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メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20121230(Sun)

[]行きやがった年来やがる年! 行きやがった年来やがる年!を含むブックマーク 行きやがった年来やがる年!のブックマークコメント

f:id:globalhead:20121230153627j:image:rightいやあいよいよ2012年が終わりやがってくれちゃいますねえ。今年もいろいろあったようななかったような相変わらずだったようなそんな1年でありました。というわけで今年一年を日記から振り返ってみたいと思います。リンクの貼ってあるものはその件の日記に飛びます。

●1月

・メガネ作った。

胃カメラ飲んできた。

・ピロリ菌除去治療のために1週間禁酒禁煙して苦しみ悶えまくった。

●2月

・ピロリ菌の治療が終わったので酒飲みまくった。

「怪しいはてダ隊」の新年会が開催された。

●3月

結膜下出血起こしてホラーの人みたいになっていた。

買い物かごにまつわる忌まわしい思い出が蘇った。

●4月

暴風雨だった。

・文フリの準備で忙しかった。

●5月

文学フリーマーケットに参加してオレも小説書いてる同人誌を出してしまった!

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・岐阜と奈良に旅行に行った。(旅行記その1) (旅行記その2) (旅行記その3) (旅行記その4) (旅行記番外編)

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染物した。

●6月

相方さんのお誕生日会をした。

●7月

同人誌『yARn』のAmazonでの取り扱いを開始した。

●8月

いたばし花火大会に行ってきた。

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富士の裾野へ洞窟探検しに行ってきた。

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「首都圏外郭放水路」へ行って来た。

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《WIRE12》に行ってきた。

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●9月

50歳になった。

モンゴル料理食いまくった。

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●10月

・特にどうということの無い毎日であった。

●11月

・特にどうということの無い毎日であった。

●12月

怪しいはてダ隊の忘年会で馬の肉を食いまくった。

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…いやまあ、こうして並べてみるに、自分以外の人にはどうでもいい記事ばかりで申し訳ない。映画やら本やらの感想を多く更新してますが、基本的にこのブログは今でも個人的な日記のつもりで書いているんですよ。日常的な事で書くようなことがあんまりにも無いからしょうがなく感想文並べているようなものでしてね。

あと、毎年言っているような気がしますが、来年こそは更新も文章量も減らしたい、と切に思ってますけどどうなることやら…日記書いている時間って意外と長いんですが、他にやることあんだろ、って気が随分前からしてるんですけどね。週に1、2エントリぐらいが生活の邪魔にならなくていいんですが。そう言いながら書いちゃってるのは、なんかもう手癖足癖といいますか…。どちらにしろ、来年もよろしくお願いいたします。更新減っても…見捨てないでね…。

それと、今年一年、いつも一緒にいてくれて、楽しい毎日にしてくれた相方さんに、ここで感謝を述べたいと思います。いつもありがとう。

samejawsamejaw 2012/12/31 18:02 今年もお疲れ様でした。
しかし、映画観たりゲームしたり飲んだり仕事したりしながら読書をあれだけできてるのはすごいですね。
寝る時間が短いのか、読書のスピードが速いのか、どっちですか!?

自分は、読みたいのに他に誘惑が多くて、なかなか読めないのですごいなぁ、と。
一週間の7日間以外に読書の日ができないもんか…

来年も楽しみにしてますよ!

globalheadglobalhead 2012/12/31 19:20 今年もお疲れ様でした!
本は通勤のときに電車で読んでいるぐらいなんですが、あと出勤1時間ほど早く出て、会社の近所の喫茶店で読書するのを日課にしています。家ではやっぱり他の誘惑が多いので読めないですね〜。
映画観たりゲームしたりお酒飲んだり、さらに長文がとりえなだけの日記を書いたりもしていますが、そのせいで今度は家事がおざなりだったりもするんですよ。
それだけやりたいことがあるので、残業をなるべくしない、というのもありますね。早く帰りたいので仕事も早く片付けるようにしているぐらいです。
まああれこれやってるように見えて実際はお酒飲んでる時間が一番長いような気もしますが…。
それでは来年もよろしくお願いします。

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20121229(Sat)

[]2012年・オレ的映画【裏】ベストテン! 2012年・オレ的映画【裏】ベストテン!を含むブックマーク 2012年・オレ的映画【裏】ベストテン!のブックマークコメント

というわけで昨日の『2012年・オレ的映画ベストテン!』に引き続き『2012年・オレ的映画【裏】ベストテン!』をお送りします。

なんで今回わざわざ【裏】なんて別枠を作ったのかというと、こういったベストテンだとどうもブロックバスター映画ばかりが並びがちになり、地味な良作やインディペンデント映画がなかなか入れ難くなってしまうからなんですね。いや、別に入れてもいいんですが、爆炎とCGの踊る派手なアクション映画と、暗く内省的で文学的な映画を一緒くたに並べるのがどうも自分的にはチグハグに感じてしまい、そういった理由で今回2つに分けてみたんですね。つまりこの【裏】ベストテンは"暗く内省的で文学的な映画"が割と多く並んでいるという訳なんです。ある意味より私的なダークサイドに触れたランキングということができるでしょう。では能書きはこのぐらいにしていってみましょう。

1位:アナザー・プラネット

この映画は、いつ果てるともなく続く後悔と、その後悔からの救済を希求する物語なんです。しかしその救済とは、「ここではないどこか」「自分ではない誰か」でしか得る事が出来ないんです。空にぽっかり浮かんだもうひとつの地球。そこでは、多分きっと、「こうではなかった自分」が、全ての後悔から救済され、おだやかに笑いながら、「こうではなかった人生」を歩んでいる。そんな自分がきっといて、そんな自分の人生がきっとある。けれどもそれは果たして救いなのでしょうか。惨めさと苦しみを抱えている自分は、しかし確固にここにいて、どうしようもなかった人生を歩んでいる。そしてそれはどのようにしたって変えようがない。そのような自分自身を抱えながら、しかしそれでもやはり夢想してしまう、こうでなかった自分と、こうでなかった人生と、救済される日を。『アナザープラネット』は、美しい映像の中に、そんな、非常に切ない思いを託した映画なんです。
【レヴュー:贖罪の惑星〜映画『アナザープラネット』 】

2位:メランコリア

メランコリア [Blu-ray]

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今回【裏】ベストテンを作成したのは、ひとえにこの『メランコリア』のためでもありました。今年の映画のベストワンは、実際この映画でもよかったような気がします。にもかかわらず『アナザー・プラネット』に次いで2位にしたのは、「世界なんか終わってしまえばいい」という【願い】がかなえられているといった意味で、きちん完結しているからなんですね。ある意味『アナザー〜』は救いがあるように見える救いの無い話で、『メランコリア』は救いが無いように見える救いのある話なんですよ。『アナザー〜』のほうが絶望が深いんです。そしてこの映画における「世界の終り」はある意味観念的なもので、そして世界の終わりという圧倒的なカタルシスを得ることで自分(主人公、監督、そしてこの映画を観ている自分)の中の葛藤をチャラにすることを可能にしている、デトックス的な物語であるんですよね、それをホラーでもSFでもなく、破滅の予兆に満ち満ちた美しく幻想的な映像で描いているところが、この映画の素晴らしいところなんですよね。
【レヴュー:世界の終り、そして憂鬱という名の昏きトンネルの向こう〜映画『メランコリア』 】

3位:大人のけんか

子供を巡り2組の夫婦でちょっとした意見の相違でしかなかったものが、段々と子供の問題とは何にも関係ない個人攻撃や性格否定へと膨らんでゆき、さらに夫婦同士が仲たがいし、今度は相手の夫婦と意見が合ってみたり、さらには同性同士で共闘して「男はこれだから困る!」「だから女は嫌なんだ!」とやりはじめるさまは、もう可笑しくてしょうがないのと同時に、聞いていて痛いところを突かれるような部分さえあり、なんだか自分も一緒にこの論争に巻き込まれて苦笑いしてしまうんですね。早口でまくし立てられる言葉と言葉の応酬は、観ていて一瞬たりとも気の抜けない緊張感に満ち溢れています。たったの一言が物語の流れを変え、さらにあとあとの諍いの伏線になっていたりするからなんですね。コメディの筈なのにこれほど集中力を要求されるのも珍しいし、この中身の濃さと醍醐味を味わうには劇場が一番だ、とさえ感じました。
【レヴュー:ポランスキー監督の映画『おとなのけんか』は極上のコメディだった!】

4位:ドライヴ

ドライヴ [Blu-ray]

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主人公の不器用な寡黙さと唐突な暴力描写は初期の北野映画や『タクシー・ドライバー』を思い出させるんですよ。ある意味北野武が撮った『タクシードライバー』ということも出来ると思うんですが、北野と比べると女の描き方が数段上手いし、どこかタガが外れたような危険なロマンチックさを併せ持った映画でもあるんですよね。確かに物語だけを追いかけると今まで散々作られてきたようなクライム・サスペンスでしかないんですが、その見せ方の要所要所がイカレている、というか、独特過ぎる奇妙な美意識に彩られている。そのドラッギーともいえる美しくそして凄惨な描写にとことん魅せられてしまう、そんな映画でした。
【レヴュー:『ドライヴ』はとてつもなくカッコいい映画だったな(ただし『ヴァルハラ・ライジング』はええっと…)】

5位:クロニクル(Chronicle)<未>

f:id:globalhead:20121210144156j:image(Amazon U.K. Chronicle: Extended Edition (Blu-ray + Digital Copy))

この『クロニクル』は、強大過ぎる自らの能力に苦悩し押しつぶされ、最後に破滅してゆくという、悲劇の物語として語られているといった点で、クローネンバーグの『デッド・ゾーン』により近い感触を持った作品として完成しているんです。高揚感と恐怖に満ちた超能力の描写、その能力を持った者同士の強力な親密性、これら、ビジュアルと内面性の両方で、P.O.V.視点が恐るべき表現力と説得力を発揮しているといった点で、映画『クロニクル』は稀有な完成度を誇る映画として観ることができるのです。傑作です。
【レヴュー:超能力を持ってしまった若者たちの友情と破滅の物語〜映画『クロニクル(Chronicle)』】

6位:Virginia / ヴァージニア

Virginia/ヴァージニア [Blu-ray]

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映画『Virginia/ヴァージニア』では、不気味な殺人事件を通し、そんなアメリカの片田舎の持つ、どんよりとした暗い情念と暴力、超自然的な妖しさが全編を通して描かれます。しかし、予告編やエル・ファニングの血まみれの姿のスチール、作品紹介で漠然と印象付けられる、"吸血鬼の現れるホラー映画"というわけでは決してありません。"吸血鬼"は事件のミスリードを誘うキーワードでしかないし、子供たちを襲ったいたましい大量殺人は描かれはするものの、ホラー映画というジャンルの作品では全くないんです。むしろ幻想映画と呼べるものであり、そしてその幻想を通じて、主人公の魂の救済と、殺された子供たちへの鎮魂を描く作品として仕上がっているんですね。変な化粧してましたが、エル・ファニングが好演でした。
【レヴュー:コッポラの描くアメリカン・ゴシックの世界〜映画『Virginia / ヴァージニア』】

7位:ベルフラワー

ベルフラワー [Blu-ray]

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マッドマックス2』の終末観を、失恋を通して、主人公二人の終末の予感に重ね合わせた物語。主人公二人の終末観は、ただ単に『マッドマックス2』オタクであったという以前に、実はあらかじめ用意されていたものだということもいえるんですよ。それは彼らのどこか空虚で荒んだ生活の様子からも伺えます。現実感の喪失した日々を生きる彼らは、例えどんな生業に就いていようと、希望の無い、"終わった"人生を続けていた連中だということは想像に難くないんです。つまり彼らは、"あらかじめ失われた青春"を生きる事を余儀なくされた若者たちであり、その空疎な人生が、『マッドマックス2』への偏愛と結びつき、そして失恋によってさらに、壮絶な「終末」を迎える、これは、そういう物語だったんです。
【レヴュー:絶対零度の抒情〜映画『ベルフラワー』】

8位:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

主人公オスカー少年役のトーマス・ホーンが実に素晴らしい。父の死、そして9.11の惨禍がトラウマとなり、いまにもバラバラになりそうな心の不安定さを抱えながらも、持ち前の頭の回転の早さと瑞々しい感受性でそれを乗り越えようとする主人公の姿を、新人とは思えない演技力で演じてるんですね。オスカーの出会う、大勢のニューヨークの人々は、9.11の惨禍により、主人公と同じように心の中の"何か"を無くし、そして傷ついた人々なんです。そして「9.11で亡くした父の遺品の鍵が合う鍵穴を探している」オスカーと同様、「9.11で無くしてしまったものを取り戻してくれる何か」をどこかに求めているんです。この『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』は、一人の少年の喪失と克服の物語になぞらえたアメリカの喪失と克服の物語なんです。
【レヴュー:一人の少年になぞらえたアメリカの喪失と克服の物語〜映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 】

9位:テイク・シェルター

テイク・シェルター [Blu-ray]

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恐るべき災厄の到来を幻視してしまった男が不安のあまり社会生活を崩壊させてまでシェルターを掘ろうとするという、ある意味強迫神経症についてのお話ともいえる作品です。男の幻視は果たしてなんらかの予知だったのか。それとも単に男の頭が狂った結果だったのか。それはラストで分かることではありますが、しかしこの物語の本質は、常になんらかの不安に苛まれて生きる現代人の宿痾ともいえる生を描いているということなのです。その不安は漠然としたものであったり、なにがしかの具体的な事実に対する不安であったりするのでしょうが、この作品はその不安の在り様を幻視という形で不気味に可視化して見せた点で、今現在多くの人が曝されている状況をじっとりと浮き彫りにしているんですね。
【レヴュー:可視化された不安〜映画『テイク・シェルター』 】

10位:夜のとばりの物語

夜のとばりの物語 3D&2D ブルーレイ [Blu-ray]

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『アズールとアズマール』のミッシェル・オスロ監督による「影絵アニメ」です。映画は幾つかの短い掌編によって構成されていますが、それらはどれも様々な寓意の込められたおとぎ話といった体裁になっており、影絵のシンプルで抽象的な映像も相まってそれぞれが非常に想像力を刺激される物語として仕上がっているんですね。そして登場人物こそ影絵であるものの背景は美しい色彩で描かれており、観ていて自然と絵本を読んでいた子供の頃に戻って見入ってしまうんですよ。しかしそこに挿入される寓意は決して子供向けのものではなく、ある種残酷なものも交じっているんですね、ですから大人の絵本、ということもできるアニメーションであると思います。上映時間は短いのですが、終わったとき、もっとこの世界に浸っていたい、としみじみ思いました。
【レヴュー:美しくて不思議な影絵の御伽噺〜映画『夜のとばりの物語』 】

■というわけでまとめのようなもの

以上、【裏】ベストテンをお送りしましたが、こうして並べてみると、自分というのは幻想味の強い美しい映像の物語が好きなようなんですね。そういえば表のベストテンも割とそういう傾向でしたね。言ってみれば表のベストテンは気持ちがアクティヴな時の自分で、裏はちょっと静かにしていたい時の自分の心象にマッチした作品ということができるかもしれません。正反対のように見えるかもしれませんが、どちらも自分だし、自分の中では辻褄が合っているんですよ。

20121228(Fri)

[]2012年・オレ的映画ベストテン! 2012年・オレ的映画ベストテン!を含むブックマーク 2012年・オレ的映画ベストテン!のブックマークコメント

さて今年の締め括りの日記総括週間、今日は映画篇ということで毎年やってる【オレ的映画ベストテン!】をお送りしたいと思います。それでは行ってみよう!

1位:ホビット 思いがけない冒険

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ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚である「ホビットの冒険」サーガの序章、満を持しての登場であります。いやあ、天晴れでありました。もうね、その風格と完成度の高さ、面白さから今年のベストワンはこの映画で十分でしょう。『LOTR』の持つ凄まじいクオリティのさらに上を目指そうとする気概がビンビンと伝わってきました。文句をつけるところがどこにもない、ほとんど完璧に近い【娯楽映画】として後世まで長く伝わるであろう作品が、これから第2部第3部と観る事ができるのは、映画好きの端くれとして実に幸福に感じます。なにより、きちんと出来たファンタジー・ストーリーというのは、フィクションとして無敵であると思います。
【レビュー:映画『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚として動き出した3部作の堂々たる序章〜『ホビット 思いがけない冒険』】

2位:プロメテウス

この映画の本当のテーマは「気色悪いバケモノが出てきて登場人物はみんなエゲツない殺され方をする」、もうその一点であり、そしてすべてのプロットはそのためのお膳立てにしか過ぎないんですよね。観客はみんな「早く気色悪いバケモノ出ねえかなあ!」とか「みんなどんなエゲツない死に方すんのかなあ!」とかわくわくしながら観ていればそれでいい映画でもありますね。それを単なるB級ホラーSF映画にしていないのは、やっぱり監督がリドリー・スコットだからなんですね。やっぱりねえ、さすがリドリー・スコットだけあって、ビジュアルがねえ、いちいちキマッてるんですよ!やっぱりこの人「SFは絵だ」って分かってらっしゃいますよね。やっぱりこのへんのビジュアルへのこだわりは一級品でありましょう。

【レビュー:映画『プロメテウス』は人類の起源なんて実はどうでもいい立派なグログロ『エイリアン』映画だった!】

3位:ネイビーシールズ

ネイビーシールズ コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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自分がこの映画に何故興味を引かれたのかというと、ひとえに自分の好きなFPSゲームで見られるような映像を、映画の中で観たかったからなんですよ。この映画にはアメリカ兵力の誇示や軍事プロパガンダ的な意味もあるのでしょうが、自分個人はただただゲームで見られる武器・兵器の実際の姿と、ゲームで活躍する兵士の実際の働きの様子が見たかったんですよね。アメリカでは結構ヒットしたらしいこの映画、実際のところ自分のようにFPSの流れで見に行った人も結構多いんじゃないかと思いますね。監督もその辺製作時にわかってたみたいで、劇中ではヘルメットカメラを駆使した一人称視点の映像が頻繁に出てきますが、これはまさにFPSじゃないですか!あと、メタルギアとか好きな人にもお勧めですね。
【レビュー:FPSゲーマー必見!武器も兵隊さんもみんな本物な映画 『ネイビーシールズ』】

