでもう帰る時間。東京方面のバスに乗って河口湖を後にしましたが、この帰りのバスがまた渋滞で、2時間半のコースが4時間掛かってしまいました。やっぱりバス旅行は時期を選ばないとダメなんだなあ、ということを勉強しました。では最後に河口湖で見つけた変な顔のおじさんの看板を紹介しておしまいといたします!

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20120816(Thu)

[][]Banksyの10年の軌跡を収めた作品集『Banksy.: You Are an Acceptable Level of Threat』 Banksyの10年の軌跡を収めた作品集『Banksy.: You Are an Acceptable Level of Threat』を含むブックマーク Banksyの10年の軌跡を収めた作品集『Banksy.: You Are an Acceptable Level of Threat』のブックマークコメント

Banksy: You Are an Acceptable Level of Threat and if You Were Not You Would Know About It

グラフィティ・アーティスト、Banksyの過去10年に渡る作品を集めた『You Are an Acceptable Level of Threat』が発売されてます。ハードカバーで240ページ、日本のAmazonだと\2400ぐらい、意外と手を出しやすい値段ですね。Banksyはグラフィティというものの概念を変えたアーチストだということが出来ると思いますが、Banksyのグラフィティは「そこに描かれていることの意味」がある、即ち描かれたものと描かれる場所に密接な関連性を見出すことの出来るアーティストであることが突出していますね。そして描かれるものは、単にユースカルチャーの枠内に留まらない、広い層に受け入れられやすい表現のありかたをしている。勿論そのシニカルで体制批判的な批評性、それとは別に"遊び"としての絵の楽しさを持った諧謔性も優れているんですね。それと同時にモダン・アートに対する挑戦的な態度も面白かったりするし、そういった複数方向での先鋭さがBanksyを優れたアーティストたらしめているのでしょう。

「Banksy.: You Are an Acceptable Level of Threat」は特設サイトが設けられており、ここで大きな画面表示のスライド形式で作品を見ることが出来ます。

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イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ [DVD]

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Wall and Piece

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Banksy's Bristol: Home Sweet Home: The Unofficial Guide

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20120814(Tue)

[]映画『トータル・リコール』はP・K・ディックの夢を見るか? 映画『トータル・リコール』はP・K・ディックの夢を見るか?を含むブックマーク 映画『トータル・リコール』はP・K・ディックの夢を見るか?のブックマークコメント

トータル・リコール (監督:レン・ワイズマン 2012年アメリカ映画)

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アンダーワールド』、『ダイ・ハード4.0』の監督レン・ワイズマンがコリン・ファレル主演で製作した『トータル・リコール』、この映画はアーノルド・シュワルツェネッガー主演、ポール・バーホーベン監督により1990年に製作された映画『トータル・リコール』のリメイク作品になります。映画自体はアクションに次ぐアクションの連続で、生身の人間を主人公に描かれた『トランスフォーマー』みたいなカチカチとした目まぐるしい編集が成され、そのてんこ盛り感は料金分お腹いっぱい満足できる作品に仕上がっています。ただ人によっては胸焼けを起こす人もいるかもしれませんが。というわけで今回は映画からちょっと離れて原作者であるP・K・ディックのテーマについてグダグダ書きます。

オリジナルの『トータル・リコール』は個人的には最初観たとき「なんじゃこりゃ」と映画館の席からずっこけそうになったオバカ映画でしたね。シュワらしい筋肉ムキムキアクションとバーホーベーンの「見ろ人がゴミのようだ」といわんばかりの悪趣味が合体した大味な大作映画で、そういう味わいの映画なんだと途中から気付いて観てたからそれほど嫌いでもないんですが、SF映画として観るならかなり苦しい映画でしょう。しかしそれでもこのリメイク版『トータル・リコール』はかなりの部分でオリジナルに敬意を表していると思います。少なくともこれの製作者は結構オリジナルが好きだったんでしょう。しかしそんなオリジナルへの敬意よりもさらに敬意を払われているのは映画『ブレードランナー』と、『ブレードランナー』、そしてこの映画『トータル・リコール』の原作者であるP・K・ディックに対してでしょう。

ブレードランナー』が公開されて以来、その"ブレードランナー的世界観"は近未来を舞台にしたSF映画に一種の呪縛のようにつきまとい、影響を与え続けてきてしまいました。"混沌として汚濁に満ちた近未来世界"を描こうとすると、どうしてもブレードランナー的にならざるを得ないのですが、その"混沌として汚濁に満ちた近未来世界"とは、実は"混沌として汚濁に満ちた今"を描いたものであり、そういった"今"をカリカチュアナイズしつつリアリズムを追求しようとすると、即ち"ブレードランナー的世界観"に落ち着いてしまうというわけなんです。しかしそういった"呪縛"とは別に、この『トータル・リコール』は、『ブレードランナー』と同じディックSF原作作品であり、そういった部分から、作品オマージュの姿勢はより確信犯的に行われているということが出来ると思います。それはヴィジュアルのみならず、例えばこの作品の中で、主人公がピアノを弾いて自分の真のアイデンティティに行き当たるシーンなどは、『ブレードランナー』における、レプリカントであるレイチェルがピアノを弾くことで自らのアイデンティティを守ろうとするシーンなどにも表れているといえるのではないでしょうか。

それと同時に、ディックSFであるこの映画の原作のテーマであり、そもそもがディックSFのテーマの根幹である、「この自分は本当に自分なのか?」「この現実は本当に現実なのか?」という問いかけが、基本はどうしてもアクション映画であるこの作品でも、意外ときちんと盛り込まれている、という点でも、ディックの原作を単なる骨組みに使っただけではない敬意を感じたんですね。

