Hatena::ブログ(Diary)

メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20130531(Fri)

[]インド映画は幸福の匂い〜映画『きっと、うまくいく』 インド映画は幸福の匂い〜映画『きっと、うまくいく』を含むブックマーク インド映画は幸福の匂い〜映画『きっと、うまくいく』のブックマークコメント

■きっと、うまくいく (監督:ラージクマール・ヒラニ 2009年インド映)

f:id:globalhead:20130527212243j:image

かつて同じ学び舎で友情を育んだ3人の大学生、ランチョー、ファンルハーン、ラージュー。卒業から10年、その中の一人で行方不明になっているランチョーが街に戻ってくると聞きつけ、ファルハーンとラージューは大学へと駆けつけた。ここから物語られるのは、10年前の3人の、笑いと悲しみ、喜びと怒り、そして恋と人生に真剣に悩んだ青春の日々。そしてその中で一風変わっていた男、ラージューとは誰だったのか?彼はなぜ姿を消したのか?そして今何をしているのか?卒業から10年後の今、それぞれの人生がもう一度交差しようとしていた…インドで大ヒットを飛ばしたという映画『きっと、うまくいく』はそんな物語なんですね。

インド映画って上映時間がとっても長くて、派手で煌びやかで、歌と踊りがふんだんに盛り込まれて、スラップスティックでナンセンスで…というイメージがあるし、今までたった数本しか観たことが無いインド映画がそもそもそんな映画ばかりだったんですが、この映画『きっと、うまくいく』は、もちろんそんな要素はきちんとあるにせよ、テーマの本質にあるのは現代インドに生きる若者たちの人間模様であり、等身大の悩みや苦しみだったんですね。

この映画の舞台となる工科大学は、いわばインドのエリート校です。人口が多くて、貧富の差が激しくて、経済的にも上向きのインドは、極端な競争社会なのらしく、この映画ではそれが描かれているんですね。カーストとか不可触賤民とか現在でもあるようなんですが、きちんと学問を学んだものは上を目指せる、逆に言えば、学問を成さないものは決して這い上がれない、そういう社会だというんですね。そんな中でエリート校に進めたのならそれでいいじゃないか、と思えるかもしれませんが、その中でも今度は競争に耐えられなくなって絶望して自殺してしまう若者が出る。映画でも語られていましたがインドは世界でも有数の学生の自殺者が多い国なのだそうで、物語中でも幾つかの自殺が描かれていたりします。

さらに、最もお金になるのはエンジニアなんだ、と親に進路を強制されて、自分の思った進路に進む事が出来ない。エンジニアになる事が出来ないものなんか落伍者でしかないような扱いさえ受けてしまう。そんな、自分らしさ、というものを全く無視されたところで、インドの若者たちは物凄く窮屈な青春を生き、そして成功しても失敗しても、なんだか生き難い人生を歩むことしか残されていないことを実感しているんです。

そんな息苦しい学生生活に風穴を開けたのが、物語のキーパーソンであり、そして現在謎の失踪中とされている青年、ランチョーなんですね。ランチョーは破天荒な男で、学校のつまらないルールには無頓着を気取るかハナから無視し、尊大な学長の権力的な態度は鼻で笑っておちょくりを掛けます。いたずら好きだが性格明朗、友情には篤く頭も切れる、なんだか出来すぎなキャラとも言えますが、そんな彼が困難な状況に遭った時に唱えるのが「きっとうまくいく」という言葉で、それがこの映画の日本タイトルにもなっているんですね。すなわち彼はインドの近代的自我と合理的精神、そしてポジティビティを体現している、というわけなんですね。

ただしその主人公のあからさまな程のポジティビティと、出来すぎ感の強い人物造形、「人の為になる学問をしよう!」とか「自分らしく生きよう!」といったようなどことなく面映ゆい物語展開は、ちょっと昔の日本の喜劇を見せられているような、ある意味古臭さを感じさせる部分もあるんですよ。コメディというよりも「喜劇」なんですよね。これは日本の高度経済成長期に育まれた「喜劇」と現在高度経済成長期にあるインド的なドラマがシンクロしている、っていうことなんではないかと思ってたんですが、そんなことを考えてたら町山智浩さんが既にこの映画『きっと、うまくいく』をクレイジーキャッツの「そのうちなんとかなるだろう」に掛け合わせた話をされていたのを発見して、まあそっちのほうが話をきちんと説明しているのでYoutubeで視聴されるといいんだと思います!

そういった部分はあるにせよ、物語後半の畳みかける様に盛り上げまくるドラマ展開には思わずねじ伏せられちゃうんですよ。「ああこの手できたのね」と分かっていても、これでもかこれでもかと涙腺を波状攻撃されてしまい、「ああもうしゃあねえな!」とばかりに涙を拭く始末。間に程よくギャグもちりばめられてなお一層気持ちも和んじゃうんです。ベタでも王道でも、そこはカーマスートラを生み出したインド5000年の歴史、やることがテクニシャンなんですよねえ。そしてあの爽やかなラスト、きちんと幸せが待っていて、「いい映画観させてくれてありがとやんした!」と言って劇場出られますよ。そういえば映画のクライマックスに用意されたロケーションの透き通るように美しい空と水と大地、「インドにもこういう土地があるんだ?」とびっくりさせられましたが、調べてみたらインドのジャンムー・カシミール州東部の地方、ラダックと呼ばれる土地らしく、映画の雰囲気を素晴らしく引き立てておりましたよ。

D

20130530(Thu)

[]『アウトロー』のジャック・リーチャーが初見参するシリーズ第1作『キリング・フロアー』 『アウトロー』のジャック・リーチャーが初見参するシリーズ第1作『キリング・フロアー』を含むブックマーク 『アウトロー』のジャック・リーチャーが初見参するシリーズ第1作『キリング・フロアー』のブックマークコメント

■キリング・フロアー / リー・チャイルド

f:id:globalhead:20130318084842j:image f:id:globalhead:20130318084841j:image

ジャック・リーチャー。元軍人。仕事も家族も、友人さえも持たずただ一人放浪する男。伝説のギター奏者の面影を求めて訪れたジョージアの田舎町で身に覚えのない殺人容疑をかけられ、刑務所で殺されかかった彼は、自分を狙う何者かの意志を察知する。刊行と同時に全米マスコミの絶賛を浴びたアクション巨編。(上巻)

殺されたのはもう何年も会っていない、財務省で通貨偽造を調査していた実の兄だった。おれがこの手で犯人を挙げる、誰がなんといおうと―。容疑が晴れ釈放されたリーチャーは女性巡査ロスコーと共に事件を追い、町を覆い尽くすある巨大な陰謀を明らかにしていく。アンソニー賞最優秀処女長編賞受賞作。(下巻)

トム・クルーズ主演のクライム・アクション映画『アウトロー』が大変面白かったので、『アウトロー』の原作者リー・チャイルドによるジャック・リーチャー・シリーズの作品をどれか読んでみようかと思ったわけなのでありますよ。そこで選んだのがジャック・リーチャー初登場のシリーズ第1作目『キリング・フロアー』であります。

主人公ジャック・リーチャーはアメリカの各地を旅する流れ者です。流れ者、と書くとそれこそ「アウトロー」のような感じなんですが、実は彼は退役軍人で、今は一人の自由人として、何にも縛られない毎日を送っている、ということなんです。軍隊時代のリーチャーは憲兵として軍人相手の警察官のような特殊な任務に就いていました。そのような任務に就いてたからなのでしょうか、彼はシャーロック・ホームズのごとき研ぎ澄まされた知性と分析力を持ち、さらにランボーのごとき抜群の戦闘能力と殺傷能力を持った、いわば「文武両道」なキャラクターとして創出されています。賢いだけでも体力自慢だけでもない、この二つ合わさった部分が彼のキャラクターとしての面白さなんですね。

さてリーチャーは、ある日ぶらりと降り立った田舎町で、突然殺人犯として警察に逮捕されることから物語が始まります。もちろん誤認逮捕でありますが、なぜか警察内部では彼を犯人として仕立て上げようとする不穏な画策が巡らされています。なんとか留置所から出る事が出来たリーチャーでしたが、彼はこの町で巨大な陰謀が進行中であり、しかも関係無いはずの自分自身も、ある止むおえぬ事情から、どっぷりとこの事件に関わってしまっていることを知るのです。そして次々と目を覆うような残虐な殺人が行われ、さらにこの陰謀それ自体が、アメリカ全てを混乱に陥れる様な恐るべきものである事が徐々に明らかになっていくんですね。

お話それ自体は、ダシール・ハメットの描く『血の収穫』を思わせる様な、"アメリカの片田舎にある、悪に染まった町とその支配者"を追いつめてゆく、という物語の構造を成しており、それはさらにさかのぼれば、アメリカの西部劇などにも繋がっているのではないかと思います。その中で一匹狼のヒーローが、数少ない仲間を頼りにしながら、満身創痍になりつつも難事件を解決してゆく、というプロットは王道の冒険小説のもので、そこにジャック・リーチャーという文武両道の主人公を配している部分が新鮮であり、まさにシリーズのオープニングとして申し分のない出来となっているでしょう。面白いのは、こういったアメリカの片田舎を舞台にした西部劇を思わせる様な物語を、英国人作家が描いている、という部分なんですね。また機会があったらシリーズの別作品を読みたくさせる好作品でした。

新装版 キリング・フロアー 上 (講談社文庫)

新装版 キリング・フロアー 上 (講談社文庫)

新装版 キリング・フロアー 下 (講談社文庫)

新装版 キリング・フロアー 下 (講談社文庫)

アウトロー 上 (講談社文庫)

アウトロー 上 (講談社文庫)

アウトロー 下 (講談社文庫)

アウトロー 下 (講談社文庫)

20130529(Wed)

[]最近聴いたエレクトロニック・ミュージック(あとジャズ的ななにか) / Coyote Clean Up,Benjamin Damage,Cosmin TRG,Theo Parrish,Gilles Peterson 最近聴いたエレクトロニック・ミュージック(あとジャズ的ななにか) / Coyote Clean Up,Benjamin Damage,Cosmin TRG,Theo Parrish,Gilles Petersonを含むブックマーク 最近聴いたエレクトロニック・ミュージック(あとジャズ的ななにか) / Coyote Clean Up,Benjamin Damage,Cosmin TRG,Theo Parrish,Gilles Petersonのブックマークコメント

■2 Hot 2 Wait / Coyote Clean Up

デトロイトで活動するCOYOTE CLEAN UPのフルアルバム。リリースは90年代ハウスを現代的に甦らせるUS西海岸のレーベル100% SILKから。音もサイケデリックにハウスしてます。 《試聴》

D

■Heliosphere / Benjamin Damage

Heliosphere

Heliosphere

ロンドン/ベルリンを拠点として活動するBenjamin Damageの1st。フロア向けなダーク&メランコリックなテクノ・サウンド。 《試聴》

D

■Gordian / Cosmin TRG

Gordian

Gordian

ルーマニアのトラック・メイカーCosmin TRGのNew。実にアップ・トゥ・デイトなベース/ミニマル・テクノ・サウンドを聴かせており、今回紹介の中ではイチオシかも。 《試聴》