4位:トータル・リコール

『プロメテウス』と同じ理由でこの映画も大好きなんですよ。すなわちSF的なヴィジュアルがとってもカッコいいんですね。結構自分は物語云々よりもヴィジュアルの秀逸さで興奮するタイプなんですよ。映画自体はアクションに次ぐアクションの連続で、生身の人間を主人公に描かれた『トランスフォーマー』みたいなカチカチとした目まぐるしい編集が成され、そのてんこ盛り感は料金分お腹いっぱい満足できる作品に仕上がっています。ただ人によっては胸焼けを起こす人もいるかもしれませんが。
【レビュー:映画『トータル・リコール』はP・K・ディックの夢を見るか?】

5位:ダークナイト・ライジング

この『ダークナイト・ライジング』は、『ダークナイト』における非情と虚無に満ちた世界を、もう一歩推し進めてもよかったのだろうし、さらにいってしまえば、この『ダークナイト・ライジング』という映画へのファンの期待は、『ダークナイト』における非情と虚無に満ちた世界をさらに推し進めた、いわば『ダークナイトpart2』とでもいった作品として完成していることに対しての期待だったのだと思うんです。しかしこの『ダークナイト・ライジング』は、決して『ダークナイトpart2』ではなく、あくまでも1作目を含めてのバットマン3部作の完結篇として成立しているんですよ。そういった部分で賛否両論に分かれるところはあるのでしょうが、自分は、「伝説が、終わる」という惹句通りに、一つのサーガの終わり方として、綺麗にまとめたな、と思うんですよ。あと もちろん、アンのケツだね!
【レビュー:バットマン・サーガの掉尾を飾る傑作映画『ダークナイト・ライジング』】

6位:ダーク・シャドウ

ダーク・シャドウ Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

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200年の昔から蘇ったバーナバスの時代錯誤な出で立ちや喋り方のギャップが可笑しい。そしてなんとか時代に適応しようとする彼の四苦八苦する様が可笑しい。しかしそんなハンディキャップをものともせずバーナバスはいつも堂々と立ち振る舞い、子孫の家族たちの為に奮闘するところが実に頼もしい。そしてその合間に血を吸うためにちゃんと殺戮を繰り返しているブラックさがまた楽しい!でもそんなバーナバス、ヴァンパイアになってもお色気にはかな〜り弱いというのがまたまた可笑しい!この映画でのジョニー・デップのすっかり板についた怪人演技と凝った衣装がこれまた素敵です。そもそもこの映画、衣装やセットのバカバカしいほどゴシックな重々しさとバートン映画らしい秀逸なデザインが実に美しく、こういった美術をとことん愛でるのもこの映画の楽しみ方の一つだと思います。
【レビュー:大人になったエドワード・シザーハンズ〜映画『ダーク・シャドウ』】

7位:白雪姫と鏡の女王

白雪姫と鏡の女王 コレクターズ・エディション [Blu-ray]

白雪姫と鏡の女王 コレクターズ・エディション [Blu-ray]

映画は前半、いつも通りの美術頼みのターセムで、しかしお話がコメディ・タッチだけにその美術もどこか可笑しく、その嫌味の無さに素直に美術の美しさ・楽しさを堪能できる。しかし特筆すべきなのは後半だろう。「ターセムってこんなに映画撮るの上手かったっけ?!」と思わせるような目の覚めるような演出を見せるのだ。7人の小人たちと白雪姫・王子共闘してでの最後の戦いのスペクタクルは、ただ単に美術を見せることだけに血道をあげていたこれまでのターセム映画とは間逆と言っていいほどの、驚くべき展開と手に汗握る興奮に満ち満ちたアクションが繰り広げられるのだ。この後半の戦いにおいてもはや監督ターセム・シンは一皮剥けたといっても良いほどだろう。
【レビュー:『白雪姫と鏡の女王』はプリチーでキュートな秀作ファンタジーだった!】

8位:エクスペンダブルズ2

エクスペンダブルズ2 [Blu-ray]

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【ご都合主義テンコ盛り】の展開なのにも関わらず、それでも全然問題無い、むしろどんどんやってくれ、ぐらいに思うのは、彼らが「ヒーロー」だからなんですね。スタローンにしろ、シュワにしろ、チャック・ノリスにしろ、彼らはこの『エクスペンダブルズ2』の役柄だけではなく、その背後に数々の映画のヒーローの役柄を背負っていて、その後光があるからこそ、彼らの神がかりとも言える行動は、問題無し!てなことになっちゃうんですよ。こういった「ヒーローはかっこよく登場しそして無敵である」という、複雑化した現代の物語ではもはや通用しないはずの手を、馬鹿馬鹿しくもまた鮮やかに蘇らせちゃった、という部分が「オールスターアクション映画」であることの強みだと感じましたね。"かっこよく無敵のヒーロー"を演じられるのは、かつてかっこよく無敵のヒーローだったエクスペンダブルズ・メンバーの皆々様だからこそ、ということなんですね。
【レビュー:もう”消耗品”なんて呼ばせねえッ!〜映画『エクスペンダブルズ2』】

9位:ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

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冒頭の戦闘シーンから飛ばしまくりのアクションが連打され、そのキラキラチカチカと動き回るスピード感に「おおなんだかよく分からないけどこれは凄い!」と早速興奮しまくりです!その後も釣瓶打ちに繰り出される新展開に告ぐ新展開に、「うわああなんだこれは!?」「うおおおいったいどうなってるんだ!?」「ぐえええこりゃどういうことだ!?」「ぐあああまさかこんなことに!?」と驚愕の連続、『序』『破』『Q』と来てこれまでで最もオリジナルとかけ離れた展開となっているのではないでしょうか。その驚かされっぷりが実に素晴らしくて、「この『Q』はもはや傑作ということでOK!」と序盤だけで思ってしまったオレであります。
【レビュー:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』は急展開といつもの勿体付けが楽しいアニメだった!】

10位:ディクテーター 身元不明でニューヨーク

はい、サシャ・バロン・コーエンです。相変わらず低俗です。人格劣等・品性下劣です。サイテーです。差別ギャグ連発です。人を人と思っていません。この『ディクテーター』でも自分以外はみんな虫ケラ、という独裁者キャラをドン引き一歩手前の危険なギャグを散りばめながら演じます。いやーなんなのこの下種の見本みたいな糞キャラクター?オレは…オレは大好きだッ!!今回の『ディクテーター』は、擬似ドキュメンタリーとして制作されたこれまでの『ボラット』や『ブルーノ』と違い、最初からきちんとした脚本のある、100%のドラマとして制作されているんですね。だから『ボラット』『ブルーノ』みたいな冷や冷やさせられるドッキリカメラネタは存在しないんですが、自分の思ったことをそのまま言い、やりたいことをそのままやるという独裁者ならではの危険で独善的な言動・行動の数々は、やっぱりとってもヤヴァイ雰囲気の笑いを映画にもたらしていますね。
【レビュー:身分を奪われた冷血独裁者がニューヨークの街を大徘徊!!〜映画『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』】

というわけで『2012年オレ的映画ベストテン!』をお送りしました!みなさんよいお年を!…と言いたいところですが実は2012年の映画ベストテンはこれで終わりではありません。なんと明日は『裏コード:ザ・ビースト』『2012年オレ的映画【裏】ベストテン!』を更新する予定です。それでは明日もよろしく!!

20121227(Thu)

[]今年面白かったコミック・バンドデシネ総集編! 今年面白かったコミック・バンドデシネ総集編!を含むブックマーク 今年面白かったコミック・バンドデシネ総集編!のブックマークコメント

今週は今年面白かった様々なものを紹介しています。今日は【コミック篇】。

●KABA2、GENGA - OTOMO KATSUHIRO ORIGINAL PICTURES / 大友克洋

OTOMO KATSUHIRO ARTWORK KABA2

OTOMO KATSUHIRO ARTWORK KABA2

GENGA - OTOMO KATSUHIRO ORIGINAL PICTURES -

GENGA - OTOMO KATSUHIRO ORIGINAL PICTURES -

大友克洋のアートワーク集『KABA2』、そして今年公開された大友克洋GENGA展の公式図録『GENGA - OTOMO KATSUHIRO ORIGINAL PICTURES』、この2冊はコミックではないのですが、日本のみならず世界を代表するコミック・アーチストとなった大友克洋の、その集大成ともいえるアートワーク集が2作連続で見ることができた、といった意味で今年は画期的な年だったですね。

レヴュー:大友克洋のイラスト集『KABA2』を買ってきた 【大友克洋GENGA展】の公式図録〜『GENGA - OTOMO KATSUHIRO ORIGINAL PICTURES』

●エデナの世界 / メビウス

エデナの世界

エデナの世界

今年はなにしろバンドデシネをよく読んだ年でした。そしてそのバンドデシネ界の神と呼ばれ、ハリウッド映画や日本のコミック界にも多大なる影響を与えたメビウスが亡くなられた年でもありました。いまこうして日本でバンドデシネ作品が多数訳出され、読むことができるのもメビウス人気が牽引したものであることは間違いありません。メビウスの新しい作品が描かれることはもうなかったとしても、まだ日本で未発表のメビウス作品が訳出されるの可能性はあるでしょうし、そしてバンドデシネというメビウスの残した遺産がこれからも多くの人の目に触れる機会はさらに増えていくでしょう。亡くなられたのは非常に残念なことではありますが、メビウスのそのスピリットは、永遠に残り続け、語り継がれていくことでしょう。

レヴュー:エデナの世界 / メビウス

●MONSTER モンスター(完全版) / エンキ・ビラル

MONSTER モンスター完全版 (EUROMANGA COLLECTION)

MONSTER モンスター完全版 (EUROMANGA COLLECTION)

メビウスと並びバンドデシネ界の鬼才と謳われたエンキ・ビラルですが、これまでその作品の内容は翻訳が遅れたこともあってなかなか掴む事ができないものでした。そして満を持して訳出されたエンキ・ビラルの代表作『MONSTER モンスター』の登場により、ユーゴ紛争を背景とするその異様で幻想的なSF世界の全貌を目の当たりにすることができるようになったのです。決して読み易い作品ではないのですが、その独特の冷え冷えとした世界観、苛烈な死生観には必ず魅了されれるはずです。

レヴュー:MONSTER モンスター(完全版) / エンキ・ビラル

●闇の国々 I,II / ブノワ・ペータース、フランソワ・スクイテン

今年読んだバンドデシネの中でも質・量・そして価格とも重量級中の重量級の作品、それがこの『闇の国々』です。パラノイアックなまでに精緻に描かれた幻想の都市群の姿は、それ自体が物語の主人公であり、そしてそこで生きる人々はただただ都市に翻弄されてゆくだけなのです。都市の持つマニエリスムとペダンチズムが都市を非現実の世界へと変転させる瞬間を描く『闇の世界』の作品群は、バンドデシネ作品というものが有する壮烈なポテンシャルを感じさせずにはいられません。

レヴュー:壮大なる謎の都市群〜コミック『闇の国々』 幻想都市のペダンチズム――『闇の国々II』

●ムチャチョ―ある少年の革命 / エマニュエル・ルパージュ

ムチャチョ (EURO MANGA COLLECTION)

ムチャチョ (EURO MANGA COLLECTION)

この『ムチャチョ―ある少年の革命』は、独裁政権下にあった中米ニカラグアの辺鄙な村に赴任した一人の修道士の少年が、革命と関わることで世界の諸相を知ってゆくという成長物語です。なにしろ水彩画で描かれたグラフィックのクオリティの高さが凄まじいのです。その一コマ一コマが完成した一枚絵となっており、そこで描かれる人々の息遣いが感じられるほどの圧倒的なリアリティを持ち、そして画面に踊る様々な自然の描写はその息吹が伝わってくるような瑞々しい美しさを誇っています。グラフィックにしみじみと魅せられた作品でした。

美しいグラフィックで描かれる革命の物語〜『ムチャチョ―ある少年の革命』

●サルヴァトール / ニコラ・ド・クレシー

日本にバンドデシネを紹介するために様々な名作が邦訳されてきましたが、それが徐々に定着するにつれ、小品でも味わい深い作品もだんだんと翻訳されてきていることが嬉しいですね。ニコラ・ド・クレシーは最初に日本で紹介された『天空のビバンドム』があまりにも衝撃的な作品でしたが、こまっしゃれた犬クンが主人公のこの『サルヴァトール』はそれに比べとてもユーモラスな上にチャーミングで、ド・クレシーの別の面を発見できるという意味でとても味わい深い作品でした。素敵!

レヴュー:可愛ら憎たらしい犬くんが主人公のロード・コミック〜『サルヴァトール』

●Habibi / クレイグ・トンプソン

Habibi I [日本語版]

Habibi I [日本語版]

Habibi II [日本語版]

Habibi II [日本語版]

バンドデシネ作品というものが有する壮烈なポテンシャル」においてはこの『Habibi』もその奥深さと凄みにおいて他のバンドデシネ作品にまったく引けをとらない名作であり問題作です。過酷な自然環境と人の生命や人権が一切顧みられないアラブ世界のどこかで繰り広げられる、一組の男女の愛と生を巡るあまりにも鮮烈なこの物語は、その物語性と併せ作中に挟まれる膨大な量のイスラムの教えや数秘術と神秘学の図説が、作品に異様なまでの崇高さと幻想味を持たせているのです。我々が慣れ親しむ西洋社会的な倫理や常識とかけ離れた部分で展開するこの物語は逆に、主義主張、国家や宗教を超越したスタンスから人の生の本質を問おうとしているのです。

レヴュー:過酷なアラブ世界の中で愛と真理を求めて彷徨う一組の男女の物語〜『Habibi』

●メタ・バロンの一族 / アレハンドロ・ホドロフスキー、フアン・ヒメネス

『エル・トポ』『ホーリー・マウンテン』など強烈なカルト映画作品でマニアの多い監督、アレハンドロ・ホドロフスキーが原作を務めた華麗で残虐なスペース・オペラ大作です。宇宙最強の傭兵一族の血塗られた戦いの歴史を描くこの物語は、「親殺し」「肉体破損」という恐ろしいイニシエーションをはじめ、ジェノサイド、惑星征服など様々な"非道"が描かれ、その倫理無きアナーキーさと、日本の"侍"をモデルとした規律と教条とのアンビバレンツが、独特の異様さを物語に醸し出しているのです。広大な銀河を股に掛け、ならず者の敵性異星人、異様な異星生物、不気味な超能力を持つ宇宙教団らとの数々の宇宙戦争が描かれ、都市は破壊され、惑星は火の海と化し、漆黒の宇宙にはスペースシップの群れが爆裂し消滅する光輪が眩いばかりに輝き渡る。『メタ・バロンの一族』は無情の宇宙を描いた一大叙事詩として、SFコミックの極北で輝き続けるでしょう。

レヴュー:『エル・トポ』のホドロフスキー原作、宇宙最強の傭兵一族の歴史を描くスペース・オペラ『メタ・バロンの一族』

20121226(Wed)

[]今年面白かったエレクトロニック・ミュージック 今年面白かったエレクトロニック・ミュージックを含むブックマーク 今年面白かったエレクトロニック・ミュージックのブックマークコメント

今年も沢山のエレクトロニック・ミュージックを聴きましたが、そのなかから特にお気に入りだったものを選んでみました。

■Passed Me By + We Stay Together / Andy Stott

Passed Me By / We Stay Together

Passed Me By / We Stay Together

最近ではダブステップから様々に進化した音を聴くことができるが、このAndy Stottなどはコラージュ、ループを駆使したアンビエント的でサイケデリックな音を鳴らしている。アルバム『Passed Me By』とEP『We Stay Together』がカップリングになっている盤が出ており、そちらのほうがお得でありましょう。

■Street Halo + Kindred / Burial

Street Halo / Kindred [解説付・国内盤] (BRC320)

Street Halo / Kindred [解説付・国内盤] (BRC320)

ダブステップの鬼才Burialの去年と今年リリースされたシングルのカップリング盤。『Street Halo』では相変わらずのダーク&メランコリックさだが、『Kindred』は一転、よりエモーショナルな展開を見せ、今後発売されるであろうニューアルバムの完成が非常に楽しみだ。

■Hive Mind / Ital

Hive Mind

Hive Mind

ItalはUSインディの人でこのアルバムは”ネクスト・バレアリック・ハウス”なんて呼ばれているらしい。確かにダンス・ミュージックのリズムは刻んでいるのだけれど、ユラユラと音の芯が動いてゆくような感じが奇妙で、そして10分程度の長めの曲は催眠的な音の連なりを見せ、ジャケットの如くサイケデリックさを感じさせるのだ。

■Made For The Night / Jesse Rose

Made for the Night-Mixed By Jesse Rose

Made for the Night-Mixed By Jesse Rose

ブラジル生まれでロンドン在住のDJ、Jesse RoseのDJMix。1曲目がHenrik Schwarzと共作の「Stop, Look & Listen」という部分からこのMixアルバムのインテリジェントな音の構成が伺われるというもの。アルバムはJesse Roseのドキュメンタリー・ショート・フィルムのサウンドトラックでもあるらしい。

■Ame Live / Ame

AME LIVE

AME LIVE

結成10年を迎えたINNERVISIONSレーベルからリリースされたAMEのライブ・アルバム。ライブといってもクラブの熱い空気が伝わってくる!というものではなく、あくまでもRemix等を含めたAMEのベスト・アルバムといった趣き。しかしもちろんそこはAME、卓越したインテリジェンスと音楽センスを感じさせる素晴らしい名曲揃いで、AMEのベストであると同時にエレクトリック・ミュージックのベスト・パフォーマンス・アルバムとして長く評価されるアルバムになるだろう。

■Masterpiece: Andrew Weatherall / Andrew Weatherall

MASTERPIECE

MASTERPIECE

かつてFRANCOIS.KやGILLE PETERSONも参加した、Ministry Of SoundレーベルのCD3枚組Mixシリーズ「Masterpiece」に遂にAndrew Weatherallが参戦。このシリーズはどれもクオリティが高いが、ここで聴けるAndrew WeatherallのMixは3枚組全篇を通してゴリゴリのミディアム・テンポ攻めで、有無を言わせずどっしり着実にのせて行くその手腕はあたかも重戦車の走行を見せられているかのよう。

■Blondes / Blondes

BLONDES

BLONDES

インダストリアル・ダブ・テクノ・アーティストBalam Acabのアルバムにも参加したというNYブルックリンのインディー・ダンス・プロデューサーBlondesのデビュー・アルバム2枚組。1枚目がオリジナル、2枚目がRemixというお徳盤。これがニューディスコ風・ハウス・サウンドなんだが、同じくUSインディのItalが創出するネクスト・バレアリック・ハウスと通じる幻惑的かつ催眠術的ディスコ・サウンドが展開している。この辺のUSニュー・ディスコ/ハウス・サウンドは意外と注目かもしれない。