「この自分は本当に自分なのか?」「この現実は本当に現実なのか?」という問いかけはどうして成されてしまうものなのでしょう。それは認識論とかなんとかなにか哲学的な命題を明らかにするために成されているのでしょうか。いや、「この自分は本当に自分なのか?」「この現実は本当に現実なのか?」という問いかけは、実は「こんな自分が自分である筈が無い」「こんな現実が本当の現実であるはずが無い」という、一種の自己疎外、そして現実否定から成されているものなのだと思うんです。この映画の設定である「世界大戦による大規模汚染の為、ヨーロッパを中心とした富裕層、オーストラリアを中心とした貧困層の2箇所だけが居住可能区域として残された地球における両区域の軋轢」というのは、一見「格差社会」という今日的な問題を扱っているかのように見えますが、これは実は、ディックSFによく登場する「地球と火星植民地との関係」を、地球という一つの舞台で描こうとしたものだといえます。

例えばディックSFの中でも傑作として名高い『火星のタイムスリップ』での火星は、人間が普通に暮らせる地球との対立項としての、荒野ばかりが広がる過酷で非人間的な世界として描かれます。そして、「荒野ばかりが広がる過酷で非人間的な世界である火星」に住む人間たちは、その過酷な現実を忘れる為、日常的にドラッグの幻覚や非現実の世界に逃れることを日課としているんです。実はその「荒野ばかりが広がる過酷で非人間的な世界である火星」、というのは、この我々が生きる現実のメタファーなんです。このとき"火星"は、太陽系の第4惑星の事ではなく、「人が人としてまともに生きる事のできる場所から遠く離れた辺土」として描かれているんです。同じように、この映画でも、貧困と苦しい労働と搾取に満ちた現実を忘れる為に人は"リコール社"の偽の記憶、即ち非現実の世界の記憶を買おうとします。それは、彼らの生きる世界が、「過酷で非人間的な世界」「人が人としてまともに生きる事のできる場所から遠く離れた辺土」だからです。そしてそのような世界で生きざるをえないからこそ、人は「この自分は本当に自分なのか?」「この現実は本当に現実なのか?」と自問し、「こんな自分が自分である筈が無い」「こんな現実が本当の現実であるはずが無い」と逃避しようとするのです。

ディックSFがなぜやるせないのか?というのは、ディックSFのそういったテーマのあり方が、実は、現実のやるせなさそれ自体から生まれているからです。映画『トータル・リコール』の主人公は、リコール社で偽の記憶を注入しようとしたことがきっかけで本当の記憶が蘇ります。しかしそれは、本当の記憶だったのでしょうか。自分は、命懸けのアクションが連続する映画の最中でさえ、というよりもむしろ、アクションが過激になればなるほど、ひょっとして、この主人公がいきなり目覚め、またいつものやるせない現実に戻ってしまうのではないか、とそればかり考えてしまいました。そしてまた、もしもこの映画のすべての物語が例え偽の記憶であり、電気羊の夢なのだとしても、覚めずにいるのなら、覚めないままでいいじゃないか、とも思えていました。映画『トータル・リコール』は、観る者にとっても、それ自体がリコール社から注入された偽の記憶だったのかもしれません。

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火星のタイム・スリップ (ハヤカワ文庫 SF 396)

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20120813(Mon)

[]『遊星からの物体X ファーストコンタクト』はプリクエルというより普通にリメイクだった! 『遊星からの物体X ファーストコンタクト』はプリクエルというより普通にリメイクだった!を含むブックマーク 『遊星からの物体X ファーストコンタクト』はプリクエルというより普通にリメイクだった!のブックマークコメント

遊星からの物体X ファーストコンタクト (監督:マシーズ・ヴァン・ヘイニンゲン・Jr. 2011年アメリカ映画)

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南極観測隊の皆さんが南極の氷の下で見つけた巨大宇宙船を開けてみたら中で宇宙人のキモい死体が氷漬けになっててそれを観測基地に持ち帰ったところ死んでるかと思ってたそれの細胞が生きてて南極観測隊の皆さんに取り付いてしまい隊員の皆さんはグジャドロのクリーチャーに変身しちゃって大騒ぎ、というのがこの『遊星からの物体X ファーストコンタクト』であります。そしてこの映画、1982年公開のジョン・カーペンター監督作品『遊星からの物体X』のプリクエルというか前日譚として製作されているんですな。

オリジナルである『遊星からの物体X』はオレの大好きな映画で、何が好きかといえばやっぱりグジャドロに変形・変身したクリーチャーのエグい形状が非常に素敵、ということがまず挙げられるでありましょう。体がブチュッと崩れたりパックリ割れたりビローンと伸びたりした挙句あちこちの部分からカタツムリみたいな角やタラバガニみたいな足やその他触手やら牙やらが有り得ない位置から生えてきて、もはやメチャクチャな形になったクリーチャーが気色悪い体液滴らせながらヒクヒク動いて「ぶもぉおおおおおお」とか吠えるんですよ。いやあもう最高でしたね!!実はオレこのグヂャドロクリーチャーのフィギュア持ってたりするんですが(自慢)もはや一生の宝物、墓場まで持っていくつもりでありますよ!