D

■Sound Signature Sound / Theo Parrish

デトロイト・ハウスの鬼才と言えばこの人、Theo Parrishなのだけれども、個人的には今まできちんと聴いてなかったなあ、という反省も込めながら昔のアルバムをポツポツ聴いていたらこれが見事にずっぱまり、あたかも昔からファンでしたよ!とでも言わんばかりのヘビロテ中であります。というわけでこちらは2000年リリースの「Sound Signature Sound」。Discはどこも品薄だったのでD/Lで購入いたしました。 《試聴》

D

■Sound Signature Sound Vol.2 / Theo Parrish

そしてこちらは2012年リリースの「Sound Signature Sound Vol.2」。Theo Parrishが面白いのは非常に無機的で機械的なビートの中に実にソウルフルでエモーショナルなヴァイブを絡ませてくるところですね。これはクセになるわあ。 《試聴》

D

■Black Jazz Signature / Theo Parrish

THEO PARRISH'S BLACK JAZZ SIGNATURE

THEO PARRISH'S BLACK JAZZ SIGNATURE

で、勢いにまかせてTheo Parrishがミックスした真っ黒黒助ジャズ・コンパイル・シリーズBlack Jazzのアルバムまで購入。もちろん全編ジャズ。 《試聴》

D

■Black Jazz Radio / Gilles Peterson

BLACK JAZZ RADIO

BLACK JAZZ RADIO

さらにさらに勢いにまかせて今度はGilles Petersonミックスによる真っ黒黒助ジャズ・コンパイル・シリーズも購入。実はジャズって全然聴かないんですがGilles PetersonならOKということで! 《試聴》

D

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130529

20130528(Tue)

[]この世界へあらん限りの悪態を〜『崖っぷち』 フェルナンド・バジェホ著 この世界へあらん限りの悪態を〜『崖っぷち』  フェルナンド・バジェホ著を含むブックマーク この世界へあらん限りの悪態を〜『崖っぷち』  フェルナンド・バジェホ著のブックマークコメント

崖っぷち (創造するラテンアメリカ)

瀕死の弟の介護のため母国コロンビアに戻った語り手。彼の脳裏に去来する弟との思い出、ありし日の父の姿、憎むべき母親、そしてかつての、また現在の母国コロンビアのどうしようもない状態。死と暴力に満ちたこの世界に、途轍もない言葉の力で作家はたった一人立ち向かう。2003年ロムロ・ガジェゴス賞受賞作。

コロンビア作家フェルナンド・バジェホの『崖っぷち』は、異様なまでのエネルギーに満ちた凄まじい【悪態小説】だ。主人公は罵る、主人公は呪う、残酷な世界を、不正と貧しさに満ち溢れた自らの国コロンビアを、お題目ばかり立派なローマ教皇とその強権的な宗教を、愚か者ばかりの町の住民を、怠惰で利己的な自らの母親を、そして、愛する弟を冒す死病エイズを。世界は何一つとしてまともではない、世界は何一つとして正しくない、世界はクソッタレでしかない、だから主人公は否定する、全ての世界を、全ての存在を。この圧倒的なまでの【苛立ち】が恐るべき分量の罵倒となって、ページというページを埋め尽くす。そしてその苛立ちと罵倒の中心にあるのが、弟の罹った病魔であり、ありとあらゆる手を尽くしながらも確実に死へと近づいてゆく、その無力感と死という名の不条理が、主人公の怒りになお一層火を注ぐ。そうだ、世界がどれほど悲惨なものであろうと、主人公は決して悲嘆に暮れ首項垂れてはいない。たとえどんなに無駄であろうと、主人公はそれと鼻突き合わせて対峙し、戦い抜こうとする、それは勝ち目のない戦いだということを重々承知の上で、その悲惨さをこき下ろす。確かに最後には全ては敗北し、無に帰し、闇に還り、いけすかない死が墓の上で嗤うのだとしても、せめて噛み付く所には噛み付いて、歯型の一つも残してやろうじゃないか。そしてそれが、自分という存在と、そして愛する者との、生きてきた証なのだから。フェルナンド・バジェホの『崖っぷち』は、膨大な罵倒に塗れながら生の悲しみと不確かさを描く、そんな小説なのだ。

崖っぷち (創造するラテンアメリカ)

崖っぷち (創造するラテンアメリカ)

[]若手作家によるスピリチュアルな掌編集〜『シェル・コレクター』 アンソニー・ドーア若手作家によるスピリチュアルな掌編集〜『シェル・コレクター』 アンソニー・ドーア著を含むブックマーク 若手作家によるスピリチュアルな掌編集〜『シェル・コレクター』 アンソニー・ドーア著のブックマークコメント

シェル・コレクター (新潮クレスト・ブックス)

ケニア沖の孤島でひとり貝を拾い、静かに暮らす盲目の老貝類学者。だが、迷い込んできた女性の病を偶然貝で癒してしまったために、人々が島に押し寄せて…。死者の甘美な記憶を、生者へと媒介する能力を持つ女性を妻としたハンター。引っ越しした海辺の町で、二度と会うことのない少年に出会った少女…。淡々とした筆致で、美しい自然と、孤独ではあっても希望と可能性を忘れない人間の姿を鮮やかに切り取った「心に沁みいる」全八篇。「ハンターの妻」でO・ヘンリー賞を受賞するなど、各賞を受賞した新鋭によるデビュー短篇集。

アメリカの若手作家アンソニー・ドーアによる短編集。1973年生まれというからやっと30歳になったかならないかという歳のようだが、これが実に器用に書き上げられた作品が並ぶ。ざっくりと乱暴に評するなら、アンソニー・ドーアの小説は「ちょいスピリチュアルの入ったアウトドア小説」といったところか。全てというわけではないが巧みに自然の描写が描かれた作品が並び、それは詩的であると同時に霊感に満ちており、その霊感は具体的でなにがしかの”啓示”を与えるものではないにせよ、主人公の生き方に決定的な影響を与える。そしてどの作品も予想を覆す展開、思いもよらないエピソードを交えながら胸に残るクライマックスを迎える。この辺の展開の妙味が作者の持ち味であり、テクニックの確かさを感じさせるところだ。ただ、そのテクニックの確かさは逆にライターズ・カレッジの優等生といった風情もあり、秀逸ではあるもののどこか生々しさに欠ける部分もある。しかしそれは若さなりの陰影の無さであり、当然これからも作品を書き続けることによって円熟してゆくものであろうから、それを指摘するのはフェアではないだろう。それとこの作者、どうやら相当釣りが好きなようで、収録作のほぼ半数に釣りと釣り人が登場する。ひょっとしたら個々の作品に横溢するスピリチュアルなテイストは作者の釣りによってインスピレーションを得たものなのかもしれない。その中で釣りそれ自体が主題となった「七月四日」はこの作品集の中で唯一のコミカルな作品で、個人的にはリラックスして書かれたと思われるこの作品こそが作者の個人的な内面に一番近い所にある作品ではないのかとすら思った。

シェル・コレクター (新潮クレスト・ブックス)

シェル・コレクター (新潮クレスト・ブックス)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130528

20130527(Mon)

[]幻想の原始世界で繰り広げられる格闘FPSゲーム〜『Zeno Clash 2』 幻想の原始世界で繰り広げられる格闘FPSゲーム〜『Zeno Clash 2』を含むブックマーク 幻想の原始世界で繰り広げられる格闘FPSゲーム〜『Zeno Clash 2』のブックマークコメント

f:id:globalhead:20130525091123j:image

バーチャファイターを生み出した鈴木裕がルネサンス画家ヒエロニムス・ボスをアート・ディレクションに使い、ルネ・ラルーのSFアニメ「ファンタスティック・プラネット」とハリーハウゼン特撮の「恐竜100万年」を下敷きにしたFPSゲームを作ったら。それがこの『Zeno Clash』である。…というのはかなり褒めすぎだが、それだけ画期的であり特異で独創的な世界観を持ったゲームであることは間違いない。

幻想の惑星で展開される肉弾ファイト!〜ゲーム『Zeno Clash』/ メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

奇妙な生物と住人たちが原始的な生活を営む謎の惑星Zenozoikを舞台に、不思議な鳥の神Father-Motherと主人公姉弟との物語を描く、2009年に発売された格闘アクションゲーム『Zeno Clash』の続編です。

f:id:globalhead:20130525091227j:image

このゲームがユニークなのは何よりも「FPS視点の格闘ゲーム」ということなんですね。銃で撃ち合うのではなく素手で相手と殴り合う!というFPSゲームなんですよ。さらにこのゲームをユニークにしているのはシュールでへんてこりんな独特の世界観です。古代文明と神話世界が合体したような街並みには様々な形をしたクリーチャーたちが住み着き、異様な文化を形作っています。この不思議な世界を闊歩し、美しいビジュアルを堪能するだけでも楽しいんですね。

f:id:globalhead:20130525091226j:image

戦闘は殴る蹴るが基本ですが、溜め技や投げ、カウンター攻撃も存在し、単調だったのが否めない1作目よりも技のバリエーションが増えています。ただし当たり判定は大雑把だし、純粋な格闘ゲームのような技の駆け引きがあるといったものではありません。ただやっぱり、殴り合いってなんだか熱くなってくるもので、しかも相手が訳の分からない格好をした化け物だったりするもんですから、余計興奮してきますね。しかも戦闘は1対1ではなく多数の敵を相手にしなければならないので気を抜くと囲まれてフルボッコ状態にされるのでフィールドでの位置取りも重要です。

f:id:globalhead:20130525100116j:image

それと戦闘が始まっても前作のようにフィールドが閉じられることが無く、逃走が可能なのもヘタレゲーマーの自分には嬉しい事です。実は一応飛び道具も存在するんですが、なにしろ舞台が古代文明なもんですから、輪ゴム鉄砲みたいなのとか骸骨爆弾とか、主力武器にはなり難いものばかりです。ただしこれも前作よりは威力が増しているような気がします。さらに前作との違いはレベルアップの概念と仲間をスカウトできる、といったところでしょうか。

f:id:globalhead:20130525091225j:image

もともとはチリの独立系デベロッパーACE Teamが開発したいわゆる「インディペンデント・ゲーム」で、今のところパッケージ版は無くPCではSteamなどでのD/L販売となっています。コンソール機での発売はXBLAやPS3でのD/L販売もあるようですが、日本で対応しているかどうかは未確認。Steamだと現在$19.99と結構お安い値段なので気軽に購入してプレイできると思いますよ。

D

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130527

20130524(Fri)

[]戦慄!変態文学者と妄想人造少女とが繰り広げる陵辱と監禁の猟奇奴隷愛!〜異常映画『血糊色した火花』 戦慄!変態文学者と妄想人造少女とが繰り広げる陵辱と監禁の猟奇奴隷愛!〜異常映画『血糊色した火花』を含むブックマーク 戦慄!変態文学者と妄想人造少女とが繰り広げる陵辱と監禁の猟奇奴隷愛!〜異常映画『血糊色した火花』のブックマークコメント

ルビー・スパークス (監督:ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス 2012年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20130518194301j:image

■理想の女の子が目の前に現れた!ウシシ!

