Hatena::ブログ(Diary)

メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20130430(Tue)

[]ヘタレと化したトニーさんと未完成アイアンマンスーツを襲う危機また危機!〜映画『アイアンマン3ヘタレと化したトニーさんと未完成アイアンマンスーツを襲う危機また危機!〜映画『アイアンマン3』を含むブックマーク ヘタレと化したトニーさんと未完成アイアンマンスーツを襲う危機また危機!〜映画『アイアンマン3』のブックマークコメント

アイアンマン3 (監督:シェーン・ブラック 2013年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20130429151627j:image

マーベル・ヒーロー映画『アイアンマン』の第3作です。とはいっても、アイアンマンは去年公開された"最強ヒーロー大集合映画"『アベンジャーズ』でも大活躍の様子を見せていますから、ある意味アイアンマン映画の第4作目ということもできるんですね。そして物語のほうもこの『アベンジャーズ』における戦いの後のアイアンマンであり中の人であるトニー・スタークを描いているんですよ。だから物語冒頭では「『アベンジャーズ』における過酷な戦いでPTSDを起こしてしまったトニー・スターク」が登場します。

しかしそのトニーさん、PTSDとはいえ、相変わらず新スーツの開発に余念がありません。そもそも『アベンジャーズ』の時にマーク7だったのに、あれからたった1年で42体目のマシンを実験している有様。ってェことは単純計算すると1ヶ月で3体、つまりは10日で1体作っているということになりますね。逆にこの量産体制、アベンジャーズにおける戦いのトラウマが引き起こした強迫神経症的な行動なのかもしれません。

そんなトニーさんのもとに今回の敵が登場します。マンダリンという名のテロ主導者はフー・マンチューとビンラディンを足して2で割ったような胡散臭いオッサンです。さらにその背後では謎の組織「AIM」のリーダーであり科学者でもあるアルドリッチ・キリアンという男が暗躍し、人間爆弾にもなる究極兵士を創造しているようなんです。彼らに邸宅を襲われ爆破されたトニーさんは未完成で攻撃力の低いスーツ「マーク42」だけで悪モンたちと戦わざるを得なくなってしまうんです。

今回のアイアンマン・ストーリーの面白さはこの「気弱になってしまったトニー・スターク」と「最弱のパワードスーツ」という組み合わせで敵と戦わなければならない、という点にあるでしょう。そしてこれは同時に、「回を重ねるごとに"最強の敵"インフレーションを起こさなければ成立しないヒーロー・スト―リー」を上手に回避したシナリオ・ライティングの巧妙さが光る物語という事が出来るでしょう。

1年前の『アベンジャーズ』、確かに様々なヒーローが登場し、それぞれに見せ場が設けられていましたが、やっぱり中心にいて華のある活躍をしていたのはアイアンマンだと思うんですよ。いってみればアイアンマンって「一人軍事兵器」ですからね。仲間たちの助けも必要でしたし、あのメンバーの中で最強、というわけではないにしても、アイアンマンの強さは格別だった。そしてその時叩き潰した敵は高度な科学力を持つ宇宙人軍団。そんな敵を倒したアイアンマンと、互角に戦う敵を『3』で登場させなければならないわけで、これは次に予定されている『アベンジャーズ2』の絡みもあるわけだから、強すぎても、弱すぎてもバランスが悪くなる。だったらアイアンマンのほうを弱くさせちゃえ!というのが今回のシナリオだと思うんですね。

しかし未完成であるとはいえ、今回のアイアンマン・スーツ「マーク42」はそれぞれのパーツがトニーさんの呼びかけに応じて飛行しトニーさんに装着されてゆく、という仕組みになっており、そのギミックを上手く生かした物語展開やアクションを盛り込んでいるのが面白いんですね。つまり今までのアイアンマンはそのスーツがいかに最強であるか、が物語の中心になっていたのに比べ、この『3』ではスーツのギミックをどう生かして戦闘を有利に持ち込めるか、が鍵になっているんですね。これは「"最強の敵"インフレーション」回避と同時に「"最強のスーツ"インフレーション」回避ともなっているんですよ。この辺、実に野心的な試みだと感じました。

そんなシナリオ展開と同時に、今回は今まで「壁の花」扱いだったペッパー・ポッツ女史の驚くべき大活躍が目を惹きました。それもただ単に「強い女」じゃなくて、ネタバレになるから書きませんがあんなことやこんなことをさせられこんなことまでした挙句に最後はこんなことになっちゃうんですよ!あの強さは次回の『アベンジャーズ2』での新メンバーとしての参加を見込んでも良い位ですよ!しかも強いだけじゃなくて今までで一番かわいいペッパー・ポッツさんなんですね!グィネス・ファンのオレとしては眼福極まりない1作となりましたね。

さらに予告編でちらりと登場するアイアンマン・スーツ軍団、これらがどう活躍するのかも今回の見所です。これも詳しいことは書きませんが、様々な形状と機能とを持ったアイアンマン・スーツ軍団がド派手に大乱舞し壮絶な死闘を繰り広げるクライマックスの盛り上がりはシリーズでも最高の見せ場になっています。ある意味これまでの2作やアベンジャーズと比べても好きな部分の多い作品でしたね。

D

アイアンマン (2枚組) [Blu-ray]

アイアンマン (2枚組) [Blu-ray]

20130426(Fri)

[]ゾンビは反政府主義者だ!珍しいキューバ産ゾンビ映画〜『ゾンビ革命-ファン・オブ・ザ・デッド-』 ゾンビは反政府主義者だ!珍しいキューバ産ゾンビ映画〜『ゾンビ革命-ファン・オブ・ザ・デッド-』を含むブックマーク ゾンビは反政府主義者だ!珍しいキューバ産ゾンビ映画〜『ゾンビ革命-ファン・オブ・ザ・デッド-』のブックマークコメント

■ゾンビ革命-ファン・オブ・ザ・デッド- (監督:アレハンドロ・ブルゲス 2011年スペイン/キューバ映画)

f:id:globalhead:20130325220146j:image

♪ツンチャンツンチャカツンチャカ(サルサのリズムで登場)…皆さんコンバンワ、本日ご紹介致しますのはなんとキューバ初のゾンビ映画、『ゾンビ革命-ファン・オブ・ザ・デッド-』でございます。そう、あのカリブ海に浮かぶ島キューバ、共産国キューバ、キューバ危機のキューバ、みんな大好き革命家チェ・ゲバラのキューバでございます。タコの足のポチポチ、それはキューバンでございます。

この『ゾンビ革命-ファン・オブ・ザ・デッド-』、主人公は40歳にもなってニートこじらせてるバカ男、ファンでございます。だから「ファン・オブ・ザ・デッド」というタイトルなんでございますな。決して「死人のお楽しみ」ってェ意味ではございません。まあ死人の皆さんは生きてる人間かじって楽しんでたけどね!さてこのファン、いつものようにぐうたらな一日を愉快に過ごしておりましたが、なんと街にゾンビが大量発生、人々を次々にかじり殺し始めたのでございます。しかしそこは共産国キューバ、最初はゾンビなんぞとは誰も思わず、「また革命が始まって反政府主義者が暴れてるんだ!」なんて言っているのが可笑しいんです。そりゃあゾンビだろうが何だろうが共産国にとっちゃあ国家を揺るがす不遜な連中はみんな「反政府主義者」に違いない!

しかしさすがに大ボケ野郎の主人公も命の危険を感じ、同じニート仲間やオカマの知り合いなんぞというどこからどう見ても頼りなさそうな連中と結託し、共にゾンビどもを成敗しようとケツ掻きながら立ち上がるわけなのでございます。しかしそこは南国キューバ、動く死体がうじゃうじゃいるのになんだか倒し方も能天気、やることなすことドタバタの連続、仕舞いにゃゾンビとダンスを踊っちゃう始末でありまして、どうにもこうにも緊張感がありません。そうこの映画『ゾンビ革命-ファン・オブ・ザ・デッド-』、陽光降り注ぐ南の島で明るく楽しくゾンビを叩き殺すというコメディ映画なんでありますな。

そもそもゾンビを倒す武器なんて船のオールや魚を獲る銛やパチンコなんでございますよ。共産国だからモノがねーんだよ!さらに仲間がゾンビになってしまってさあ大変!というゾンビ映画のお決まりパターンに至っても、「ま、しゃーねーから」と言ってさっさとぶっ殺しちゃう、おまけにゾンビ倒すついでに嫌いだった奴までサクッとぶっ殺してノホホンとしている、そういうあまりにイージーかつ深く考える事の無いアホさ適当さが、このテのゾンビ映画ではあんまり見られない展開で面白いんですな。そして残酷描写がこれがまた、ギャグ交じりながらきちんと撮ってあるのですよ。そしてそれらの背景にあるキューバという国のライフスタイルを垣間見るのがまた興味深かったりします。

監督のアレハンドロ・ブルゲスはキューバ人ですが、やはりゾンビ映画が好きすぎて、ゾンビ映画どころかホラー映画すら珍しいというキューバ映画界でこんな映画を撮っちゃった、という所に並々ならぬ意欲を感じさせ、そしてそれはこの映画の完成度にもしっかり繋がっておりましたな。

D

wataruwataru 2013/04/27 10:13 わぁ!これ面白そうですね!今度観てみます〜(近所のツタヤに置いてあればいいけど.....) あとリメイク版の「死霊のはらわた」が楽しみ過ぎて死にそうです(笑)

globalheadglobalhead 2013/04/27 11:11 お気楽でインチキで緊張感の無さがいい感じのゾンビ映画でした。「死霊のはらわた」楽しみですねえ。でも最近年齢と共にヘタレになってきているので正視して観られるか心配です…。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130426

20130425(Thu)

[]キングがさらなる救いようの無さを描く短編集『ビッグ・ドライバー』 キングがさらなる救いようの無さを描く短編集『ビッグ・ドライバー』を含むブックマーク キングがさらなる救いようの無さを描く短編集『ビッグ・ドライバー』のブックマークコメント

■ビッグ・ドライバー / スティーヴン・キング

ビッグ・ドライバー (文春文庫)

スティーヴン・キングの最新短編集。もともとは本国で『Full Dark,No Stars』として刊行されたものを日本で2分冊にしたもので、そのうち2編は短編集『1922』として既に翻訳されている(拙ブログ・レヴューはこちら:次から次へと不幸が襲いかかるキングのイヤラシイ中短編集『1922』 - メモリの藻屑 、記憶領域のゴミ)。この『Full Dark,No Stars』はタイトル「真っ暗闇で星さえ見えない」が意味するように「徹底的に救いの無いオハナシを書いてみましたぁ!ウシシ!」というドSスピリット満載のコンセプトで、確かに先出の『1922』は不幸と悲惨がダンスを踊る実にいやらしい中・短編が並べられ、楽しくてしょうがなかった(どんな性格だオレ)。

さてこちら『ビッグ・ドライバー』にも2編の中編が収められている。タイトルになった中編「ビッグ・ドライバー」は地方講演の帰り"とっても大きな運転手"に拉致されレイプされた女性作家がからくも生き延びてこの"でっかい運転手"に復讐を誓う、というストーリー。レイプ物、ということでこれはマジに悲惨に描くとホントにシャレになんなくなると思ったのか、キングがフェミニストだからなのか、『Full Dark,No Stars』作品集の中では唯一"復讐"という能動的な手段に出る主人公が描かれている。その復讐自体を凄惨に描けばまだコンセプトを踏襲したのかもしれないが、多少のひねりはあるもののお話がストレートに進み過ぎてしまい、「徹底的に救いの無いオハナシ」というわけではなくなっている。作中主人公は映画『ブレイブ・ワン』や『鮮血の美学』に触れられているが、この物語自体がそれらの映画を超えていないというのがやはり大きな敗因かも。そういえば悲惨でおぞましい映画というと『隣の家の少女』や『ムカデ人間』なんてぇのがありましたが、実はオレ、気分が悪くなりそうなんで両方とも観てません…なんだオレ、ホントはヘタレじゃんかよ…。