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さてその大大大好きな『遊星からの物体X』がプリクエルとして蘇るというんだから黙っちゃいられません。日本公開はいつかと首を長くして(そりゃもう物体X並みに)待ってたんですが一向に公開の話が来ないので遂に業を煮やして通販で海外Blu-rayを購入、随分前にさっさと観ちゃってたんですが、なんとつい最近やっと日本でも公開されたみたいで、そんなわけでほんのちょっと感想を書こうかと。

でもこの『遊星からの物体X ファーストコンタクト』、正直、感想書くにもあんまり感想が無い、というか特に特筆すべきことの無い映画に仕上がってたのは確かなんですよねえ。つまんなかったとかいうのではなく、この『ファーストコンタクト』って、殆ど前作のプロットそのまんまの展開しかしてないんですよ。宇宙船から物体Xを持ち帰る、隊員が知らない間に次々と憑依される、誰が物体Xか分からないのでみんなで疑心暗鬼になってイザコザを起こす、最後に物体Xが正体現して大暴れ、とまあ、プリクエルなもんですから正編に繋がらなきゃならないんで、繋がりに破綻を見せないために大風呂敷を広げるわけも大胆な展開を見せるわけにもいかず、順当な物語展開に落ち着いちゃった、ということなんですね。だから観終わった感想はというと「これ…プリクエルというより単なるリメイクじゃん…」ということになってしまうんですね。まああんまり同じだと観客怒っちゃうから適度に差異を持たせているところに苦労の跡が見受けられますが、でも結局は"別バージョン"なんですよね。逆にこれだったら、プリクエルとしての制約を無しにして最初っからリメイクとか続編にして好きなことやったほうがもっと面白くなったんじゃないかなあ。

とはいえ、決して嫌いな映画じゃないし、グヂャドロなクリーチャーをまた見る事が出来たのは嬉しいですね。正編である『遊星からの物体X』は今観るとSFX部分に相当手作り感があって時代を感じさせますが、この『ファーストコンタクト』ではアニマトロニクスによる技術も向上し、CGなんかも入ってるんでしょうから見栄えそれ自体はよく出来ている、それと正編は男ばかりのむさ苦しい映画で、そのむさ苦しい連中が息苦しい状況に陥るというところがまたよかった、というものありましたが、今作では女性が主人公で、そういった部分でスマートさが出ている、と言えない事もないし。まあスマートならいいのかといえばそう言うわけでもないんですが、まあそういう映画だと思うことにします。

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遊星からの物体X [Blu-ray]

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20120810(Fri)

[]『ダークナイト・ライジング』公開記念ということでベインとキャットウーマンが主人公のバットマンコミックを読んでみた 『ダークナイト・ライジング』公開記念ということでベインとキャットウーマンが主人公のバットマンコミックを読んでみたを含むブックマーク 『ダークナイト・ライジング』公開記念ということでベインとキャットウーマンが主人公のバットマンコミックを読んでみたのブックマークコメント

バットマンvs.ベイン / チャック・ディクソン、グラハム・ノーラン

バットマンvs.ベイン (ShoPro Books)

映画『ダークナイト・ライジング』公開記念ということで、映画に登場したベインとキャットウーマンのコミックを読んでみた。まず最初はベインを中心に編集された『バットマンvs.ベイン』。5話収録されていて、まずはベインのオリジンを描く「VENGENCE OF BANE」。映画でもベインの生い立ちは描かれるが、なにしろ「カリブ海のある島で、クーデターに加担した父親の罪を、出産前の胎児の時から背負い、生まれたときから終身刑となった赤ん坊」という設定から既に物凄く重い。その後ある啓示と事件により終身刑の赤ん坊はベインへとなってしまうんだが、コミックのベインがマスクを被っている理由は、「超兵士を作る実験での後遺症で常に麻薬から作られた超筋肉増強剤を摂取し続けなければならないから」ということになっていて、映画とは若干違う。続く物語は、ベインとラーズ・アル・グールの邂逅を描く「BANE THE DEMON PART1-4」。自身の父親の正体を知るべく、世界各国で父親と関わりのあった者を探しては地獄へと落として行くベインは、その探索の終局にラーズ・アル・グールとその娘タリアに出会う。ベインはタリアと恋に落ちるが、親父が親父だけにこれが相当の性悪女で、さすがのベインも梃子摺りまくる所が微笑ましい。そして最後はラーズ・アル・グールとの対決となるのだがその結果は…という物語。全体的に荒っぽくマッチョなグラフィックだが、ベインの雰囲気とは合っているかも。それと、"バットマンを倒した男"と呼ばれるベインだが、そのエピソードも入れて欲しかったように思う。ベインの物語は映画とこのコミックで初めて知ったのだが、意外とジョーカーあたりよりオレは好きなヴィランかもしれない。ただあのルックスは普通に覆面レスラーなのがちょっと惜しいが。

バットマンvs.ベイン (ShoPro Books)

バットマンvs.ベイン (ShoPro Books)

キャットウーマン:ホエン・イン・ローマ / ジェフ・ローブティム・セイル

キャットウーマン:ホエン・イン・ローマ (ShoPro Books)

一方こちらはバットマン・コミックの名作として名高い『バットマン:ロングハロウィーン』『バットマン:ダークビクトリー』の外伝的作品にしてキャットウーマンの秘密を解き明かす作品として描かれた『キャットウーマン:ホエン・イン・ローマ』。先に挙げたバットマンコミック2作はバットマンとゴッサムシティに巣食うマフィアとの抗争がテーマとしてあったが、その中で闇を歩むかのごとく出没していたキャットウーマンとマフィアとのその関係の秘密を描いたものとなる。コミックの中でキャットウーマン/セリーナ・カイルはある目的を胸にローマへと旅立つのだが、この時の相棒が怪人リドラーというのがなんだか可笑しい。しかしキャットウーマンのローマでの冒険は非常にミステリアスかつグラマラスに描かれていて、バットマン・コミックの外伝という部分から離れても楽しめる作品に仕上がっている。まず何よりグラフィックが美しい。各章それぞれの扉画はフランスのファッション・イラストレーター、ルネ・グリュオーという人へのオマージュとして描かれているそうだが、これもまた実に洒落ている。そしてなにより、セリーナ・カイルその人の素顔がなにしろ美人だというのが嬉しい。自分は読んでいて常に映画『ダークナイト・ライジング』のアン・ハサウェイを重ね合わせてしまったが、そのぐらい美人なのだ。怪盗キャットウーマンとしての立ち振る舞いや彼女の行く手を阻む女ヴィラン"チーター"との戦い、セリーナ・カイルとキャットウーマンを影となり日向となり助けるイタリア人殺し屋ブロンディとの絡みもわくわくさせられる。セリーナ・カイルの「可愛い悪女」といった性格とその行動、その小憎らしい台詞運びまでが心躍らせる。そしてキャットウーマン/セリーナ・カイルの幻想の中では常にバットマンの影が躍り、彼女のバットマンへの狂おしい想いまでが描かれているのだ。かつてハル・ベリー主演によるスピンオフの映画が製作され(ラジー賞をとってしまったらしいが意外と嫌いじゃない)、さらにアン・ハサウェイ主演でのスピンオフ映画の企画の噂まで上がっているキャットウーマンだが、このコミックはそんなキャットウーマンの魅力を伝えるだけではなく、もっと他のキャットウーマン・コミックも読みたくなってくる作品である。