とある作家先生が理想の女の子を主人公とする小説を執筆していたら、その女の子が現実に現れて「あたしはあなたの恋人よ!」とか言い始めるもんだから嬉し恥ずかしさあ大変!という男のパンツの中身の欲望と妄想がそのまんま考えなしに描かれたしょーもないラブコメディであります。

最初はとりあえず「ボクは頭がおかしくなっちゃったんだ!」とパニクる作家先生ですが、超常現象だろうがCIAの陰謀だろうが、マグマの如く熱くたぎる下半身の呼び声には勝つことが出来ません。というわけで「いったいぜんたいなんでこんなことが起こっちゃうの?」などという疑問は一切沸くことも無いまま、なし崩しに二人は同棲を始めちゃうんですな!こんな具合に幸せいっぱい夢いっぱいに過ごしていた能天気な作家先生ですが、理想の女性の筈の彼女が次第に「自分の時間も欲しいの」な〜んて言い始めるもんだから「あんだとゴルァアァ!?ボクチンの理想で出来てる女がボクチンを無視するだとゴルァアァ!?」といきなりの激昂!で、「そうだ、ボクチンが創作したオンナなんだから彼女のスペックをボクチンの思い通りに書き変えればいいんだ!ボクチン頭いい!」と小説内の彼女の性格を変更!それと同時に目の前の彼女の性格も変化!しかし最初は上手くいくと思っていたその企ては、しまいに彼女を単なる自動人形までに貶めてしまうのでありますが!…というお話であります。

自分の理想通りの美少女が目の前に現れて自分と交際してくれる。どうにも身も蓋も無いお話ではありますが、正直、男子として生まれてきたものならば一度は妄想したことがあることなのではないでしょうか。理想の美少女って訳ではなくとも、指咥えて待ってるだけで女子が勝手に向こうからやってくる、なあんてお話は「不動産屋の手違いで同じ家に住むことになった高一の男女」とか「寅柄ビキニの宇宙人美女が突然部屋に居座り始める」とか「空から少女が降ってきた」とか枚挙にいとまがありません。努力しないで濡れ手に粟!という怠惰極まりないまことに嘆かわしい妄想の産物ではありますが、いや妄想だからこそ、自分だけに都合のいい女性関係を物語にしたくなってしまうのであります。ま、普通に考えたら、ンなことあるわきゃねーもんな!ホントの恋愛はメンド臭いしキビシーし傷付いちゃったりするし!

この『ルビー・スパークス』、男子にありがちな妄想を面白おかしく描いた気軽に鑑賞できる他愛もない映画として仕上がってはいるんですが、しかし深く考えるとやっぱりイビツだし薄気味悪い映画でもあるんだよね。一応名目はラブコメなんだろうけど、ここで描かれているのは実はラブとはほど遠いものだし、コメディを装いつつ容易く不気味なホラーへと転化してしまうような内容なんですよ。

■コミニュケーション不在の恋愛映画『ルビー・スパークス

恋愛って基本、コミニュケーションじゃないですか。この映画になぜ「ラブ」が無いのかというと、結局作家先生は妄想少女ルビーとコミニュケーションなんかしていないからなんですよ。しているように見えて作家先生は自分の頭の中にある「理想の彼女とはこういうもの」を的確にトレースしてくれる彼女の様子を楽しんでいるにすぎないんですよ。そしてその彼女が「自分の時間が欲しい」と言った途端作家先生が困惑したのはそれが「理想の彼女とはこういうもの」という条件から外れたことだからなんですよね。

彼女がなんで条件外のことを始めたのかは分かりません。「たまに条件外のことをする」と小説に書かれてあったからなのか、それとも現実に長く生きて彼女に自我が目覚めたからなのか、その辺はこの映画では説明されません。妄想少女に自我はあるか?というのは実際には重要な事だとは思うんですが、映画製作者はそこんところは気軽に素っ飛ばしてくれちゃってます。普通、カップル同士の意見に齟齬があった場合には、話し合って説得するなり歩み寄るなり相手の言い分を認めるなりするのですけれど、この作家先生のやったことはといえばスペックの上書き!つまりはなからコミュニケーションする気なんかないんですよこの作家先生は。自分の言いなりになる相手が欲しかっただけなんですよ。

そういえば澁澤龍彦センセがこんなことを書いておりました。

女の側から主体的に発せられる言葉は、つまりは女の意思による精神的コミュニケーションは、当節の流行言葉で言うならば、私たちの欲望を"白けさせる"ものでしかないのだ。(中略)女の主体を女の存在そのもののなかに封じ込め、女のあらゆる言葉を奪い去り、女を一個の物体に近づかしめれば近づかしめるほど、ますます男のリビドーが蒼白く活発に燃え上がるというメカニズムは、たぶん、男の性欲の本質的なフェティスト的、オナニスト的傾向を証明するものにほかなるまい。

(中略)当然のことながら、そのような完全なファンム・オブジェ(客体としての女)は、厳密にいうならば男の観念の中にしか存在し得ないであろう。そもそも男の性欲が観念的なものであるから、欲望する男の精神が表象する女も、観念たらざるを得ないのだ。要は、その表象された女のイメージと、実在の少女とを、想像力の世界で、どこまで近接させ得るかの問題であろう。

澁澤龍彦 / 少女コレクション序説

結局観念的な恋愛(欲望)対象にしか憧れていなかった男の妄想が具現化したってやっぱり男はそれを観念的な存在としか認めないってことなんです。

だいたいいくら自分の創作物から出現した女子とはいえ、スペック上書きすることで自分の思った通りに好き放題相手を操れるって、もはやそこからは怪奇と猟奇の領域ですよね。それってつまり、相手の意思を無視してSMみたいな調教行為するのといっしょですよね。相手の意思を無視するっていうのは、それは相手を人間だと思ってないからですよね。目の前に血肉を備え意志と自我を持つ一人の人間としての女性が立っていても、それは、作家先生にとっては、モノと変わりない、そして、モノとして扱う、いやあやっぱり異常なお話ですね。そんなわけでこの映画、一見ラブコメに見えてラブ不在、コミニュケーション不在のうすら寒い凌辱奴隷映画だったんですねえ。

D

kk 2013/05/25 13:34 ちょうど私もそのDVD借りましたん。見てから、ブログをよみます。 昨夜はホステルをみたので、ちょっとグロッキーです。朝から豆腐を食べるのはキツかった。。

globalheadglobalhead 2013/05/25 13:49 ってゆーかホステル観たのか!いったい何故…。オレは大好きな映画だが女子には結構キツかったのではないかと…。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130524

20130523(Thu)

[]人類滅亡後のロシア、地下鉄坑道に生き残った人々の戦いを描く『Metro: Last Light』 人類滅亡後のロシア、地下鉄坑道に生き残った人々の戦いを描く『Metro: Last Light』を含むブックマーク 人類滅亡後のロシア、地下鉄坑道に生き残った人々の戦いを描く『Metro: Last Light』のブックマークコメント

f:id:globalhead:20130519191258j:image

核戦争により都市は破壊され文明は崩壊した。そして2033年、ロシア。大地は汚染され、地上にはミュータントがはびこり、僅かに生き残った人々は地下を網の目のように結ぶ地下鉄坑道で細々と生き延びていた。しかし、その彼らを殲滅せんと新種のミュータント「ダークワン」たちが襲い掛かる。激しい戦いの末「ダークワン」を滅ぼすことに成功した人類だったが、その最後の生き残りの一匹に、人類救済の鍵があることを知る。

f:id:globalhead:20130519205819j:image

2010年に発売されたFPSゲーム『Metro:2033』の続編、『Metro: Last Light』です。ロシアという独特の舞台、破壊され都市の瓦礫だけがどこまでも続く地上、そのロシアの地下を結ぶ暗黒の地下鉄網、そこで生きる人々の薄汚れ倦み疲れた暮らし、彼らを襲う醜くおぞましいミュータントたち。それら腐敗と死と破滅が全てを覆う廃墟の光景が美しいグラフィックで細微に表現され、リアリティに満ちた異様で独特な世界観を形作り、ゲームをプレイしていると圧倒的な没入感に囚われます。

f:id:globalhead:20130519205859j:image

暗闇に包まれ、迷路と化した地下鉄坑道は、瓦礫と腐った植物に覆われ、白骨死体が山のように打ち捨てられ、蜘蛛の巣がそこここにかかり、巨大化した虫と虫の卵があちこちに固まり、そこを歩く気持ち悪さは半端ではありません。それと同時にそのビジュアルの再現度の高さに心奪われます。プレイヤーの装着したマスクに水滴が付着する描写はFPSゲームではよくありますが、この『Metro: Last Light』ではさらに飛んできたハエがぶつかってきたり、バカでかい蜘蛛がくっついたり、泥が跳ねたり、倒したモンスターの血痕が付着したりと恐ろしく細かいのです。それだけではなく、それらマスクの付着物を「拭き取る」というアクションが出来る、という細かい演出振り!いやあ、オレなんか結構神経質なんで、ゲーム中しょっちゅうマスク拭いてます…。その暗がりから突然モンスターが群れを成して襲ってくるんだからこれはビビりますよ!

f:id:globalhead:20130519205955j:image

そしてその地下から地上に出ると今度は汚染した空気を心配しなければなりません。ここでガスマスクを付けるのですが、フィルターの使用制限時間が設けられており、ここで腕時計のタイマーをONにする演出が入ります。ここも細かい。制限時間があるので地上をじっくり歩き瓦礫の都市に見惚れるなんてことなんて出来ません。ただ歩き回る、というだけで死と隣り合わせなんです。そしてここでもモンスターの襲撃が!しかもいちいち倒していると制限時間が迫ってきます。こういった緊迫感が堪らないんですよね。

f:id:globalhead:20130519210029j:image

モンスターだけではなく、この世界には主人公たちコミニュティの敵対勢力が存在します。つまり人間の敵もいるんです。これがドイツ訛りのネオナチ軍団で、(まあ舞台はロシアとはいえ、主人公らが喋るのもロシア訛りの英語なんですが)、こいつらとの銃撃戦も主人公を待っております。しかし、延々とモンスター殲滅や敵軍団との撃ち合いだけに終始するといった内容ではなく、そういった戦いも含めながら、この破滅した世界の光景をプレイヤーにじっくり味あわせる、とことん歩き回らせ世界を体験させる、といった演出が非常に多く盛り込まれているゲームになっています。そういった部分で凡百のシューターとはまさに一線を画したゲームとして完成しているんですよ。世界観の作り込み、といった点で非常に力の籠った優れたゲームですね。ひょっとしたら今年上半期最高のゲームということもできるかもしれません。

f:id:globalhead:20130519210057j:image

なお今のところ日本語ローカライズ版の発売はアナウンスされていないようで、プレイしたい方は輸入版Xbox360、PS3、もしくはSteamでのDL販売で入手することになると思います。

D

Metro Last Light (輸入版:アジア) - PS3

Metro Last Light (輸入版:アジア) - PS3

Metro 2033 (輸入版:アジア) - Xbox360

Metro 2033 (輸入版:アジア) - Xbox360

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130523

20130522(Wed)

[]最近読んだコミックなどなどなど / ゾンビvsロボット,さまよえる成年のための吾妻ひでお,ライオンの首,エリア51(6) 最近読んだコミックなどなどなど / ゾンビvsロボット,さまよえる成年のための吾妻ひでお,ライオンの首,エリア51(6)を含むブックマーク 最近読んだコミックなどなどなど / ゾンビvsロボット,さまよえる成年のための吾妻ひでお,ライオンの首,エリア51(6)のブックマークコメント