■Journey of the Deep Sea Dweller I,II

Journey of the Deep Sea Dweller I

Journey of the Deep Sea Dweller I

Journey Of The Deep Sea Dweller II

Journey Of The Deep Sea Dweller II

Drexciyaの音の面白さは、その修飾の無いダイレクトなエレクトロ音に集約されるだろう。非譲歩の頑固さがそのまま音として結晶化…というより岩石化したような無愛想な音。決して踊らせてそれで終わりではないざらざらとした澱のような淀みのような音。高揚も酩酊もなく覚醒してゆく音。Drexciyaのこの音は唯一無二…とまでは言わないが、それでも自分がよく聴くエレクトロ・ミュージックの中では珍しい種類の音であり、それと同時に「この音色はいったいなんなのだろう?」と常に考えさせてくれる音であり、そういった部分で興味の尽きないアーティストであり続けているのだ。

■Promenade Eleven / Kirk Degiorgio & Ian O'Brien

Promenade Eleven

Promenade Eleven

夏の暑い時期、身体もそうだけど精神的にもちょっとぐったりしていた頃に聴いたこのデトロイトなシングルは、気持ちにとても爽やかな涼風を運んでくれた。

■Arkives 1993-2010 / Plastikman

Arkives 1993-2010

Arkives 1993-2010

Plastikman / Richie Hawtinはこれまで何枚かアルバムを買ったことはあるし、クラブでのプレイも見た事はあるんですが、あまりにミニマル過ぎるのでちょっととっつきにくく感じていた部分もあって、諸手を挙げて「メッチャ好き!」というアーティストというほどでもなかったんですが、なんだか最近どんどんテクノなりクラブ・ミュージックを突き詰めていったら結局Plastikmanに行き着いてしまった…ということなんですよね。

■Music For Real Airports / Black Dog

Music for Real Airports

Music for Real Airports

Enoの『Music For Airports』の向こうを張り静謐かつ陰鬱なアンビエント世界を奏でるBlack Dogによる2010年リリースの作品。

■Held / Holy Other

Held

Held

ウィッチ・ハウス系アーチスト、Holy Otherによるデビュー・フル・アルバム。メランコリックなヴォーカル・サンプリングが飛び交い幽玄なメロディが奏でられる非常に美しいサウンド。

■Negative Fascination / Silent Servant

Negative Fascination

Negative Fascination

SANDWELL DISTRICTレーベルの主力アーティストでもあるロス在住のJohn Juan MendezによるプロジェクトSilent Servant。ノイズ、インダストリアル、ドローン系のこれまたダークな音世界が展開する好盤。

■Risco Connection / Risco Connection

Risco Connection

Risco Connection

1979から80年頃に活動し、全てのシングルがレア化したというJoe Isaacsプロデュースのディスコ・ユニット「Risco Connection」復刻版アルバム。このユニットを知ったのはハウスDJ、Dimitri From ParisのMixアルバムで、その曲の名はMcFADDEN & WHIETHEADのレゲエ・カヴァー曲「Ain't No Stopping Us Now」だった。ダビーなレゲエ・リズムと夢のような女性コーラス、"Ain't No Stopping Us Now"という歌詞、レトロ感満載の擦り切れたレコード音を響かせるエフェクト、そしてそして、あまりにも甘酸っぱく切なく盛り上がるストリングス!これは見事にハマった。

■Dependent And Happy / Ricardo Villalobos

Dependent And Happy

Dependent And Happy

ミニマル・エレクトリック・ミュージックの鬼才・Ricardo Villalobos、8年振りのフル・アルバム。実はオレ自身は、Ricardo Villalobosについてはその注目度に反比例して「なんだか掴み所のない音だなあ」と毎回曲を聴くたびに思っているのだが、その"掴み所"を押さえたいばかりに何故か何度も聴いてしまう、という変なリスナーである。非常に複雑なことをやっているのだろうがその音は引っ掛かる部分がなくスルスルと耳に入り、邪魔にはならないがハマることもない。いったいなんなのだろうこの音は、と今回もリピートしている。

Berghain 06 / Norman Nodge

Berghain 06 (import)

Berghain 06 (import)

ベルリンOstgut Tonレーベルの人気Mixシリーズ「Berghain」、最新作のDJは本職が弁護士だというNorman Nodge。「Berghain」はハズレのない名シリーズだが、これもベルリンらしいひんやりした空気感が素晴らしい優良テクノMix。

■Instrumental Tourist / Tim Hecker & Daniel Lopatin

Instrumental Tourist

Instrumental Tourist

それぞれがアンビエントな作品を作っていたTim HeckerとDaniel Lopatinのコラボによるドローン/アンビエント・アルバム。ゴシックな重々しさに満ちたダーク・サウンド。

■The Paranormal Soul / Legowelt

Paranormal Soul

Paranormal Soul

オランダ人プロデューサーLegoweltの最新アルバム。ヴィンテージ・マシーン・サウンドが唸るロウ・ハウスを基本としたシカゴ/アシッド・ハウス〜エレクトロが炸裂!音楽配信サイトBleepの2012年ベストアルバムにも選ばれた好アルバム。聴こう!

■A Mutual Antipathy / Scuba

A Mutual Antipathy

A Mutual Antipathy

あれ、Scuba新譜出したの?と思ったらこれは08年リリースされたデビューアルバムのリイシュー盤なんだとか。2ndのアンビエントなダブステップに到達する以前の試行錯誤があれこれ見られてこれはこれで面白いアルバム。

■SubBerlin - The Story of Tresor

SUBBERLIN-THE STORY OF

SUBBERLIN-THE STORY OF

最後にDVDの映像集を。ベルリンに存在する伝説的クラブ【Tresor(トレゾア)】。世界で最も有名なクラブの一つであり、ハードコアなテクノ・ミュージック・レーベルでもあるこのTresorは、ベルリンの壁崩壊と東西ベルリン統一直後の1991年、第2次世界大戦の廃墟がいまだ残る旧東ベルリンのヴェルトハイム銀行跡地の地下室に作られた。崩れかけた壁、空っぽのロッカーや錆だらけ鉄格子が剥きだしのまま残された、それ自体が残骸であり廃墟であるこのクラブは、殆ど暗闇のような暗い照明、低い天井から滴り落ちるクラバー達の蒸発した汗、DJでさえ酸素ボンベを持ち込む酸欠状態の中、ダークで性急なリズムを刻むテクノ・ミュージックが昼夜を徹して大音響で響き渡るというまさに異様な別世界であった。しかしだからこそ、その異空間をクラバー達は愛し、このクラブを世界でも唯一無二の特別なクラブとして認めたのだ。クラブTresorは2005年に閉鎖され、現在は別の場所で再びクラブを開催しているが、このドキュメンタリーでは、関係者とTresorでプレイした世界中の有名DJのインタビューを交えながら、旧Tresorの歴史を遡ってゆく。

namaniku_keronamaniku_kero 2012/12/30 00:39 僕もItalとSilent Servantがすごく気に入っていて、ずーっと聴いてますよー。
Legoweltはジャケが「だっせぇなあ!」と思って買ってなかったんですけど
Bleepのランキング出たときに買ってみたら結構よかったです。
来年もバッキバキの陰鬱音楽聴いていきたいです。

globalheadglobalhead 2012/12/30 08:19 来年どころかこの年末に陰鬱極まった音源を幾つか購入してしまい(3枚組全編ビートレス怒涛の陰鬱プレイなんてのもあり)大晦日に向かって熾烈な陰鬱無気力状態をキープしておりますです…。

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20121225(Tue)

[]今年面白かった本あれこれ 今年面白かった本あれこれを含むブックマーク 今年面白かった本あれこれのブックマークコメント

と言うわけで年の瀬も押し迫ってまいりました。今週は今年の日記の総集編ということで、今年面白かったコミックや本、音楽、ゲーム、そして映画についてそれぞれエントリを挙げていきたいと思います。まず最初は今年読んで面白かった本などをつらつらと。まあもともとあんまり本は読まないほうだし、新刊というよりも重要本や名作を読んだ年でした。

◎ノンフィクション

ノンフィクションって実は今まで全然読まなかったんですが、今年はこのジャンルの鉄板といえるような本をやっと今頃読みました。『銃・病原菌・鉄』は文庫本になったのがきっかけで、『夜と霧』は一度読むべきなんだろうなあと思っていたのをやっと手にすることになりました。

■銃・病原菌・鉄−1万3000年にわたる人類史の謎(上)(下) / ジャレド・ダイヤモンド 

文庫 銃・病原菌・鉄 (上) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫) 文庫 銃・病原菌・鉄 (下) 1万3000年にわたる人類史の謎 (草思社文庫)

人類社会には何故富と権力の格差があるのか。欧米白人と一部の有色人種、少数民族の豊かさがこれだけかけ離れているのは何故なのか。それは遺伝的・人種的優位・劣勢のせいなのか?アメリカの進化生物学・生理学・生物地理学者でありノンフィクション作家のジャレド・ダイヤモンドは、フィールド・ワーク中のニューギニアにおいて、あるニューギニア人政治家の「何故我々ニューギニア人は"持たざる者"なのか?」という問い掛けから、この膨大な著作を生み出した。作者は人類1万3000年の歴史を遡り、考古学のみならず、地理、資源、環境変動、植物学、動物学、言語学、遺伝子学、人類学、その他諸々の学術的情報と推論から、「何故現代社会における格差は成り立ってしまったか」を導き出す。【レビュー】

■夜と霧 / ヴィクトール・E・フランクル 
夜と霧 新版

夜と霧 新版

世界的な名著として名高い、ナチスによる絶滅収容所に送り込まれた一人の心理学者の体験記である。読んでいる間中、自分の周りを取り囲む現実の表皮が引き剥がされ、冷たい暗黒の宇宙をどこまでも漂っているかのような非現実感に襲われていた。人が人に対してどれだけ非道になれるのか、そしてその非道な仕打ちの中で人がどこまで正気と人格を保って耐えて行けるのか、その残酷なテストケースを見せられているようだった。【レビュー】

◎SF

サイバラバード・デイズ』はインドを舞台にしたサイバーSFというのが面白かった。『アンドロイドの羊の夢』は非常に優れた冒険活劇でした。

サイバラバード・デイズ / イアン・マクドナルド 

作品の魅力はなんと言っても舞台となるインド世界独特のむせ返る様なエキゾチズムだろう。ロボット兵器や超AI、生物工学などのSFにはお馴染みのテクノロジーが登場しながら、それと同時にインド5000年の文化と歴史が未だ連綿と存在し、ヒンドゥーの神々の名が作品のここかしこにちりばめられ、インドならではの娯楽産業と社会問題と価値観、世界におけるIT大国としてのインドの立ち位置、そしてインドの地勢に由来する天候や環境の様子が人々の生活に影響を与える様子などが、欧米白人文化圏を舞台としたSF作品とは一味も二味も違う、ある意味「マサラSF」とでも呼びたくなるようなスパイシーかつこってりとした味わいを作品に醸し出しているのだ。【レビュー】

■アンドロイドの羊の夢 / ジョン・スコルジー 
アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

メッチャ面白かった!!「屁」による異星人要人殺し、というトンデモな発端から始まるこの物語、「なんじゃこりゃ!?」と思う暇が有らばこそ、お話はあれよあれよという間に大風呂敷を広げ始め、剣呑な異星人相手に地球政府の人類存亡をかけた権謀術策が渦を巻き、その只中に放り込まれたタフな主人公とヒロインのアクションに次ぐアクション、追いつ追われつの絶体絶命の逃亡劇が連打して、そんな物語の要所要所に思わずくすりと笑っちゃうユーモアが散りばめられ、さらに10ページに1個は短編1作に匹敵するようなSFアイディアをこれでもかと盛り込み、500ページあまりのページ数をあっという間に読ませてしまう、昨今読んだSF小説の中でも傑作中の傑作と呼んでいい作品がこの『アンドロイドの羊の夢』だ。【レビュー】

◎古典文学

今年は古典文学にも挑戦してみました。"シェイクスピア四大悲劇"と呼ばれる『リア王』『マクベス』『ハムレット』『オセロー』を立て続けに読んだのはいい読書体験でした。『失楽園』はキリスト教世界を描きながらもこんなにも面白い作品だったとは!と目から鱗でした。

■"シェイクスピア四大悲劇" 

リア王 (光文社古典新訳文庫) マクベス (新潮文庫) ハムレット (新潮文庫) オセロー (新潮文庫)

それにしてもシェイクスピアの悲劇作品というのはすべてがある種の【狂気】の物語なんですね。【悲劇】というよりも【狂気】なんですよ。人というのは様々な感情を持った生き物ですが、その感情のどれか一つが他を圧倒し、"それ"だけが一人の人間の唯一絶対の感情となる、いうなれば妄執であり強迫観念ということができますが、【狂気】というのはそういったものなんですね。逆に言えば【狂気】という形を取って人間のたった一つの感情を徹底的にクローズアップしてゆく、そしてその生々しさと激しさを徹底的に描ききる、それが【シェイクスピア四大悲劇】の本質なんではないのか、そんなことを感じましたね。【レビュー】

失楽園 / ジョン・ミルトン 

失楽園 上 (岩波文庫 赤 206-2) 失楽園 下 (岩波文庫 赤 206-3)

なにより感動的だったのは、イヴが教えを破って知恵の実を食べたことを知ったアダムが、しかしイヴへの愛ゆえに、彼女と共に同罪に落ちるために知恵の実を食べる、というくだりです。知恵の実を食べたアダムとイヴ、という話は知ってはいても、その動機には二人の【愛】が隠されていたのだ、という解釈には非常に切ないものを感じました。さらに神の怒りに触れ、楽園の追放を言い渡され、その子孫にも永劫の苦しみが待っている、と知らされた二人は、一度は死を考えながら、それでもやはり、生きてゆこう、そして、子孫を残してゆこう、と誓うんです。二人は、生は、実は苦痛ばかりなのではない、生きていることは、それ自体が祝福なのだから、だからこそ、生き続けるということは、その祝福を成就する行為なのだ、ということを悟るんですね。そして、楽園を追放された二人は、茫漠たる荒野へ、最初の一歩を記すんです。ある意味このクライマックスは、アダムとイヴの凄惨なるラブ・ストーリーとして完結するんですよ。【レビュー】

◎ロシア奇想小説

奇想文学の中でも非常に名高いロシア産のこの2作品、そのとんでもない展開はそのまま本を読む醍醐味そのものでしたね。

巨匠とマルガリータ / ミハイル・ブルガーコフ 

巨匠とマルガリータ (上) (群像社ライブラリー (8)) 巨匠とマルガリータ〈下〉第2の書 (群像社ライブラリー)

ミハイル・ブルガーコフの奇想小説『巨匠とマルガリータ』はモスクワの町に悪魔が現れて人々を翻弄し、てんやわんやの大騒ぎが繰り広げられる、という物語だ。しかしその悪魔は別に人間に悪さをしたいから現れた訳はなく、ある目的があってモスクワに出現したのだけれども、その段取りの中で人間たちが悪魔の差し出す餌にまんまと引っ掛かったり、またはご機嫌を損ねたりして、最終的にみんなとんでもない目に遭ってしまう、という訳なのである。しかしそんなブラックなスラップスティック・ドラマとは別に、時間を遥か遡り、キリストの処刑とそれを決定したピラト提督の苦悩が描かれるパートがこの小説には挿入される。そしてこのパートが、現代の悪魔篇のコミカルなドタバタと対比を成すかのように、静謐さと懊悩とが交差する、非常に文学的かつ思弁に満ちた文章で、美しい。【レビュー】

■青い脂 / ウラジーミル・ソローキン 
青い脂

青い脂

一読して思ったのは縦横に溢れ返った才気を持つ小説作家が、その文学的経験値でもって「ロックンロールしようぜ!」とばかり己がルーツであるロシアとロシア文学を卓袱台の如く引っ繰り返し、その引っ繰り返された食材を自在なカンバスの上で想像力と妄想力で並べ直し、嘲笑と下ネタの毒々しくイカ臭い絵の具で塗りたくり、俗なサイエンスフィクションのフレーバーをタバスコのようにぶっかけて、アナーキーで挑発的なシュールレアリズム絵画をドカーンと描きあげましたあ!といったアバンギャルド小説だ、ということだ。なぜこんなにハチャメチャかつ奇想天外なのか?それはもう想像力の血潮が滾り莫迦な事がやりたくてどうしようもないからだ。文学で莫迦な事をしたい、それも文学を使って、これに尽きる作品なのだ。体よくまとめたり緻密に構成したりなんてしゃらクセエ!ロシアはさみいんだよ!ウォッカ飲ませやがれ!そういう作者の魂の叫びが聞こえ…てくるわけではないが、例えば膨大なエクスプロイテーション映画の知識を総動員してそれらを濃厚抽出し刺激的な娯楽映画を再構築してみせたクエンティン・タランティーノなんかが意外と似ているかもしれない。【レビュー】

[]今年面白かったゲームなどなど 今年面白かったゲームなどなどを含むブックマーク 今年面白かったゲームなどなどのブックマークコメント

お次は今年面白かったゲームです。

■Legend of Grimrock

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あの往年の超名作RPG『ダンジョンマスター』のクローン・ゲーム。正確に書くと『Legend of Grimrock』は「ダンマス」の新作ではなく独立系ゲーム会社によって製作された「ダンマス」のシステムを踏襲した新作ゲームということになるのですが、まあプレイしているほうとしてはやはり「あのダンマスが帰ってきた!」と思っちゃいますね。『ダンジョンマスター』そのものと言ってもいい世界観・システム・操作性を持ったゲームなんですが、それを現在的なグラフィックで甦らせた、という部分が新しいと言えば新しいでしょうか。(※今のところPC版ダウンロードのみの発売で、公式サイトかGOG.com、Steamでの購入となります)

潜れ!ダンジョンを潜りまくれ!〜ゲーム『Legend of Grimrock』

■大神 絶景版

大神 絶景版 - PS3

大神 絶景版 - PS3

HD版発売でやっとプレイすることができた『大神 絶景版』だが、これが最初の予想と想像を遥かに上回る極上の世界観と美しさを持った素晴らしいゲームで、「ゲームをプレイすることの喜び」を再発見したような思いで一杯だ。単にありていの「ジャポネスクぽいもの」を羅列しただけではない非常に深い民話・神話世界をシナリオ構築しており、そして「日本的な美」への高い理解力と再現力を持ったグラフィックはこのゲームでしか堪能できないであろう唯一無二の圧倒的なクオリティを誇っている。墨絵を元にした描線はもとより、大神アマテラスが疾走するその後には次々と花が咲いては消えてゆき、魔物によって汚濁と化した大地を解放した時に画面いっぱいに大量に舞い散る色とりどりの花びらの華々しさ、魔物を封印したり動物たちの世話を焼いた時に幾つもの「幸」という文字が宙に浮かび大神アマテラスのパワーの元となる「言霊」的な概念、これらの演出とコンセプトの確信に満ちた「日本的な美」へのこだわりは、このゲームをほぼ「完璧なゲーム」として完成させているではないか。

『大神 絶景版』は流麗かつ美麗なジャポネスク・グラフィックが心を洗う大傑作日本神話ゲームだ!