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20120809(Thu)

[]海辺で出会った奇妙なそいつ〜『ロスト・シング』ショーン・タン著 海辺で出会った奇妙なそいつ〜『ロスト・シング』ショーン・タン著を含むブックマーク 海辺で出会った奇妙なそいつ〜『ロスト・シング』ショーン・タン著のブックマークコメント

ロスト・シング

夏のある日、"ぼく"が海辺で出会った"そいつ"は、なんだかへんちくりんな姿の迷子だった――。この『ロスト・シング』は、名作絵本『アライバル』でその名を知らしめた絵本作家ショーン・タンが2000年に発表した実質的なデビュー作です。

海辺で出会った"そいつ"は、見上げるような大きさの、生き物とも機械ともつかない存在です。その姿は真っ赤なダルマストーブにカニの鋏とタコの足をくっつけたような格好をしていて、大きさの割にはなんだか愛嬌があり、とてものほほんとしたヤツなんです。"ぼく"はどこから来ていったいなんなのかまるでわからない"そいつ"がきっと迷子なのだろうと思う事にし、家に連れて帰って"そいつ"の処遇に考えあぐねます。日常からちょっとずれた世界を描くシュールでファンタジックなグラフィックと美しい彩色、不思議で心和む物語は実にショーン・タンらしく、さらに絵のコマの背景として物理や数学の教科書ページをコラージュするなど相変わらず細かい遊びも楽しいです。

ショーン・タンの物語は「どこにも帰れない、帰ることが出来ない」存在をそのテーマとして描くことが多いのですが、この物語もユーモラスで和やかな展開の背景にそういったテーマが見え隠れしています。そういった部分でショーン・タンの物語はどこかに郷愁を感じさせるのでしょう。

ロスト・シング

ロスト・シング

2011年にはアニメ映画化され、なんと第83回アカデミー賞短編アニメーション部門を授賞しています。

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海外Amazonを探せばDVDで売ってるみたいですね。映画の尺は60分かな?ちょっと観てみたいです。

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ショーン・タンの『アライバル』は大傑作なので是非どうぞ(拙レビュー)。『遠い町から来た話』もファンタジックで素敵ですよ(拙レビュー)。

アライバル

アライバル

遠い町から来た話

遠い町から来た話

20120808(Wed)

[] よいこのボクだから『よいこのための吾妻ひでお』を読んだお  よいこのボクだから『よいこのための吾妻ひでお』を読んだおを含むブックマーク  よいこのボクだから『よいこのための吾妻ひでお』を読んだおのブックマークコメント

■よいこのための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection / 吾妻ひでお

よいこのための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

漫画家・吾妻ひでお氏の集大成的なベストを目指しているらしい【Azuma Hideo Best Selection】、これまで『21世紀のための吾妻ひでお』を山本直樹氏で、『ポスト非リア充時代のための吾妻ひでお』を菊地成孔氏の監修で刊行してきましたが、今回の3冊目『よいこのための吾妻ひでお』は漫画家とり・みき氏の監修によるものになります。

とり・みき氏は自分の大変好きな漫画家で、どんなセレクションになるか楽しみにしていたんですが、逆にこれまでの2冊で吾妻ひでお氏のコアな部分を紹介されてきてしまったので、どんなセレクションにしようか頭を悩ませたのだそうです。そして編集されたこの『よいこのための吾妻ひでお』は、吾妻ひでお氏デビュー時まで遡った、"吾妻漫画"の時代による変遷を網羅的にセレクトしたものになっており、ある意味"吾妻漫画"の全体像を掴む優れたベストになっていますね。

そして読んでみて思ったのは、「時代による変遷」というよりは、吾妻さんという人はデビュー時からギャグ・スタイルが完成されており、というかもっと正確に言えば漫画へのスタンスのあり方が変わらない人で、そんな吾妻さんのある意味早すぎた漫画のありかたにやっと時代が追いついてゆく、ということでしょうか。その吾妻漫画のスタンスのあり方というのは、音楽でいうインプロビゼーションのようなフリースタイルで、平たく言うとあえて計算しない自由な発想と勢いで漫画を書いている、ということだと思うんです。まあ作者に言わせたら間に合わせの思いつきでコマを埋めた、ということなのかもしれませんが、その"思いつき"のレベルが高いということなんですよね。個人的には「ふたりと5人」とかメッチャ懐かしかったなあ。

それにしても毎回表紙が凄いことになっているこのシリーズ、今回はロリコン直球ど真ん中で、見た目的には大人しくなっているけど、別の意味では最もヤヴァイ表紙かもしれないですね!