■ゾンビvsロボット / アシュレイ・ウッド

f:id:globalhead:20130519172838j:image:leftゾンビが!ロボットが!アマゾネスが!人類滅亡後の地球で戦いを繰り広げる!…というボンクラ中2少年の夢をそのまま物語にしちゃったようなアメコミ『ゾンビvsロボット』であります。なんかもう明日にでも井口昇監督で思いっきり下品&チープに脚色されて映画化されそうな内容ですな。グラフィックはメタルギア・ソリッドで有名なアシュレイ・ウッド氏が手掛けております。アシュレイ氏のグラフィックはなんだかちゃちゃっと乱雑に描いたように見えて実は確かな絵画技術に裏打ちされた流れる様な描線が特徴的ですな。お話のほうは実はそれほどシリアスなものではなくて、破滅後の地球なのになんだかすっとぼけた味わいがあります。激情のまま書き殴った!といった風情であまり整合感がある物語ではございません。注文を付けるならアマゾネスの皆さんが「西洋人の好きそうな東洋人の顔」をしておりまして、もうちょっと美人ちゃんのほうがよかったかなあ、といったところでしょうか。

ゾンビvsロボット

ゾンビvsロボット

■さまよえる成年のための吾妻ひでお Azuma Hideo Best Selection / 吾妻 ひでお (著), 町田 ひらく (監修)

f:id:globalhead:20130519172851j:image:left

吾妻ひでお究極のベストセレクション」として刊行されているAzuma Hideo Best Selectionの4巻目は、いよいよ【ロリ・エロ】を中心とした吾妻マンガのセレクトされたものとなっています!まあわざわざセレクトされなくても吾妻さんのマンガは基本ロリとエロであり、それにナンセンスとドタバタとSFが加味されることで吾妻世界を形作っているということが言えましょう。大体昔読んでいた吾妻さんのギャグマンガって女の子がすぐ裸にされていたような気がしたもんなあ…。しかし今回のセレクションはそんな「マンガの味付けとしての・脱線要素としてのエロ」というよりは、もっとディープにコアにエロな作品が並んでおるのですよ。さらにそこはSFの吾妻さん、お話自体は非常にシュールなんですよね。だいたいウンコが少女の形に変身したからとりあえずエッチしちゃう、という「プランコ君 ファンタジア」とかシュールを飛び越えて既にメチャクチャですよね。今回のセレクションは吾妻マンガの秀作も多く、下校後の少女が林の中で異形と出会う「陽射し」とか森の中の家に鎖でつながれた少女を描く幻想エロ「鎖」とか、白日夢のような文学的な作品も読む事が出来るんですよ。Azuma Hideo Best Selectionも4巻目だというのにまだまだ奥が深い吾妻さんだなあ。

■ライオンの首 呪みちる作品集 1996-2012 / 呪みちる

f:id:globalhead:20130519172930j:image:leftホラーマンガ、というのにはそれほど興味は無かったんですが、ネットで見かけたこの呪みちるという漫画家の描くホラーマンガの描線がちょっと気になって作品集を読んでみました。巻末の解説によるとこの作品集の約半数が90年代ホラー誌ブームの頃に描かれたもののようですが、確かにあの頃ありましたねえ電話帳みたいな厚さのレディコミやらホラー月刊誌が。言うなれば泡沫のように大量生産され大量消費されたホラーマンガを描いていた一作家の作品集、ということもできるかもしれませんが、こうしてまとめて読んでみるとそのバラエティの豊かさや魅力あるキャラクター描写など非凡なものを感じます。こうしたホラーマンガから連想するような霊障とか祟りとか恨みみたいな和風の湿っぽさとは違うもっとモダンな作風があるんですね。作品によってはTV番組のホラー短編として使える様な物語もありますし、グログロなだけではなく情緒を感じさせるもの、コミカルなものなど読んでいて飽きさせません。でも一番面白そうなのは一部だけ収録されている現在連載中という「エレノイド・ミッシェル」だな。これは1冊にまとまったら読んでみたいですね。あと、呪氏の漫画に登場する暗い目をした少女がみんな美人でいい。

■エリア51(6) / 久正人

f:id:globalhead:20130519172913j:image:leftワタクシの大好きな漫画家・久正人の「エリア51」第6巻です。伝説・民話・物語に登場するありとあらゆる種類のモンスター、神話の神、都市伝説のUMAらが洋の東西を問わず集められ隔離され、軍によって管理されている架空のアメリカ第51の州「エリア51」で巻き起こる事件を探偵・真鯉徳子(通称マッコイ)が解決してゆくというこの物語、前巻までに登場した究極の悪「最初の蛇」と神々の集団「十神会議」の暗躍がいよいよ本腰を入れて描かれ始め、物語に破滅の予感を漂わせ始めています。どんどんスケールの大きくなってゆく「エリア51」、次巻も楽しみです。

エリア51 6 (BUNCH COMICS)

エリア51 6 (BUNCH COMICS)

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130522

20130521(Tue)

[]最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの〜『エビデンス 第6地区』『リンカーン/秘密の書』『推理作家ポー 最期の5日間最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの〜『エビデンス 第6地区』『リンカーン/秘密の書』『推理作家ポー 最期の5日間』を含むブックマーク 最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの〜『エビデンス 第6地区』『リンカーン/秘密の書』『推理作家ポー 最期の5日間』のブックマークコメント

■エビデンス 第6地区 (監督:ハウイー・アスキンス 2011年アメリカ映画)

エビデンス 第6地区 [DVD]

エビデンス 第6地区 [DVD]

「トニー谷師匠、お好きな寿司ネタは?」「エビざんす!」…などというオヤジギャグを冒頭に持ってきつつ、映画『エビデンス 第6地区』ざんす。しかしトニー谷のことを知っていないとさっぱり意味が分からないばかりか、トニー谷を知っていたとしても面白いかどうかは果てしなく謎であるオヤジギャグであることは確かざんすが、かといってその責任を追及されてもいかんともし難いものがあるざんす。そもそもこのオレが映画についての駄文を書くときに最初にオヤジギャグを持ってくる場合は実は書くことが何もないか書くほどのものでもないが無理矢理書いているか書くこと自体が面倒臭くなっているときなんざんす。といった点でいうとこの映画、観てみたが書くほどの事が何もない映画ざんした。どうもこの作品の前に同傾向のPOVホラー『チェルノブイリ・ダイアリーズ』を観てたもんざんすから、内容が被りまくってて特に驚くことが無かったばかりか、「あれ、オレ間違ってチェルノブイリダイアリーズもう一回観てんのか?」と思ったほどだったんざんす。まあ巡り合わせが悪かったんざんしょ。それとヒロインがよく観るとブス揃いだったのが興味を甚だしく無くした要因かもしれないざんすね。ざんすざんすさいざんんす!あなたのおなまえなんてーのー!あらおフィッシュが泳いでる!

D

トニー谷、ざんす (幻冬舎アウトロー文庫)

トニー谷、ざんす (幻冬舎アウトロー文庫)

■リンカーン/秘密の書 (監督:ティムール・ベクマンベトフ 2012年アメリカ映画)

「あのリンカーン大統領はなんとヴァンパイア・ハンターだったッ!?」という超常現象雑誌ムーもびっくりのトンデモ映画でございます。こんな映画にもかかわらず、監督はなんとスティーブン・スピルバーグ、主演はダニエル・デイ・ルイスのアカデミー賞2冠映画なんですよ!…え、違った?ああそうですかこれは失礼いたしました。というわけで『リンカーン/秘密の書』でありますが、ヴァンパイアハンターのリンカーンさんの武器は、なんと斧なんでございますよ。しかもただの斧じゃなくて銃の仕込んである「仕込み斧」なんですな!この仕込み斧をぶん回しながら殺された母の復讐に燃えたリンカーンさんがヴァンパイアどもを次々に首チョンパしていくのでありますよ!いやあバカだなあ!バカで楽しいなあ!言ってみれば殆どマンガなんですが、ヴァンパイア狩りの合間に片手間で奴隷解放運動とか南北戦争とかやっちゃってる部分が凄いリンカーンさんであります。そういえば「シャーロック・ホームズvsゾンビ」なんていうコミックがありましたが、こういう異種格闘技戦みたいなノリが楽しいんですな。馬鹿馬鹿しいなりにCGやアクションの見せ方がとてもよく出来ていて遜色の無い映画として仕上がっておりました。ただ、日本タイトルにある「秘密の書」っていったいどこに出てきたのかちょっとわかんなかったんですが…。

D


推理作家ポー 最期の5日間 (監督:ジェームズ・マクティーグ 2012年アメリカ映画)

19世紀アメリカの作家エドガー・アラン・ポーが彼の著したミステリ小説を模した連続殺人事件の謎を追う、というお話です。いや実は最初上で紹介した「リンカーン/秘密の書」と間違って借りちゃって観たんですけどね。確かにリンカーンもアメリカで19世紀で、両方とも映画公開は2012年でオカルトチックな物語で、その辺は間違いないといえば間違いないんですが、そもそもエイブラハム・リンカーンエドガー・アラン・ポーを間違える、という段階でいろいろマズイですよね。さてそのポーなんですが、ワタクシ実はちゃんと読んだことがありません。読んだことはないんですが、有名作品はタイトルとか粗筋は何となく知ってたので、「ああこれは多分あの小説これはこの小説」ぐらいはぼんやりわかりました。晩年は飲んだくれの文無しだったっていうのも同じくポーを主人公にしたスチュアート・ゴードン監督のTV映画「黒猫」で描かれていたので「ああそうそう、やっぱりそう」とか言いながら観られましたね。ただ、この映画「最期の5日間」とタイトルで既にネタバレしまくっているようにポーの最期も描いているわけなんですが、この辺がちょっとねえ。実際ポーは謎の死を遂げていて映画では最後に言った言葉まできちんと再現され、それは映画内容にも反映されているけれども、この流れはちょっと強引過ぎるだろー。それにしてもこの映画にあやかって「江戸川乱歩 最後の5日間」とか誰か作んないかな。当然乱歩に淫獣とか人間椅子とか踊る一寸法師とか黄金仮面とかが絡むわけですよ。まあそんなこと言いつつ乱歩も読んでないので淫獣ってどんなのか実はさっぱりわからないんですが。

D

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130521

20130520(Mon)

[]もう神はいない。〜『神は死んだ』 ロン・カリー・ジュニア著 もう神はいない。〜『神は死んだ』 ロン・カリー・ジュニア著を含むブックマーク もう神はいない。〜『神は死んだ』 ロン・カリー・ジュニア著のブックマークコメント

神は死んだ (エクス・リブリス)

神は死んだ。ダルフール紛争の激化するスーダンで、アメリカ国務長官コリン・パウエルとの面談の後、銃撃戦に巻き込まれて。

ロン・カリー・ジュニアの描く小説『神は死んだ』は概念としての【神】ではなく、現実にこの世界に血肉を伴って現れた神が死に、それにより絶望の中に叩き落された世界を描く連作短編集である。

神が血肉を伴い出現し、そして死ぬ世界。それにより変質してゆく未来。神無き世界の空洞化した生の意味を求め、異様な価値観と思想が生まれ、それが対立しながら新たな紛争が世界を火の海へと変えてゆく世界。一見SFのようでもあり、そして文学小説のようにも描かれるこの小説の立ち位置は、「スリップストリーム文学」ということができるだろう。この言葉はサイバーパンク作家・ブルース・スターリングによって生み出されたものだ。