続く『素晴らしき結婚生活』は『ビッグ・ドライバー』の不完全燃焼感を払拭するかのような心理サスペンス。誰からも羨まれるような幸せな結婚生活を続けていた妻がある日、いつもとっても優しい自分の夫が実は、数年に渡って10人以上もの女性を殺害し、現在もまだ捕まっていない連続殺人鬼だったということに気づいてしまう、というお話なんですね。いやこれはゾワゾワ来ましたね。夫がどんな恐ろしい犯罪を犯してきたのか詳細に知ってしまった妻の恐怖と驚愕、それと併せ、その夫を倫理に則って警察に突き出すか否かという葛藤。妻は考えちゃうんですよ、もしも夫の犯罪が世間に明るみに出たとき、やっと事業を軌道に乗せ始めたばかりの自分の息子や、結婚をまじかに控えた自分の娘がどんな目に遭ってしまうのか、と。しかしこの事実を隠したとしても、数々の女性を監禁拷問暴行殺害し続けてきた夫と、これからもまともな結婚生活を送れるわけがない…。犯罪の恐ろしさ自体よりも人間の利己心や心の弱さを描き、「こんな時自分だったらどうするか?」と考えてしまうのがいいですね。程よいひねりも物語に加味されていて、これは面白く読めました。この「夫が連続殺人鬼だったということを全く知らなかった妻」という物語、実は現実にあった事件を元ネタにしており、モデルになった殺人犯「BTKキラー」ことデニス・レイダーについてはここが参考になるでしょう。

1922 (文春文庫)

1922 (文春文庫)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130425

20130424(Wed)

[]今度も邪魔者は皆殺しだぜ!〜映画『デス・レース3 インフェルノ今度も邪魔者は皆殺しだぜ!〜映画『デス・レース3 インフェルノ』を含むブックマーク 今度も邪魔者は皆殺しだぜ!〜映画『デス・レース3 インフェルノ』のブックマークコメント

デス・レース3 インフェルノ (監督:ロエル・レイネ 2012年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20130422145322j:image

ムショ暮らしの悪党どもによる地獄のカー・レースが帰ってきた!?という映画『デス・レース3 インフェルノ』であります。この映画、もともとはB級映画の帝王ロジャー・コーマンが1975年に製作した『デス・レース2000年』を、2008年にポール・W・S・アンダーソンが『デス・レース(以下『1』)』としてリメイクしたのが始まりであります(拙レビューはこちら)。ジェイソン・ステイサムが主演していてバイオレンス&ペシミスティックな未来SFテイストがなかなかに素晴らしい映画でありましたな。

で、このリメイク版『1』の続編『デス・レース2』がロエル・レイネ監督によって2010年に作られたんですな(拙レヴューはこちら)。主演はルーク・ゴス、オレの大好きなダニー・トレホ兄ィも出演、物語自体は前作のプリクエルとなっており、「地獄のカー・レースはどのように誕生したか?」が描かれていて、日本未公開のDVDスルー作品ながらデス・レースの世界観を決して損なうことなく描いた良作だったんですよ。人によっちゃあポール・W・S・アンダーソンの『1』よりも楽しめた、というファンの方もいらっしゃったようですね。

というわけで『デス・レース3 インフェルノ』であります。物語は『2』の続きとなっており、主要登場人物とそれを演じる俳優たちもそのまま引き継がれているんですな。主演のルーク・ゴスはもとよりダニー・トレホ兄ィも続投で、その苦み走った雄姿を再び拝むことができるのがまず嬉しい!もちろんエロエロなヒロイン、タニット・フェニックスや、オタクなピット・クルー役のフレデリック・コーラーも登場、さらに前刑務所経営者役のヴィング・レイムスやら中国人レーサー役のロビン・ショウやら前作からのお馴染みのキャラも総出演、もう確固たる「デス・レース・ワールド」を形作ってるんですよ。

そして今回の『3』はレースの舞台がターミナル・アイランド刑務所から南アフリカの砂漠地帯へと移ります。刑務所の経営者が変わって「もっとド派手なレースを!」とぶち上げたのがそもそもの始まりなんですな。そしてこの、1,2作からロケーションを変更して灼熱の砂漠で地獄の耐久レース、というのが大正解!

まず刑務所の新経営者や女刑務所長が実にいい具合に憎たらしくて、この辺も『デス・レース』の定番通り。まあ最後はギタギタにされるのも予想はつくけどね!南アフリカに着いてからいきなり始まる生死を賭けたキャットファイトで掴みはOK、そしてここからは「マッドマックス2」もかくやと思わせるヒャッハーマシンが登場し、銃弾ミサイル爆発爆炎乱れ飛ぶバイオレンス・レースが開始され、ルール無用の潰しあい殺し合いの果てに次々と死体と化すレーサーたち、まあお決まりといっちゃあお決まりなんですが、DVDスルー作品だなんてむぁったく思えない愉快痛快大量虐殺レース映画に仕上がってるじゃないですか!楽しいよ脳汁出まくりだよぉ!ラストも皮肉が効いていて、こりゃまた4作目が出来るのか?と思わせてくれますな。一部でしか話題になってないかもしれませんが、ピリッと辛いいいシリーズだなこりゃ!

D

デス・レース2 [Blu-ray]

デス・レース2 [Blu-ray]

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130424

20130423(Tue)

[]最近聴いたCD / My Bloody Valentine,One Per Customer,Bonobo,Omar S,John Beltran,Simian Mobile Disco,A Certain Ratio ,Flying Lizards 最近聴いたCD / My Bloody Valentine,One Per Customer,Bonobo,Omar S,John Beltran,Simian Mobile Disco,A Certain Ratio ,Flying Lizardsを含むブックマーク 最近聴いたCD / My Bloody Valentine,One Per Customer,Bonobo,Omar S,John Beltran,Simian Mobile Disco,A Certain Ratio ,Flying Lizardsのブックマークコメント

■MBV / My Bloody Valentine

MBV

MBV

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン22年振りの新作。どうしても『Lovelss』と比べられるだろうか、これはこれで変化していないとも変化しているともいえる。『Lovelss』は豪雪だったがこちらはみぞれ雪みたいな音。雪だからひゃっこいんだけど、みぞれ雪って何故か暖かく感じることがある、そんな音。22年前の、若かりし精神と肉体が生み出していた轟音が、22年かかってゆっくり腐食して爛れた様な音。自分は好きだな。《試聴》

D

■One Per Customer / V.A.

One Per Customer

One Per Customer

UKアンダーグラウンド・ハウス・レーベル「Tsuba」のサブレーベル、「Tsuba Limited」のコンピレーション。アンダーグラウンド・ハウスらしいシンプルでじっくり盛り上げてゆく味わい深い楽曲が並ぶ。 《試聴》

D

■The North Borders / Bonobo

The North Borders [輸入盤CD] (ZENCD195)

The North Borders [輸入盤CD] (ZENCD195)

Ninja TuneからリリースされたBonoboのメロウなダウンテンポ・ラウンジ・ミュージック。変幻自在なビート・アクセントが個性的。 《試聴》

D

■Thank U For Lettin Me Be Myself / Omar S

THANK U FOR LETTIN ME BE MYSELF

THANK U FOR LETTIN ME BE MYSELF

デトロイトのローカルレーベルFXHE RECORDSで地道な活動を続けるOmar Sの新譜。相変わらずなアンダーグラウンド・テイスト、マイペースな音作りが結構気に入って聴いている。 《試聴》

D

■Amazing Things / John Beltran

AMAZING THINGS

AMAZING THINGS

デトロイト・テクノ第2世代John Beltran、前作『AMBIENT SELECTIONS』に引き続きまたしても美しくリラックスしたアンビエント・サウンドをリリース。 《試聴》

D

■Live / Simian Mobile Disco

LIVE

LIVE

イギリスのテクノ/エレクトロ・デュオ、Simian Mobile Discoのライブ盤。ロック・バンド出身ということもあってか適度なざっくり感が心地いい。↓のビデオはSONAR Barcelona 2012におけるライブのもの。 《試聴》

D

■To Each... / A Certain Ratio

80年代ニューウェーブ期にあのジョイ・ディビジョンで有名なファクトリーと契約し、1981年にリリースされたア・サータン・レイシオの実質的な1stアルバム。その音は「催眠ファンク」と呼ばれ、肉体性を感じさせない無機的でクールなファンク・サウンドを展開させていた。マーティン・ハネットによるプロデュースは完璧の一言、実はあの当時相当好きだったグループで、今は無き芝浦インクスティックにライブを観に行ったこともあった。ボーナストラックとして未発表ライブ3曲収録。 《試聴》

D

■Sextet / A Certain Ratio

ア・サータン・レイシオ、1982年のセルフ・プロデュースによる2nd。1stから比べると音はより透明感を増し、「催眠ファンク」から「瞑想ファンク」とでも呼びたくなるような音に進化している。ダルさ極まる声の女性ヴォーカルが聴ける「Knife Slits Water」の永遠に続くかと思えるチョッパーベースとリズムセクションがなにより凄い。こちらもボーナストラックとして未発表ライブ収録。それにしても1st2ndとも今聴いても全く古びていないな。 《試聴》

D

■Flying Lizards/Fourth Wall / Flying Lizards

Flying Lizards/Fourth Wall

Flying Lizards/Fourth Wall

UKポストパンク/ニューウェーブ期に「楽器を使わずその辺の雑貨で作った音楽」という実験的なアプローチで注目を集めたFlying Lizardsの1stと2ndのカップリング盤。実はこの実験性はユニットの中の人David Cunninghamが単に楽器が弾けなかったから、という理由だったのがすごい。そして作られた音楽がどれも面白かったのがまた凄い。そして今聴くと「明るいインダストリアル・ミュージック」だった、ということに気付かされてさらに凄い。 《試聴》

D

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130423

20130422(Mon)

[]謎の追跡者を相手にNYの街をピストバイクで駆け抜けるスリルとアクション!〜映画『プレミアム・ラッシュ謎の追跡者を相手にNYの街をピストバイクで駆け抜けるスリルとアクション!〜映画『プレミアム・ラッシュ』を含むブックマーク 謎の追跡者を相手にNYの街をピストバイクで駆け抜けるスリルとアクション!〜映画『プレミアム・ラッシュ』のブックマークコメント

プレミアム・ラッシュ (監督:デヴィッド・コープ 2012年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20130419114450j:image

インセプション』『ダークナイト・ライジング』のジョセフ・ゴードン=レヴィットが主演を務めた自転車アクション『プレミアム・ラッシュ』であります。自転車アクションって書くとなんだか迫力ありませんが、この映画では主人公がピストバイクと呼ばれる競技用自転車に乗り込み、バイク・メッセンジャーとしてニューヨークの街を駆け抜ける、というものなんですな。

ピストバイクというのはちょっと前日本でもなにかと話題になっていたノーブレーキ・マシンのことで、知らなかったんですが変速機も付いていないいわゆる単速ギア、さらに固定ギアと言ってペダルを逆に回せばバックも出来る、という機能があるんだそうです。NYでバイク・メッセンジャーたちが何故このピストを使っているのかというと、マンハッタン島は基本的にフラットなので変速ギアが必要ないということ、さらにパーツ点数が少ないので故障しにくい、簡単にパーツを取り外せないので自転車泥棒を回避できる、といった理由があるらしいんです*1

物語はジョセフ・ゴードン=レヴィット演じるバイク・メッセンジャー、ワイリーが中国系の女子にある場所へ封筒を届けてほしい、と依頼されるところから始まります。早速目的地へ走り出そうとするワイリーを制止する一人の怪しい男。この男、「封筒配達は手違いだから俺に返せ」とワイリーに詰め寄りますが、男からヤヴァイ雰囲気を感じたワイリーはこれを振り切って走り始めます。しかし、男は車で執拗にワイリーを追い掛け回し、行く手を阻もうとするのです。この怪しい男を『テイク・シェルター』のマイケル・シャノンが演じていて、『テイク・シェルター』同様アブナイ雰囲気を漂わせています。この男の正体は誰か?封筒の中身は何なのか?封筒を渡した女にはどんな事情が隠されていたのか?様々な謎をちりばめながら、マンハッタン島を車と自転車、自転車と自転車、追跡と逃走のアクションが繰り広げられる、という訳です。