よいこのための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

よいこのための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

21世紀のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

21世紀のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

ポスト非リア充時代のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

ポスト非リア充時代のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection

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20120807(Tue)

[]未来仕様の装備で戦う『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』 未来仕様の装備で戦う『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』を含むブックマーク 未来仕様の装備で戦う『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』のブックマークコメント

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トム・クランシー監修の『ゴーストリコン』シリーズは、主に野外を舞台に仲間に指示を出しながら作戦を遂行してゆく三人称視点のタクティカル・シューターなんですが、オレも結構好きなシリーズで、1作目からボチボチとプレイしていました。意外と体力少なめで一撃死も有り得るシビアさと、選択武器や仲間への指示を誤るとステージクリアも出来なくなるゲームバランスなんですが、逆に注意深く作戦を遂行し的確な指示が功を奏することによる達成感も高いシリーズなんですよね。

そんな『ゴーストリコン』の新作『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』なんですが、システムが今までのシリーズよりずっとカジュアルになっており、プレイヤーは4人編成の部隊の一人として行動するものの”仲間への指示”は省略され、その分操作は幾分簡便になっています。ゲームプレイは銃撃戦とステルスミッションによって進行していきますが、ステルスミッションは発見・即ゲームオーバーという場合もあり、慎重なプレイが要求されます。ただ、のべつまくなしにステルスしなきゃいけないわけでもないので、ステルスアクションが苦手なオレでも楽しめるんですよ。

それと『フューチャーソルジャー』と謳っているだけあって今作は未来仕様の装備で戦闘するのが目玉となっています。『攻殻機動隊』や『MGS』なんかでもお馴染みの光学迷彩を中心とし、「マグネティック」という金属探知可視化装置や投擲して敵の位置を把握する「センサーグレネード」、空中飛行する小型無人偵察機「ドローン」、さらにこれの地上モード「クローラー」などを使用して索敵を容易に行い戦局を有利に持って持っていくことが出来ます。しかし光学迷彩も万能ではなく、敵に近付き過ぎると気付かれるし、索敵装置にしても、これまでゲームマップに便宜的に「敵の位置を表示」していたものを、あたかも科学装備で成し得ているように見せている過ぎないわけで、「未来仕様の装備」とはいえ無敵ではなく、ゲームの難易度が下がるということでもないんですよ。要するに”新しい演出”みたいなものですね。

とはいえHUD越しにAR画像が踊るマップを駆け抜けながら、あるいは隠れながら、様々な装備を駆使して敵を排除しミッションクリアに近付いてゆくのはなかなかに楽しいものです。未来兵器にはスター・ウォーズのAT-ATを小型化したような形の無人戦車も登場し、これを操作しながら敵をガシガシ撃破してゆくのは非常に楽しかったりします。だいたい『ゴーストリコン』シリーズというのはもともと淡々と進んでゆくゲームなのですが、昨今の大作FPSの影響か、今作はそれなりに派手な演出もなされているんですよ。FPSとはまた違う戦隊モノのTPSカバー・シューター『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』、グラフィックも抜群にキレイで面白いですよ。

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ゴーストリコン フューチャーソルジャー - Xbox360

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ゴーストリコン フューチャーソルジャー - PS3

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[]やっと… やっと…を含むブックマーク やっと…のブックマークコメント

ハァハァ…念願のエアコンをやっと取り付けたんだぜ…。前のやつは3年ぐらい前に壊れて、そのとき何を思ったか「エアコン無くとも意外と生きられるのではないか」とずっと放置していたんだが、生きてはいたけどどっちかっていうと夏場は半死半生だったんだぜ…。やっぱり新しいの買うか、と思ったら去年は例の節電騒ぎで、なんだかよくわかんないけど見送ることにし、そしてやっぱり半死半生だったんだぜ…。そしてこないだとうとう勘弁ならなくなって注文しちまったぜ…。今最強で20度にしているぜ…。3年間の恨みだぜ…。地球にも電力行政にも全然優しくないオレだぜ…。

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20120806(Mon)

[]いたばし花火大会に行ってきました いたばし花火大会に行ってきましたを含むブックマーク いたばし花火大会に行ってきましたのブックマークコメント

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4日土曜日は相方さんと二人で、東京は板橋区、荒川南岸で打ち上げられる「いたばし花火大会」に行ってきました。あらかじめ有料席とってあったのでこの日はゆっくり会場に着き、席に座った頃同時に花火があがりました。花火観覧席は会場となっている荒川河川敷の土手を座りやすい階段状に整備して作ってあり、これがどこまでも伸びていてそこを埋め尽くす花火観覧客の数に圧倒されますね。この日の花火打ち上げ数は5500発、人出は昨年で52万人にのぼるのだそうです。当日はお昼からざっと雨が降って開催が心配だったんですが、会場に着くころにはいい具合の空模様になっていて安心しました。

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いたばし花火大会は「伝統の隅田川花火」に対し「実力のいたばし花火」なんて呼ばれているらしいのですが、なにしろもったいぶらずにポンポンと休む間もなく花火をあげつづけるところがスゴイんですよ。だいたいこういった花火大会では協賛企業なりスポンサーなりの名前をアナウンスしてからおもむろにあげる、という形をよく見ますが、いたばし花火大会はアナウンスしている最中にあがっちゃう!もうせっかちなんだから!しかしだからこそテンポの良い迫力ある花火を楽しめるんですよ。実は去年、震災の影響で中止になり、見に行くことが出来なかったんですが、今年こうして見る事が出来て感慨深いものがありました。

この日はクーラーボックスにビールを用意し、さらにつまみはインド料理のテイクアウトで攻めてみました!写ってないけどナンもあります。ただ、相方さんは花火に見入っちゃってインド料理どころじゃなく、オレはインド料理食いまくってて花火どころじゃありませんでした…。

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エンディングの1200発にものぼるワイドスターマインを動画に撮っておいたのでそのときの迫力をちょっとでも味わってみてください!