スリップストリーム(Slipstream)は、SF/ファンタジーなどの非主流文学とか主流(メインストリーム)の純文学といった型にはまったジャンルの境界を越えた、一種の幻想文学もしくは非リアリスティックな文学のことである。伴流文学、変流文学、境界解体文学とも言われる。

Wikipedia:スリップストリーム (文学)

物語は9つの章に分かれ、それぞれが舞台となる場所や登場人物たちを様々に変え、時系列を追いながら、「神の死んだ世界のその後」を描いてゆく。神が死ぬまでの経緯を描いた「神は死んだ」、いつもの日常に突然現れた災厄の予感「橋」、絶望した若者たちの自殺ゲーム「小春日和」、神無き世界で今度は子供に神性を見出そうとする歪んだ社会を描く「偽りの偶像」、これもまた絶望の一齣である「恩寵」、神の死体を食べ、知性を得てしまった犬たちが辿る顛末を描く「神を食べた犬へのインタビュー」、"進化心理学"と"ポストモダン人類学"という新興思想勢力が人類を二分し血で血を洗う戦乱が進行してゆく「救済のヘルメットと精霊の剣」、さらに絶望の一齣「僕の兄、殺人犯」、ラストの「退却」は終局を迎えた思想戦争により荒廃したアメリカの町の様子が描かれる。

【神無き世界の寂寞と絶望】を描いたこの物語だが、それは【血肉を伴って現れた神の死】という具体的な事件を持ち込むことにより、実際の【神無き世界】であるこの現実世界を、よりグロテスクに、そして異様なものとして描こうとしたのがこの物語の主眼なのだろう。訳者あとがきにも触れられているが、作者はニーチェの「神は死んだ」という言葉より、「カラマーゾフ兄弟」における「神がなければすべてが許される」という言葉にインスピレーションを得てこの物語を著したのだという。

しかし、SF小説が好んで描きたがるようなディストピアの出現するこの物語ではあるが、実の所SFとしても文学としてちょっと詰めの甘い部分があるように感じた。そもそも【神無き世界】というテーマはそれほど新しいものではなく、同一テーマなら例えば文学であるならコーマック・マッカーシーの諸作のほうがまだ臓腑を抉る筆致を見せているし、異様な新興思想勢力同士の対立する未来社会、そしてその戦争、というならSF小説に幾らでも傑作は見出せる。むしろ【神無き世界の寂寞と絶望】にこだわらず「神を食べた犬へのインタビュー」に見られたような想像力の飛躍を描き込むべきだったのではないか。【絶望】を描く点景の物語は一つだけにし、それよりも異質に変質した世界の物語がもっと欲しかったように思う。「子供の神性化」や「"進化心理学"と"ポストモダン人類学"」など短編それぞれに提出されるアイディアは面白かったので、それを展開しより一層グロテスクな世界を形作ってもらいたかったように感じた。

神は死んだ (エクス・リブリス)

神は死んだ (エクス・リブリス)

20130519(Sun)

[]グラボ買った グラボ買ったを含むブックマーク グラボ買ったのブックマークコメント

f:id:globalhead:20130519142129j:image

最近またPCゲームを始めたので、ついでだからと新しいグラフィック・ボードを買った。今度のヤツは「MSI GeForce GTX660 2048MB」。今までのは2年前パソコンを新調した時に付いてた「NVIDIA GeForce GTX570 1280MB」だった。2個のファンが仮面ライダーV3みたいではないか。♪ダブルタイフ〜ン 命のベ〜ル〜ト〜。新調してみて体感的にどれだけ違うかというと…あまりわからない…。(↓以前のグラボGeForce GTX570。ちょっと埃付き。今までご苦労様でした)

f:id:globalhead:20130519142128j:image

しかし自宅の40インチのTVでやるゲームも綺麗なんだが、23インチとはいえフルHDのPCモニタで解像度目一杯上げたゲームもまた別の綺麗さなんだわ。そもそもPS3にしてもXbox360にしても使われているグラボ自体がハード発売時の古いスペックのものなので、表現力がやはり落ちる。それとPCゲーは没入感が違うんだよな。ただしPCゲーって時々原因不明のハングアップ起こすのが玉に瑕なんだが…。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130519

20130517(Fri)

[]チンピラどものしょうもない日常〜ニコラス・ウィンディング・レフン監督の『プッシャー』トリロジー観たぜ チンピラどものしょうもない日常〜ニコラス・ウィンディング・レフン監督の『プッシャー』トリロジー観たぜを含むブックマーク チンピラどものしょうもない日常〜ニコラス・ウィンディング・レフン監督の『プッシャー』トリロジー観たぜのブックマークコメント

f:id:globalhead:20130422160458j:image

『ドライヴ』で一躍注目を集めたニコラス・ウィンディング・レフン監督がデンマーク時代に制作したチンピラ映画『プッシャー』3部作を観ました。『ドライヴ』という映画、オレはとても面白く観たのですが、にもかかわらずなんだか掴み所が無い部分も感じていたんですよ。それは映画の出来不出来というより、自分の中でレフン監督という人のやっていることを上手く言語化できないもどかしさがあるということなんですね。その後監督の『ヴァルハラ・ライジング』や『ブロンソン』を観た後も同様な感覚を覚えました。だからレフン監督というのは好きな監督というより、「この人、いったいなんなんだろう?」という妙な興味を覚える人なんですよ。さて映画『プッシャー』ですが、「プッシャー」というのは麻薬密売人のことを指す隠語です。この3部作はコペンハーゲンに住む売人たちの日常を描いたものなんですね。

■プッシャー (監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 1996年デンマーク映画)

f:id:globalhead:20130422162328j:image:left

主人公は売人のフランク。彼は相棒のトニーと共に元締めであるミロの下で麻薬を売り歩いていた。フランクはある日、大口のヘロイン取引に飛びつき、ミロに借金してヘロインを手に入れるが、警察の手入れにより取引は失敗、ヘロインを失い借金だけが残ってしまう。そしてミロの執拗な借金取り立てが次第にフランクを追いつめ…という物語。

しかしハードな犯罪ものというよりも、ぐうたらな売人生活を送るフランクと、アホ丸出しのトニー、妙に人懐こいが目つきだけは冷酷に光るミロのおっさんぶりを、一見ダラダラ〜と描く物語になっている。要するに社会の裏側にいる連中のダメさ、しょうもなさがこの映画の主題となっているのだ。薬を売っていることを除けば(というか薬を売っているからこそともいえるが)、ここで描かれるのはダメ人間の日常とそのダメさをこじらせた挙句の破滅の物語だ。インチキで、無計画で、成り行き任せで、思い付きだけで生きている人生。未来なんて知ったことか。今さえありゃあいいんだ。目の前の金さえありゃあいいんだ。そんな虚無と刹那に彩られた主人公が馬鹿であるばかりに当たり前のように追いつめられ転落してゆく。いや、もともと駄目なものがもっと駄目になってしまっただけ。そしてそんなクソ下らない主人公の日常の中に突如割り込んでくるバイオレンス描写。このダラダラの日常と生々しい暴力との緩急と対比がレフンらしいと言えるのではないか。砂を噛むようなどっちつかずのラストも余韻があっていい。

なおこのDVDにはレフン監督自身を追ったドキュメンタリー『ギャンブラー ニコラス・ウィンディング・レフンの苦悩』がまるまる収められている。これは監督第3作『Fear X』(2003年)の興行的失敗により、多額の負債を抱えたレフン監督の苦悩を描いたものだ。単発のソフト発売は無いようなのでファン必見かも。

■プッシャー2 (監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 2004年デンマーク映画)

f:id:globalhead:20130422162541j:image:left

主人公は「プッシャー」でフランクの相棒だったトニー。このトニー、タトゥーとスキンヘッドで一応コワモテな雰囲気を出そうとしているが、面構えはアホ丸出し、当然やることなすこと考え無しのバカ街道一直線な男だ。このバカ男トニーがム所から出所してくるところから物語は始まる。出所しても箔が付くどころかギャングの父親からクソ呼ばわりクズ呼ばわりされるだけのトニー。おまけにム所に入れられる前につきあっていた女友達との間にガキが出来ていたことが発覚、その女に会いにいくもやっぱりクソ呼ばわりクズ呼ばわりされるトニー。クソでクズの連中からクソでクズ呼ばわりされるトニーのクソダメぶりがどこまでも哀しい。しかしトニーはそんな汚名を返上すべく男を上げる仕事(まあ売人と暗殺だが)をしようとするのだが、やっぱりバカでクズだからなにもかもが裏目に出て…というお話。

どこまでも情けない人間のどこまでも情けない人生とその顛末。この「2」も「1」と同じくダメ人間のダメな日常がグズグズと描かれる。しかも「1」の主人公フランクさえ及ばないほど「2」のトニーは脳タリンのおバカさん、さらに周りもみんなトニーをバカ認定。こんなサイテーな人生なんてありゃしない。「パパに認められたい!」だの「父親として認知してほしい!」だの承認欲求は人並みにあるのだけれども、バカだからどうしていいのかわからない。わからないから空回りする。空回りした挙句頓珍漢なことをしでかして、なおさら深いドツボにハマる。ドツボからより深いドツボへ、ドツボ渡り歩きのドツボ人生。ああダメだ!何もかもダメなんだぁあぁ〜〜ッ!!でもいくら叫んでも誰も聞きなんかしやしない。だってこいつ、バカなんだもん!ああ、なんて悲惨な人生なんだ。

■プッシャー3 (監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 2005年デンマーク映画)

f:id:globalhead:20130422162348j:image:left

主人公は「1」「2」で麻薬売人の元締めとして登場したおっさんミロ。麻薬王!マフィアのドン!の筈のミロなんだが、映画開幕早々、ドラッグ断薬会でドラッグの無い生活の素晴らしさ切々と語るミロ。場面変わって娘の誕生パーティー準備に追われる甲斐甲斐しいミロ。でもミロの娘は父親をボロクソ。お次はミロの経営するレストラン。ミロの作った料理で食中毒になり便所から出てこれない阿鼻叫喚状態のミロの手下たち。そんなミロのもとに新規の麻薬取引を持ち掛けてきた若手ギャング。いかな麻薬王だろうと、若手ギャングにとっては古臭い耄碌ジジイに過ぎず、ナメた口ばかり叩かれるミロ。ああもう耐えられない、ドラッグ一発キメて落ち着きたい…。そんなミロだったが、若手ギャングの横柄な態度に遂にブチ切れ、ここからシリーズ最大の大スプラッターシーンの始まり始まりぃ〜!!