■マックス・ペイン3

サンパウロを舞台に繰り広げられる血で血を洗うアクション、脛に傷持つ男の感傷と虚無のハードボイルド、ストーリーが進むほどに暗黒の度合いが深まる地獄のノワール・ストーリー、そしてあまりにも映画的なその演出。躍るタイポグラフィ、ブライアン・デ・パルマを思わせる画面分割、サム・ペキンパーの如き血飛沫を撒き散らしながらスローモーションで倒れてゆく敵、ジョン・ウー映画のような二挺拳銃横っ飛びのアクション、そしてトニー・スコットがもしもゲームを作ったらこうなると思わせるような痙攣的な画像エフェクト!『マイ・ボディーガード』『ドミノ』あたりでトニー・スコットが演出したギラギラとした神経症的エフェクトを凝らした映像、あれをゲームでやっちゃってて単なる銃撃アクションとは全く異なる異様な緊張感とトリップ感を醸し出しているのだ。

銃弾と暴力が支配するブラジルの街で繰り広げられるハードボイルド・ノワール!〜ゲーム『マックス・ペイン3』

■コール オブ デューティ ブラックオプス II

今回の『CoD BO2』は1985年と2025年の2つの時代が交互に描かれてゆくんですね。1985年のパートはあるテロリストがなぜこのような暴れん坊将軍になってしまったかが描かれ、2025年のパートではこのテロリストがどんなテロ起こして世界を大騒ぎさせてゆくかが描かれてゆくんですね。面白いのはこの2025年のパートで、2025年っていうぐらいですから12年ぐらい先の近未来です。今頃になってさすがにちょっと資料読みましたが米国と中国は冷戦状態にあるらしいです。で、近未来ですから架空の軍事兵器、装備が登場するんですよ。架空といってもそこは『CoD』、どこぞの軍事顧問があれこれ予想した、将来的にありうる兵器や装備が描かれているんですね。オスプレイのさらに進化したような垂直離着陸輸送機や火器搭載歩行型マシンやドローンと呼ばれる無人飛行兵器、光学迷彩なんかが出てくるんですが、SFっぽい荒唐無稽さは無いんですよ。そしてプレイヤーが持つ銃にしても電磁共鳴式だかなんだかで壁の裏に隠れた敵を透視し一目瞭然に発見できるスコープが付いていたり、弾数が非常に多いアサルトライフルなんかがあって面白いんですね。

今度は近未来戦だ!〜ゲーム『コール オブ デューティ ブラックオプス II

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20121224(Mon)

[]今年もクリスマスだった 今年もクリスマスだったを含むブックマーク 今年もクリスマスだったのブックマークコメント

クリスマスっていうか年末のこの3連休はなんだか正月の前夜祭みたいにノンビリ過ごしてましたね。気分はもう正月ですね。でもまだ5日間ぐらい仕事残ってるんですよね。連休前までは結構仕事も忙しかったり土曜出勤とかもしましたが、なんとか落ち着きそうです。たっぷり休んだくせに早く正月来ないかなあもっともっとズボラにノンビリしたいなあと休む気満々です。

この歳にもなるとクリスマスっていうのも単に旨い物食って旨い酒飲むための口実の日以外のなにものでもありません。今年は特に相方とプレゼント交換もしませんでした。その相方さん、ちょっと風邪気味だったんですが、「なにがなんでも御馳走作る!」と張り切っていたので、時々休みを入れさせながら(あとちょっと手伝いながら)お料理をつくってもらいました。いつもスマンのう…。

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今年相方さんが作ってくれたのは「パテ・ド・カンパーニュ」、いわゆるレバーパテです。これ、まわりのベーコンまで手作りで、実は3日ぐらい前から仕込みを入れながら作成していたんです。さらにパテ・ド・カンパーニュと一緒に盛ってあるのは牛肉の燻製で、これも手作りなんですよ。詳しいレシピや作成手順などはそのうち相方のブログで更新されるでしょうから、ファンの方はお見逃し無く。お味はもちろん最高でした!

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飲み物は今年もサンクトガーレンの季節限定バーレーワイン、ディアブロとアンヘル。バーレーワインとは言いますが、これ、ビールなんですよ。

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デザートは去年と同じくシュト−レン。これはいつも飲みに行っているベルギービール屋で作っていて、半月前ぐらいに入手したもの。これをパテ・ド・カンパーニュの仕込みで使った残りのポルト酒でいただきました。

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さんざん肉食ったので翌朝はおかゆ。これがまた美味しゅうございました。

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相方さん、いつもありがとうございます。クリスマスプレゼントこそ交換しませんでしたが、実はお正月は温泉旅行をプレゼントする予定です。

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20121222(Sat)

[]最近聴いたエレクトロニック・ミュージック / Legowelt、Bambounou、Scuba、Sigha、Zip 最近聴いたエレクトロニック・ミュージック / Legowelt、Bambounou、Scuba、Sigha、Zipを含むブックマーク 最近聴いたエレクトロニック・ミュージック / Legowelt、Bambounou、Scuba、Sigha、Zipのブックマークコメント

■The Paranormal Soul / Legowelt

Paranormal Soul

Paranormal Soul

オランダ人プロデューサーLegoweltの最新アルバム。ヴィンテージ・マシーン・サウンドが唸るロウ・ハウスを基本としたシカゴ/アシッド・ハウス〜エレクトロが炸裂!音楽配信サイトBleepの2012年ベストアルバムにも選ばれた好アルバム。聴こう! 《試聴》

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■Orbiting / Bambounou

Orbiting

Orbiting

フランスのプロデューサーBambounouのデビューアルバム。進化したベース・ミュージック系列の自由な音づくりとなかなかに個性的なリズム・プログラミングが面白い。 《試聴》

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■A Mutual Antipathy / Scuba

A Mutual Antipathy

A Mutual Antipathy

あれ、Scuba新譜出したの?と思ったらこれは08年リリースされたデビューアルバムのリイシュー盤なんだとか。2ndのアンビエントなダブステップに到達する以前の試行錯誤があれこれ見られてこれはこれで面白いアルバム。 《試聴》

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■Living With Ghosts / Sigha

Living With Ghosts

Living With Ghosts

Scuba主宰によるDubstep系レーベルHotflush RecordingsからリリースされたSighaのデビュー・アルバム。ベース・ミュージック、音響、ミニマルの融合した先鋭的な音を聴かせてくれてGOOD! 《試聴》

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■Fabric 67 / Zip

Fabric 67: Zip

Fabric 67: Zip

Fabricの67番はPerlonレーベルのボスThomas Franzmannの変名Zip。Fabricらしいとっつきやすいダンスフロア向けMix。 《試聴》

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20121221(Fri)

[]凸凹チームの織りなす王道ファンタジー物語〜『時の鳥を求めて』 凸凹チームの織りなす王道ファンタジー物語〜『時の鳥を求めて』を含むブックマーク 凸凹チームの織りなす王道ファンタジー物語〜『時の鳥を求めて』のブックマークコメント

■時の鳥を求めて / レジス・ロワゼル、セルジュ・ル・タンドル

時の鳥を求めて (EUROMANGA COLLECTION)

フランス産ヒロイック・ファンタジーの傑作! 呪われた神ラモールの復活を目前に控えアクバルの地に緊張が走る。魔術女王マラはいにしえの神々の魔術書をひもとき、再びラモールを封印する魔法を発見した。しかし、封印の魔法には長い時間が必要である。残された時間は少ない。マラは愛娘ペリースに、かつて恋人であった老雄ブラゴンと連れ立って、時間を止めることができるという時の鳥を探すよう命じる。まずはラモールを封印するための巻貝を手に入れ、ついで時の鳥の居場所を探さなければならない。老雄ブラゴンは自らの娘でもあるかもしれないペリースと反目しつつも、ラモールの忌まわしき力を手に入れようと立ちはだかる魔術王たちを退けながら、アクバルを救うべく、苦難の旅を続ける…

セルジュ・ル・タンドル原作、レジス・ロワゼル作画によるヒロイック・ファンタジーBD、『時の鳥を求めて』です。これまで酔狂で幾つかのBD作品を読んできたんですが、そういえばヒロイック・ファンタジーものを読むのって初めてなんですよね。お話はざっくり言うと、太古の昔封印された邪神が再び蘇ろうとしていることを知り、選ばれし者たちが邪神封印の鍵となるアイテムを集めるために冒険の旅に出る、というもの。こうして書くとまさに王道RPGそのものですよね。

しかしこの作品がユニークなのは、アイテム集めの旅に出る者たちというのが、すっかり老いぼれた元戦士、すぐかっとなって手の付けられなくなる魔法使いの娘、へっぴり腰で役立たずの仮面の男、という凸凹チームということなんですね。凸凹チームのやらかすことなので冒険の旅も一筋縄にはいかず、しかもそれぞれがてんでばらばらに勝手なことをしたがり、そのせいで危機を呼び込んじゃったりするんです。にもかかわらず最後はなぜだか丸く収まり、やれやれ、といった感じで次の章へと移るんです。物語は4章に分かれ、それぞれの章毎に違った舞台、違った敵、違った試練が用意され、さらに旅の途中で様々な仲間と出会い、又は分かれてゆきます。その中で元戦士はかつての弟子や師匠と戦う羽目となり、さらに魔法使いの娘が実は自分の娘なのかもしれない、と思い始めます。魔法使いの娘はといえば己の使命に熱中するあまり危険な位周りが見えません。そして仮面の男は最初へっぴり腰だったのが段々と自らの役割に気付き始めてゆくんです。こういった三者三様のドラマを孕みながら時にユーモラスに物語が進んでゆくという訳です。

しかし実のところ、最初本書を読み始めた時には、グラフィックの粗さ、未整理な構図、物語のありがちな凡庸さのせいで、あまり面白くないお話だなあと思えてしまい、途中で投げ出しそうになってしまったんですよね。巻末の作者インタビューなどを読むと、確かに序章である第1章の完成度が低いことを認めていて、それというのもまだ駆け出しのBDアーティストだったものですから、テーマを模索しながら描き出すことになってしまい、ある意味習作のような出来栄えになってしまった、ということなんですよね。しかしこれが2章に差し掛かると段々とネームと作画の語り口が整理されてきて、章のテーマがすっきりしてき始めます。

そして3章からは確かな緊張感を孕み出し、大団円を迎える最終章4章では思いもよらぬどんでん返しと、さらに大きな使命を達成することと引き換えのあまりに悲しいドラマが展開し、怒涛のように感情を揺さぶるクライマックスを迎えるのです!いやあひとつのお話の中でこれだけ印象の様変わりするBDも珍しかったですね。これはある意味作者チームのアーティストとしての成長を目の当たりにする物語としても面白いんですよね。そういった意味で、根気良く読み進めるなら最後に非常に良質な読後感を残す王道ファンタジーとして楽しむ事が出来る作品ですので、ファンタジー好きの方には挑戦する価値のある作品としてお勧めできますね。

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20121220(Thu)

[]小説『アンドロイドの羊の夢』はSF版『ダイ・ハード』だ! 小説『アンドロイドの羊の夢』はSF版『ダイ・ハード』だ!を含むブックマーク 小説『アンドロイドの羊の夢』はSF版『ダイ・ハード』だ!のブックマークコメント

■アンドロイドの羊の夢 / ジョン・スコルジー

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

元兵士、凄腕ハッカー、現在は悪い知らせの運び屋。そして、つぎの任務は「羊」探し!?地球‐ニドゥ族の貿易交渉の席上で事件がおきた。戦争につながりかねないこの問題の解決のため、ニドゥ族は代償として特別なある「羊」の調達を要求してくる。期限は一週間。凄腕ハッカーの元兵士クリークがこの羊探しを命じられるが、謎の宗教団体に追われ、反ニドゥ勢力の暗殺者に狙われるはめに。そして、ようやく見つけ出した羊の正体とは……。〈老人と宇宙〉シリーズ著者がP・K・ディックに捧げた冒険活劇SF。

最初に書くと、メッチャ面白かった!!「屁」による異星人要人殺し、というトンデモな発端から始まるこの物語、「なんじゃこりゃ!?」と思う暇が有らばこそ、お話はあれよあれよという間に大風呂敷を広げ始め、剣呑な異星人相手に地球政府の人類存亡をかけた権謀術策が渦を巻き、その只中に放り込まれたタフな主人公とヒロインのアクションに次ぐアクション、追いつ追われつの絶体絶命の逃亡劇が連打して、そんな物語の要所要所に思わずくすりと笑っちゃうユーモアが散りばめられ、さらに10ページに1個は短編1作に匹敵するようなSFアイディアをこれでもかと盛り込み、500ページあまりのページ数をあっという間に読ませてしまう、昨今読んだSF小説の中でも傑作中の傑作と呼んでいい作品がこの『アンドロイドの羊の夢』だ。

「え?タイトルってあの?」とお気づきになる方も多いとは思われるが、P・K・ディックの名作タイトルのパロディであると同時に、確かに「ブレードランナー」的な狩る者と狩られる者の追跡逃亡劇としても共通している部分があるかもしれない。しかしなによりも、こういうタイトルが許せちゃうような、全編を覆うユーモア感覚がなにしろ素晴らしい。しかし締める所はきっちり締めていて、敵は冷酷非道の凶悪極まりない連中ばかり、陰惨な殺しもそこここに登場し、彼らに狙われる主人公とそのヒロインは常に死と危険にさらされ、満身創痍になりつつからくも危機を乗り越え、そしてまた次の危機へと遭遇してゆくのだ。う〜むこれはSF版『ダイ・ハード』だね!

彼らを取り巻く異星人種族と地球政府の虚々実々の駆け引きも常に二転三転しつつ物語を意外な方向へと向かわせてゆく。これにさらに超A.I.の存在が裏から主人公一行をサポートし、さらにさらに〈進化した羊の教会〉なる謎の宗教組織まで暗躍するものだから、先の読めない物語展開に常にはらはらし通しになってしまうのだ。作者であるジョン・スコルジー、実はこれまで1冊も翻訳を読んだことが無かったのだが、この作品にすっかり惚れ込んだオレは、作者の出世作である『老人と宇宙(そら)』シリーズ既訳版4冊をまとめ買い、現在順調にじっくりたっぷりスコルジーSFに浸っておる最中であります。

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

20121219(Wed)

[]死体を売って金稼ごう!〜映画『バーク・アンド・ヘア』 死体を売って金稼ごう!〜映画『バーク・アンド・ヘア』を含むブックマーク 死体を売って金稼ごう!〜映画『バーク・アンド・ヘア』のブックマークコメント

■バーク・アンド・ヘア (監督:ジョン・ランディス 2010年イギリス映画)

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19世紀イギリスで実際に起こったバークとヘア連続殺人事件(ウェストポート連続殺人事件)をブラックなユーモアを交えて描いたのがこの映画です。これ配役が面白くて、まず殺人鬼役のバークとヘアを『ホット・ファズ』『宇宙人ポール』のサイモン・ペグと『LOTR』でゴラムの中の人だったアンディ・サーキスが演じてて、解剖学者役が『ロッキー・ホラー・ショー』のティム・カリー、ヒロイン役のアイラ・フィッシャーはそんなに有名じゃないけど実は『ボラット』『ディクテーター』のサシャ・バロン・コーエンの嫁で、あと『SPACED』でサイモン・ペグとコンビだったジェシカ・ハインズがヘアの妻役で登場、さらにちょい役にはクリストファー・リーが出ているばかりか、調べて初めて分かったんだけど『アルゴ探検隊の大冒険』などで有名な特撮映画監督のレイ・ハリーハウゼン、ブロンソン映画『狼よさらば』『メカニック』の監督マイケル・ウィナーまで出ているらしいんですね。このマニアックなキャスティング、監督が『ブルース・ブラザース』、マイケル・ジャクソンPV『スリラー』のジョン・ランディスだったからこその人脈だったんでしょうね。

お話のほうはというと、最初に書いたように連続殺人鬼の話なんですが、主人公二人がこんなおっかない犯罪に手を染めたのには訳があるんですよね。主人公のバークとヘアは貧乏こじらせた食い詰め者の二人なんですが、ある日家業の下宿屋で死人が出てその死体を捨てるのに困っていたところ、町の医学学校の実験用に良い値で売れることを知り、そこに売り飛ばして小銭を得てしまうんですよ。死体って結構いい商売じゃん、と斜め上の方向に勘違いした二人は墓泥棒を始めて死体を売ろうとするけどこれが上手くいかない。じゃあ生きてる人間を死体にしちゃえ!ってことで殺人をはじめちゃうんです。実際には17人の被害者の遺体を売ったそうなんですが、このとんでもない犯罪はイギリス中を震撼させ、バークとヘアの二人の名前は子供の石蹴り歌や縄跳び歌として残っているぐらいなんだとか。なんだか『エルム街の悪夢』みたいだね!