人が往来する雑踏や車で混雑する道路をノーブレーキのピストバイクが高速で疾走してゆきます。人や車、さらに路上に設置された物体など様々な障害物をそれこそスレスレで縫い、信号無視なんか当たり前、時には走行中の車につかまり、さらに自転車の機動力を生かして建物の中さえスイスイと渡ってゆくアクションはエクストリーム・スポーツそのものです。軽量かつシンプルなピストバイクにヘルメットはしているものの軽装でまたがり、猛スピードで危険な往来をくねくねと走行してゆくシーンはいつ転倒したり車に跳ね飛ばされるか観ているだけで危なっかしく、自転車ならではのハラハラドキドキ感を味わえます。Googleマップ風の検索マシンで走行最短距離を調べたり、衝突一歩手前で画面が止まり、主人公が衝突を回避するあらゆるルートを一瞬で画策するシーンなど画面のお遊びも楽しいです。

主人公ワイリーと謎の男との単純な追跡劇に落とし込まず、危険走行を続けるワイリーを追うNYの自転車警官、ワイリーとバイク・メッセンジャー仲間たちとの連係プレー、その仲間たちとの友情や恋愛や衝突も加味され、さらに謎の男や依頼主の女の正体、封筒に隠された理由などがフラッシュ・バックで盛り込まれ、段々と謎が明らかになってゆく構成になっているんですね。また、アクションとは別の部分で、主人公ワイリーがスーツ&ネクタイの仕事なんて退屈極まりないと切り捨て、自転車というマシンが持つ自由さ、束縛の無さを愛し、それが危険の伴ったものであったとしても、自らの職務、それを選んだ生き方に誇りをもって望むさまが描かれていて、観方を変えると「自転車乗りという生き方」というひとつの青春物語となっているんですね。こうした主人公の、自由を愛する生き方が爽快感をもたらす、そんな物語でもありました。日本では劇場未公開のDVDスルー作品ながらなかなかの良作でありましたよ。

D

*1:「なぜピストバイクなのか」 http://okwave.jp/qa/q4285059.html

20130421(Sun)

[]「ぬー…ん」なの。 「ぬー…ん」なの。を含むブックマーク 「ぬー…ん」なの。のブックマークコメント

ぬー…ん。

f:id:globalhead:20130421135227g:image

ぬー…ん。

f:id:globalhead:20130421135226g:image

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130421

20130419(Fri)

[]オレと山、山とオレ〜『久住昌之のこんどは山かい!? 関東編』 オレと山、山とオレ〜『久住昌之のこんどは山かい!? 関東編』を含むブックマーク オレと山、山とオレ〜『久住昌之のこんどは山かい!? 関東編』のブックマークコメント

久住昌之のこんどは山かい!? 関東編 / 久住昌之

久住昌之のこんどは山かい!? 関東編

行動半径ということであればこれはもう選択の余地も無いほどに甚だしくインドア派極まりないオレである。だいたいインドア"派"などと”派”を付けるのもおこがましいぐらいインドアまみれ、インドア尽くし、インドア地獄、インドア一直線なオレなのである。なにしろお外が嫌いなのである。お外は疲れるのである。お外には怖いものが待ち構えているのである。お外はシャイでナイーブなオレの心(ハートとお読みください)を傷つけるのである。とはいえ、そんなインドア三昧ばかりし続けると人間煮詰まってくる。頭と体に悪い気が溜まってくるのである。なんかちょっとどんよりしてくるのである。お家にいすぎて気持ち悪くなってくるのである。それなので気晴らしに表に出る。すなわち、オレにとって表に出るという行為はインドアライフを存続させるためのガス抜きなのである。

最初は外に出て、映画を観に行ったり買い物したりしているぐらいだった。そのうち相方さんと付き合うようになり、「おおこれはデートスポットなる未知の世界に足を踏み入れるいい機会じゃ」とばかりあちこち出掛けるようになった。今まで知らなかったそういう世界を体験してみたかったのである。それに相方さんもいつもお家と映画館ばかりじゃつまらなかろう。ハイキングや旅行もしてみようじゃないか。そういう訳で、そんなに多くはないが、観光したり自然に触れ合ってみたりなんかしちゃったりし始めたオレだったのさ。

それでだ。どこに行く?となるとなにしろ思いつかない。もともとオレは車の運転しないし、切符買って電車の移動というただそれだけのことが敷居が高い。でもグダグダ言ってもしょうがないのでガイドブックみたいのを買ってきて眺める。でもなんか、観光地観光地した場所というのは、長年インドアの牙城を守ってきたオレにとってチャラ臭いのである。まあそういう場所も行ってみれば面白かったりするんだが、観光地なんかよりも自然に親しもうじゃないか。空気いいし。少なくともオレの部屋よりはな!というわけで、じゃあ海辺か内陸かという話になる。そうするとオレは迷うことなく内陸!ということになるのである。それは、オレが辺鄙な漁港の町の生まれなもんだから、海なんてゲロ吐くほど見ているからである。それよりも内陸である。土と植物である。そして内陸となると、これが山、となるわけである。

そんなに多くは行ってないが、これまで相方さんとハイキングやら小旅行やらで出掛けたのは、殆どが山である。いや、山登りするような山じゃなくて、普通の街着と運動靴で歩けるような、いわゆる「低山登山」「低山ハイキング」なんである。

山はいい。なにしろ目的地がある。基本的にはてっぺんである。てっぺんじゃなくともだいたいが一周ぐるりのコースがある。ポイントポイントでなにがしかの見所がある。目的があり寄るポイントがあればそれをこなしてゆく達成感がある。昇って降りて終了の起承転結がある。それに比べて海はどうだ。ただだらだらと広いだけじゃないか。海は広いな大きいなで終わりじゃないか。海は茫漠としすぎなのである。ポイントがないのである。それに海、と言っても泳いだりなんだりしない以上、それは海に行くのではなく厳密には海岸に行く、なのである。それに海水って、濡れるじゃないか!濡れると冷たいじゃないか!砂浜は砂が靴に入って気持ち悪いじゃないか!そういう訳で、オレにとって、海は選択肢の中に入らないのである。

そんな訳で出掛けるとなると大概山方面を目指すオレなのだが、一緒に行く相方さんは体力がそんなにないほうなので、山と聞くと「またですか…」と一瞬顔を曇らせるのである。「またひたすら歩いてひたすら登るのですか…」とちょっとだけ嫌な顔をするのである。そんな相方さんを「いや、今回山じゃないし、登ったりしないし」と上手く丸め込め、現地についてみたらやっぱりなにがしかの場所を登ることになり、どうにもこうにも納得できない顔をしてゼイハア言いながらオレの後ろを付いてくる相方さんである。でもそんな相方さんも、苦労を重ねて見晴らしのいい場所に辿り着いた時に、晴れやかな顔を見せるのである。きっと彼女も楽しんでいる筈なのである。きっと多分。まあ最近、「ええと、今度の休み、山行きたいんだけど…」と話を振ると返事をしない相方さんなんだが…。

久住昌之のこんどは山かい!? 関東編」は、オレと同じく山に全然興味が無く関わりもなかった久住昌之さんが、編集さんに言いくるめられて関東近辺のあちこちの山で低山登山を体験するというエッセイだ。久住さんはただ山なだけなら全然興味を惹かれなかっただろうが、山登り後に現地のメシ屋で美味い酒と美味い食いもんにありつける、と聞かされてついつい山登りをしちゃうのである。そしていわゆる素人向け登山らしく、なにしろ低地で、しかもだいたいは頂上近くまで車で行けるだけ行ってあとは降りてくるだけ、そして待つのは美味い酒と食いもの、それと温泉、という実にお気楽な登山をしてくるのである。

これは読んでいて楽しかった。「山に興味の無い人間が行く山」というコンセプトと「その近所の美味しい店」というのがそそった。そして山に興味が無かった久住さんも、やっぱり景勝地に辿り着くと「こりゃええもんじゃ」と眼福にあずかるのである。しかもエッセイはどこも関東近辺で、オレでもちょっとその気になれば足を延ばせそうなところばかりだ。これはいい本を見つけてしまった。というわけでいまオレはこの本をガイドブックに相方さんをまたしても山へと連れてゆく魂胆なのである。まあ、この間ちょっとだけほのめかせたらやっぱり生返事だったが…。行ったらきっと楽しいよ、相方さん?

久住昌之のこんどは山かい!? 関東編

久住昌之のこんどは山かい!? 関東編

20130418(Thu)

[]不条理の迷宮〜『闇の国々III』 不条理の迷宮〜『闇の国々III』を含むブックマーク 不条理の迷宮〜『闇の国々III』のブックマークコメント

■闇の国々III / ブノワ・ペータース、フランソワ・スクイテン

闇の国々III

我々の知るこの世界とは異なった次元に存在するもう一つの世界、【闇の国々】。そこでは謎めいた異形の巨大建築物が林立し、数々の都市を形成しており、そこに住む人々は都市の磁場が巻き起こす超現実的な事件に翻弄されていた――。この不条理と不可思議に満ちた世界とそこで生きる人々を描くバンドデシネ、連作短編集「闇の国々」の邦訳第3巻である。「闇の国々」はブノワ・ペータースの描くミステリアスでネオ・ゴシックなストーリーとフランソワ・スクイテンの描く重々しく威圧的な建築物がそびえ立つ幻想的なグラフィックとで、バンドデシネの到達点の一つとさえ言える様な完成度の高い作品を創出してきたが、この第3巻でもその昏く輝く魅力は未だ衰えないばかりかさらに妖しさを増すことになる。

収録作品は「ある男の影」と「見えない国境」、そして番外編の絵物語「エコー・デ・シネ」。

f:id:globalhead:20130417155929j:image:left「ある男の影」は「自分の影に色がついてしまった男の怪異譚」だ。色、というよりも、自分の影があるはずの部分に、まるで鏡に映ったかのように自分の姿が映し出されてしまうのだ。異常な状況の中男は狂気に駆られ遁走しそして…という実に「闇の国々」らしい仄暗い怪異に満ちた作品だ。「闇の国々」ならではの19世紀ヨーロッパに不可知な建築技術と科学技術が融合したような街並みが並び、やはり19世紀ヨーロッパ的な古めかしい洋服、文化、習俗の中で生きる人々が登場し、その中で幻想的な物語が綴られてゆく。ある意味実に「闇の国々」らしい物語かもしれない。


f:id:globalhead:20130417160809j:image:left一方、「見えない国境」は「闇の国々」の物語が持つ不条理さをより一層推し進めたかのような物語だ。どことも知れぬ荒地の果てに存在するドーム型建造物・国立地理院。ここにはありとあらゆる種類の膨大な数の地図が集められ、その地図が指し示す歴史と国家の権勢が研究されていた。物語はここに新米職員が赴任してくるところからはじまる。折しも地理院内部では地図を再現した巨大なジオラマ作りがなされていたが、この地図作りを巡り院内では密かに権力闘争が巻き起こっていた。