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それにしても花火大会の難点は帰りの混雑…この日も結局ヘトヘトになって帰ってきました…。

20120805(Sun)

[]スポーツセンターに行ってきた スポーツセンターに行ってきたを含むブックマーク スポーツセンターに行ってきたのブックマークコメント

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相方さんが「ダイエットしたいからスポーツセンター通うことにしたけどあなたもつきあいなさい」と言うので、初スポーツセンター体験をしてきました。

実はオレ、スポーツと名のつくものが完璧にダメで、スポーツ競技は勿論のこと、身体動かすのも大嫌いで、好きなのは部屋で寝ッ転がってビールだらだら飲みながら怪しい映画観ていること、みたいな人間を数十年余り続けてきて、それで全然構わないんダッ!と開き直っていたんですが、ここ最近どうも健康が優れない、時々体調が悪い、ということが続いたもんですから、まあオレも結構いい歳だし、この辺で運動不足を解消し、身体にいいことしてもいいかな、ぐらいのことを思ったわけですよ。とかいいつつ相方さんから「スポーツセンター行かない?」と言われたときは、口では「いいよ」といいつつ、内心面倒くさくてたまんなかったんですけどね!

でも実際行ってみて、エアロバイクやランニングマシンで軽く身体動かしてみたらこれが結構気持ちいい。相方さんとたまに話しながら出来るのもいいし、あとマシンって、デジタル表示でいろんな数値出てくるのでそれ眺めてるのが、なんだかゲーム感覚で面白いんですよね。インストラクターの方の話を聞きながら、他にもいろんなトレーニングマシーンをほんのちょっと弄ってきましたが、終わったあとの疲労感は心地いいぐらいで、なんかキッツイなーというのが全然無かったのが良かったです。ただスポーツセンターから帰ったらビール飲みまくりたくてたまりませんでしたが!まあ無理せずぼちぼちやってみようと思います。

↓スポーツセンターの建物にくっついてた変なオブジェ。これに登れということだろうか(いや違う)。

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↓帰りに道で見かけたんだけれど、バナナは野菜なのでしょうか。

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lazy-daisy5113lazy-daisy5113 2012/08/06 14:43 凄い!
私も含めて、冬とか春先に一念発起してトレーニングを始め、夏場のクソ暑さで挫折する人が多いなか、この時期に始める人を心から尊敬します。そしてバナナは野菜です。

globalheadglobalhead 2012/08/06 22:01 いや、まず毎日やらないどころか1週間に1回行けるかどうかも怪しいので、トレーニングというよりも殆どレクリエーションですね。
でも時間さえ許せば毎日行ってもいいと思ったなあ。結局なんでも時間が問題なんですよねえ。残業して晩飯食って8時9時だったら行く気起きないもの。
どっちにしろスポーツセンターは冷房きっちりかかってるからそん中でやるのは苦になりませんよ。
あとバナナはおやつに入りますか。

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20120804(Sat)

[]Promenade Eleven / Kirk Degiorgio & Ian O'Brien Promenade Eleven / Kirk Degiorgio & Ian O'Brienを含むブックマーク Promenade Eleven / Kirk Degiorgio & Ian O'Brienのブックマークコメント

Promenade Eleven

世間はもうすっかり夏だし暑いしやってられないし仕事もなにかときっつい今日この頃ですが、Kirk Degiorgio & Ian O'Brienのデトロイト・テクノなこの曲を聴いていればなんとか乗り切れそうです。美しい曲だー。

Kirk Degiorgio, Ian O'Brien - Promenade Eleven (Original Reworked)

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Promenade Eleven

Promenade Eleven

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20120803(Fri)

[]わしゃあ責任なんかとりたくない!〜映画『ローマ法王の休日わしゃあ責任なんかとりたくない!〜映画『ローマ法王の休日』を含むブックマーク わしゃあ責任なんかとりたくない!〜映画『ローマ法王の休日』のブックマークコメント

ローマ法王の休日 (監督:ナンニ・モレッティ 2011年イタリア・フランス映画)

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全世界12億のカトリック教徒の最高位に就くローマ法王が天に召され(アーメン)、新しい法王を選ばにゃならん、と世界各国の枢機卿が聖都ヴァチカンに集まり投票をするんだが、栄えある新法王に選ばれたメルヴィル爺さん(ミシェル・ピッコリ)、なんと「わしにゃあ法王なんて出来ねえずらああ!」と大パニック、そのまま尻に帆掛けて大脱走、大慌てなのはヴァチカン事務広報のお偉方、「なんとしてでもメルヴィルの野郎をとっ捕まえて縛り付けてでも法王の椅子に就かせにゃならん!」とヴァチカンの町を東奔西走、一方【法王がきちんと決まるまでお外に出ちゃいけません。勿論ケータイもペケよ(はあと)】という決まりになってる世界各国の枢機卿の爺さまがた、投票の行われたシスティーナ礼拝堂に足止めを食らいそのまま軟禁状態、暇で暇でしゃあなくてカードゲームしたりバレーボールしたりのグダグダ三昧、それに変な精神分析医が加わって「聖書の内容って鬱病症状のスクツですよね(キリッ」とか勝手なこと言ってるし、逃亡中のメルヴィル爺さんは「自分探しじゃあああ!心の折れたわしは自分探しのセンチメンタル・ジャーニーをするのじゃああああ!」とかなんとか喚きながらヴァチカンの町を徘徊しては市井の皆さんを捕まえて100年ぐらい前の爺さんの夢や希望をブツクサ呟く始末。単なる「ボケの花が咲き乱れている可愛そうな人」だと思われて適当にあしらわれていることに露とも気付かない爺さんの心の旅路の行く末は何処か。爺さんを探すヴァチカン事務局のお偉方はこのまま爺さんを見つけられないとやっぱり鉄の処女とか三角木馬で責めに責められ塩漬けニシンをたらふく食わされた挙句火炙りにあうのか。事件の背後にはやっぱり『ゴッド・ファーザーPART3』に出てきたマフィアに不正融資したヴァチカン銀行総裁とか『天使と悪魔』に出てきた反物質爆弾持ってる秘密結社イルミナティとかロスチャイルドの世界革命行動計画とかなんかそーゆーのが絡んでいるのでありましょうか!?謎が謎を呼び危険が危険を呼ぶジジイ徘徊映画『ローマ法王の休日』の結末やいかに!