さてそんな殺人鬼二人組をサイモン・ペグとアンディ・サーキスがコミカルに演じているんですが、コミカルな分血に飢えた冷酷な殺人鬼というよりは貧乏のあまり自分がどんな恐ろしいことをしているのかも気づかない哀れな連中に見えちゃうんですね。死体売った金に物言わせて女の気を惹こうとしたりとかもう情けなくて…。この無感覚さ、鈍感さが可笑しくもあり恐ろしくもある、という物語なんです。ただやっぱり題材が題材だけにお腹抱えて笑える、といったものではなくて、こういった史実を若干コメディの味付けをして見せてみました、といったものになっていて、観終わった後はどうしても気持ち悪さばかり残ってしまう作品になってしまいましたね。それとあと、当時のイギリスやヨーロッパの常なんでしょうが、町中が不潔でババッちいのも正しい歴史公証的にきちんと描いていてちょっとイヤ〜ンな気分になっちゃいました…。この映画じゃないけど、おまるに溜まった糞尿をそのまま通りに捨てる描写なんか映画で見かけると、だからお前らペストとかなんとか流行らせちゃうんだよッ!としみじみ思っちゃいますね。

それとこういった殺人鬼二人のドラマとは別に興味を惹いたのは、その彼らから死体を頻繁に買い上げなければならなかった当時の医学校の、解剖学の成果を張り合う教授たちの存在なんですね。19世紀になり医学は進歩しましたが、実験解剖用死体は主に死刑囚に限られていたらしく、これの絶対数が足りないばかりに、当時相当な墓荒らしが横行していたというんですね。この映画でも墓荒らしを取り締まる憲兵隊が墓地を監視したりとかが描かれるんですよ。要するにバークとヘアの犯罪というのは、需要があったればこその供給行為で、怨嗟による殺人とか金品強盗による殺人とかとは若干ニュアンスの違う殺人であった、という事実が面白いんですね。しかもこのバークとヘアの犯罪行為を生み出したことの反省として、実験解剖用死体供給の為、死体を死刑囚に限定しないという新たな法案までが作られたといいますから、意外とこの物語、歴史のあまり知られない深い部分をも描いていたりするんですよね。

バーク アンド ヘア [DVD]

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20121218(Tue)

[]フランケンわんちゃんの大活躍!?〜映画『フランケンウィニー』 フランケンわんちゃんの大活躍!?〜映画『フランケンウィニー』を含むブックマーク フランケンわんちゃんの大活躍!?〜映画『フランケンウィニー』のブックマークコメント

■フランケンウィニー (監督:ティム・バートン 2012年アメリカ映画)

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この『フランケンウィニー』はティム・バートンが1984年に製作した同タイトルの短編ストップ・モーション・アニメを長編リメイクした作品です。お話の中心となるのは郊外の町に住む少年ヴィクターと愛犬スパーキー。ヴィクターはスパーキー主演の特撮映画を撮るほどスパーキーが大好きでしたが、ある日、自動車事故でスパーキーを亡くしてしまいます。悲しみに暮れるヴィクターはしかし、科学の実験で電気の作用により死んだカエルの筋肉が動く様子を見て、あることを思いつくのです。そして雷鳴轟く夜、ヴィクターは動物霊園からスパーキーの亡骸を掘り起し、屋根裏の自分の部屋に横たえると、稲妻の力がスパーキーの肉体に送り込まれるのを待ちました。そう、ヴィクターは、スパーキーを生き返らそうとしていたのでした…。

粗筋からもわかるように、この物語はメアリ・シェリーの「フランケンシュタインの怪物」をモチーフに、継ぎ接ぎの怪物を死んだ愛犬に置き換えて描かれるお話です。ホラー調のこの物語を、ティム・バートン・プロデュースの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や監督作の『ティム・バートンのコープスブライド』のような、キュートで不気味なストップ・モーション・アニメとして完成させたのが本作なんですね。そしてこの作品、オリジナルと同じように、かつての古典ホラーに敬意を表したモノクロで撮影されていて、しかもなぜか3Dという変わった作りになっているんですね。オリジナルとこのリメイクの違うところは、当然ながら29分の短編を87分の長編にしたことによる登場人物の多さと彼らの演じるドラマでありますが、歴然と変化したのはそのテーマの在り方なんですね。オリジナル短編はそのモチーフとなった「フランケンシュタインの怪物」と同様の、「得てはならなかった生命」の悲しみ、そしてそういった「ありえない生を得た怪物性」への人々の恐怖とそれを葬り去ろうとする暴力が描かれ、それは初期ティム・バートン作品の根幹ともなるテーマであった「フリークスの持つ孤独と悲哀、そして悲劇の物語」へと繋がってゆくのです。監督第2作であったこのオリジナル作品は既にティム・バートンの本質とも言える物語を紡いでいたのですね。

しかしこのリメイクではそういった初期バートン風のテーマは希薄です。物語は中盤から稲妻の力で死んだ動物を生き返らすことができるのを知ったヴィクターの級友たちが思い思いに彼らの死んだペットを生き返らせ、町が大パニックになる、といったお話へと変転してゆくんですね。ただ、初期ティム・バートンのテーマ性、言い換えれば駆け出しの映画監督であった頃のティム・バートンルサンチマンが、その後彼が売れっ子の映画監督となり、社会的的名声を得ることによって、すっかり雲散霧消してしまっているというのは、彼の最近の映画を観れば明らかな事でしょう。結局、現在のバートンの映画テーマになっているのは、そのSFホラー映画のマニアックな趣味性と、それらの映画が持つフリークス的な、病んだようなビジュアル感覚をどんどん洗練化してゆくという行為にあるのでしょう。逆に、趣味性とビジュアル主体の空虚さとか、かつてのバートン映画のセルフパロディとも焼き直しとも取れる様な作品(この『フランケンウィニー』だってリメイクという名の焼き直しです)を小手先だけで撮っている、という批判も十分あるかとは思います。近作の『アリス・イン・ワンダーランド』や『ダーク・シャドウ』もまさにそういった作品だった、と言えなくもないのですが、自分は今のこういったバートン映画も結構好きだったりします。

そのバートンの好きな部分、というのは、いつまでも自分の子供の頃から好きだったSFやホラーにずっと浸っていたい、という、ある意味オタク器質的な部分にあります。まあバートンも商売ですから、そういう自分をウリにしてはいるのでしょうが、逆にこういったSFホラー趣味、フリークス的なものに対する偏愛があるから商売が成り立っているともいえるんですよね。このリメイク版『フランケンウィニー』にしても、オリジナルにはない登場人物たちのキャラが、「ドラキュラ」や「フランケンシュタイン」などの古典ホラーを思わせる造形で楽しかったりするんですよね。猫背というよりもせ〇しにしか見えないエドガーなんて、ありゃあカジモドとかイゴールなんてぇ名前でもおかしくないけど、いまどきよくビジュアル化できたよなあ。その後現れるモンスターの数々も楽しくって、特に日本を代表するあのモンスターが出てきた日にゃあ、「いやあ、やりたい放題じゃないですかバートンさん」と呆気にとられたぐらいでしたね。

そしてやっぱり、主人公であるスパーキーが可愛らしいんですね。もともと犬好きであったというバートンが造形しただけあって、仕草や動きがとても犬らしいなつっこさで、継ぎ接ぎの不気味な姿なのに愛らしいんですよ。というわけでこの『フランケンウィーニー』、ティム・バートンの手掛けたストップ・モーション・アニメの中でも、あまりガチャガチャとしておらず、白黒の陰影がとてもしっとりした雰囲気を醸し出していて、さらにお話が分かりやすく親しみやすい上にとても気軽に楽しめるという点で、実はこれまでで一番楽しめたバートン・アニメでしたね。やっぱり自分は、ティム・バートンって好きな監督です。

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chirigamichirigami 2012/12/18 13:07 確かにテーマ的には悲劇的ではあるけどもオリジナルの方が綺麗に完結していると思いますね。
今回も着地点は同じかなと思ったら、ああ良かったねえというラストで。でもそれって本当に良かったのかなとしばらく考えてしまいました。
でもファンの性なのか自己模倣だとしてもあちこちにちりばめられたバートン印にうれしくなっちゃうんですね。
今どきこの規模のストップモーションアニメをモノクロ3Dで作れるのはバートンしかいないと思いますし。
個人的にはものすごく気に入って最近はグッズを買い漁る日々です(笑)

globalheadglobalhead 2012/12/18 13:44 エントリ書いてて思ったんですが誰に向かって書いているわけでもないのになんだか一所懸命バートンのことを援護してる自分がいるんですよね。なんかもうバートン作品を悪く言われると「確かにその通りなんだけど…あんまり責めないで…」とついつい哀願口調になっちゃうんですよ。確かにねえ、昔みたいなパッションは無くなってはいますが、そんなに酷い作品撮ってるわけじゃないのにねえ…そうだよモノクロ3Dなんて撮るのはバートンだけだよねェ!ああいかんまた擁護口調に…。こういうのもやっぱりファンの性なのでしょうねェ。そういう自分もちょっとスパーキーフィギュアが欲しくなっています…。

RASRAS 2012/12/22 19:53 ビジュアルや散りばめられたマニアックなネタは素晴らしかったですね。
私は『ビッグフィッシュ』の中で披露されるホラ話のような作品だなあと思いました。あの作品の終盤で、主人公が父親に「父さんは死なないよ。だって…」と語った類の。だから、この『フランケンウィニー』の物語もあの結末で良いかなと思いました。
エルザの名前は、小説フランケンシュタインでの主人公の婚約者エリザベスが元ネタなんでしょうか?

globalheadglobalhead 2012/12/22 20:52 短編のリメイクだしヴィジュアルもどちらかというと控え目かつ特に目新しい部分も無かったので最初は「まあとりあえず観とくか」程度の気持ちで劇場に足を運んだんですが、妙に安心して観られたのとあわせ、なんだか後からジワジワ「え?これ意外と快作だったんじゃ?」と思えてきたという不思議な映画でしたね。バートンはもう斬新でなくていいから「バートン的なもの」をずっと作り続けていけばいいんだと思いましたよ。古典ホラーの小ネタは楽しかったですね。登場人物のネーミングなんかも深読みすると面白いものでした。エルザのネーミングも含めここ(http://d.hatena.ne.jp/susahadeth52623/20121221/1356047560)のブログが相当丁寧な解題しているのでよろしかったらご参考に。あと町の名前のニュー・オランダって何かネタがあったんでしょうかね。

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20121217(Mon)

[]映画『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚として動き出した3部作の堂々たる序章〜『ホビット 思いがけない冒険』 映画『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚として動き出した3部作の堂々たる序章〜『ホビット 思いがけない冒険』を含むブックマーク 映画『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚として動き出した3部作の堂々たる序章〜『ホビット 思いがけない冒険』のブックマークコメント

ホビット 思いがけない冒険 (監督:ピーター・ジャクソン 2012年ニュージーランド・アメリカ映画)

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■『指輪物語/ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚

J・R・R・トールキンのハイ・ファンタジー小説指輪物語』を原作とした映画『ロード・オブ・ザ・リング(以下LOTR)』3部作は自分の中でも相当愛着のあるシリーズで、その前日譚でもある原作『ホビットの冒険』が映画化されると聞いた時は大いに期待しその完成を今か今かと待ちかねていたが、今回それが3部作の第1部『ホビット 思いがけない冒険』として公開されることとなった。いや嬉しいね。しかし最初は2部作と聞いていたのだが、そこはピーター・ジャクソン、作っているうちにお話が膨らんじゃって2作で収まらなくなってしまったのだろう。しかし『指輪物語』は文庫本だと3部6分冊の分量でこれを3部作で映画化したのだが、『ホビットの冒険』は原作でもたった1冊、または上下巻本である。これをどう3部作に料理したのかというと、『指輪物語』追補編にあるホビット世界の註釈を元に、原作を膨らませ世界観を大いに拡げたものであるのらしい。

そもそも、児童文学として書かれた『ホビットの冒険』とその続編でありながら大人向けのファンタジーとして書かれた『指輪物語』とでは、同じ世界を舞台にしながらもその作品の感触はまるで違う。『ホビットの冒険』はある意味シンプルな冒険譚だったが(ただし後半はとても大人の物語となる)、『指輪物語』は「全てを統べる一つの指輪」を巡り善と悪とが入り乱れ世界の命運をかけた壮大な戦いを繰り広げる神話物語として完成しているのだ。だから『指輪物語』は『ホビットの冒険』には無い圧倒的な"暗さ"があり、それが作品の深みともなっており、映画化された『LOTR』もその破滅的な暗さと死の影が全編を覆っていて、だからこそその影を拭うべく尽力するホビットら無力で非力な者たちの勇気や心の繋がりが大きな感動を呼んだのだ。

そういった部分で映画『ホビット 思いがけない冒険』は逆に分かりやすい冒険の物語として『LOTR』とはまた異なったスタンスで進んでいくのだ。物語はかつて黄金の財宝に溢れ栄華を誇ったドワーフの王国が邪竜の出現によって壊滅したという伝説から始まる。そして主人公のホビットビルボ・バギンズは魔法使いガンダルフに、このドワーフの王国を取り戻すために13人のドワーフ族とともに冒険の旅に出ないかと誘われ、不承不承その旅に随行することを承諾する。そして旅の最中に出会う様々な獰猛で不気味な種族との戦いを経ながら物語は進んでゆくのだが、その中で『指輪物語/LOTR』へと継承される冥王サウロンの邪悪な陰謀の片鱗が見え隠れするところがこの映画ならではの演出となっている。

■嬉しい配役、素晴らしい冒険

しかしそれにしても映画冒頭から『LOTR』で老成したビルボを演じるイアン・ホルム、さらに『LOTR』主人公フロド・バギンズを演じたイライジャ・ウッドが登場するのがなにしろ嬉しい!物語は『LOTR』でのビルボがその誕生日にかつての冒険を回想する、という形で描かれているのだ。年代的には『LOTR』の60年前、ということらしい。そして旅の途中でエルフの住まう裂け谷に駐留する場面では、『LOTR』で活躍したエルロンド卿、ガラドリエル(様)、さらにはサウロンの邪悪に染まる前のサルマンまでがそれぞれ同一の俳優で演じられ登場しているではないか!もう『LOTR』ファンにとってはにんまりし通しの1シーンだったのは言うまでもない(どうやら3部作後半にはレゴラスの登場もありそうだ!)。さらにドワーフ部隊の一人は後に『LOTR』で旅の仲間となるギムリの父親がいる、といった設定も嬉しいね!それと作中語られるネクロマンシーという謎の幽鬼の正体は、実はあの冥王サウロンだったりするのだ。

映画は冒険譚ということもあって次から次に危機が迫り、トロールやらオークやらゴブリンやらワーグやらの気色悪い種族、そして信じられないほどデカイ岩の巨人種族が現れてビルボとドワーフ一行の行く手を阻んでゆく。だからもう全編戦いに次ぐ戦いのアクションの連続で、この辺は非常にシンプルに楽しむ事が出来る。『LOTR』完結から早9年の歳月が経ったが、その間に進化したテクノロジーが圧倒的な特殊効果を可能にし映画のアクションを血沸き肉踊るものとして完成させているのだ。そしてその中でオーク族とドワーフ族との過去の血塗られた因縁が語られ、さらにかつて邪竜に襲われたドワーフ族を見捨てたエルフ族との確執なども描かれて、物語に奥行を与えてゆく。しかしそんな戦いの中でもビルボのどこかとぼけた明るさとユーモア、そしてドワーフ族たちの粗野だが陽気な喧しさはこの物語のもうひとつのトーンとなっている。なにしろこの映画のドワーフ族、髭ひげヒゲの髭連中だらけで、暑苦しいことこの上ないのだが、どこか憎めなくて楽しい連中だ。しかしただ一人、祖国復活の悲願とオークへの復讐を胸に秘めるドワーフの王トーリンの暗さが異彩を放ち、これもまた物語に陰影を加味しているのだ。

■ゴラム登場!

そしてなにしろ忘れてはいけないのが『LOTR』で最も重要な役柄だったゴラムの登場だろう。ゴラムとビルボの出会いは、すなわちゴラムの持つ"いとしいしと"=「全てを統べる一つの指輪」がどのようにしてビルボの手に渡ったかが描かれ、この映画のハイライト中のハイライトと言えるだろう。そして今回のゴラム、特殊効果テクノロジーの進歩のせいか、『LOTR』以上に表情豊かで、細部に渡って表現力が増しており、変な言い方だが愛らしさまで感じるではないか!あともう一つ付け加えるなら、『LOTR』以前ということもあって、歯の数が多いのを発見するのも映画を楽しむポイントのひとつだ!様々な亜人種種族が入り乱れる映画『ホビット』の中でも、このゴラムの造形に相当の力が注ぎ込まれていることは映画を観れば明らかだろう。ゴラム・ファンはもう狂喜乱舞するに違いないこと請け合いだ。

その他にも、『LOTR』であれだけ膨大なロケーションを使用したニュージーランドで、まだこれだけ見せらる場所が存在していたのか!と思わせる自然の風景の素晴らしさとか、サウロン以前ということで『LOTR』の暗さとはまた違ったパステル・トーンで描かれる中つ国描写が美しかったりとか、従来の秒間24コマのフィルムを凌ぐ秒間48コマのHFR(ハイ・フレーム・レート)フォーマットでの上映とか、魔法使いの一人として登場するラダガスト率いる大ウサギ橇の活躍が大いに楽しかったりとか、そのラダガストの友人?ハリネズミ、セバスチャンのヒクヒク具合が実に愛らしかったりとか、書いていけばきりがないほど『ホビット 思いがけない冒険』は魅力に溢れた映画として完成している。とはいえ、この作品は3部作のまだ第1部。『LOTR』がその章を経る毎にその凄まじさをどんどんと増していった事を考えると、実はまだまだ序の口ということが考えられるのだ!そして、原作から考えると、この物語の後半には恐るべき戦いが控えているわけで、それがどう料理されているのかを想像するだけで、ああ、もう第2部第3部が待ち遠しくてしょうがない!完結は再来年だと!?観るまで死ねないぞ!?