幾つかの国土を書き表しただけの筈の地図のデータが、どこまでも果てしなく膨大となり、解析しても解析しても終わりの見えることが無い物と化し、遂にはそれ自体が迷宮化してゆく社会を縦糸に、そこに関わる青年技師が謎の女と出会い、仕舞いには軍部に追われるまでになる事件を横糸にしながら、物語は非現実的で不条理に満ちたイメージを次々と投げかけてゆく。これまでも不可思議な世界を描いてきた『闇の国々』だが、この「見えない国境」はより物語が抽象化されメタフィジカルな作品として仕上がっている。グラフィックの美しさもこれまでで一番かもしれない。シリーズ中で傑作の誉れも高いのも頷ける完成度だ。


f:id:globalhead:20130417160006j:image:left番外編である「エコー・デ・シネ」は「闇の国々」で発行されている新聞の体裁をとった絵物語。これまで「闇の国々」1,2巻で登場した様々な事件がちらりちらりと語られているのがファンとしても楽しい。また、イラストはどれも幻想味が強く、語られる不可思議な事件と合わせて、読むものを異次元世界へと誘う。

さて「闇の国々」の作品自体は本国では2009年まで描かれており、この3巻までで収録された作品の数を見ると残りはあと僅かのようだ。日本語版「闇の国々IV」の発売は今年の秋ごろを予定しているという話だから、この膨大かつ重厚な物語世界もあと1,2巻といったところか。それとは別にグラフィック担当のスクイテンによる単独作品集「ラ・ドゥース」も6月の発売を予定されておりこちらも楽しみである。


《参考》
壮大なる謎の都市群〜コミック『闇の国々』
幻想都市のペダンチズム――『闇の国々II』

20130417(Wed)

[]最近読んだ本〜『無分別』『厳重に監視された列車』 最近読んだ本〜『無分別』『厳重に監視された列車』を含むブックマーク 最近読んだ本〜『無分別』『厳重に監視された列車』のブックマークコメント

■無分別 / オラシオ・カステジャーノス・モヤ

無分別 (エクス・リブリス)

「おれの精神は正常ではない、と書かれた文章にわたしは黄色いマーカーで線を引き、手帳に書き写しさえした」。主人公の男は、ある国家の軍隊による、先住民大虐殺の「報告書」を作成するため、千枚を越える原稿の校閲の仕事を請け負った。冒頭から異様な緊張感を孕んで、先住民に対する惨い虐殺や拷問の様子、生き残った者の悲痛な証言が、男の独白によって、延々とつづけられる。何かに取りつかれた男の正気と妄想が、次第に境界を失う。

エル・サルバトルの作家オラシオ・カステジャーノス・モヤの小説『無分別』はグアテマラ内戦に端を発した先住マヤ民族の大量虐殺事件を題材として書かれている。グアテマラ内戦は1960年から1996年まで続いた軍事政権と左派ゲリラとの内戦で、この間の死者・行方不明者は20万人に上り、そのうち先住民の含む割合は8割を超える数だったのだという。徹底的な拷問の末に虐殺したというこのジェノサイドは、さらに一部の先住民を教化し同じ先住民を襲撃させるという行為もなされ、その非人道的な行いの一部は小説の中でも触れられている。しかしこの小説は先住マヤ民族大量虐殺事件そのものを直接的に描くものではない。この虐殺事件の報告書を編集する仕事を依頼された主人公が、そのあまりに凄惨な内容に精神に変調をきたし、さらに未だ町を闊歩する軍部への密告と襲撃に怯え、次第に現実と妄想の境目を見失ってゆく、という物語なのだ。そして物語はそういった側面とは別に、主人公の女好き、その好色さも描かれはするが、それは主人公の生々しい人間性の肉付けであり、決してジェノサイドを糾弾するのみのスクエアな人間ではなく、誰もと同じように弱さを併せ持った存在であることを印象付けようとしたのだろう。この物語は、ジェノサイド・レポートという直接的な事実ではなく、それに触れた者の異常心理を描くことで、読者は事件の異様さへより心情的に関わる構造となっているのだ。それはまた、このジェノサイドが、マヤ先住民というドメスティックな存在のみに留まらず、誰の身にも起こりうる【恐怖】であり、それが人類の抱えた宿痾であるということをあからさまにしてゆくのだ。

無分別 (エクス・リブリス)

無分別 (エクス・リブリス)

■厳重に監視された列車 / ボフミル・フラバル

厳重に監視された列車 (フラバル・コレクション)

1945年、ナチス支配下のチェコスロヴァキア。若き鉄道員ミロシュは、ある失敗を苦にして自殺を図り、未遂に終わって命をとりとめた後もなお、そのことに悩み続けている…滑稽さと猥褻さ、深刻さと軽妙さが一体となった独特の文体で愛と死の相克を描くフラバルの佳品。イジー・メンツェル監督による同名映画の原作小説。

チェコ作家ボフミル・フラバルは映画化もされた『わたしは英国王に給仕した(映画タイトル:「英国王給仕人に乾杯!」)』の作者で、そちらのほうが有名かもしれない。この『厳重に監視された列車』も1966年に映画化されている。物語はナチ占領下時代のチェコの、とある鉄道員の日常と彼がかかわった事件を描くものだが、特徴的なのは主人公のイジイジグダグダしつつあっちへ転びこっちへ転ぶ思考の流れを文章化したような作風だろう。そしてナチ占領下のチェコ、という屈辱的な時代の空気は確固としてあるものの、この物語の大半で描かれるのは童貞君らしい主人公の性的不能の悩みと、それと対比的な彼の同僚のモテモテ振りへの嫉妬、そして上司である駅長の、上昇志向を持ちつつ上手く振る舞えない滑稽さだったりする。戦時下にありながら生々しく猥雑で、シモの心配ばかりしていて、奇妙に呑気。そういえば映画「英国王給仕人に乾杯!」もそういう物語だったな、とちょっと思い出した。実は最近チェコ映画をポツポツと観ているのだが、猥雑さと呑気さは同じく共通している。そういうお国柄なのか。だが後半、主人公とレジスタンスがかかわることにより、物語は一転暗い様相を帯び始める。そしてここで主人公が取った行動には、青年期特有の暴発的な情念が見え隠れする。『厳重に監視された列車』は戦時下のチェコの青春小説ということができるかもしれない。

厳重に監視された列車 (フラバル・コレクション)

厳重に監視された列車 (フラバル・コレクション)

厳重に監視された列車 [DVD]

厳重に監視された列車 [DVD]

英国王給仕人に乾杯! [DVD]

英国王給仕人に乾杯! [DVD]

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130417

20130416(Tue)

[]「廃墟で肝試ししねえ?」「どこ?」「チェルノブイリ!」〜映画『チェルノブイリ・ダイアリーズ』 「廃墟で肝試ししねえ?」「どこ?」「チェルノブイリ!」〜映画『チェルノブイリ・ダイアリーズ』を含むブックマーク 「廃墟で肝試ししねえ?」「どこ?」「チェルノブイリ!」〜映画『チェルノブイリ・ダイアリーズ』のブックマークコメント

チェルノブイリ・ダイアリーズ (監督:ブラッド・パーカー 2012年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20130221160727j:image

クールでワイルドなロシア観光しようぜ!とあたかも鴨葱の如く死亡フラグを背中に背負ったチャラ臭いアメリカ人旅行客御一行様がチェルノブイリ見学ツアーに一口乗っちゃったばかりに見るもおぞましい目に遭っちゃってさあタイヘン!というホラー映画です。チェルノブイリ見学ツアーといってもウオッカ臭そうなロシア人のおっさんの運転する小汚いバンでチェルノブイリの近所で現在廃墟になっているプリピャチという所を訪れるわけです。そしたら人里離れたその廃墟で車がエンスト起こしてしまい、帰るに帰れなくなって夜になり、その闇にまぎれてあんなものやこんなものが!きゃあぁあぁあ〜〜っ!!というわけなんですな。

というか別にホラーじゃなくても廃墟のど真ん中で立ち往生し、しかもどことも連絡がつかない、さらに場所はあのチェルノブイリのご近所、なーんてなったらそれだけでも十分キャンタマ縮み上がりレベルの怖さでありますよな。でまあ撮影も実際プリピャチの廃墟で行われていて、そのロケーションを眺められるのもこの映画を観る醍醐味の一つであります。自分的にはチェルノブイリ原子力発電所跡地でエイリアンテクノロジーが発見されその遺物探しに殺し合いが巻き起こるというFPSゲームS.T.A.L.K.E.R.』を思い出しちゃいましたな。いやあ面白かったなあ『S.T.A.L.K.E.R.』。クライマックスなんて異常現象が次々と起こるチェルノブイリ原発に侵入し敵の弾幕を掻い潜りながら放射能だだ漏れの石棺まで到達しなけりゃならない、なんていう壮絶なストーリー展開なんですよ。

話は逸れましたがこの『チェルノブイリ・ダイアリーズ』、”チェルノブイリ”というネームバリューはあるにせよ、基本は「面白半分で廃墟に肝試しに行ったら呪われた!」というよくあるオカルト話のパターンを踏襲したものなんですな。いわゆる地味にリアルな都市伝説的オカルトの発展系というわけで、そういった部分ではプロデューサーが『パラノーマル・アクティビティー』の監督の人だっていうのもなんとなくうなずけますな。はったり効かせたグジャドロ展開があまり無いのもこの「地味にリアル」を追求すればこそだったのでありましょう。個人的には銃弾で穴だらけのバスが無意味に怖かったです。

ちなみにこの映画、ブログ【ナマニクさんの暇潰し】の「チェルノブイリ・ダイアリーズ (Chernobyl Diaries) | 真っ黒映画。」で知り、観たいと思うておりましたがこういう映画なので日本未公開・日本語翻訳無し輸入版で観ました。ナマニクさんのブログも是非ご覧になってください。

Chernobyl Diaries (Blu-ray) Amazon.com(U.S.A.)

f:id:globalhead:20130221160433j:image

D

S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl (輸入版)

S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl (輸入版)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130416

20130415(Mon)

[]ハイテク・リムジンの中で変態化する小宇宙〜映画『コズモポリスハイテク・リムジンの中で変態化する小宇宙〜映画『コズモポリス』を含むブックマーク ハイテク・リムジンの中で変態化する小宇宙〜映画『コズモポリス』のブックマークコメント

コズモポリス (監督:デヴィッド・クローネンバーグ 2012年フランス/カナダ/ポルトガル/イタリア映画)

f:id:globalhead:20130414175807j:image

クローネンバーグの新作はドン・デリーロの同名小説を映画化したものだ。主人公はその天才的な手腕で億万長者となった若き投資家エリック・バーカー。金とセックスにまみれた毎日を送る彼が破滅へと至るたった一日の出来事を描いたのがこの『コズモポリス』だ。

エリックのオフィスはハイテク化された改造リムジンだ。彼はマンハッタンの街にリムジンを走らせながら、この中で世界の金を動かし、仕事の指示を出し、助言を受け、食事をし、酒を飲み、健康診断を受け、セックスをし、排泄をする。このリムジンの中で全ては行われ、全ては完結している。いわばこのリムジンはエリックの小宇宙であり脳の中であり、ある意味この映画のもう一人の主人公といえるかもしれない。

ハイテク制御され世界の金融状況がディスプレイに踊るサイバーなリムジンはしかし、SFチックな格好良さを感じさせるどころかクローネンバーグ映画の小道具らしく実に"厭な"雰囲気を醸し出す。それは『ザ・フライ』の電送ポッドのようでもあるし『イグジステンズ』のゲーム機のようでもあるし、あるいは『戦慄の絆』の手術用具のようですらある。要するにどこか冷たく禍々しく、非人間的で、不快なのだ。

そしてこのリムジン世界を中心に動いていく物語もどこか冷たく禍々しく、不条理感に満ちている。物語は殆どがリムジンを訪れる者たちとの会話で進行してゆく。ある意味会話劇と言っていいほどの膨大な台詞量だ。これは原作小説の台詞をほぼ全て抜き出して構成されたシナリオによるものだ。会話の内容は原作である文学小説ならではの観念的な修辞技法が張り巡らされ、このテキストだけで物語が明快に理解できるとは決して言い難い。なにより頭でっかちで理屈っぽくて最初は辟易させられる。