…とまあかなり冗談めかして粗筋を書いたが、内容的には多分合っていると思う。それにしても、世間一般には「はあとうぉーみんぐ・こめでぃ」などというユルイ触れ込みで上映されているこの映画、実際のところ、徹頭徹尾ヴァチカンを虚仮にしまくった、大ブラック・ジョーク映画としかオレには思えなかった。

まずオープニング、世界各国のカトリック最高指導者である枢機卿の爺さまたちが賛美歌を途中で間違えながらヨタヨタ歩いているところ、ここから既に『笑い』に持って行こうとしている。ああ、見事に爺さましかいねえんだなあ、と思えてくる。ある種の世界を、総じて殆どの世界を統べてるのは、こういう爺さまばかりなんだなあと、まざまざと見せ付けてくれる。その爺さまたちが集まって新法王を選ぶんだが、こいつらときた日にゃあ皆が皆、「どうか自分になりませんように」とか祈りをあげている始末だ。一つの世界のその頂点にいながら、でもその最高位となって責任は取りたくない、要するに爺さまたちはそう言っているわけだ。皆が皆そうであるとは言い切れないが、これだけの数の爺さまがいれば、権力志向の強い人間が根回しだの選挙活動じみたことの一つもしないわけがないだろう。それがいくら聖職者であってもだ。にもかかわらず、この映画では枢機卿の皆が皆、「責任なんか取りたくないフヌケ」として描かれている。そこがまず強烈な皮肉だ。

そして不幸にも選ばれてしまった新法王は「法王なんかやりたくねえ!」とセーシン的破瓜を起こし逃走する。しかしこれをして「まあこんな優しそうなおじいちゃんを追い詰めるなんて可愛そう…。どんな人だってプレッシャーには弱いんだから、心の休養が必要よねえ」とか同情するべきなんだろうか。世界12億というカトリック教徒のその最高位に選ばれたという人間が、「わしはそんなもん少しもやる気はねえんだよ!」と宣言してしまう、それはつまり、法王ともあるべきお人が、世界12億いるカトリック教徒の皆さんに「お前らのケツなんか拭きたくない」と言っているようなものではないか。結局法王様もまた「責任なんか取りたくないフヌケ」として描かれているのだ。

上下にピラミッド型をした支配・被支配の構造を指すヒエラルキーという言葉は、そもそもがローマ・カトリック教会の階層的な組織構造を指す言葉だったという。もとはギリシア語のヒエラルキア(hierarkhia)=「聖者の支配」から来ているのだそうだ。自分は別にカトリックの政治的構造に関心は無いし、社会のヒエラルキーをぶち壊せ!などと学生みたいにアジる気も毛頭ないのだが、ただ現代においても、カトリックにまつわるヒエラルキーというものは多分強固に存在しているんだろうナァ、程度のことは知りもしないなりに想像できる。カトリック教に限らず、古くからある3大宗教なんていうのは、長大な歴史の中で何も変わらず何も変えることなく行われてきた宗教の"作法"、そして歴史性そのものが権威の拠り所となるのだろう。そしてまた、権威やら威信やら歴史性があるから、人はその宗教を信じる部分があるのだろう。

ところが、この映画ではその権威の頂点にあるべきものたちがその権威自体を否定し、さらには威信など少しも感じさせないグウタラな姿を覗かせる。これを観て「ああ、法王も枢機卿も、私たちと同じ人間なのね」などと好意的に観てしまうのもいいのだけれど、むしろそう見せかけてヴァチカン並びにカトリック教会に「悪意はありませんよ」と安心させ、その裏で「階級社会の頂点にいる連中なんてフヌケですよね」とアッカンベーしてみせている、そんな意地の悪い視点がこの映画に隠されている、と思えたのはオレだけだろうか。しかし、そう考えればこそ、あの唐突な、ポッカーンとさせられるラストが、納得できるものになるとはいえないだろうか。

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20120802(Thu)

[]チャラいヴァンパイアと童貞君との血みどろの戦い!〜映画『フライトナイト 恐怖の夜』 チャラいヴァンパイアと童貞君との血みどろの戦い!〜映画『フライトナイト 恐怖の夜』を含むブックマーク チャラいヴァンパイアと童貞君との血みどろの戦い!〜映画『フライトナイト 恐怖の夜』のブックマークコメント

フライトナイト 恐怖の夜 (監督:クレイグ・ギレスピー 2011年アメリカ映画)