これまで最下層のチンピラたちの最下層な日常を描いてきた「プッシャー」トリロジー、3作目にして掉尾を飾るのは麻薬王ミロのイライラ人生である。このミロ、これまでのシリーズでも見せてきたのだが、一見人当たりが良く、面倒見も良さそうで、親方なりの貫録と懐の深さを伺わせていた。借金返せないやつにも、五月蠅いことをいうやつにも、まあまあ話を聞こうじゃないか、とにっこり笑って相手の肩を抱き、義理人情としきたりで成り立つ任侠世界を説いていたりするのである。だが、仏の顔も三度まで。仏でさえないヤクザ者にとっては二度ぐらいまで。どうしても聞き分けのないアホに対しては掌返して血の返礼を叩き込むのだ。その、我慢に我慢を重ねた挙句のクライマックスでのスプラッター大会がとても美味しい作品であるが、それよりも、娘の誕生パーティー会場と売人との打ち合わせに使う自分の店とを延々行ったり来たり行ったり来たりしながらどんどん消耗してゆくミロの、疲れ切ったオッサンぶりがなによりも可笑しく物悲しい物語であったりするのだ。

■というわけで『プッシャー』トリロジー

レフン監督、ということでなければ観る機会を持たなかったような題材の物語ではあるが、実際観てみるとレフン監督作品という色眼鏡を抜きにしても楽しむことができた。ハンディカメラを多用したドキュメンタリー・タッチの映像、荒んだ世界と荒んだ登場人物、ユルくダルい日常とユルくダルいユーモア、そしてその日常の中で突発的に巻き起こる暴力、これらの要素が奇妙に危ういバランスで混在している様が実にユニークなのだ。レフン監督に感じるのはこの「奇妙なバランス感覚」で、平たく言うならどこか変なことをしている人、ともいえる。一般的に考えられるような映画作品の文脈とはどこかずれたことをしているのだが、それが恣意的というよりはどうも天然でやらかしており、恣意的でない分監督個人の中でブラックボックス化していて、少なくともオレにとっては「それがどう変なのか」言語化し難いのだ。それはある意味デヴィッド・リンチ的な分裂症的気質の元に、危うい均衡で成り立っている創作活動なのかもしれないが、だからこそ奇妙にエキセントリックな芸術性を感じさせるのだろう。

D

プッシャー・トリロジーBOX(Blu-ray Disc)

プッシャー・トリロジーBOX(Blu-ray Disc)

ドライヴ [Blu-ray]

ドライヴ [Blu-ray]

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130517

20130516(Thu)

[]21歳、ララ・クラフト初めての冒険〜ゲーム『Tomb Raiderトゥームレイダー)』 21歳、ララ・クラフト初めての冒険〜ゲーム『Tomb Raider(トゥームレイダー)』を含むブックマーク 21歳、ララ・クラフト初めての冒険〜ゲーム『Tomb Raider(トゥームレイダー)』のブックマークコメント

f:id:globalhead:20130505101302j:image

遺跡調査のため調査船に乗り大海原へ人生初の冒険の旅に出た21歳のララ・クラフト。しかし船は凄まじい嵐に巻き込まれ難破、ララと仲間たちは密林に覆われた見知らぬ孤島に打ち上げられる。実はその島はかつて邪馬台国の卑弥呼の足跡を伺わせる歴史的に貴重な遺跡を残した島であり、他にも様々な隠された財宝が眠っていた。しかしこの島にはララたち以外にも武装した謎の集団が上陸しており、彼らは問答無用でララたちを襲い始める…。

サバイバル・アクション・ゲーム『Tomb Raiderトゥームレイダー)』です。同タイトルのゲームは1996年に第1作が発売され、ゲームの世界観と主人公ララ・クラフトの魅力に人気が集まり、その後何作も続編が作られ、さらにアンジェリーナ・ジョリー主演で映画化されたことをご存知の方も多いでしょう。しかし今回紹介する『Tomb Raiderトゥームレイダー)』はゲームシステムも新たに初冒険の旅に出る21歳のララ・クラフト、という設定で「トゥームレイダー」世界をリブートしたものなんですね。21歳、初めての冒険、ということで主人公ララがなにしろ初々しくそしてまだまだ弱弱しい、というのがこの新たな物語のキモになっているんですね。トレジャー・ハンターとして名を馳せる未来のララ・クラフトはどのような苦難の果てに冒険家としての自分を見出したのか、というお話なんですよ。

実を言いますとかつての「トゥーム・レイダー」シリーズはあまりの難易度の高さにヘタレゲーマーであるこのワタクシめはまるでクリアしたことが無かったばかりか1作目以降は手も出したことが無かったんですが、この新生『Tomb Raiderトゥームレイダー)』では最近のアクション・ゲームを参考にした実にユーザーフレンドリーな難易度とゲームシステムになっており、ヘタレなワタクシめでもバリバリ進められるのが本当にありがたいです。逆にかつてのファンの方は物足りないらしいんですねどね。

で、今回の『Tomb Raiderトゥームレイダー)』、アクション・ゲームとしては『アンチャーテッド』に非常に近いものを感じさせます。『アンチャーテッド』が『Tomb Raiderトゥームレイダー)』に敬意を表したトレジャー・ハンター・ゲームだということを考えると面白いですね。謎解きと戦闘が半々ぐらいですが、設定にもよりますが凶悪な難易度というものではありません。銃の弾数やライフゲージなどのGUIを廃したのも今風ですよね。しかし『アンチャーテッド』との違いはゲーム世界の暗さや敵の非情さでしょう。これは主人公ララが決して能天気なタフガイではなく華奢で冒険慣れしていない若い女性である、といった部分で決定的に違ってきていますね。そのララが血塗れ傷塗れになりながら冒険を続けてゆく、という心細さが逆に緊張感を生み出しているんですね。

ゲームは擬似的なオープンフィールドですが、ゲームの流れは殆ど一本道です。フィールドでアイテムを集めたり経験値を貯めたりしながら主人公を成長させてゆきます。また、マップには各所にベースキャンプと呼ばれる個所が設置されており、このベースキャンプ間を瞬時に移動できる仕様になっているので取りこぼしたアイテムをあとで集めたり経験値をちまちま積んだりできるのも親切設計ですね。そしてグラフィックがなにより美しいんです。広々とした孤島のあらゆる光景も美しく描写されているんですが、なにより主人公ララがとても魅力的に描画されているのが嬉しいですね。今までの「トゥームレイダー」シリーズの中で最も美人なララ・クラフトなんではないでしょうか。

◎Tomb Raider公式HP

D

20130515(Wed)

[]ウンコ!チンコ!ホモ!ナチス!あとゾンビ!〜映画『チレラマ CHILLERAMA』 ウンコ!チンコ!ホモ!ナチス!あとゾンビ!〜映画『チレラマ CHILLERAMA』を含むブックマーク ウンコ!チンコ!ホモ!ナチス!あとゾンビ!〜映画『チレラマ CHILLERAMA』のブックマークコメント

■チレラマ CHILLERAMA (監督:アダム・リフキン,ティム・サリヴァン,アダム・グリーン,ジョー・リンチ 2011年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20130506194611j:image

巨大化した精子が!?ホモの熊男が!?ユダヤ人改造人間が!?ひりだしホヤホヤのウンコが!?青いゲロを吐くゾンビが!?…頭の悪い人たちを襲う!?…というバカアホマヌケ・サイテーオムニバス映画『チレラマ CHILLERAMA』で御座います。

この『チレラマ CHILLERAMA』、「グラインドハウス魂が炸裂するオムニバス(風)・ホラー・コメディ!」とDVDの惹句にも書いてある通り、タランティーノ&ロドリゲスの映画『グラインドハウス』を髣髴させる「馬鹿!阿保!下品!最低!粗雑!」をモットーとした、ひたすらショーもない短編が並べられた映画なので御座います。

お話の中心となるのは廃館の決まったドライブイン・シアター。ここでチンコやウンコしか出てこない様々なサイテー映画が上映される、という形で映画が進んでゆくんですな。しかしこのドライブイン・シアターにはチンコをゾンビに噛まれた男が紛れ込み、シアターの客を次々とゾンビに変えて行って大騒ぎになる、といった具合に映画と映画内映画の組み合わさった構成になっているので御座いますよ。

そしてそこでかかる映画と言うのが、巨大化した精子が人々を襲う「精子怪獣ワジラ」、ホモのクマ男たちが暴れるミュージカル「ヤング クマ男の絶叫」、ヒトラーがぶっ殺したユダヤ人で人造人間を作る「アンネ・フランケンシュタインの日記」、究極のスカトロ映画を目指して制作された「大便がいっぱい」、それらのバカ映画がかかるドライブイン・シアターで客たちが次々と死体性交ゾンビと化す「ZOM-B-MOVIE」がこの『チレラマ CHILLERAMA』で見られるという訳なので御座いますな。

ええ、もう、果てしなく、ひたすら、どこまでも下らないサイテー映画の数々であります。面白いのか、面白くないのか、笑えるのか、笑えないのか、といったレベルの映画では御座いません。どれだけショーもないことをやっているのか、ただそれだけを確認するために観る為の映画なので御座います。そもそもここで観られる「バカ映画」はどれも精子怪獣!ホモクマ男!ナチ!ウンコ!などなど、既にして【出オチ】で出来ているものばかりでありまして、それはもう小学生が「ウンコチンコマンコ!」と連呼するだけでどこまでもゲラゲラ笑えるレベルと一緒であり、でありますから観るほうも小学生脳になって観るべき映画なのであります。

もとより、ここまでショーもない映画と分かってて観る方というのは、それを納得づくで観るわけでありまして、当然のことながらこの映画が本当にショーもないからと言って怒ることなど御座いません。ですからそういうショーもない映画好きの方が楽しんでみればそれで平和、みんな幸せ、人類は安泰、そういう映画なので御座います。

あ〜下らなかったッ!!

《参考》
Chillerama(2011)/ Tinker,Tailor,Soldier,Zombie
チレラマ CHILLERAMA/お下劣でおバカなド低能オムニバスホラー / 映画感想 * FRAGILE
サイテー(褒め言葉)映画オムニバス『Chillerama(チレラマ)』で2012年を総括……はしないけど / 1953ColdSummer

D

『チレラマ CHILLERAMA』 [DVD]

『チレラマ CHILLERAMA』 [DVD]

グラインド・ハウス U.S.A.バージョン プラス [Blu-ray]

グラインド・ハウス U.S.A.バージョン プラス [Blu-ray]

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130515

20130514(Tue)

[]天空の都市に囚われた少女を救出せよ〜ゲーム『Bioshock Infinite (バイオショック インフィニット)』 天空の都市に囚われた少女を救出せよ〜ゲーム『Bioshock Infinite (バイオショック インフィニット)』を含むブックマーク 天空の都市に囚われた少女を救出せよ〜ゲーム『Bioshock Infinite (バイオショック インフィニット)』のブックマークコメント

f:id:globalhead:20130505194250j:image

19世紀後半、アメリカの偉業を世に知らしめるために建設された空中都市コロンビア。しかしこの都市を収める急進派たちがアメリカとの分離独立を訴え、空中都市は空の何処かへと消え去ってしまった。そして1912年。探偵会社ピンカートン社の元エージェント、ブッカーはこの都市に監禁されているという少女エリザベスの救出を依頼される。ブッカーは極秘裏にコロンビアに上陸するが、そこは「預言者」と呼ばれる新興宗教教祖が偽りの平和の中で人々支配する奇怪な世界だった…。