逆に一見無意味のように思える台詞・行動に主人公の持つ背景や内面的葛藤が現れていたりもする。億万長者の主人公は何故安っぽい食堂で飯を食いラッパーの死に涙するのか。それは主人公が元は低所得者層からの成り上がりだったからではないか。様々な人々が訪れるリムジンに妻だけが訪れない、というのは二人の関係の明確な暗喩ではないのか。そして何故主人公は床屋に行くことにあれほどまでに拘るのか。それは床屋に行く、という単純な行動に固執することにより、破産という巨大な不安から目をそらそうとしていたのではないか…等々。

しかし一見難解のように思えるこのシナリオ構成は、一つ一つの意味を汲み取ろうとするのではなく、むしろ混沌という名のノイズ、佯狂という名の目くらまし、あるいは無意味化した世界の戯言だと受け取って聞き流しても良いかもしれない。

そもそも、マネートレーダーの虚無感だの、億万長者の破滅だの、世界経済の終焉の予兆だの、そんなものは本当は、どうでもいいのだ。観念的な世界に長く生きたばかりに生の実感を喪失した男の悲劇、というお行儀のいい解釈も、当たりが良すぎてつまらない。監督デヴィッド・クローネンバーグはそんなものをテーマにしたくて映画を撮ったわけでは決してないのだ。そんなことよりもこの映画の本当の楽しみは、ハイテク・リムジンに代表され、そしてそのリムジンの中だけで完結しようとする異様な人間性を描くクローネンバーグの変態性、これに尽きるのだ。そしてそうしたテクノロジーに弄ばれ、変質し、自滅する、『ビデオドローム』や『クラッシュ』でもさんざん描かれてきたクローネンバーグらしい崩壊感覚、それがやはりどこまでも暗い愉悦を観る者に与えてくれるのだ。

一見難解であり、文学的でもあるこの物語は、実は非常にクローネンバーグらしい異常さを垣間見せてくれる逸品として仕上がっているのだ。ある意味ドラッグと幻覚抜きの『裸のランチ』と言うことができるかもしれない。実際、観ている間は会話がウザくて閉口していたんだが、見終わった後、じわじわときますよ、この映画。

D

コズモポリス (新潮文庫)

コズモポリス (新潮文庫)

ザ・フライ [Blu-ray]

ザ・フライ [Blu-ray]

イグジステンズ [DVD]

イグジステンズ [DVD]

戦慄の絆 <デジタルリマスター版> [DVD]

戦慄の絆 <デジタルリマスター版> [DVD]

ビデオドローム [Blu-ray]

ビデオドローム [Blu-ray]

クラッシュ [DVD]

クラッシュ [DVD]

裸のランチ 【Blu-ray】

裸のランチ 【Blu-ray】

20130412(Fri)

[]『考える生き方』を読んでわしも考えた 『考える生き方』を読んでわしも考えたを含むブックマーク 『考える生き方』を読んでわしも考えたのブックマークコメント

■考える生き方 空しさを希望に変えるために / finalvent

考える生き方

finalventさんというのは言わずと知れた「極東ブログ」の主催者であり、"アルファ・ブロガー"であり、そのアカデミックな視点で名を馳せる人だ。ただ、自分は昔から"アルファ・ブロガー"と呼ばれる人の書くブログには殆ど興味が無いし(基本的に大雑把だし、断定が多いし、時として主語が大きいし、デリカシーに乏しく感ずることが多いし、なにより味わいに欠ける文章を書く人がほとんどだ)、アカデミックなものに憧れはあるにせよ、付いてゆけるほどの基礎知識が無いので途中でなんだかもうチンプンカンプンになっちゃう性質なのだ。そんな自分だが、なぜかfinalventさんという人の書くものが好きで、「極東ブログ」も、自分に興味が持てるものと理解できるもの限定だけれども、たまに興味深く読ませてもらっていたのだ。

なぜfinalventさんが好きなのか?というとこれは文章から滲み出る人柄から、としか言いようがない。アカデミックなことを書くブロガーならネット上にはそれこそ掃いて捨てるほどいるし、知識と情報に満ち溢れたブロガーも星の数ほどもいるが、finalventさんのそれは、あくまで「個人的興味」からなのだ。その「個人的興味」が広範だからアカデミックなのだけれども、それを啓蒙しようとか社会派ぽく問題提起しようとか当然知識の羅列でお茶を濁そうとかいう態度が全くない。押しつけがましくなく、背中に肩書だの社会的立場だのを背負っていない。ネットや社会のパワーゲームにまったく興味を示さない。finalventさんは孤独な個人であることにこだわっているようにすら感じられる。そして、オレのよく読むブログの殆どは、肩書も社会的立場も最初から関係ない、孤独な個人であることから発信しているような方が多く、いびつでも偏っていても馬鹿ばかり言っていても、その人としての生の声が好きだからこそ読んでいるブログばかりで、決して知識や情報を得るために購読しているわけではないのだ。

オレがfinalventさんに興味を持ったのは、知識だけではなく、そのどこか「引いた」ところにあった。謙虚とも腰が低いとも違う、どこか、超然としているというか、何かに諦観しているというか、ガツガツするのを嫌うというか、知識や知性だけではない態度の在り方で、逆に言えばそれ自体が一つの"知性"の在り方と言ってもいいかもしれない。沢山モノを知っているだけでも、分析力演繹力抽象力が優れているだけでも実は知性とは言えない。知性の無い自分が言うのもなんだが、知性というのはそういったものをひっくるめて外に表出する"態度"なんではないか。オレなんか態度が悪いのから推して知るべしだが。finalventさんのそういった「引いた」態度って、実は「極東ブログ」ではなく「finalventのブログ」のぶっきらぼうなほどの淡白さやTwitterでの本人をして「自分はTwitter向きじゃない」と言わしめるほどの不器用な呟きを見てると伝わってくるのだ。ああなんかいいなあこの人、と思わせるのだ。まあ要するに、どんな知性でも別にいいんだが、finalventさん的な知性のありかたが、オレにとっては一番フィットするっていうことなんだ。

そんなfinalventさんが本を出した。『考える生き方』というタイトルで、ご本人も言及されているが、「自分語り」の内容だ。かねてから、「この人はいったいどういう方なのだろう?」と興味津々だった自分はさっそく読んでみた。「仕事・家族・恋愛・難病・学問、そして「人生の終わり」をどう了解するか?「極東ブログ」を主宰し、ネット界で尊敬を集める有名ブロガーが半生と思索を綴る」と惹句にあるように、そこにはfinalventさんの紆余曲折を経た半生と共に、それと自分がどう向き合ってきたか、どう考えてきたのか、が書かれている。書かれてはいるが、それは「こうすれば成功する!」だの「こうすればがっぽり儲かる!」などということが書かれているわけでは当然無い。もちろん「こう考えるのが人生を乗り切るベターな方法」といったハウツーものでもない。逆に書かれているのは、「そんなに成功した人生なんかじゃない、むしろ失敗した人生なんですよ」ということと、「自分の人生って空っぽだったのかなあ、と思うことがあります」ということだったりする。だからこその「空しさを希望に変えるために」という副題なのだ。

自分は今50歳だが、ぶっちゃけ知性教養学歴のあらゆる方面で恥ずかしくなって穴に入ってそのまま冬眠したくなっちゃうほどまるでたいしたことがないし、社会的には3K中小企業のしょぼくれた給与生活者だし、その収入もオレの能力程度に見合った低水準だし、家庭らしい家庭も持っておらず、毎日は仕事に疲れて帰ってくるだけ、あとは酒飲んで忘れましょうという、まあひっつめるとfinalventさんが言うような「失敗した」「空っぽの」人生ということもできるかもしれない。もちろんfinalventさんと自分を同列に並べるなど僭越も甚だしいが、むしろ逆にfinalventさんはこの本を読む多くの人に、自分とこれを読む人とは同列みたいなものだと思ってもらいたいし、そういう立場から、「人生、成功はしないかもしれないけれど、考えて生きていけばなんとかなるんじゃないか。なんとかなって、日々、それなりに生きている実感みたいなものを考えて見つけていけたら、それでいいんじゃないか」と言おうとしているのだ。まあオレはだからといって「よし!今日から考えて生きよう!」とはすぐ思わない程度にひねくれた人間ではあるが、成功でも幸福でもなく「生きている実感を感じたい」というのは、本質的なことだよなあ、ということは共感できる。

それと同時に、これは「老いる」ということについての本である。finalventさんは現在55歳で、難病も患っていらっしゃるという。老いる、というのは死が近づいていることを実感する、ということで、finalventさんの5つ下の自分にも、その実感は大いにある。幸い難病こそ患ってはいないが、もう体のあちこちがガタだらけだ。脳に関してはガタガタだ。過去に感じていた以上に将来により多く不安を感じるようになった。finalventさんもここで「絶望しちゃうよなあ」みたいなことを言う。でも、「絶望ってやっぱり駄目だよな」と続けて、絶望に至らないよう考えようとする。でもこう考えると絶望しませんよ、ではないし、考えてこういう結論が出ました、でもない。死は理性にとって最も不条理なものであり、その理由に綺麗な結論が出るわけでもない。でもある意味生そのものも随分と不条理だ。それを考えても明確な回答が出るという確約もない。でもだからこそ、考えていこう、というのがfinalventさんの生き方なのだろう。finalventさんは別に一緒に考えていきましょう、なんて一言も書いていないし思ってもいないだろうが、なんだか一緒に考えていきたくなる。それは常に読者に寄り添った内容のこの著作の在り方があったからこそなのだろう。ああいいな、finalventさんのこと、やっぱりオレは好きだな。

考える生き方

考える生き方

考える生き方

考える生き方

20130411(Thu)

[]『ダーケストアワー 消滅』はちょっとグダグダだが昔懐かしい侵略SFの味わいだった 『ダーケストアワー 消滅』はちょっとグダグダだが昔懐かしい侵略SFの味わいだったを含むブックマーク 『ダーケストアワー 消滅』はちょっとグダグダだが昔懐かしい侵略SFの味わいだったのブックマークコメント

ダーケストアワー 消滅 (監督:クリス・ゴラック 2011年アメリカ・ロシア映画)

f:id:globalhead:20130305141730j:image

侵略SFが好きだ。侵略SFが、略奪SFが、蹂躙SFが、殲滅SFが好きだ。よろしい、ならば侵略だ!…という侵略SF映画『ダーケストアワー 消滅』でございます。アメリカ人の若者二人が商用でやってきたモスクワで謎の異星人の侵略に遭遇!姿の見えない異星人たちはモスクワ市民を次から次へと消滅させてゆく!やがてもぬけの殻となった街で、若者二人を含む生き残った者たちが決死の脱出を試みるが!?というお話です。

前半の、異星人に襲われた人間がズビャッ!と灰になってしまう描写がいいですな。『ブレイド』や『宇宙戦争』でも似たような人体消滅VFXはありましたが、こちらのほうが灰がグルンッ!と輪になって宙を舞う感じが進化しているとは言えないでしょうか。で、この異星人、なにやら電磁波で出来た生物らしく、そのせいで目に見えない、ということらしいんですが、なんかバチバチした電気のもやみたいのは見えるんですな。この目に見えない敵という設定、だからこそどこから襲ってくるか分からないという恐怖、そして襲われた者は灰になって死ぬ、というビジュアルがこの映画のキモとなっているんですな。

で、中盤から人間たちの反撃が始まるんですが、この異星人から身を守る方法、撃退する方法が段々分かってきて、普通ならどんどん面白くなってきそうなところが、逆に物語がどんどんグダグダになってきてしまいまして、ラストもなんだか尻すぼみ、盛り上がりに欠ける結末となってしまっているのが実に惜しいんですな。ただ自分はこの映画、なんだか意外と好きですね。モスクワというロケーション、異星人や灰になる人間のVFXには新しいものを感じますが、物語に通底するのは『トリフィドの日』や『盗まれた街』みたいな60年代70年代の懐かしの侵略SFなんですよ。だいたいオレ、「なんらかの災厄でもぬけの殻になった街」っていう光景大好きなんですよね。朝早く起きて誰もいない街歩いて「世界は滅んじゃってオレ一人だウシシ」とかよく妄想してましたね。いったいなにやってるんですかね。