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この『フライトナイト 恐怖の夜』は1985年作の『フライトナイト』のリメイク作品ということですが、オリジナルは観た筈だけど内容すっかり忘れてます。お話は新興住宅地に住む高校生主人公のお隣にヴァンパイアが引っ越してきて毎日が恐怖の夜さ!というものです。このヴァンパイア役をコリン・ファレルを演じているのですが、オレ的にコリン・ファレルという人は「眉毛でイカすヤリチン男」「風俗系ハリウッド俳優」「チャラさだけでスターになりました」といったイメージで、要するにヨゴレなドスケベ男といういわれのない決めつけと偏見の目で見てるんですね。しかし今作ではコリンさんのそんなヨゴレなイメージが如何なく発揮されていて、というか地のまま出ていて(…まだ決めつけている)、「牙より先にチンコが立つ」みたいなイヤラシイヴァンパイア像を大変素晴らしく演じているんですね。一方主人公の少年は学校一の美女を彼女にしちゃった元オタク少年で、彼女は積極的なのに未だコトに及べない小心者な童貞君です。この主人公少年の設定の妙な所は「元オタク」にもかかわらず「学校一の美人の彼女が存在する」のに、彼がそこに至るまでの克己心とか葛藤の存在が綺麗さっぱり抜け落ちている、ということなんですね。まあ映画の主題は主人公の内面を描くことではなく、恐怖あり笑いありアクションあり破壊ありの誰でも気軽に楽しめるエキサイティングなポップコーン・ムービーとしてデフラグされていますので、そういうのをいちいち気にする必要は無いんでしょうが、そうすると今度は主人公の友人のオタク少年というのが気になってくる。そしてそのオタク少年はオタク特有の知ったかぶりが逆に仇を成し冒頭でさっさとヴァンパイアの餌食になってしまう。まあ別にオタクじゃなくてもヴァンパイアの撃退法なんて誰でも知ってるでしょうが、そういった”知識”で戦おうとして彼は屠られる。一方主人公少年は最初ヴァンパイアから隠れまわり逃げ回るだけでしたが、大事な彼女がコリンヴァンパイアにさらわれたのをきっかけに徹底抗戦に挑む。まだ一回もヤッてない彼女をヴァンパイアになんかされた日にゃあもう2度とヤれませんからね。そこで主人公を助けることになるのが稲川淳二似のインチキ臭い自称ヴァンパイアハンターなんですね。この自称ヴァンパイアハンターというのがまたエロエロなオッサンで、ヴァンパイアハンターというよりもズルムケ女体ハンターみたいな奴なんですね。つまりこの映画の構図というのは、「元オタクの童貞少年」が「ズルムケ女体ハンター」の手ほどきで「牙より先にチンコが立つヴァンパイア」を倒し、目出度く彼女とムフフのフ、ということなんですよ。結局、オタクから脱却して美人の彼女を手に入れた、だけではあまりにお手軽すぎるんです。だからそこで彼女を取り戻すために死にもの狂いの戦いを繰り広げることで、童貞少年はやっと初めて彼女を「カノジョ」にすることが出来た、という、ある種物語の逆転構造がここにはあるんですね。やっぱり男は心の底からヤリたい、と思わなければ駄目で、そして思うだけでも駄目で、ヤルために頭を使い体を使いあらゆる手を尽くさなければイケナイ、ということがこの映画の教訓なんですね。そういった、童貞君がいかにしてズルムケへと成長するのかを描いたのがこの『フライトナイト 恐怖の夜』なんですよ。

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20120801(Wed)

[]『アンダーワールド 覚醒』は良くも悪くも相変わらずの「アンダーワールド」だった! 『アンダーワールド 覚醒』は良くも悪くも相変わらずの「アンダーワールド」だった!を含むブックマーク 『アンダーワールド 覚醒』は良くも悪くも相変わらずの「アンダーワールド」だった!のブックマークコメント

アンダーワールド 覚醒 (監督:モンス・モーリンド、ビョルン・スタイン 2012年アメリカ映画)

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ヴァンパイア種族とライカン=狼男種族との長きに渡る抗争を描く『アンダーワールド』サーガももう4作目です。4作も作られている、というのは結構人気が高いシリーズのようですね。しかしオレの周りでこれ4作全部観ている人はどんだけいるんだろうか…いえ、かくいうオレはとりあえず全部観ているんですが、1作目からずーっと「オープニングだけは派手で"これはいけるかも!?"と思わせといて次第にグダグダになり最終的には"今回もつまんなかった…"と思わせるシリーズ」なんだよなあ…にもかかわらず全部観ているのは単なる惰性…。ええ、この『覚醒』もオープニングがいいんですよ、ヴァンパイア対ライカンの抗争に人間が割って入り、2つのモンスター種族をほぼ根絶やしにしてしまう、そんな中、ある研究所で冷凍保存されていたケイト・"いたち顔"・ベッキンセイル演じる主人公が目覚め、反撃に転じる、という所から始まるんですけどね、この人間部隊の情け容赦ない徹底的な絶滅作戦がね、いいんですよ、これは今回こそ期待できるかも!?と膝を乗り出しちゃったんですよ、これまでの映画ではヴァンパイアもライカンも弱点こそあれ人間と比べたらほぼ無敵、にもかかわらず今回は劣勢に転じている、そんな状況の中で主人公はどう戦うか、というところに興味が惹かれるんですね、そしたらアナタ、映画が進んでゆくうちにヴァンパイア/ライカンVS人間という最初の抗争の図式は忘れ去られ、これまでのシリーズと全然変わらずヴァンパイア対ライカンの抗争、というところに話が持ってかれちゃうんですね、オレが『アンダーワールド』サーガに対してずっと「つまんないなあ」と思ってたのはこの「ヴァンパイア対ライカンの抗争」という図式で、なぜかというと「バケモノ同士で潰しあってるだけじゃないか、なんか関係ねーなー」と思ってしまうからなんですね、要するに「勝手にやってくれ」としか思えないんですね、で、今回もやっぱり同じでしたあ、という。あとライカンって図体ばっかりでデカイ愚鈍そうなバケモノで、ビジュアル的に全然楽しくない、そういうのもありますね。しかしこれだけ文句を言いながら4作まで観ちゃったのは、ひとえにケイト・"いたち顔"・ベッキンセイルのぴったり黒皮スーツのボンテージ・スタイルにそそるものを感じるからなんですね、あの細っこい体にボンテージでさらにロングコートなんか着られた日にゃあはまるんだよなあ、それでマシンガンバリバリ撃ちまくり、恐るべき身体能力を駆使して戦う姿がカッコいいんだよなあ、まあこれ、最初っから『マトリックス』のパクリなんでしょうが、それはそれで上手く生かしている、もうそこだけで4作観ちゃってるんですね。だから今作もやっぱりがっかりではありましたが、次作が出たらやっぱり観ちゃうんだろうなあ。しかしケイト・"いたち顔"・ベッキンセイルってもう40過ぎですよ、顔はまあ塗ってるんでしょうが、あのスタイルどうなってるんですかね。実は既に全部CGだったりしてね、まあそんなこと言いながら、実際好きな女優さんであります。

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