全世界で300万本を売り上げたというFPSゲーム、『Bioshock Infinite (バイオショック インフィニット)』です。空中都市が存在する架空の20世紀初頭を舞台にした、スチームパンク的なビジュアルが実にユニークなゲームなんですね。"古き善き”ノスタルジックなかつてのアメリカの雰囲気と、その過去のアメリカが抱えていた人種差別、キリスト教原理主義的な宗教の在り方などの暗部が混在し、そこに異様で異質な科学技術の産物である建築物や武器が登場して、一種独特の世界観を表出させているんです。RPGのような成長要素や謎解き、各所に転がっているアイテム集め、そしてスカイラインと呼ばれる空中移動装置を使用してのステージ間移動など、ゲームの細かい仕様も独特の雰囲気を盛り上げているんですね。

このゲーム、もともとは2007年にリリースされた『Bioshock』というゲームの続編になるんですが、物語的には隠れ設定はあるのかもしれませんが特に繋がりはありません。1作目の『Bioshock』はやはり架空の20世紀半ばの海底都市を舞台にしており、ここでもノスタルジックさとグロテスクさが融合したサイバーパンク的世界が描かれていたんですね。確かに物語的な繋がりはないにせよ世界観は非常に似通っており、この『Bioshock Infinite (バイオショック インフィニット)』では海底都市を空中都市にしたことによるギミック的な変化が新しさを生んでいるんですよね。

戦闘はFPSらしく銃を使用しますが、他にビガーと呼ばれる特殊能力も使用できるんですね。これは人の心を操ったり空中に飛ばしたり火を放ったりと各種あるのですが、いわゆるバイオテクノロジーとかそんなことなのでありましょう。さらにエリザベスを救出した後はこの少女がコインやライフキットをくれたり、鍵をピッキングしてくれたりと結構助けになってくれたりもします。しかもエリザベスは戦ったりはしない代わりにライフを失うこともない設定なので全然足手まといにならず、おまけに常に少女をはべらせている、という萌え要素も加味されてなかなか楽しいんですよ。非常に個性豊かなゲーム世界を構築している『Bioshock Infinite (バイオショック インフィニット)』、FPSの苦手な方でも楽しめるんじゃないかな。

◎Bioshock Infinite公式HP

D

BioShock Infinite (日本語版) [ダウンロード]

BioShock Infinite (日本語版) [ダウンロード]

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130514

20130513(Mon)

[]無慈悲な全体主義国家を打倒せよ!『ストーカー』のストロガツキー兄弟原作によるロシア製SF映画『プリズナー・オブ・パワー囚われの惑星』 無慈悲な全体主義国家を打倒せよ!『ストーカー』のストロガツキー兄弟原作によるロシア製SF映画『プリズナー・オブ・パワー囚われの惑星』を含むブックマーク 無慈悲な全体主義国家を打倒せよ!『ストーカー』のストロガツキー兄弟原作によるロシア製SF映画『プリズナー・オブ・パワー囚われの惑星』のブックマークコメント

■プリズナー・オブ・パワー囚われの惑星 (監督:フョードル・ボンダルチュク 2008年ロシア映画)

f:id:globalhead:20130512064527j:image

宇宙を旅していた金髪碧眼ロンゲチリチリパーマのイケメン青年が不時着した惑星は、軍事独裁政権とかやっちゃってる汚い顔のおっさんたちが人々を支配する、ダサくてイケてないチョーサイテーな惑星だった!?…というロシアSF映画、『プリズナー・オブ・パワー囚われの惑星』であります。

ロシアのSF映画!といいますとまず真っ先に思い浮かべるのはタルコフスキー監督による『惑星ソラリス』なのではないでしょうか。同じタルコフスキー監督による『ストーカー』も特筆すべきロシアSFという事が出来るかと思いますな。あと『不思議惑星キンザ・ザ』なんかも実に味わい深いロシアSF映画と言う事が出来るでしょう。で、この「プリパワ」、原作となっているのはロシアのSF作家兄弟、アルカジイ&ボリス・ストロガツキーによる『収容所惑星』という作品なんですな。SF作家兄弟ってなんか「宇宙兄弟」みたいですな。

このストロガツキー兄弟というのは、先程も挙げたタルコフスキー監督の『ストーカー』の原作者なのですよ。さらに渋いところでは、ソクーロフ監督作品『日陽はしづかに発酵し』の原作者(原作タイトル『世界終末十億年前』)でもあるのですな。自分はストロガツキー兄弟小説はというと『ストーカー』しか読んだことが無いのですが、例えば『惑星ソラリス』の原作者、ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムにも通じる「全体主義国家の下で言いたいこともなかなか言えず、うっすらと揶揄を張り巡らせて書かれたSF物語」という雰囲気はあるかと思いますな。

この映画「プリパワ」、ざっくりした粗筋はと言いますと、見知らぬ惑星に不時着した青年が、その惑星を治める軍事独裁政権の横暴に激怒し、かの惑星の反対勢力と協力し合って独裁政権を倒すために戦っちゃう、というものなんです。しかし物語の悪モンである独裁政権は惑星の各所に「防衛塔」と呼ばれる塔を設置しておりまして、この塔から発せられる怪光線により、人民をマインド・コントロールしておったんですな。

全体主義国家の打倒!という粗筋からも分かるように、この物語は原作が書かれたソビエト時代の政情とそこで暮らす人民の心情を、SF世界というオブラートで包んで描かれたものだという事が出来るでしょう。先ほども書いた「全体主義国家の下で言いたいこともなかなか言えず、うっすらと揶揄を張り巡らせて書かれたSF物語」ということなんですな。そして異世界へと移し替えられ戯画化されたその光景は、恐ろしく不気味でグロテスクなビジョンへと変容させられているのですよ。

この映画でまず楽しめるのはそんな不気味でグロテスクなSF世界のビジュアル、デザインなんですね。ハリウッド製SF映画とはまた違う、汚らしく、重々しく、暗色のトーンで塗り込められたそのSF世界は、未来的であると同時に古めかしく、けばけばしいロシア構成主義と打ち捨てられたような廃物がひしめき、さらにかつてのソビエト連邦が取り込んでいた東欧・中欧の文化が反映されたエキゾチズムに溢れかえっているのですよ。さらに主役脇役エキストラを含め、この映画に配役されたスラブ圏に住む人々独特の顔つきがやはりハリウッド映画とは別個の雰囲気を醸し出しているんですね。この辺のビジュアル・センスは『不思議惑星キンザ・サ』やロシアのホラー映画『ナイト・ウォッチ』あたりに通じるものがありますな。決してお金は掛かってないし、安っぽい部分もあるのですが、こういった部分が実に新奇で面白かったですね。

ただし、物語としては相当難があります。というのはこの映画、インターナショナル・バージョンと銘打たれていますが、実は本国では2部構成だった2作品を無理やり90分程度の1本の映画にまとめちゃってるんですね。ですからポンポンとスピーディーに物語が展開してゆくのですが、編集によってその経緯や説明が欠落しているばかりに、登場人物の行動や動機がメチャクチャにしか見えないんですよ。主人公一人をとっても、体制側に付いたと思ったら反体制側へ、そしてまた体制側へまたまた反体制側へと、もう訳が分かりません。きちんと物語を追って行こうとするとポカ〜ンとさせられちゃうこと必至です。ですからこの映画は、ロシア独特のSF世界ビジュアルを楽しむもの、と割り切って観るのが一番正しいかと思います。

D

惑星ソラリス Blu-ray

惑星ソラリス Blu-ray

ストーカー [DVD]

ストーカー [DVD]

不思議惑星キン・ザ・ザ [DVD]

不思議惑星キン・ザ・ザ [DVD]

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130513

20130511(Sat)

[]桃缶とオレ 桃缶とオレを含むブックマーク 桃缶とオレのブックマークコメント

f:id:globalhead:20130511220455j:image:right連休後の溜まりに溜まったアホすぎる仕事量を気が狂ったかの如くこなしていたが、流石に体調崩してまた風邪ひいた。前回は1ヶ月前だったし、オレ風邪ひき過ぎ。もはや強弱体質と言わざるを得ない。いやもう歳だからか。養命酒でも飲むかマジで。

そんなこんなで殺伐としながらやっと休日に辿り着いた。でも寝てるしかないな。ああ殺伐。うー殺伐。ルルル殺伐。

という訳で今日は部屋で大人しくしていた。でも風邪ひいてて横になってても意外と眠れない。だから本読んだり漫画読んだりDVD観たりネット覗いたりとダラダラ過ごしていた。

そして、そうじゃ、風邪のときは子供の頃桃缶なんぞを親が買ってきて食したりしておったのう、という事を思い出し、昼飯調達時に一緒に買ってきた。そもそも果物を食べる習慣が無いオレが、桃の缶詰を、自腹で買う、ということ自体、生まれて初めてのことなのではないか。ワオ、桃缶買うだけでこんな驚きがあるだなんて便利で分かりやすいオレの人生。

実は桃は古来より厄払いとしての効能があるとされてきたのである。

桃の節句とは子供たちの邪気払いのことだし、桃源境とは「魔」の入ってこない桃の成る世界のことであり、桃太郎の桃とはすなわち「鬼」を退治する退魔の意味合いがあるのである。

古事記では黄泉の国へ行ったイザナギが死霊と化したイザナミを退散させるために投げつけたのが桃の実だ。仙人は桃の花を食べ孫悟空も不死身の体になるため桃を食した(元ネタはこの辺参照)。斯様に桃とは無病息災の邪気払いに適した果物という事が出来るのである。

という知ったかぶりの能書きを並べ、今日は数十年ぶりに桃缶なんぞを食するのであった。あー風邪治んないかねえ。

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130511

20130510(Fri)

[]【萌え】映画館で出会った可愛らしすぎるオバサマ【はあと】 【萌え】映画館で出会った可愛らしすぎるオバサマ【はあと】を含むブックマーク 【萌え】映画館で出会った可愛らしすぎるオバサマ【はあと】のブックマークコメント