トールキンとファンタジー物語

それにしても、こうして映像化されてみるとトールキンの原作というものがいかにヨーロッパの脈々と続く歴史の中における様々な民族・部族の興隆と衝突、その戦いに彩られた歴史性をもとにして描かれたものであるのかを歴然と知ることになるとは思わなかった。原作を読んでいた時はまるで気が付かなかったが、「古代栄華を誇っていたある民族がその土地を追われ長きにわたる流浪の歴史を経た後に国家再建の悲願を胸に再び戦いの旅に出る」だなんて、もはやあの民族以外考えられないではないか。しかしトールキンの物語はそれをモチーフとして使いつつもあくまでアレゴリーとして止め、決して現実の何がしかの国家や政治状況を持ち込むことを注意深く避けてファンタジーという「空想物語」に落とし込むことを成し遂げている。そういえば「指輪物語」にしろ、トールキンはその中に彼自身の戦争体験が反映されているのではないかという指摘をやんわりと否定していることからわかるように、彼にとって物語世界を構築する作業において、そこに現実世界のあからさまな在り様を持ち込むことは「空想物語」である物語世界への不遜で無礼な行為であるという信条があるのだろう。そういったトールキンらしいアレゴリーの在り方がわかるといった部分でこの「ホビット」は別の意味で面白かった。

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ホビットの冒険〈上〉 (岩波少年文庫)

ホビットの冒険〈上〉 (岩波少年文庫)

ホビットの冒険〈下〉 (岩波少年文庫)

ホビットの冒険〈下〉 (岩波少年文庫)

ホビットの冒険 オリジナル版

ホビットの冒険 オリジナル版

ホビット〈上〉―ゆきてかえりし物語

ホビット〈上〉―ゆきてかえりし物語

ホビット〈下〉―ゆきてかえりし物語

ホビット〈下〉―ゆきてかえりし物語

20121214(Fri)

[]最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの 『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』『ジャックはしゃべれま1,000(せん)』『メリダとおそろしの森』『テルマエ・ロマエ』 最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの 『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』『ジャックはしゃべれま1,000(せん)』『メリダとおそろしの森』『テルマエ・ロマエ』を含むブックマーク 最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの 『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』『ジャックはしゃべれま1,000(せん)』『メリダとおそろしの森』『テルマエ・ロマエ』のブックマークコメント

ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン (監督:ポール・フェイグ 2011年アメリカ映画)

40歳の童貞男」「無ケーカクの命中男/ノックトアップ」のジャド・アパトーが製作したコメディ。仕事もダメ、男もダメのダメダメ尽くしな負け犬人生を送るヒロインが玉の輿に乗った親友の為にウェディング・プランをたてようとするのですが、そこにいけすかないセレブの女が現れ「あ〜らこっちのほうが豪華ですってよ」と主人公のプランにことごとく茶々を入れ、折角立てたプランも試してみたら失敗だらけ…というコメディ。テーマから女性向けのしゃらくさいドラマかと思ったらそこはジャド・アパトー、ゲロだのウンコだの下ネタが壮絶に乱れ飛ぶお下品なギャグが連発され、結構笑わせてくれるんですよね。ただ、負け犬人生転げ落ちちゃってるヒロインには最初同情できたし応援もしたくなったんですが、映画観ているとこのヒト、単に依怙地で強情っぱりなだけなんじゃないかと段々思えてきて、だからアナタ不幸になっちゃうんですよ、と苦言の一つも呈してあげたくなっちゃうんです。勿論こんないびつな部分をもって生きてしまうのは誰しもあることで、そういった部分を乗り越えていくことにドラマが生まれるんだとは思うんですが。あと金持ちのセレブが最初単にいけすかない女だったのが、段々そんな悪い奴じゃないってことをちゃんと描いているのは好感が持てたし、このセレブと主人公が段々と心を通わせるようになるところがよかったですね。

■ジャックはしゃべれま1,000(せん)(監督:ブライアン・ロビンス 2012年アメリカ映画)

ジャックはしゃべれま1,000(せん) [DVD]

ジャックはしゃべれま1,000(せん) [DVD]

エディ・マーフィ主演。口先だけで世間を渡る営業マン・ジャックの家の庭先に突然生えた木。この木の葉っぱ、ジャックが一言しゃべるごとに葉を落としてゆく。そこにスピリチュアル系の導師が現れ「葉っぱ全部落ちた時にあんたは死んじゃうね!」と言うではないか。呪いなのか祟りなのか罰なのか、困り果てたジャックは喋らない様に努力するが、世の中そうは問屋が卸さない。次第に裸になってゆく木を眺めながらジャックはすっかりうちひしがれ…というお話。アメリカじゃあ見事にコケたらしいけど、どうしてどうして、今時珍しい教訓話でありながら、笑わせるところはきちんと笑わせてくれました。ダウンタウンに「絶対に笑ってはいけないシリーズ」というのがありますが、これは「絶対に喋ってはいけない」お話で、にもかかわらずどうしても喋んなきゃならない事態が発生し、そこで主人公ジャックが泣きそうな顔でなんとか言葉を短く話そうと七転八倒するさまが何しろ可笑しい。特に「喋る人形」を大量に並べ、それぞれの人形の台詞でなんとか会話にしようと苦心する場面なんか腹抱えて笑ったなあ。意外と良作ですよ。

■メリダとおそろしの森 (監督:マーク・アンドリュース、ブレンダ・チャップマン 2012年アメリカ映画)

スコットランドの王女メリダが花嫁修業にうるさい母親に反発して森に住む魔女に母親の考えを変える魔法のケーキを作らせたところ、それを食べた母親が熊に変身してしまい大騒ぎ、というファンタジーです。しかし男勝りなばかりに古い習慣が気に入らない王女というのもわかりますが、跡継ぎである息子が3人もいるのにそっちをほっぽらかして娘の花嫁修行ばかりうるさく言う女王というのもおかしく感じましたし、「母親の考えを変える魔法」がなんで熊に姿をかえさせるのかもいまいちよく分かりません。ピクサー・アニメということで期待したんですが、なんだかお話に膨らみが無くて若干完成度が低く感じられました。これ、途中で監督の交代劇があったから、なんだかちぐはぐな内容になってしまったんじゃないでしょうかね。

■テルマエ・ロマエ (監督:武内英樹 、 武内英樹 2012年日本映画)

テルマエ・ロマエ Blu-ray通常盤

テルマエ・ロマエ Blu-ray通常盤

テルマエ・ロマエ 通常盤 [DVD]

テルマエ・ロマエ 通常盤 [DVD]

古代ローマの浴場技術士が現代の日本にタイムスリップして…という大ヒット漫画の映画化です。漫画のほうは1話完結でしたが、映画と言うことで日本人ヒロインを持ってきてきちんとお話にしている部分は漫画のほうのファンである自分にも特に違和感なく観る事が出来ました。というか結構上手く作ったじゃないですか。全体的にほんわかした雰囲気がとてもよく、楽しく観る事が出来ました。主演を演じる阿部寛さんもご苦労様としか言えない全裸演技でさすがでありました。

20121213(Thu)

[]最近聴いたエレクトロニック・ミュージック / TRANSMAT 4、Tim Hecker & Daniel Lopatin、Gerry Read、Daniel Avery 最近聴いたエレクトロニック・ミュージック  / TRANSMAT 4、Tim Hecker & Daniel Lopatin、Gerry Read、Daniel Averyを含むブックマーク 最近聴いたエレクトロニック・ミュージック  / TRANSMAT 4、Tim Hecker & Daniel Lopatin、Gerry Read、Daniel Averyのブックマークコメント

■MS00/BEYOND THE DANCE〜TRANSMAT 4

MS00/BEYOND THE DANCE~TRANSMAT 4

MS00/BEYOND THE DANCE~TRANSMAT 4

Derrick May主催、TRANSMATレーベルの10年振り、第4弾目のコンピレーション、2枚組。TRANSMATの歴史を振り返りつつさらにデトロイト・テクノ25周年も意識した傑作・名作目白押しのアルバム。Derrick Mayの未発表曲も収録。 《試聴》

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■Instrumental Tourist / Tim Hecker & Daniel Lopatin

Instrumental Tourist

Instrumental Tourist

それぞれがアンビエントな作品を作っていたTim HeckerとDaniel Lopatinのコラボによるドローン/アンビエント・アルバム。ゴシックな重々しさに満ちたダーク・サウンド。 《試聴》

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■Jummy / Gerry Read

Jummy

Jummy

粗削りながらも非常にアイディアに富んだ音作りを見せる若干19歳のテクノ/ベース・ミュージック・プロデューサー、Gerry Readのデビュー・アルバム。 《試聴》

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■FABRICLIVE 66: Daniel Avery

Fabriclive 66: Daniel Avery

Fabriclive 66: Daniel Avery

Fabricのライヴ・ミックスCDシリーズ第66弾はロンドンで活躍するDJ、Daniel Avery。Fabricらしいとっても分かりやすいフロア向けMix。 《試聴》

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20121212(Wed)

[] 最近読んだコミックなどなど  最近読んだコミックなどなどを含むブックマーク  最近読んだコミックなどなどのブックマークコメント

■できるかな ゴーゴー! / 西原理恵子

できるかなゴーゴー! (SPA COMICS)

できるかなゴーゴー! (SPA COMICS)

西原さんのなんでもやってみよう企画漫画多分5巻目。今回はバンド組もうぜ!とかやってみるが音楽的素養ゼロであることが発覚し例によって暗黒サイバラ発動、さらにギョニソ工場に行こう!山ガールになりたいからエベレストに行こう!など。画家・山口晃をからかおう!の企画ではほんのり芸術の話なんかして可愛げのあるところを見せるサイバラさんなのであった。しかし4コマ漫画を書いてくれた山口晃さんはホントにいい画家だなあ。後半はガーナに行って棺桶をつくってもらおう!という企画で、これがガーナの人々の生活ぶりが生き生きと描かれていいてよかった。あとあまったページに懐かしの4コマ「たぬきランド」収録。まだ続いてたんだこれ?

アオイホノオ(9) / 島本和彦

アオイホノオ (9) (少年サンデーコミックススペシャル)

アオイホノオ (9) (少年サンデーコミックススペシャル)

例によって一人でいつも怒涛の展開なホノオ君のセーシュン日記。投稿した漫画が採用か不採用か!?で手に汗握り、「銀河鉄道999」のアニメーターについて延々論を展開し、学校の課題に命を燃やすホノオ君なのであった。しかし女子にはなぜか怒涛にならない、なれないのがやはりこの年代のオタク少年には悲しい宿命なのであった。

■星を継ぐもの(4) / 星野宣之

星を継ぐもの 04 (ビッグコミックススペシャル)

星を継ぐもの 04 (ビッグコミックススペシャル)

月面で発見された死後5万年を経過した遺体…というミステリアスな導入部から神の如き科学力を持った異星人・破壊された惑星・生命進化・多種族の抗争へと大風呂敷を広げまくったSFコミックの完結篇。J・P・ホーガンの原作とは相当かけ離れてしまっている様なんですが原作は読んでいません。様々な物的証拠から太陽系と生命の隠された歴史をフィクショナブルに類推する前半は面白かったんですが変形羊顔の宇宙人の登場と進化したネアンデルタール人類による陰謀論へ話が進んでから荒唐無稽すぎて付いていけなくなってしまった…。あんまり強大な科学力を描いちゃうのもなんでもあり過ぎて少々白けました。残念。

■聖☆おにいさん(8) / 中村光

聖☆おにいさん(8) (モーニング KC)

聖☆おにいさん(8) (モーニング KC)

仏陀とキリストが東京のどこかでノホホンと共同生活するこのお話、そろそろネタ切れになってくるんじゃないのかなーとちょっと心配していたが、沖縄旅行に行かせたのは正解だったかも。またどこかに行かせてください。あとサブキャラ増やしてもっとテコ入れするのもあり。この漫画のサブキャラ意外と楽しいし。ただ主人公の二人がだんだんゲイ・カップルのように見えてきたのはなぜだろうか…。

■昨日何食べた?(7) / よしながふみ

きのう何食べた?(7) (モーニング KC)

きのう何食べた?(7) (モーニング KC)

で、こっちは本当のゲイ・カップルなわけだが、そもそもゲイの恋愛事情に興味がないのでドラマ・パートはいつものようにどうでもいいです。今回も美味そうな家庭料理とその作り方が説明してあって「おーこれ食いたい!」とかしょっちゅう思うのですが、どの料理も何気に手間がかかってるんですよねえ…。自分で作ることはなさそうだなあ。

暗殺教室(1) / 松井 優征

暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

暗殺教室 1 (ジャンプコミックス)

友人に勧められて滅多に手にしないジャンプコミックを手にしてしまった。異星人の先生を暗殺する命令を受けた落ちこぼれ教室、というシチュエーションなんですが、なんだか妙にほのぼのとした部分のあるコメディにもなっている、というテーマと内容のミスマッチが面白いですね。これからも登場人物増えそうだし結構楽しく読めそうです。

いとしのムーコ(1)(2) / みずしな孝之

いとしのムーコ(1) (イブニングKC)

いとしのムーコ(1) (イブニングKC)

いとしのムーコ(2) (イブニングKC)

いとしのムーコ(2) (イブニングKC)

ガラス工房のお兄ちゃんと犬のムーコとの毎日を描いたコミック。相方さんが読んでいたのをかっさらって読みました。みずしなさんの漫画はファミ通連載の「いい電」しか読んだ事がなかったんですが、この犬ちゃん漫画も面白いですね。自分はそれほど動物好きってわけでもないんですが、「あー犬ってこういうところある」とか思いつつ結構笑って読んじゃいました。

進撃の巨人(9) / 諫山創

進撃の巨人(9) (講談社コミックス)

進撃の巨人(9) (講談社コミックス)

9巻出てたんだあ、と思って読んでたらどうやら前の巻読んでないことに気付いたが全然問題なかった。要するに人間は追っかけまわされ食い殺され、最終的に説明する気があるのかどうか不明な新たな謎がどんどん追加され、引っ張るだけ引っ張って次回に続く、という。なんかこれ、あとは最終巻だけ読んどけば事足りるようなお話だな。

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20121211(Tue)

[]『ドライヴ』監督ニコラス・ウィンディング・レフンによるピカレスク・へんてこ映画『ブロンソン』 『ドライヴ』監督ニコラス・ウィンディング・レフンによるピカレスク・へんてこ映画『ブロンソン』を含むブックマーク 『ドライヴ』監督ニコラス・ウィンディング・レフンによるピカレスク・へんてこ映画『ブロンソン』のブックマークコメント

■ブロンソン (監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 2008年イギリス映画)

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『ドライヴ』の監督ニコラス・ウィンディング・レフンが2008年に実在の犯罪者をモデルに制作した"悪党映画"である。しかしレフン監督だけにこの映画、なんか「変」なのである。

"ブロンソン"とはイギリスで最も有名な服役囚マイケル・ゴードン・ピーターソンの通り名で、これは映画俳優チャールズ・ブロンソンにちなんでつけられたのだという。ブロンソン=マイケルは犯した犯罪こそチンケなものなんだが、刑務所での素行があんまりにも酷く、34年の刑務所生活のうち30年を独房で過ごしているのだ。その行動はもはや【狂犬】と言ってよく、看守を殴る蹴るは当たり前、返り討ちに遭って血塗れの姿で独房に入れられても出たら出たでまたもやケロッとした顔で暴力を振るい続ける、保釈になってもすぐさま犯罪を犯し刑務所に逆戻り、そしてまた暴力を繰り返すトリコ仕掛けの毎日、という社会不適応者の鑑みたいな男なのだ。

こういった犯罪者の実録ドラマを撮ろうとすると殺伐とした暗い物語になりそうなものなのだが、しかしそこは『ドライヴ』のレフン監督、バイオレンス・テイストは確かに存在しつつも全体的な雰囲気はなんだか「変」なのである。まず物語はブロンソンが舞台に立って自らの半生を観客に語って聞かせる、といった進行になっていて、既にここから変だ。ここでのブロンソンは小芝居を交えながら茶目っ気たっぷりに話を進めるのだが、すっかり目が座っていてアブナイやつであることは変わりない。そしてブロンソンの暴力に明け暮れる刑務所生活が描かれてゆくわけだが、ここに派手なオーケストラと90年代風エレ・ポップが絡んでゆき(ニュー・オーダーペット・ショップ・ボーイズが流れる)、さらに『ドライヴ』でも顕著だったデヴィッド・リンチを彷彿させるような奇妙な色彩のライティング、そしてどこか非日常感の漂うセットやシチュエーションが次第に物語を覆ってゆくのである。「イギリスで最も危険な服役囚」のお話だと思って観ていたら、いつの間にか赤いベルベットのカーテンが下りる訳の分からない異次元空間に放り込まれる、といった感じなのだ。

特に後半の芸術に目覚めるブロンソンの奇行ぶりは狂いまくっていてなおさら訳が分からない。根本敬に師事したかと思えるような気持ち悪いヘタウマ絵画を描きながら、全裸になって白塗りならぬ黒塗りにし、フルチン姿で暴れまわり、「オレにとって芸術とは!?」なんて喚きまわるのである。いったいなんなんだコイツは。そしてこのブロンソンを演じるのが『バットマン:ダークナイト・ライジング』でベインを演じたトム・ハーディ。ベインで変なマスク付けて暴れていたと思っていたらこっちでは黒塗りのフルチン姿である。役者魂炸裂である。威圧感たっぷりのダミ声は一緒なので、観ていて時々「ベインがフルチンで暴れている」という錯覚にとらわれるほどである。『ダークナイト・ライジング』ファンは必見である。

ニコラス・ウィンディング・レフン監督の映画作品は、『ドライヴ』もそうだったけど、「面白かったんだけど何がどう面白かったのか説明が難しい」変なセンスに溢れている。酷評したが、監督の『ヴァルハラ・ライジング』も、実際変な映画だった。そしてこのレフン監督の変な面白さ、奇妙な魅力を的確に表現できる言葉がオレには見つからない。あえて言うなら、作る作品の、または監督としての制作態度の、どこかが過剰でどこかが欠落していて、しかし出来上がった作品のバランスの在り方は普通では考えられない場所を支点にして保たれている、そういった部分なのだろうか。

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ブロンソン [DVD]

ブロンソン [DVD]

ドライヴ [Blu-ray]

ドライヴ [Blu-ray]

kk 2012/12/17 23:41 キャリーマリガンたんについてのコメントは無しですか?DVDちょうど借りたので見てみますね。

globalheadglobalhead 2012/12/18 00:25 おおkちゃんお元気でありましたか。『ドライヴ』の話ですな。
そういえばレビューのほうでは書き洩らしてしまったがキャリーマリガンたんおっとり顔のショートヘアで見事に可愛かったですなあ!
映画自体も面白かったですがマリガンたんの可愛さもあの映画の魅力の一つでありましたね。
自分なんてDVD借りて観た後気に入っちゃってBlu-ray買っちゃったぐらいでしたよ。

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20121210(Mon)

[]幻想都市のペダンチズム――『闇の国々II』 幻想都市のペダンチズム――『闇の国々II』を含むブックマーク 幻想都市のペダンチズム――『闇の国々II』のブックマークコメント

■闇の国々II / ブノワ・ペータース、フランソワ・スクイテン

闇の国々II (ShoPro Books)

この世界の裏側にあるもう一つの都市群。その謎に満ちた歴史と威圧的にそそり立つ建造物の山々、そして都市そのものに翻弄される人々を幻想的に描く傑作BD『闇の国々』の2巻が発売された。ブノワ・ペータースによるミステリアスなストーリー、フランソワ・スクイテンの手による緻密かつ巨大なスケール感を感じさせる鬼気迫るグラフィック、もはやBD界の一級品と呼んでいい作品集だが、この2巻ではその魅力をさらに増したものとなっている。まずなんといっても殆どの作品がカラーだというのが嬉しい。1巻目の重々しいモノクロのグラフィックも雰囲気があったが、やはりカラーの持つ美しさには捨てがたいものがある。そしてカラーである分、より一層幻想味が増し、さらに1巻目よりも縦横な軽やかを持つ作品が多く感じた。

それではざっと作品を紹介。

「サマリスの壁」は訪れた者が二度と帰ってこない都市サマリスの調査を命じられた男のその街で知った恐るべき事実を描かれる。交通機関を換えながら幾日もかけなければ辿り着かないサマリスの街は時空さえ超越しているようにすら感じ、迷宮化してゆく都市の不気味さと白日夢のような物語はどこかボルヘスを思わせるものがある。