それと、映画の全体的な雰囲気は『スカイライン』に近いんですね。VFXマンが「こんなビジュアルやりてえ!」ってことで作られた『スカイライン』、物語展開がしょっぱかったですが確かにVFXは楽しかった、この『ダーケストアワー 消滅』もそういう映画なんでありますよ。多分製作者は冒頭のヴィジュアルだけが頭にあってそれを物語にしようとしたんだけど、いかんせんビジュアルは上手くいったけどストーリーテリングの才能はなかった、ってことなんではないでしょうか。そういった意味じゃダメな人にはとことんヘボい映画に見えちゃうんじゃないかと思いますけどB級SFだと納得づくでみればそれほど悪いもんじゃありません。

あと、最近公開されて一部で話題になった『ジャッジ・ドレッド』のエスパー少女役だったオリヴィア・サールビーさんがヒロインやっておりまして、『ジャッジ・ドレッド』でちょっと萌えたワタクシには嬉しい映画でありましたよ。

D

スカイライン ?征服? Blu-ray

スカイライン ?征服? Blu-ray

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130411

20130410(Wed)

[]北フランスの港町を舞台に描かれる人情物語〜映画『ル・アーヴルの靴みがき』 北フランスの港町を舞台に描かれる人情物語〜映画『ル・アーヴルの靴みがき』を含むブックマーク 北フランスの港町を舞台に描かれる人情物語〜映画『ル・アーヴルの靴みがき』のブックマークコメント

■ル・アーヴルの靴みがき (監督:アキ・カウリスマキ 2011年フィンランド/フランス/ドイツ映画)

f:id:globalhead:20130305142037j:image

北フランスの港町ル・アーヴルに、靴磨きを生業としながらつましい生活を営む老夫婦、マルセル爺さんとアルレッティ婆さんがおったわけですよ。ある日その夫婦のもとににコンテナに隠れてアフリカからの不法入国の少年がころがりこむんですな。折りしも妻アルレッティが病に倒れ、心境穏やかではないマルセル爺さんでしたが、警察のしつっこい捜査にもめげずご近所さんと協力し合い、少年を家族の待つイギリスに送り届けようとするんです。マルセル夫婦にしろご近所さんにしろ、決して裕福ではないどころか清貧と呼んでいいほどの貧しさの中にあるんですが、それでも不幸な身寄りの少年を助けようと八方手を尽くす様がいじらしい人情映画となっているんですな。

フィンランドの映画監督、アキ・カウリスマキの作品は『レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ』と『マッチ工場の少女』を観た程度なんですが、奇妙に閑散としたセットと虚飾を廃したミニマルと言っていいほどのシンプルな演出・台詞回しが記憶に残っておりました。この『ル・アーブルの靴磨き』でもそれらは共通していて、ハリウッド映画慣れしている自分の目には風通しが良すぎて寒くなってくるほどのスカスカ感ではありましたが、逆にそこが新鮮に映りましたね。ここで見られる色彩感覚は柔らかいがどこか寒々しい、緯度の高い地方の光線を感じさせるもので、港町ル・アーヴルのある北フランスの情景が実際にこうであったとしても、実は監督の故国であるフィンランドの空気感が映像の中に紛れ込んでのではないかとふと思いました。

それにしてもこの映画、全編通して年寄りばかりが登場するんですよ。あっちも爺さん、こっちも婆さん。多少若いかと思えば苦み走った顔の肉体労働者風のオッサンばかりで、なんと途中で登場するチャリティーコンサートのロケンローラーまでが白髪頭の爺さんじゃあーりませんか。この白髪のロッカー爺さんがノリノリ!というよりヨタヨタ!とロックするさまは別の意味でスリリングでありましたな。これはもうカウリスマキ監督自ら「若いもんには用はねえ!わしが興味あるのは爺さん婆さんだけじゃあ!」と吼えてるのが聞こえてくるかのようでありましたよ。それもお年を召してもやんちゃが大好きなハリウッド映画に出てくるような爺さん婆さんではなくて、ひっそりと枯れた姿で佇んでいる、10年ぐらいお茶の葉っぱで煮込んだような渋い渋〜い爺さん婆さんなんですよ。そうかそれで映画の風景もどこか枯れた味わいだったんですねえ。枯れまくった爺さん婆さんが枯れた風景の中で保護色をまとったかのように佇んでいる、これはそんな、枯れた人々の枯れた人生を味わい深く描いた物語だったんでしょうな。

ところで不法入国者を描いたこの映画ですが、実はオレ、貿易関係の仕事をしておりまして、オレの会社で取り扱っているコンテナの中から不法入国の方が出てきたことがあるんですよ。ある日のこと、いつものように輸入コンテナの扉を開け、積んである貨物を出そうとしたところ、貨物の上を腹這いになりながらカサカサカサ!っと生きている人間が出てくるじゃないですか!?「ななな何事だ!?」とあまりのことに固まっている現場作業員の皆さんを尻目に、この不法入国の方は脱兎のごとくどこへやらと走り去っていったそうです。当然その後警察やら海上保安庁やらに通報はしましたが、あの不法入国の方はその後どこへ行ってしまったんでしょうねえ。

D

ル・アーヴルの靴みがき 【Blu-ray】

ル・アーヴルの靴みがき 【Blu-ray】

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130410

20130409(Tue)

[]普通の日記 普通の日記を含むブックマーク 普通の日記のブックマークコメント

■某月某日

この日、これから大雨大風大嵐になるという予報が出ているのに会社後輩の結婚式が予定されていた。しかもあろうことか洋上である。お船に乗って洋上結婚式なのである。本当に出港すんのか?揺れまくる船で酒飲むのか?ポセイドンアドベンチャー体験ももれなく付いてくるのか?と恐れつつ桟橋へ。

f:id:globalhead:20130409024232j:image

…などというのは杞憂で終わり、結局は荒天の為停泊したままの船で結婚式ということに相成った。しかし企画した後輩は残念だったろうな。しかもこの日、風邪をひいてガラガラ声で挨拶していた会社後輩であった。まあしかし、こんなふうにあれこれあったほうが後で思い出深かったりするんだよ。なにはともあれおめでとうございます。ちなみに結婚式では神父役を船の船長さんがやっておりました。

f:id:globalhead:20130409024917j:image

そしてやはり帰りは大雨大風大嵐だったのであった…。

f:id:globalhead:20130409025821j:image

■某月某日

その翌日は大嵐一過とでもいうような晴れた空だった。風は強かったけどね。その風がスモッグを薙ぎ払ってしまったようで、東京の空もいつもより透明に感じた。せっかく晴れたんだからどこかに出掛けようと、相方さんと二人天王洲アイルまで行ってみた。

f:id:globalhead:20130409025741j:image

建物がくっきりして見えましたよ。

f:id:globalhead:20130409025740j:image

もう一枚。

f:id:globalhead:20130409025739j:image

でも空の向こう側はまだ黒ずんでいて、あっち方面はまだ荒天だったりするんでしょうな。それと、やっぱり運河の水位が高めでありましたね。

f:id:globalhead:20130409025738j:image

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130409

20130408(Mon)

[]「孤独であること」の圧倒的な肯定〜映画『パラノーマン ブライス・ホローの謎「孤独であること」の圧倒的な肯定〜映画『パラノーマン ブライス・ホローの謎』を含むブックマーク 「孤独であること」の圧倒的な肯定〜映画『パラノーマン ブライス・ホローの謎』のブックマークコメント

パラノーマン ブライス・ホローの謎 (監督:クリス・バトラー/サム・フェル 2012年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20130407065441j:image

今日も死者たちの呟き声が聞こてくる。部屋の中で、庭先で、街角で、森の中で。蒼白い顔をし、おぞましい死に方をしたその時の姿で、僕に話しかけてくる。僕の名はノーマン、物心ついた頃から死者の姿が見え、死者の言葉が聞こえる、という普通じゃない力を持っている。学校でその事が知られて以来、僕は頭のおかしいキモいヤツ呼ばわりされ、イジメに遭っていた。当然のように友達はいない。同じイジメられっこの太っちょの子が仲良くしたそうにしているから、たまに遊んでいるけど、基本的にいつも一人だ。もちろんガールフレンドもいない。でも一人は性に合ってるから、気にならない。そんな僕の目の前にある日、死んだばかりの叔父が現れ、【町にかけられた呪い】の話を始めたのだ。それは封印された魔女の魂であり、ある儀式によってその魂を鎮めなければ町に災厄が降りかかるというのだ。死んだ叔父の教えに従い不気味な森の奥で儀式を始めた僕だが、儀式は失敗、そして地面からは腐れ果てた肉体の死者たちが起き上がり、僕を取り囲んだ…。

という物語の映画、『パラノーマン ブライス・ホローの謎』です。しかしこうして粗筋だけを書いてみると、とってもコワ〜イホラー映画のように思えてしまうんですが、実はこれ、とってもキュートで親しみやすいパペットを使って撮影された、ストップモーション・アニメなんですね。内容もホラーというよりは、ホラー要素を盛り込んだ少年の成長の物語と言ったところでしょうか。そしてこの映画、同じくちょっぴりホラーでやっぱりキュートなストップモーション・アニメ、『コララインとボタンの魔女』のライカ・エンターテインメントが新たに手掛けた作品なんですね。

とても手が掛かると言われているストップモーション・アニメですが、この『パラノーマン ブライス・ホローの謎』ではパペットたちが驚くほど美しく滑らかな動きを見せ、時々ストップモーション・アニメではなくCGアニメなのではないかと思わせるほどです。映画ではエフェクトとしてCGも使っているようなんですが、基本はやはりストップモーション・アニメなんですね。だったらCGでもいいじゃん、と思えるでしょうが、例えばピクサーやドリームワークスあたりの完璧にコントロールされたハイクオリティCGでもまだ実現できないテクスチャの質感や光線の醸し出す温もりのある陰影がストップモーション・アニメでは実現できているんですね。…とかなんとか知ったこと書いてますがこの『パラノーマン』をCGアニメだって言われて見せられたらそのまま納得しちゃうんだろうなあ…。ただ、映像を見て感じたのはCGアニメがあくまでリアルな立体を描こうとしているのに比べ、この『パラノーマン』では元が立体だからこそ逆に平面的な絵画性の美しさも描けているといったことなんですね。

物語はこの後、町にかけられた呪いと、その呪いをかけた魔女についての驚くべき真実が語られ、差別や偏見の生み出す残酷さと悲しみを描かれていきますが、自分はそういった優等生的なメイン・テーマには実はあんまり興味が無くて、それよりもこの映画がちょっと他とは変わっているなあ、と思ったのは、主人公の少年が基本的に孤独で、仲間や家族の助けがあったりはするけれども、最終的にはたった一人で事件を解決せざるを得ない、といった部分なんですね。そういえば同じライカ・エンターテインメントの『コララインとボタンの魔女』でも、やはり主人公の少女がたったひとりで問題を解決せざるを得ない物語でした。しかも両方とも主人公に事件解決のアドバイスをするのは"死者"なんですね。

こういった、低年齢層もターゲットに盛り込まれたアニメ作品の多くは、主人公のスタンドプレイではなく、仲間とのリレーションシップによる事件の解決を通して、人間関係やコミュニティの素晴らしさ、場合によっては「愛」の貴さを描くものが基本のようなイメージがありますが、この『パラノーマン』では、確かにそういった要素はあるにせよ、本質的な部分で主人公が孤独であることは変わりないように思えました。友人は登場しますがそれは「熱い友情」といったものではないし、家族である姉の協力もどこか付け足したようなものだったし、そもそもこの映画には主人公に呼応するヒロインが登場せず、そこがまた一般のアニメと違って変わってるなあ、と思えた部分でもあるんですよ。むしろ、この映画の本当のテーマは、クライマックスの「赦し」も含めて、「孤独であること」の圧倒的な肯定だったのではないでしょうか。

《参考》

I HATE HATE - 『パラノーマン ブライス・ホローの謎』 - THE KAWASAKI CHAINSAW MASSACRE I HATE HATE - 『パラノーマン ブライス・ホローの謎』 - THE KAWASAKI CHAINSAW MASSACRE
※主人公のノーマンってブログ主のDOYさんそっくりなんですよ!

魔女?死者?あの子と話そう パラノーマン ブライス・ホローの謎 - 小覇王の徒然はてな別館 魔女?死者?あの子と話そう パラノーマン ブライス・ホローの謎 - 小覇王の徒然はてな別館

今の世界に『パラノーマン ブライス・ホローの謎』が必要な理由 - ゾンビ、カンフー、ロックンロール 今の世界に『パラノーマン ブライス・ホローの謎』が必要な理由 - ゾンビ、カンフー、ロックンロール

D

コララインとボタンの魔女 スペシャル・エディション [Blu-ray]

コララインとボタンの魔女 スペシャル・エディション [Blu-ray]

The Art and Making of ParaNorman

The Art and Making of ParaNorman

20130405(Fri)

[]P・K・ディックの中期の未訳長編が遂に翻訳〜『空間亀裂』 P・K・ディックの中期の未訳長編が遂に翻訳〜『空間亀裂』を含むブックマーク P・K・ディックの中期の未訳長編が遂に翻訳〜『空間亀裂』のブックマークコメント

■空間亀裂 / フィリップ・K・ディック

空間亀裂 (創元SF文庫)

時間理論を応用してつくられた超高速移動機の内部に亀裂が発見された。そこからは別の時間、別の世界が覗き見られるという…。ときに西暦2080年、世界は人口爆発に苦しめられていた。避妊薬は無料となり、売春も法的に認可されている。史上初の黒人大統領候補ブリスキンは、かつて夢見られ今は放棄された惑星殖民計画の再開を宣言するが…。ディック中期の長編、本邦初訳。

ディックは生前にSF・非SF作品も含めて40作近くの長編を執筆し、その中でSF作品は殆ど翻訳されていたが、それでもいまだ未訳だったSF作品『空間亀裂』が先頃やっと翻訳・発売となった。ただし、人気の高いSF作家であるディックの作品なのにもかかわらずこれまで訳されていなかったというのは、実の所作品クオリティに難あり、とされていたからで、「作者本人が「ひどい小説」と烙印を押している」だの「ディック評伝を著したローレンス・スーチンも、10段階で2点とかなりの低評価」だのといったことが本書解説で既にして暴露されている。しかし失敗作だろうがなんだろうが、もはや逝去しておりこれからの新作など望むべくもない作家のファンとしては、どうしたって読みたいと思うし、当然出版社だってそういったニーズに応えるべく訳出したのだろう。翻訳者並びに出版社の皆さんには感謝の気持ちで一杯である。

さてそんなディックの"失敗作"である『空間亀裂』、いったいどんな具合に酷いのか、恐る恐るな反面と、たとえどんなに酷かろうがしっかり受け止めてやろうじゃないか、といったファンの愛情といった反面の両方で読み始めたのだが、これが"失敗作"だなんて噂は全くの杞憂、どこからどう切り取っても"ディック節"に満ち溢れた、実に楽しめるディック小説だったではないか。

物語の舞台は西暦2080年、人口爆発により危機的状況に至っているアメリカ。惑星植民計画は頓挫し、超過した人口を抑えるために7千万人もの住民が《凍民》とよばれるコールドスリープ処置によりいつ終わるともしれない眠りにつかされ、人口増大を押さえるため避妊と堕胎が奨励され、軌道上には合法娼館衛星が飛んでいた。そんなある日、時間理論を応用して制作された超高速移動機が故障し、その中に異世界への通路がぽっかりと顔を覗かせたのだ。折しも史上初の黒人大統領候補となったブリスキンはこの機会を利用して新たな政策を打ち出し、《凍民》たちの異世界移住計画を提唱するが、その異世界には思いもよらないものが待ち構えていた、というもの。

なにしろ冒頭から人口爆発だのコールドスリープ者だの超高速移動機だの娼館衛星だの、その娼館衛星を治める「一つの頭に二つの体」を持つシャム双生児の暗躍だの、60年代パルプSFらしいチープで怪しげな設定が並べられ、そこにディック小説らしい癖のある人物たちが次々と登場して喧々囂々の議論や対立がなされ、さらに不倫の2、3個もアクティブに描かれているという実にパワフルな人間関係の中、状況は次から次へと目まぐるしく展開し、科学的説明なんて当然全てすっとばしていきなり異世界へ突入、そこは実はXXだった!とかそこの住人はXXだった!とかこれもやはり60年代パルプSFらしいチープかつ怪しげな真相が判明したかと思うと、お次は全世界の危機!とか恐るべき未来!とかで読者を煽り、相当ドタバタしながらも大団円を迎える、といった内容で、書き飛ばしたのであろう雑駁さとスピード感が同居しつつも、お話全体を見渡すとディックらしいグロテスクな異様さに満ちた、決して凡庸ではない作品として成り立っているのだ。

この物語を独特なものにしているのは善悪に関わらず登場人物たちの実に能動的な行動力であり、発生した問題には体を張って立ち向かい、常に貪欲に前向きに生きようとする、そのアグレッシブな生き方にあるのではないかと思う。そして異世界発見とその移住を巡る対立の根源には、関係者それぞれのせっぱつまった現実への対処と、あくまで既得権益を守ろうとする者との諍いという、実に生々しい理由が存在しており、それがそれぞれの思惑の中でダイナミックに物語を展開してゆくのだ。こういった人々の生々しい在り様を、SFという文学の中、しかも原稿料目当ての書き飛ばし小説でさえ描いてしまうという所に、ディックの異能の中の異能であった部分が伺えるような気がしてならない。そして「氷駆動エンジン」だの「木製原子爆弾」だの、中学生程度の科学知識を持っていれば思いついても書かないであろうアイディアを、物怖じせずあっけらかんと書いてしまう部分にもディックSFらしい突き抜けた面白さを感じた。

こうしたディックの愛すべき所が垣間見えるといった部分で、実にディックらしいSF小説として堪能できるし、そもそもディックのB級な作品は小説作品の完成度云々というよりそのぶっ飛ばし方と異様さが楽しいものであるといった意味で、実に及第点なディック作品として読めると思う。ちょっと二の足踏んでいるディック・ファンの方は読んでみるといいだろう。

空間亀裂 (創元SF文庫)

空間亀裂 (創元SF文庫)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130405

20130404(Thu)

[]『Gears of War: Judgment』は相変わらずムサくてゴツい海兵隊が大活躍だった! 『Gears of War: Judgment』は相変わらずムサくてゴツい海兵隊が大活躍だった!を含むブックマーク 『Gears of War: Judgment』は相変わらずムサくてゴツい海兵隊が大活躍だった!のブックマークコメント

f:id:globalhead:20130323183256j:image

ムサくゴツく臭い海兵隊員チームの皆さんが、キモくデカく臭いエイリアン軍団を電ノコ付き突撃銃でガシガシと肉片に変えてゆく楽しいTPSゲームGears of War』シリーズの新作であります。この『Gears of War: Judgment』は4作目となるんですが、物語的には先の3作でとりあえず完結ということになっており、このゲーム自体は外伝的なシナリオの位置付けとなっております。そういえばこの間出た『God Of WAR:Ascension』も4作目にして3部作完結後の外伝的要素が強かったですな。

ストーリーは「審判」「顛末」の二つのモードがあり、まず「審判」は「Gears of War」三部作よりも約15年前、最も過酷な戦いを強いられた「エマージェンス デー」直後の世界で、このゲームの主人公であるデーモン・ベアードさんが率いる「キロ部隊」の熾烈を極める戦いが描かれます。物語はキロ部隊の面々が軍法会議にかけられているシーンから始まり、部隊のメンバー各々のフラッシュバックの形を取りながら、「なぜ軍規を冒してまで戦わざるを得なかったのか」が描かれてゆきます。一方「顛末」はGOW3で語られなかったベアードたちのあるストーリーが語られてゆくわけです。

外伝的シナリオ、ということでシリーズ正編のような様々な異様な世界を戦い抜きながらダイナミックに盛り上がってゆく派手な展開、といったようなものではなく、単発的な戦闘を細切れに描いていくといった構成になっており、プレイ時間も短めなんですが、自分としてはこの淡白さが逆にプレイしやすかったですね。シリーズ3作目なんて「なんだかお腹いっぱいな大作ぽくしたいがための無理やりなド派手展開だなあ」と時々思ったりしたもんですから、こういう小ぶりな戦闘を章立てでこなしてゆくほうが疲れないんですわ。いや、年寄なもんで…。

ストーリーモード「審判」では通常の難易度設定の他に各戦闘ごとにクリア目標をプレイヤーが取捨選択できる場面が設けられており、これを選ぶか選ばないかで難易度がさらに変わる、といった設定になっています。だからオレの苦手なタイムアタックなんかは回避できたりするのが嬉しい。いや、ジジイゲーマーなんで、実は結構ヘタレなんですよ…。一方「顛末」のモードではそういった設定は無く、短いなりに一本のストーリーが連続して続く構成になっています。この「顛末」ではGOWでお馴染みの敵キャラ・ローカストだけではなくゾンビみたいな異形の者と戦うことになるんですね。

システムの変更や短めのストーリーモードなど、不満なファンも多いようなんですが、自分としてはGOW世界を再び堪能できるのはやっぱり嬉しいし、サクッと軽い感じでプレイできるコンパクトなストーリーが逆に好印象でしたよ。

そういえば今回、予約特典としてTシャツが付いてたのがちょっと嬉しかったですね。多分予約した時はTシャツ付くの知ってたんでしょうが、届いた頃には忘れてたんですね。黒地に赤い髑髏のGowトレードマークが入ってるっていうデザインなんですけどね。いやーなんかこの適度なダサさがいいですね。

f:id:globalhead:20130322233117j:image

Tシャツ後ろのケツのあたりにはGoWロゴが入ってるんですね。

f:id:globalhead:20130322233352j:image

最近、Tシャツってこんなのでいいや、と思っちゃうんですね。あとヘヴィメタルのTシャツとかもいいですね。なんかこう、一周回ってこれでいいや、と思えるんですね。モードだったりアートだったりデザインだったりするTシャツとか、基本的にもう無理なもんですから。ええ、ジジイなもんで。やっぱりねえ、所詮TシャツはTシャツである、そういう謙虚さ、気安さ、分かりやすさ、これでいいんではないかと、斯様に思う訳ですね。

D

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130404

20130403(Wed)

[] 最近読んだコミックなどなど(その2)〜ベルセルク(37)、いとしのムーコ(3)、謝男(シャーマン)(2)、シスタージェネレーター  最近読んだコミックなどなど(その2)〜ベルセルク(37)、いとしのムーコ(3)、謝男(シャーマン)(2)、シスタージェネレーターを含むブックマーク  最近読んだコミックなどなど(その2)〜ベルセルク(37)、いとしのムーコ(3)、謝男(シャーマン)(2)、シスタージェネレーターのブックマークコメント

ベルセルク(37) / 三浦建太郎

ベルセルク 37 (ジェッツコミックス)

ベルセルク 37 (ジェッツコミックス)