「パーリの秘密」は未完の連作短編。パーリの町の裏側に張り巡らされた秘密の通路を追われる男の物語と原因不明の頭痛に悩まされる男が地面の下から掘り出した異様な物体の謎を描く。これも「サマリスの壁」同様、あたかも臓物のごとき都市のもうひとつの隠された姿を露わにしてゆく。

「ブリュゼル」は混乱を極める都市開発により次第に崩壊してゆく都市ブリュゼルを舞台に、紛糾する官僚主義に巻き込まれた一人の男が出会う様々なドタバタを描く連作短編。冒頭には「ブリュッセルからブリュゼルへ」というタイトルの短文が添えられているが、これは現実のブリュッセルの歴史を紐解きながら、この街がどれほど混乱した都市計画によって作られたものであるかを浮き彫りにしたテキストで、「ブリュゼル」の元ネタとして作品理解に繋がる物であるのと同時にひとつの都市論として十分興味深い。さて本編だが、『闇の国々』第1巻の重々しい筆致に比べ、この「ブリュゼル」においてはナンセンス極まりない軽妙なテンポで物語が進んでゆき、『闇の国々』の物語の魅力をなお一層広げるものとして非常に楽しめた。都市計画を巡り幾多の人々が自らの主義主張を優先させ、それにより都市は次第に複雑怪奇な迷宮へと化してゆく。ここでは都市はあたかも生物のように増殖し一つの生態系のように重層的に折り重なりあいそして過剰となったそれはあたかも癌細胞に侵されたかのように死滅してゆく。その生物の如き都市を成立させたのは都市を巡る混乱した言辞であり都市を成立させるためのいびつな観念でありそのペダンチズムであるのだ。「ブリュゼル」はその妄念の集積が、最終的に都市を死に追いやる結果となることをアイロニカルに表現している。

「古文書館」はこの世界の裏に隠されたもうひとつの世界の存在を裏付ける古文書を発見した男が、その「闇の国々」に次第に魅せられてゆく様子を描く。この「古文書館」は見開きの1ページ目に男の語りを、2ページ目を男が目にした「闇の国々」を描く1枚絵が載せられたいわゆる絵物語の体裁となっているのだが、このカラーの一枚絵というのが非常に完成度の高い美しい作品で、幻想的かつミステリアスな「闇の国々」の世界の一端を垣間見せている。

この『闇の国々II』はカラーになったことで"読む画集"と言ってもいいほどの圧倒的なクオリティとボリュームを誇っており、ページを繰るごとに目を奪う溜息の出るほど美しいグラフィックの数々を眺めるのはもはや快楽と言ってもいいだろう。

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20121207(Fri)

[]アルカイダに死を!『シン・シティ』『300』のフランク・ミラーが世に問う9.11報復コミック『ホーリー・テラー』! アルカイダに死を!『シン・シティ』『300』のフランク・ミラーが世に問う9.11報復コミック『ホーリー・テラー』!を含むブックマーク アルカイダに死を!『シン・シティ』『300』のフランク・ミラーが世に問う9.11報復コミック『ホーリー・テラー』!のブックマークコメント

■ホーリー・テラー / フランク・ミラー

ホーリー・テラー

9.11同時多発テロに挑むスーパーヒーロー、フィクサー! フランク・ミラー渾身の最新作にして問題作、ついに邦訳! 大都会エンパイアシティの守護者たるクライムファイター、フィクサー。 今日も犯罪を追う彼だったが、突然に、何の前触れもなくエンパイアシティが爆発の炎に包まれる。それは、イスラムの過激派がしかけたテロだった。幾多の犯罪と戦ってきた彼は、テロの嵐にいかに立ち向かうのか……。現代アメリカンコミックスを代表するクリエイター、フランク・ミラーが, 2001年9月11日の同時多発テロへの返答として発表した問題作が、ついに日本上陸!

憤怒。激情。『シン・シティ』『300』『バットマン:ダークナイト・リターンズ』など様々な問題作を世に送り出したフランク・ミラーの描く『ホーリー・テラー』は恐るべき怒りに満ち溢れたヒーロー・コミックだ。舞台は大都市・エンパイア。雨の夜。闇。ビルの狭間を猫族のように軽やかに舞う一人の女盗賊。それを追う屈強な体躯をしたマスクの男。彼の名はフィクサー。彼は雷の如く女盗賊に飛びかかり彼女を捕える。そのとき、巨大な爆発音が続けざまに響き、それは爆炎をまき散らしながら街を瓦礫の山と変えていった。何が起こったのか?なにがあったのか?女盗賊とフィクサーは、それがアルカイダによる同時多発テロだということを知る。怒りに燃えるフィクサーは、女盗賊を従え、アルカイダとの全面戦争を開始することを誓う。

お分かりのように、これは9.11アメリカ同時多発テロを題材にしたヒーローコミックだ。それだけではない。この物語は、もともと、『ホーリー・テラー、バットマン!』というタイトルでコミック化されることを予定していた。同時多発テロの惨状に衝撃を受けたフランク・ミラーは、アメコミ・ヒーロー、バットマンを主人公としたアルカイダへの報復ドラマを製作しようとしていたのだ。しかし出版社側の判断でバットマンの登用は外され、代わりに、バットマンキャットウーマン、そしてゴードン市警本部長そっくりの登場人物が活躍する、いわば「まがいバットマン・ストーリー」として本作は描かれたのである。だからこの物語にバットマンキャットウーマンも登場はしないけれども、読んでいてすぐそれと分かるばかりか、こういった背景を念頭に置いて読むなら、目の前で活躍するヒーローはバットマンでありキャットウーマンであると幾らでも脳内翻訳して読めてしまうのだ。

そしてその内容はといえば、異様なまでに生々しい感情の溢れる、糾弾と復讐の物語として完成しているのだ。その感情は、同時テロを巻き起こしたアルカイダへの怒りであり、憎しみであり、そしてテロ被害者への、悲痛なまでの哀悼の思いなのだ。しかしこの物語の異様さは、これらの感情を、非常に直接的に、何一つ臆することなく、オブラートで包むことなく描いてしまっている、という部分にある。通常、表現者という者はこういった感情をなにがしか別の形に昇華するなり対象化するなりして、ワンクッション置いてフィクションを構築するのだろうが、この『ホーリー・テラー』では「にっくきアルカイダ兵士を皆殺しにせよ!」とばかり殺戮と復讐の快感に酔いしれる主人公=作者が存在するのみなのだ。その表現の在り方が正しいとか間違っているかとかいう以前に、あえてこのシナリオで押し切ってしまった部分に、アーチスト、フランク・ミラー表現者としてのデーモンが垣間見える気がする。

そしてこのような激情によって描かれたグラフィックは時として荒れ、描線は歪み、場合によっては何が描かれているのかすら判別がつかないことすらある。冒頭から中盤までは殴りつけるように降りしきる豪雨をあらわす大量の描線が、そのまま荒れ狂う作者の心情そのものを描いているような気にさえさせる。その荒々しい描線で描かれたグラフィックは決して見やすいものではない。だが多数の死傷者の肖像を一つ一つ描き、その肖像があるコマから連綿と続く空白へと変わる中盤では、鎮魂への願いが詩情となって表現され、フランク・ミラーの強烈な力量を感じさせるだろう。絵柄的には万人向けではないし、イデオロギー的に偏向しているという非難の仕方もあるかもしれないけれども、一人の優れたアーチストが怒りの赴くままに一つの作品を描きあげるというのはどういうことなのか、それを目撃するという意味で非常に重要な作品であることは間違いない。

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ホーリー・テラー

ホーリー・テラー

300(スリーハンドレッド) (Shopro world comics)

300(スリーハンドレッド) (Shopro world comics)

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20121206(Thu)

[]過酷な格差社会に生きる少年と少女の出会いを描いたSF小説『シップブレイカ−』 過酷な格差社会に生きる少年と少女の出会いを描いたSF小説『シップブレイカ−』を含むブックマーク 過酷な格差社会に生きる少年と少女の出会いを描いたSF小説『シップブレイカ−』のブックマークコメント

■シップブレイカー / パオロ・バチガルピ

シップブレイカー (ハヤカワ文庫SF)

石油資源が枯渇し、経済社会体制が激変、地球温暖化により気候変動が深刻化した近未来アメリカ。少年ネイラーは廃船から貴重な金属を回収するシップブレイカーとして日々の糧を得ていた。ある日ネイラーは、超弩級のハリケーンに蹂躙された後のビーチに、高速船が打ち上げられているのを発見する。船内には美しい黒髪と黒い目をした少女が横たわっていた……。『ねじまき少女』でSF界の頂点に立った新鋭が描く冒険SF。

地球環境悪化とテクノロジーの暴走により異様なパラダイム・シフトを遂げた近未来を描く『ねじまき少女』の作者、パオロ・バチガルピの第2長編である。物語の舞台は石油資源の枯渇、温暖化による水位上昇により壊滅的な打撃を受けたアメリカ。主人公は廃船から金属資源を回収して日銭を稼ぐ最下層民の少年ネイラー。超大型のハリケーンがコロニーを襲った翌朝、ネイラーは富裕層の高速船が浜辺に大破して打ち上げられているのを発見し、ただ一人生き残っていた美しい少女ニタを救い出す。しかしネイラーのコロニーは人身売買や臓器売買をなんとも思わない非道な集団が牛耳っており、さらにニタから彼女の財閥内で謀反を企てた集団に命を狙われていることを聞かされ、ネイラーはニタを守るためコロニーを抜け出すことを決意する。そしてネイラーとニタは遺伝子改良された半人のトゥールとともに水没都市オーリンズを目指すが、そこには既に追手が迫っていた…というもの。

最初に書くとこの物語はヤング・アダルト向けに書かれた作品で、それなりに暗さはあるものの『ねじまき少女』にあるようなドロリとした陰鬱さや陰惨さはあまり目立たず、どちらかというとライトな作風の物語として出来上がっている。お話は基本的に言えばボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーであり、様々な苦難を乗り越えて少年が少女を守り抜く、といったどこか宮崎駿アニメを思わせるような展開となっている。しかしそこはさすがにバチガルピ、少年が暮らしていたコロニーの貧困にあえぐ生活のありさまや、その中で荒みきった心を持ち暴力を振るう大人たちの存在を描き、さらに彼らを搾取する富裕層との格差社会をまざまざと浮き彫りにしている。ヤング・アダルト作品とはいえ、バチガルビの生み出す世界はやはり救いの無いどん詰まり感に満ちた過酷な世界で、そこに生きる人々は常に窮乏の只中にあり、そしてそこを抜け出そうとあえぐのだ。

主人公ネイラーが助けようとする少女ニタも絵に描いたような清純明朗なヒロインというわけではない。ネイラーに感謝しつつも心から信用するわけではなく、富裕層なりの慇懃な態度は意識せずとも自然に出てしまう。そんなニタとネイラーが対立することさえある。正直読んでいて、この二人が結ばれてハッピーエンドなんてないんじゃないのか?と思うほど、生きる世界の違う二人は噛み合わない。ただ、やはりヤング・アダルト作品だな、と思わせるのは、そんな二人が、それでも生き残るために協力しあい、相手を信頼することを誓い、様々な困難に打ち勝とうと努力することだろう。やはり基本は希望であり、明日を生き抜くことなのだ。しかし考えてみれば『ねじまき少女』でさえ、その根底にあったのは絶望的な世界でそれでも生き抜こうとする人々の姿だった。瀕死の未来でどんな汚い手を使っても「取りあえず命のあったもんの勝ち」みたいなバイタリティが存在する世界だった。『シップブレイカー』はそんなバチガルピ小説の上澄みだけをすくったライトな小説ではあるが、新しいテクノロジーと激変した環境が生み出す搾取層と貧困層の格差社会というテーマへの追及はやはり変わっておらず、そしてまたそんな中で生きる貧困層への共感は同じように存在するのだ。

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 上 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)

ねじまき少女 下 (ハヤカワ文庫SF)

OsamoonOOsamoonO 2012/12/07 00:35 面白かったです。「ねじまき少女」は「第六ポンプ」を読んでからの方が面白味を味わえたと思いますが、「シップブレイカー」はジュブナイルとのことで取っ付きやすく楽しめました。

globalheadglobalhead 2012/12/07 11:35 OsamoonOさんも読まれましたか。「ねじまき少女」を読んで自分もすっかりバチガルピの大ファンです。しかし実は今までずっとバチガル"ピ"の事をバチガル"ビ"だと思ってて、日記のほうもずっとそっちで書いてましたよ!さっきこっそり直しましたけどね!それにしてもバチガルピってばちかぶりとか上カルビとかに似てますよね。…似てないか…。

20121205(Wed)

[]超能力を持ってしまった若者たちの友情と破滅の物語〜映画『クロニクル(Chronicle)』 超能力を持ってしまった若者たちの友情と破滅の物語〜映画『クロニクル(Chronicle)』を含むブックマーク 超能力を持ってしまった若者たちの友情と破滅の物語〜映画『クロニクル(Chronicle)』のブックマークコメント

■クロニクル(Chronicle)(監督:ジョシュ・トランク 2012年アメリカ映画)

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  • あることがきっかけで超能力を手に入れた3人の高校生。最初は面白がり悪戯に使って遊ぶ彼らでしたが、次第に強力になってゆくその力はどんどん危険なものと化してゆき、やがて3人は…という物語をP.O.V.視点で描いた日本未公開SFムービーです。
  • 主人公はイケてない学校生活と破綻した家庭生活の狭間で鬱屈した日々を送るアンドリュー、そしてそんなアンドリューを励まそうと何かと世話を焼く従兄マット、そんな二人と何故か意気投合した学校の人気者スティーヴ。彼らはある日森の中の空き地に突然現れた穴を発見し、好奇心からその穴の奥への探検を決行する。そしてそこで見つけた不気味に輝く"何か"に触れてしまった3人は、念じるだけで物を動かしたり、自らを空に飛ばすことができるといった、超常能力を身に着けてしまったことを知る。意気揚々と超能力で遊ぶ3人の高校生。しかし、その力で父を傷つけてしまったアンドリューは塞ぎがちになり、その超能力を凶暴な方向へと暴走させ始める…。
  • 超能力を持った若者たちの青春を描いた映画といえば、最近では例えば『ジャンパー』や『アイアム・ナンバー4』などが挙げられますが、これらが"超能力者vsそれを狩る者"との戦いの物語といった、ある種のアクション映画として成立していたのと比べ、この『クロニクル』は、強大過ぎる自らの能力に苦悩し押しつぶされ、最後に破滅してゆくという、悲劇の物語として語られているといった点で、クローネンバーグの『デッド・ゾーン』により近い感触を持った作品として完成しているんです。
  • そしてまた、P.O.V.視点の導入は、この物語の主人公たちの行動と心情を、異様なほどに生々しく、より臨場感たっぷりに画面に焼き付け、P.O.V.視点の傑作ディザスター・ムービー『クローバー・フィールド』と同じく、このスタイルの非常に成功した例として評価することができるでしょう。
  • 自らの思ったままに自由に物体を動かし、そして空を縦横無尽に飛び交い、さらにはその強大なパワーであらゆるものを破壊し、あたかも神の如く全ての上に君臨する。こういった全能感、高揚感を、主人公たちと共に共有し、その能力の恐ろしさを、主人公たちと共に感じる。『クロニクル』が成功しているのは、そういった主人公との一体感、ヴァーチャルな共有感を、映画を観る側がダイレクトに手に入れることができる、そういった部分があるからなんですね。
  • そしてもう一つ、この物語で特筆すべきなのは、"ホモ・ソーシャル"と表現していいほどの、主人公たち高校生3人の、濃密で親密な関係性でしょう。
  • "超能力"という秘密を共有した3人は、その秘密ゆえに、まるで恋人同士でもあるかのような、強烈な親密性の輪の中にお互いの身を寄せ合います。その友情のありかたは、その愛の強さゆえに、容易く憎しみへと変わってしまうのです。そしてこの強烈な親密性それ自体が、P.O.V.視点の導入があることで、またしても観るものに、自らもまたその輪の中にいるかのような錯覚を覚えさせるのです。
  • 高揚感と恐怖に満ちた超能力の描写、その能力を持った者同士の強力な親密性、これら、ビジュアルと内面性の両方で、P.O.V.視点が恐るべき表現力と説得力を発揮しているといった点で、映画『クロニクル』は稀有な完成度を誇る映画として観ることができるのです。傑作です。
  • 超能力というテーマを選んだことについて、この映画の監督ジョシュ・トランクは大友克洋の『アキラ』『童夢』の影響を言及していますが、自分はむしろスティーブン・キングの諸作品、特に『トミー・ノッカーズ』あたりの感触に近いものを感じました。たぶんそれは、この映画に存在する"絶望"と"破滅"の臭いからなのだと思うんです。
  • なお、この映画は日本未公開でありさらにソフトの日本語版発売はまだありませんが、輸入版Blu-ray、DVDで観る事が出来ます。自分は輸入盤Blu-rayを購入しましたが、これが日本語メニュー、日本語字幕、日本語吹き替え、がきちんと揃っており、英語が苦手な方でも視聴には一切支障がありません。値段も安かったしね。興味を持たれた方は是非購入されるといいでしょう。
  • そしてこの映画の存在はカトキチ君の運営するブログ『くりごはんが嫌い』のエントリ「POVが持つ弱点を克服した大傑作!『Chronicle』」 で知る事が出来ました。こちらのブログも併せてご覧になってくださいね。

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Amazon U.K. Chronicle: Extended Edition (Blu-ray + Digital Copy) Region Free

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20121204(Tue)

[]今度は近未来戦だ!〜ゲーム『コール オブ デューティ ブラックオプス II』 今度は近未来戦だ!〜ゲーム『コール オブ デューティ ブラックオプス II』を含むブックマーク 今度は近未来戦だ!〜ゲーム『コール オブ デューティ ブラックオプス II』のブックマークコメント

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年末FPSゲーム発売ラッシュ、トリを務めるのは『コール オブ デューティ ブラックオプス II(CoD BO2)』でございます。『コール オブ デューティ(CoD)』というのは多分今世界一売れているであろうFPSゲームシリーズでありましょうが、こんだけ売れてるとなんだかやっかみのひとつも言ってやりたくなりますな。いや面白く出来てるんだけどね!『CoD BO』は『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア』と並び『CoD』シリーズの多角経営タイトルの一つでありまして、儲ける気満々なのがうかがえますなあ。さてこの『CoD BO2』は前作の直接的続編となるらしいです。"らしい"とか書いているのは基本的に自分、FPSのストーリーってまともに理解する気がないからです。ドンパチやってりゃあいいんです、ええ、ええ。まあストーリーよく分かってないなりに申しますと、今回の『CoD BO2』は1985年と2025年の2つの時代が交互に描かれてゆくんですね。1985年のパートはあるテロリストがなぜこのような暴れん坊将軍になってしまったかが描かれ、2025年のパートではこのテロリストがどんなテロ起こして世界を大騒ぎさせてゆくかが描かれてゆくんですね。

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面白いのはこの2025年のパートで、2025年っていうぐらいですから12年ぐらい先の近未来です。今頃になってさすがにちょっと資料読みましたが米国と中国は冷戦状態にあるらしいです。で、近未来ですから架空の軍事兵器、装備が登場するんですよ。架空といってもそこは『CoD』、どこぞの軍事顧問があれこれ予想した、将来的にありうる兵器や装備が描かれているんですね。オスプレイのさらに進化したような垂直離着陸輸送機や火器搭載歩行型マシンやドローンと呼ばれる無人飛行兵器、光学迷彩なんかが出てくるんですが、SFっぽい荒唐無稽さは無いんですよ。そしてプレイヤーが持つ銃にしても電磁共鳴式だかなんだかで壁の裏に隠れた敵を透視し一目瞭然に発見できるスコープが付いていたり、弾数が非常に多いアサルトライフルなんかがあって面白いんですね。実のところ架空武器の登場する近未来戦をテーマにしたFPSは他にも先行して発売されているんですが、見せ方や使用感はくやしいけどやっぱり『CoD BO2』のほうが一枚上なんですねー。

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キャンペーン・モ−ドの戦闘や演出は相変わらずせかせかしていて忙しく、敵の量も多く弾幕も厚いので息つく暇がないです。なんか早回しの映像の中にいるような慌ただしさなんですね。そんな高速回転しているようなステージばかりなのでもう次から次に撃ち殺しまくっているっていう感じです。初っ端のアフリカステージなんてマチェーテもってわわあ言いながら蟻んこのように湧いて出る敵兵を次々に倒してゆかなければならないんですが、考えなしの民兵が大平原を突っ込んでくるばかりなんで戦っているというよりも大虐殺しているみたいで、プレイしていて危ない快感にとらわれます。あと敵テロリスト親玉になって特攻するステージもあるんですけれども、頭に血が上って無敵&無双状態ってな設定で、これがもう狂いまくって周り中ぶっ殺しまわっていて大変楽しゅうございました。

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それと今作の新機軸はRTSみたいなステージですね。複数のユニットに指令与えながら時間内にマップ守ったり攻略したりしなければならないんですが、最初いきなりこんなステージが現れた時はRTS苦手なもんですから慄きましたけれども、操作方法よくわかってないなりに俯瞰モードでやってみると、これはこれで楽しかったですね。シナリオ中の選択によって変わってゆくマルチエンディングもとっているらしく、単なるFPSじゃあ終わらせないっていうやる気満々なんですよ。いやーなんだかんだ言いましたが悔しいですがやっぱり『CoD BO2』がこの年末FPSリリースラッシュの中で一番面白いしよく出来ていましたね。

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wataruwataru 2012/12/04 23:15 このゲームって「ゾンビモード」がありますよね?凄く気になってて買おうかどうか迷っております。以前このシリーズの体験版をプレイしたことがあって、映画的な演出にドキドキした覚えがあるもので.....

globalheadglobalhead 2012/12/05 00:53 ゾンビモードありますよ!これはソロでやるよりもネットやローカルで人数集めてやるほうが楽しいでしょうね。
実は自分、オンラインやらないもんですからあんまりこっちは遊んでないんですが。
キャンペーンのほうも記事で書いた通り充実していますのでプレイしてみてはいかがでしょう。
購入の際は字幕版と吹き替え版の2種類出ているのでお好みで選ばれたらよいかと。

20121203(Mon)

[]『007 スカイフォール』は007版『ダークナイト』だった! 『007 スカイフォール』は007版『ダークナイト』だった!を含むブックマーク 『007 スカイフォール』は007版『ダークナイト』だった!のブックマークコメント

■007 スカイフォール (監督:サム・メンデス 2012年イギリス・アメリカ映画)

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ダニエル・クレイグ主演の007リブート・シリーズ第3弾『007 スカイフォール』を観てきました。いやあ「スカイフォール」ってなんのことかと思ったら、今回の007、ボンドとMが空から落ちてきた使徒を食い止めるっていう話だったんですね!…というのは冗談ですが、実は内容は意外と間違っていません。今回のお話の中心となるのはMI6の局長であるMなんですね。

物語はNATO工作員の情報が入ったハードディスクが謎の組織に奪われるという事件から始まります。オープニングではそのハードディスクを巡りボンドと敵との熾烈な追跡劇が描かれますが、もうここだけで映画1本分のアクションが詰まっていて見所満載です。しかし作戦遂行のためにMから命をないがしろにされ、ボンドは暫く死んだことにされたまま身を隠してふてくされています。ふてくされていてもちゃんと美女とコトはおこなっていたりするマメなボンドです。

奪われたハードディスクのせいでNATO職員の粛清が始まり、MI6のビルまでもがテロに遭って大騒ぎ。Mは政府に責任追及されててんやわんや、こりゃやっぱオレの出番だ、とばかりふてくされていたボンドはMI6にやっと顔を出しますが、復帰試験を受けた所結構グダグダ、落第すれすれで復職します。で、あれやこれやがあってハードディスクを奪った犯人というのがかつてスパイとしてMI6に務め、しかし任務の最中Mに切り捨てられた男・シルヴァが、Mを逆恨みして復讐を誓い、数々の事件を起こしていた、というのがわかってきます。そしてシルヴァはMの命を狙ってMI6のあるロンドンへと潜入し、ボンドがそれを迎え撃つが…というものなんですね。

う〜ん、はっきり言ってこれ、【内輪もめ】の話じゃないですか!

とはいえ、これまでの007リブート・シリーズの中では格段に面白く作ってあります。実はオレ、このリブート版、ちょっと下火になっていた007モノを盛り上げていたとは思うけど、でもそれほど面白かった、というわけでもないんですよ。007というのが絵空事のスパイ・アクションとして面白く見られたのは欧米の政治的立場がまだ真っ当なものと思われていた時代までで、その後シリーズが迷走を見せるのは、世界の政局が何が正しくて何が間違ってるのか、白黒はっきり分かち難くなってきている、という背景があったからなんですよね。で、英国諜報部員でしかないボンドがスーパーヒーローみたいに世界を救う、みたいなこれまでのお話を一回チャラにして「女王陛下の007」としてリブートしたのがこの新シリーズなんですが、リアルな世界情勢に合わせた分、今度は以前のような奇想天外さや色気が無くなってしまってるんですよね。

結局007ってなんだったのか、というと、ざっくり言って「飲む・打つ・買う」をインターナショナルに展開する男の夢を実現したもんじゃないですか。まあボンドはモテモテですから「買う」必要はないんですが、要するに「いい酒飲んで博打も巧くていつもいい女抱いてさらに熾烈な仕事もスイスイやり遂げる」っていう、下世話にいうと昔の深夜番組にあった「11PM」の世界を地で行っているようなマチズモの権化であったわけですよ。しかし昨今ではそういうマチズモっていうのは『エクスペンダブルズ』みたいな自嘲とセルフパロディでしか生き残っていけなくて、まともにやっちゃうと失笑を買う、そういった部分で007を昔みたいにやるのは難しくなってきた。

で、今回のリブート版ということなんですけど、しかし出てくる敵っていうのはマネーロンダリングや天然資源の利権獲得にあくせくするようなリアルではあるけどなんだかセコイ連中でしかなくなってしまった。そういった部分で007映画の奇想天外さというのは無くなってしまって、逆にそれは『ミッション・インポッシブル』あたりにお株を奪われる形になってしまった、ということなんですよね。そんな訳でこれまでのリブート版007ってあんまり高く評価してなったりするんですよね。そんな中今回の『スカイフォール』、内輪もめの話とはいえ、政治的にどうとかいう背景が存在せず敵味方がはっきりしている、動機が私怨ということで分かりやすい、さらにその敵というのがこれまでで一番個性豊かで敵としての貫録がある、といった所が映画として結構成功している理由なんではないでしょうかね。

それと今回の『スカイフォール』って多分にクリストファー・ノーランの『ダークナイト』を意識した作りになっているんですね。まずなにしろ敵役であるシルヴァのどことなく狂気じみたおどけた様子や、演じるハビエル・バルデム染めた金髪の不自然さがジョーカーっぽいってところですかね。シルヴァの口が実は大変なことになっている、なんていうのも実にジョーカーしてるじゃないですか。シルヴァが全ての計画を先の先まで読んで神の如く完璧に行い、さらには一回わざと捕まって、それにより周囲に混乱を呼ぶ、なんていう所も『ダークナイト』ですよね。そしてボンドとシルヴァの関係というのは、バットマンとジョーカーが善と悪のコインの裏表であったように、MI6職員として忠誠を誓ったものと裏切ったものという、やはりコインの裏表の関係なんですよね。このMI6への忠誠というのも、一度命をないがしろにされたことで揺らいでいる、という部分が、善と悪の境目の分からなくなってしまっていたバットマンと共通しているんですよね。まあ『ダークナイト』並の傑作、というほどでは無いにしろ、そういった部分で面白い映画だなあ、と思いましたね。

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007/スカイフォール オリジナル・サウンドトラック

007/スカイフォール オリジナル・サウンドトラック

007 50周年記念トランプ限定版

007 50周年記念トランプ限定版

OsamoonOOsamoonO 2012/12/03 19:39 いやぁ、面白かったです。冒頭のツカミが、あんなトーンなのはこの作品くらいじゃないですかね。さすが007!じゃなくて、エージェント・ダウンですよ!ビーチの飲み屋で酒飲むシーンなんて、危険に挑む姿勢がゆるがないボンドを表すシビレるシーンでした。諮問会でのMが詠む詩のシーンなんて泣けてきましたもん。ガジェットが抑え目だけどツボを抑えてるのも良かったですし、なんか語りまくりたくなります。余韻未だ醒めやらず。大興奮の映画でした。

globalheadglobalhead 2012/12/03 21:19 アーリー007ファンに目くばせした遊びがあったのが、どことなく余裕を感じさせる作りでしたね。しかしこうしてなかなか出来の良い007映画を作ってしまったわけですから、過去作と比べてどうとか、というのはやっと必要なくなったように感じました。あと、上海やマカオのロケーションがとっても美しく艶めかしく撮影されていて、この美しさはかつての「とりあえず観光名所巡り」的な撮影のされ方を軽く凌駕していたのが素晴らしかった。そしてクライマックスの舞台であるスコットランドの風景は、それと対比をなすが如く荒々しい自然を映し出しており、そしてここがボンドの生家であったといった部分で、このリブート3作目にしてやっと新生ボンドの物語は始まるのだな、という予感に満ちていましたね。

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20121202(Sun)

[]怪しいはてダ隊 馬の肉を喰らいまくる 怪しいはてダ隊 馬の肉を喰らいまくるを含むブックマーク 怪しいはてダ隊 馬の肉を喰らいまくるのブックマークコメント

「怪しいはてダ隊」というのははてなダイアリーやらmixiなどで知り合ったいい歳の大人の皆さんが、思いついた時に適当に飯を食いに行くという会なのである。結成は2007年というからかれこれ5年も経つのだろうか。メンバーの入れ替わりはあったが、ここ数年は6人ぐらいのメンツで固定されていて、年に1度か2度、なんとなく集まって酒を飲みつまみを喰らい近況報告やらどうでもいい話やらに花を咲かせるのだ。5年ぐらいの付き合いでも本名はよく知らないし住処は何となくあの辺だっけ?といった程度だしせいぜい年齢と職業ぐらいは認識している程度だろうか。

一番面白いのは6人が6人別に趣味が共通しているというわけでもないということで、はてなダイアリーに日記を持っている、ということ以外に共通した部分があまりない集まりだということだ。それでもこれだけ長く続いているのは、多分お互い気を使うことが無い者同士だということなのだろう。男女構成は男2の女4で、飲み会の際にはどちらかというと女子会に男二人がたまたま紛れ込んでいる、といった感じだ。女性たちが楽しそうに話している横で男二人がにこにこしながら相槌を打っている、男があんまりしゃしゃり出ない、そもそもみんないい歳だから背伸びすることも張り合うことも悪目立ちすることもなく、そんなガツガツしない平和な雰囲気がいいのだと思う。

そんな「怪しいはてダ隊」だが、今回は忘年会ということで、有楽町のガード下にある居酒屋、「九州熊本料理居酒屋 馬かばい」に集結した。しかし有楽町は何度も行ったことがあるのに、こんな通りがあったのか、と思わせる小さな細い路地に面したお店で、おまけに適度に煤けてこじんまりした所が「はてダ隊」らしい店だ。昔はイタ飯だのチェコ料理だのギリシャ料理だのを食いに行った「はてダ隊」なのだが、最近はこんなオッサンな雰囲気がすっかり板についてきた。

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さてこのお店、「九州熊本料理」と銘打っているが、「馬かばい」という店名にあるように、実は馬肉料理のオンパレードの店であった。いや、馬肉料理があるのは知っていたが、まさかこれほどまでに馬肉だらけだと思ってもみなかった。馬肉の刺身、馬肉の握りずしなんてぇのも食ったが(写真)、その他にも馬タンシチュー、馬レバーペースト、馬肉メンチカツ、馬肉チャーシュー、馬モツ煮込み、馬肉肉じゃがなど、馬ウマうまUMAの馬尽くしなのである。6人であれだけたらふく馬ばかり食ったので、お店を出る頃にはみんな鼻づらが長くなりヒヒーン!とかいななきながら通りを全力疾走してしまったのは言うまでもない。いや冗談だが。あとテーブルに置かれた醤油が砂糖が入っているのか結構甘かったのが面白かったな。

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お店に来た女子の方一人が、馬の店と知って馬の形の箸置きを持ってきてくれたのが洒落ていた。この女性は近々遠方へ引っ越されるご予定で、今後こうしてみんなで会うことも難しくなってくるだろうから、新年は送別会でもないけどもう一回集まろうか、なんて話をしていた。そんなこんなで「怪しいはてダ隊」の皆さんは馬の肉をつつきながら3時間半余り、ダラダラグダグダと楽しくおしゃべりし、この日は別れたのであった。

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lazy-daisy5113lazy-daisy5113 2012/12/03 01:19 昨夜はお逢いできて嬉しかったです。ちょっと個人的な事情がアレだったので、一旦は諦めたのですが、思い切って出かけ、初体験の馬を食べられ、皆様の話が聞けて、幸せな一時でした。まだまだオバハンは参加しても良かばってんですかね。馬はうまかったね。新年会も宜しくお願い致します。
ところでフモさんは脳のCTを撮ったとか。左右の分かれ目が左に寄っていたと言う事は、右脳が超人的に発達しているんだよきっと。だから文章を書いたり、クリエイティブな発想に才能を発揮できるんだと思うの。早くデビューして下さい。

globalheadglobalhead 2012/12/03 10:16 楽しかったですね!馬食いまくりましたね!しかしレイジーさんが馬肉初体験とは思いませんでした。だいたいレイジーさんははてダ隊のドンなのでいてくれなければ困ります。次回も必ずいらしてくださいね。
CTスキャンに関してはあまりに可笑しかったのでそのうち日記に詳細書きたいと思っております。ただしあの時は言いそびれましたがスキャンで見たオレの脳ミソ、あんまり皺が無くてつやつやなんですよね。意外と鳥とか爬虫類並みに原始的な脳ミソなんじゃないかと思いますので、きっとたいしたことない筈です。

parfum30parfum30 2012/12/04 03:03 お疲れ様でした〜!健康になってビール飲んでも絶好調とは何よりです(^^)
新連載「フモ脳の秘密」楽しみにしてます♪
しかしこの角度のお馬さんはなんだかいじらしいですねぇ。こんなだったらそのボディを食べようとか思えないですね。

globalheadglobalhead 2012/12/04 11:43
お疲れ様です!適度に緩くて楽しい会でしたね!いや緩かったのは実はオレ一人だったかもしれませんが!しかし絶好調といってはみたもののトシはトシであんまり無理は効かなくなってますね〜。「フモ脳の秘密」は書き出したところなんだかグロイ話になってしまったので却下することにしました。どうもすいません!まあもともとたいした脳じゃないのでそれでよかったと思います!また次回是非参加されて下さいね〜。

20121201(Sat)

[]最近聴いたエレクトロニック・ミュージック / John Tejada、Norman Nodge、Lukid、Michael Mayer、D'Marc Cantu 最近聴いたエレクトロニック・ミュージック / John Tejada、Norman Nodge、Lukid、Michael Mayer、D'Marc Cantuを含むブックマーク 最近聴いたエレクトロニック・ミュージック / John Tejada、Norman Nodge、Lukid、Michael Mayer、D'Marc Cantuのブックマークコメント

■The Predicting Machine / John Tejada

THE PREDICTING MACHINE

THE PREDICTING MACHINE

カリフォルニアを拠点に活躍するベテランテックハウス・プロデューサー、John Tejadaのニュー・アルバム。硬質でクリアー、カラフルで明るい音が素敵。 《試聴》

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Berghain 06 / Norman Nodge

Berghain 06 (import)

Berghain 06 (import)

ベルリンOstgut Tonレーベルの人気Mixシリーズ「Berghain」、最新作のDJは本職が弁護士だというNorman Nodge。「Berghain」はハズレのない名シリーズだが、これもベルリンらしいひんやりした空気感が素晴らしい優良テクノMix。 《試聴》

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■Lonely At The Top / Lukid

Lonely at the Top [輸入盤CD] (WDNTCD001)

Lonely at the Top [輸入盤CD] (WDNTCD001)

Ninja Tuneからリリースされたノース・ロンドンのDJ、Lukidの4枚目。ハウス〜エレクトロニカ、ビートミュージックまで多彩で変幻自在なビートを聴かせる実に面白いアルバム。 《試聴》

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■Mantasy / Michael Mayer

MANTASY

MANTASY

ドイツ・テクノ・シーンの老舗名門レーベルKompakt総帥Michael MayerのNEW。1曲目の美しいメロディのアンビエント・サウンドから始まり、ゆっくりとミドル・テンポの曲で盛り上げてゆくリスニング・タイプのテクノ・ミュージック。聴くほどに味わい深くなる作りはさすが。 《試聴》

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■A New World / D'Marc Cantu

A New World

A New World

アメリカの気鋭DJ、D'Marc Cantuの2nd。テクノ〜アシッド・ハウス系のオールド・スクールな作り。 《試聴》

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