現世と常世が混じり合ってしまった新たな世界、幻想世界(ファンタジア)篇の続きであります。うにょうにょした海の化け物をやっと倒していよいよ妖精島へ向かうのか…という所までが前半です。仲間もあれこれ増えて大所帯になってきたガッツ様一行のパーティーですが、仲間が増えるたびに最初の仲間の影が薄くなってくるのは否めません。今回なんて人魚少女と魔法少女というダブル・ロリーな少女二人とキャッキャウフフしているガッツさんじゃないですか。いやホントはキャッキャウフフではなくていつものように白目剥いて血反吐吐いてますけどね。最重要人物のはずのキャスカが空気のようだ…イシドロとかパックって今回いたっけ…。いやいや、きっとこの先活躍する場がまた与えられるのですよ。で一旦インターバル、ガッツの少年時代を描く「遠い日の春花」篇3話が挿入されます。そしてこの「遠い日の春花」篇が意外といいんですな。泣かせるんですよこれが。後半はリッケルトが登場し、化け物が跳梁跋扈する世界を逃れ、グリフィスの統治する「この世で唯一の安全な都《ファルコニア》」へと向かうんです。しかしグリフィスって何考えてるのかよく分かりません。いや確かに最初の望み通り「一国の王」とはなりましたが、「ゴッドハンド」のヘルレイザーな皆さんとは今現在いたいどういう関わりということになるのでしょう?化け物・人間渾然一体となった理想郷を作りながらその過程で人間を襲う化け物を駆逐する。この時「ゴッドハンド」はどっちの化け物の味方なのか。いや、「ゴッドハンド」は単にカオティックな因果律の支配する世界を現出したいだけでそもそも味方とかなんとかは関係ないのかもしれない。まあこの辺は革衣類フェチっぽい「ゴッドハンド」の皆さんにもう一度ご登場いただいてどうにかして頂きたいところではあります。

いとしのムーコ(3) / みずしな孝之

いとしのムーコ(3) (イブニングKC)

いとしのムーコ(3) (イブニングKC)

ガラス職人の小松さんと飼い犬ムーコとのラブリーな日々を描く動物マンガ「いとしのムーコ」、動物好きのオレの相方さんがファンで、オレもついでに読ませてもらったらこれが結構面白く、この3巻も読ませてもらいました。3巻目とはいえ描かれていることに変わりはありません。日常なんてそうそう変わることなんてないからです。小松さんは相変わらず寡黙で淡白で質実剛健、男臭い職人の世界に生きるイイ男で、柴犬のムーコはといいますと動物独特のシンプルな世界で小松さんの愛情をたっぷりもらいながら毎日毎日、その時その時を楽しくノホホンと生きているんですね。動物はもちろん可愛らしいものですが、こうやって毎日毎日とその時その時を楽しくノホホンと生きていられる、そのこと自体と、それらのディテールがとても素晴らしい物語なんですね。そういった日常を楽しむ、謳歌する、愛する、ただそれだけで人生なんて十分素敵じゃないですか。もちろん、人は常にそうやって生きられるわけではないけれども、そういったことに憧れを抱き、そういった日常を生きたいと願う、そしてそういった日常を描く物語を読んで微笑む、それがいいんですね。

■謝男(シャーマン)(2) / 板垣恵介

謝男 2

謝男 2

「どげせん」コンビ解消後の板垣恵介氏サイドからの土下座漫画「謝男(シャーマン)」第2巻であります。正直「謝男(シャーマン)」と「どげせんR」は「"どげせん"はどのように分裂したのか」を確認するために読んだようなものでその後の展開なんかは全く期待していなかったのですが、こうして2巻目を買っちゃうということはやっぱり読んでて楽しかったんだろうなあ。そもそも土下座というテーマだけでどれだけ続けられるの?と思ってたのにそれでもこれだけ続けられて、そして面白い、というのはやはり作者の並々ならぬ想像力、尽きせぬアイディアがあるからこそなのでしょう。この「謝男(シャーマン)」第2巻も実に安定した土下座っぷりで、そもそも土下座しなくてもお話が学園ドラマものとしてよくできてるんだよね。実は板垣氏の漫画って他を読んだことはないんだけど、プロとして実にしっかりいい仕事してるなあと感じましたよ。

■シスタージェネレーター 沙村広明短編集 / 沙村広明

シスタージェネレーター 沙村広明短編集 (アフタヌーンKC)

シスタージェネレーター 沙村広明短編集 (アフタヌーンKC)

「ベアゲルター」が面白かったので読んでみた沙村広明の短編集。いやあ絵巧いなあ。スタイリッシュだなあ。綺麗な女子描くが好きで好きでたまらないんだろうなあ。そして多分綺麗な女子を苛めるのも楽しくてしょうがないんだろうなあ。笑えないギャグ好きだなあ。どんな話描こうと基本的に陰惨だよなあ。陰惨な話じゃなくとも気質としての陰惨さが滲み出てるよなあ。瘡蓋みたいにこびりついてるよなあ。その陰惨さをやりたい放題推し進めたのが「ブラッドハーレーの馬車」で対象化したのが「ベアゲルター」なんだろうなあ。沙村広明って時代が時代なら種村季弘みたいな高雅な趣味人だったかもしれないなあ。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130403

20130402(Tue)

[]最近読んだコミックなどなどなど(その1)〜エクゾスカル零(1)〜(4) 、ドリフターズ(3)、アイアムアヒーロー(11)、GANTZ(36) 最近読んだコミックなどなどなど(その1)〜エクゾスカル零(1)〜(4) 、ドリフターズ(3)、アイアムアヒーロー(11)、GANTZ(36)を含むブックマーク 最近読んだコミックなどなどなど(その1)〜エクゾスカル零(1)〜(4) 、ドリフターズ(3)、アイアムアヒーロー(11)、GANTZ(36)のブックマークコメント

■エクゾスカル零(1)〜(4) / 山口貴由

エクゾスカル零 1 (チャンピオンREDコミックス) エクゾスカル零 2 (チャンピオンREDコミックス) エクゾスカル零 3 (チャンピオンREDコミックス) エクゾスカル零 4 (チャンピオンREDコミックス)

シグルイ」には乗り遅れてしまい読めなかったので(やっぱり全15巻とか気後れするよ)、その代わりといってはなんですが現在雑誌連載中でもあるヒーローSF(??)「エグゾスカル零」を4巻まとめて読んでみたんですけどね、いやあ、話には聞いてましたがやっぱり変態ですねえ(割と褒めている)!滅亡した世界で生きている人間もほとんどいないっていうのに、その中で生き残ったかつての正義の超人たちが「正義とは何か?」だの「いや俺こそが正義だから」と言って戦うという、誰のなんの為にでもなくただ「正義」という言葉だけが独り歩きしている、といった点で物凄く異様なお話なんですよねコレ。外骨格着たヒーローたちが特殊能力使って戦闘を繰り広げてるのに、お話自体は馬鹿馬鹿しいぐらいに観念的なんですよ。逆に言うとアメコミ・ヒーローたちがかつての能天気なヒーローぶりから現代性を加味するために一転して悩めるヒーローやら虚無感にとらわれたヒーローとなりやっぱり「正義とは何か?」「ヒーローとは何か?」とやりはじめたことを日本の漫画家が一人でやろうとしている、それを例えばウルトラマンや仮面ライダーの日本産ヒーローの文脈から描こうとしている、しかもそれを意識的にではなくなんか描いたらこうなっちゃった、みたいな変な部分から創出されている、そういった奇妙さがなんだか面白いし、変わってんなあ、とつくづく思いました。

ドリフターズ(3) / 平野耕太

ドリフターズ 3 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 3 (ヤングキングコミックス)

平野耕太の「ドリフターズ」3巻がやっと…やっと…やっと出ました。いやがらせやちんこいじりばっかりしてねえでちゃんと漫画描けよ平野耕太!いやお願いです描いてください平野耕太様!あ、ええと内容のほうは物語展開してんだかしてないんだかさっぱり分かりませんがとりあえず目ん玉引ん剝いた登場人物が狂った笑顔を浮かべながら「討伐じゃああ!討伐なんじゃあああ!野郎テメエ制圧されろ!グヘヘヘ!」と戦闘に明け暮れるトリコ仕掛けの日々が描かれておりますいつも通りの平野耕太です。適度な笑いもいい感じです。むしろ作者本人も笑いに持って行きたくなっているのかもしれません。

アイアムアヒーロー(11) / 花沢健吾

アイアムアヒーロー 11 (ビッグコミックス)

アイアムアヒーロー 11 (ビッグコミックス)

「ダメ男鈴木英雄君」篇は一旦休止し新章「来栖」篇の続きであります。多分この後どこらへんかで物語をクロスさせる目的なのでありましょう。ここでは今のところ成功している人間の生き残りコロニーが登場し冷静にゾンビの行動を分析しゾンビ排除を遂行しておりますが、ジリ貧である所に変わりはありません。今後このコロニーがどのように変質してゆくのかが描かれるのでしょうが、この章のキーマンであろう来栖がどのような行動に出るのかが鍵となるのでありましょう。例によって用意周到にじわじわと描いてゆく花沢健吾でありますゆえ、こちらもじっくりとこの新章を見守ってゆきたいと思います。

GANTZ(36) / 奥浩哉

GANTZ 36 (ヤングジャンプコミックス)

GANTZ 36 (ヤングジャンプコミックス)

「巨大異星人侵略篇」がやっと終局を迎え、地球に平和が戻る兆しが見え始め、GANTZの謎が解き明かされ(まあ意外とありきたりでしたがこの辺が無難で分かりやすいでしょう)、宇宙人コロニーで戦っていたGANTZメンバーも地球への帰路に着こうとしています。まあこの「巨大異星人侵略篇」、これまでで一番大規模でしたがGANTZメンバーも強力になるだけ強力になっているので、あんまり緊張感もスペクタクルもなく、「まあ仕舞いにかかってるんだろうなあ」といった感じで読んでおりましたが、「やれやれやっと終わるのね」と肩の荷も下りた様な気分でもあります。…と思ったらラストまた引っ張ってます。そうですか、まあもう1巻ぐらいつきあいましょう。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130402

20130401(Mon)

[]小田原城へお花見に 小田原城へお花見にを含むブックマーク 小田原城へお花見にのブックマークコメント

この間のお休みは相方さんと二人で小田原城まで桜を見に行きました。

今年の関東は暫く暖かかったからでしょうか、予想していたより桜が咲くのが早目で、本当は先週ぐらいが一番見頃だったのでしょうが、なかなか忙しくて予定が立てられず、ついこの間見に行くことになったんですが、足を運んだ小田原城界隈は丁度桜が咲き揃っていた頃のようでした。この日はあいにくの曇り空で気温も低かったのですが、それでもそこそこの花見客で賑わっておりましたよ。

小田原までは電車で一時間。小旅行気分でグリーン車なんかに乗っちゃいました。取り敢えず小田原駅前で軽く腹ごしらえすることにしましたが、小田原と言えば海鮮だろ、ということでこの日は海鮮丼を食べることにしました。そしてどうせ花見なんだし、ということで昼間っからビールを注文。

f:id:globalhead:20130331135306j:image f:id:globalhead:20130331135305j:image

小田原城へは駅前から歩いて7,8分。すぐに城郭と桜が見えました。

f:id:globalhead:20130331135505j:image

f:id:globalhead:20130331135504j:image

お城からちょっと降りると遊園地があったり。もちろん桜もちらほら。

f:id:globalhead:20130331140108j:image f:id:globalhead:20130331140215j:image

でも一番綺麗だったのはお堀の周りに咲いている桜でしたね。

f:id:globalhead:20130331135824j:image

f:id:globalhead:20130331135823j:image f:id:globalhead:20130331135822j:image

一通り桜も見て、歩き疲れたから喫茶店で相方さんと二人でケーキなんぞを食し、この日は帰りました。

f:id:globalhead:20130331135821j:image

CUSCUSCUSCUS 2013/04/02 06:52 小田原城の遊園地はまだありましたか。それはよかったです。もう十数年前ですが、子供をそこに連れて遊びました。安くてとてもよかったです。

globalheadglobalhead 2013/04/02 11:47 おおCUSCUSさんも小田原城行かれたことがありますか。思ったよりも小ぶりなお城でしたが気分は味わえましたね。遊園地はレトロ感満載でしたが、ミニ機関車はちょっと乗ってみたかった!

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130401