f:id:globalhead:20130504104528j:image:right

  • という訳でこの間シュワ映画『ラストスタンド』観に行ってきたんですけどね、オレの隣に座っていたオバサマがですね、まあなんと言いますか、平易な言葉でいうならばあまりに「可愛らしすぎる」方だったわけでしてね。
  • 『ラストスタンド』という映画については説明するまでもないでしょうが(というか一昨日ブログに書きましたが)、シュワ復帰作ということで制作された普通によくあるようなアクション映画なんでありますよ。まあレーティングはR15+、そこそこにバイオレンス表現はありますが、過剰にバイオレンスって訳でもない。そりゃまあ血は出るし死体は湧くし人体破損もありますが、オレあたりぐらいだと「まあ普通」なもんなんですよ。
  • ところがそのオバサマ、もうどの暴力表現にもびっくりしまくっていたんですよ。
  • というか、冒頭の吊るした豚肉を拳銃で撃つシーンでまず「ひゃあ!」とか言ってるんです。豚肉、というよりも拳銃の音にびっくりされたのでしょう。
  • その後も銃撃戦があるごとに「ぴゃう!」とか「ひひぃ!」とかいちいち飛び上がり叫び声あげてくれちゃってるんです!しかもハンカチ出して両手で顔を覆い、ハンカチ越しに映画観てましたよ。
  • さらに事あるごとに身をよじり、画面で銃弾が発射されるシーンがあったらなんとそれを避けるかのように右に左に体を動かしてました!
  • ご夫婦で来られていたようなんですが、気になるから横目で見たら小柄で極大人しそうなオバサマでね。いやあ『ラストスタンド』クラスの映画でもこのオバサマには相当過激極まる映画だったんだろうなあ。ハリウッドの有名スターであるアーノルド・シュワルツェネッガーが主演ということで旦那様に連れてこられたのでしょう。大スター主演映画だから安心して観られると思われてたのでしょう。
  • オバサマの過剰反応はクライマックスに近づくにつれどんどんエスカレートし、ヒイヒイピャアピャアと喚きながら身をよじりまくり、ハンカチ越しでもオバサマの息がゼイゼイハアハアと荒くなってるのが聞こえてきたぐらいですよ!
  • ああ、きっと今まで平和で変な刺激の無い生活をず〜っと続けてこられた方だったのだろうなあ…。しかしTVだって観られるだろうに、今までどんな映画やらTV番組を観てきたんだろうか…。
  • こんな人に『死霊のはらわた』とか見せたら卒倒しちゃうどころか泣き喚き映画館から逃げ出し、悪くしたら心臓麻痺起こして死んじゃうかもしれないよな!よくホラー映画の宣伝で「全米で気絶者続出!」なんてぇ文句があったりしますが、今まで「ンなわきゃねえだろ」と鼻で笑ってたけど、このオバサマの様子を見るにつけ、「ありえるかも…」とちょっと思ったオレでありました。
  • まあしかしびっくりしまくってたオバサマではありますが、実際「暴力怖い!暴力最低!こんな映画作るのも観るのも許せない!」と思ってたのか逆にその暴力に興奮してしまったのかは定かではありません。実は意外と楽しんでたかもしれないしね。案外これで目覚めて旦那に「もっと凄いの連れてって!」とかおねだりしてさらにこれがきっかけ頭の中のある種の部分に火が付いて夫婦の営みがン10年ぶりに復活したりしたりとかな!すまん下品で!
  • まあいろんな人がいるしいろんな人が映画館に足を運んで映画を楽しんでくれるのはそれはそれでええやないか、とは思いましたが、ただ一つ「え?」と思ったことがありましてね。
  • この映画『ラストスタンド』、緊迫した銃撃戦の最中、副保安官の若い男女がキスするシーンがあるんですよ。で、二人の唇と唇が重なり合うまさにその瞬間、あろうことかこのオバサマ、いきなり「ピャアァ!!」と叫んで飛び上がっちゃってるんですよ!?
    おいオバチャンそこか!?そこなのかびっくりするところって!?

20130509(Thu)

[]「三陸牡蠣復興支援プロジェクト」の牡蠣を堪能した! 「三陸牡蠣復興支援プロジェクト」の牡蠣を堪能した!を含むブックマーク 「三陸牡蠣復興支援プロジェクト」の牡蠣を堪能した!のブックマークコメント

5月のはじめ、「三陸牡蠣復興支援プロジェクト」の「復興かきオーナー」に応募していた相方さんのもとに、その「復興かき」が殻付きで20個送り届けられました。「生で食べるんならすぐ食べなきゃ!」と、相方さんとオレの大騒ぎが始まりました。

「三陸牡蠣復興支援プロジェクト」東日本大震災で壊滅的な打撃を受けた三陸の養殖牡蠣漁を復興させようと立ち上げられたプロジェクトです。現在は締め切られていますが、一口一万円の申し込みで三陸の牡蠣漁復興をお手伝いし、その代わり牡蠣が育ったら20個前後の牡蠣が「復興かきオーナー」のもとに送られてくる、というものです。偉そうなことを書いていますが、実は申し込んだのは相方さんで、オレは食べるだけの人です…。だから詳しいことは相方さんのブログをご覧になってください!

さてさて、届けられた「復興かき」20個を見て、まずその大きさにただただびっくり!あまりの立派さにたじたじです!

f:id:globalhead:20130504131135j:image

そしてこれを食べるためにはまず牡蠣を剥かなければならない…。ここから生まれて初めての「牡蠣剥き」が始まりました。牡蠣の貝柱に当たる部分を予想してそこに付属していた牡蠣剥きナイフを立て、こじ開けます。しかし初めてなのでなかなか上手くいかないばかりか、まだ生きている牡蠣はしっかり口を閉じている上にでこぼこの牡蠣の殻は開口部がなかなか分からず、ナイフの刃を当てることが容易ではありません。

f:id:globalhead:20130504131334j:image

f:id:globalhead:20130504131332j:image

ようやく慣れてきて20個の牡蠣を無事剥き終えました。無事…というか牡蠣の殻の凸凹であちこち手が切れてしまいましたが。そしてこの牡蠣、殻の大きさに比例して中の身もこれまたびっくりするぐらい大きい!これ食べきれるのか!?

f:id:globalhead:20130504132050j:image

取りあえず半分は生食に、半分はカセットコンロを用意してテーブルで焼きながら食すことに。そして牡蠣と言えばやっぱりシャブリ。…やっぱりとか言ってますが実は飲んだことありません。でもなんだか分かんないですけど牡蠣でシャブリとかカッコいいじゃないですか。調べたらシャブリ地方で栽培される葡萄は牡蠣の化石である石灰質の土壌で作られており、そのため磯の香りのするワインになるそうで、それで牡蠣とも合うということらしいんですね。

シャブリドーン。2000円ですけど。

f:id:globalhead:20130504132709j:image

オレ「ワインクーラーとかにぶっこんどけば気分出るんじゃね?」相方さん「うちにそんなもんあるわけないでしょ」オレ「じゃあバケツとかは?」相方さん「洗濯で使ってるポリバケツでいい?」オレ「…いや、鍋にしとこうか…」という訳で鍋入りのシャブリ。

f:id:globalhead:20130504132708j:image

という訳でいよいよ牡蠣三昧の宴の始まりであります。サラダなども用意して生で食いの焼いて蒸して食いの、そのボリューム、味の濃さ、ひたすら圧倒されることしきり、牡蠣20個なんて軽いもんだろと思ってたら大間違い、文字通り食べきれないほどの量でありました!途中で牡蠣とワインで「牡蠣ハイ」になってきたオレと相方さんはなんだかわあわあ訳の分からないことを口走りながら「復興かき」の美味さを堪能しておりました!

f:id:globalhead:20130504133440j:image

f:id:globalhead:20130504133439j:image f:id:globalhead:20130504133438j:image

三陸の牡蠣漁師の皆さん、美味しい牡蠣をありがとう。一層の復興とさらなる美味しい牡蠣の生産をお祈りしています、これからも頑張ってください!応援します!

〇三陸牡蠣復興プロジェクト「三方よし・感謝・真の復興」

D

HeadacheHeadache 2013/05/12 13:18 ペンチとかげんので開口部を自分で作っちゃうとラク。

globalheadglobalhead 2013/05/12 17:19 途中から殻の端っこハサミでちょん切ったりしながら開けてましたよ!ハサミで貝殻切ること自体びっくりの初めてさでした。

20130508(Wed)

[]凶悪暴走カーは俺の筋肉で止めてみせるぜ!〜映画『ラストスタンド』 凶悪暴走カーは俺の筋肉で止めてみせるぜ!〜映画『ラストスタンド』を含むブックマーク 凶悪暴走カーは俺の筋肉で止めてみせるぜ!〜映画『ラストスタンド』のブックマークコメント

■ラストスタンド (監督:キム・ジウン 2013年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20130504083525j:image

祝・シュワちゃん銀幕復帰映画『ラストスタンド』を観てまいりました。

今回のシュワちゃんの役どころはメキシコ国境に近い長閑な田舎町の保安官。今日も今日とて平和に過ごすシュワちゃんのもとに怪しい情報が。なんとラスベガスで移送中に逃亡した麻薬王が時速300キロのスーパーカーに乗り込みこの町目指して突っ走っているっていうじゃあ〜りませんか。というのもメキシコまで逃げ延びる最短距離にこの町が存在してたからなんですな。麻薬王は武装した凶悪な仲間たちの助けを借り、FBIの追跡を次々とかわし、ジェット機並のスピードで町へと迫ります。「もうあいつを止められるのは俺しかいねえ!」孤立無援・徒手空拳の状況の中、我らがシュワちゃんは立ち上がるのです!老体に鞭打って!

という『ラストスタンド』でありますが、80年代90年代を思わせるどことなくアナクロでもっさり、しかして質実剛健で安心して観られるアクション・ムービーとして仕上がっておりましたな。映画のこんな雰囲気それ自体がそこそこにお年を召したシュワちゃんの、現在の役者的立ち位置で彩られているということもできるでありましょう。

まあ麻薬王に逃げられた挙句にその後の追跡も黒星続きだったFBIの行動はいくらなんでもヘタレ&杜撰すぎると思いますし、麻薬王の一味の皆さんもあそこまで逃亡計画を遂行できる潤沢な資金と人材がいるのなら車なんぞで逃走させずに極秘に小型ジェット機ぐらい用意できるんじゃないのかとは思いますが、「時速300キロで爆走するスーパーカー!もう誰もあいつを止められない!」としたほうが絵的にもお話的にも面白いことは面白いですわな。

それと併せ、ベガス〜メキシコへの荒涼とした道なりをひたすら車が暴走してゆく、という光景は映画『バニシング・ポイント』あたりにも通じるモータリゼーション大国アメリカらしいビジュアルということもできますな。

その爆走車を待つのが白人人口数の多さげな南部の片田舎の町。そしてシュワちゃんの役どころはその町の保安官。西部劇に例えられることも多いこの映画ですが、"古き善き"アメリカがまだ存在すると錯覚させられるようなこの町でシュワちゃんが正義を貫き通す!というちょっぴりアナクロな物語の在り方が、「デカい強いシンプル」な20世紀的なアクション・スターであるシュワちゃんと、そのシュワ映画を観て育った世代には安心して観られる要素なのかもしれませんな。そして若い世代には、そういったテイストが逆に新鮮だったりするのでありましょう。

大作名作大傑作というものではないにしろ、シュワちゃん復帰作ということで劇場も「お帰りなさい」ムードのお客さんで一杯、総じて映画の評価も内容云々というよりも久方ぶりのシュワちゃんの銀幕出演それ自体に祝辞とご祝儀を渡すような好感度を感じていた方も多いのではないでしょうか。腐っても鯛、じゃあありませんが、年食ったって往年の大アクション・スター、寅さん映画を見せられているような安定感は抜群でありました。

ええ、ええ、なんかそれでいいんじゃないのかと思いますよ、ことこの映画に関しましては。五月蠅いことも面倒臭いことも言わずにリラックスして観るのが吉かと思います。

D

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130508

20130507(Tue)

[]那須塩原カピバラ旅行 那須塩原カピバラ旅行を含むブックマーク 那須塩原カピバラ旅行のブックマークコメント

連休の前半には相方さんと二人で栃木県の那須塩原にある「那須どうぶつ王国」へ行ってまいりました。なんで動物見にわざわざ栃木まで?と思われるかもしれませんが、この「那須どうぶつ王国」、オレの愛して止まないカピバラとじかに触れ合える「カピバラの森」という施設があるからなんです!待ってろカピ!

さてこの「那須どうぶつ王国」、栃木県と福島県の境ぐらいな山の中にありまして、基本的には車で行くような場所、決して電車だけでは辿り着けません。ただし那須塩原駅から10時頃にどうぶつ王国行きのシャトルバスが1回のみ出ており、これに間に合うように新幹線に乗ることになりました。そのためこの日は朝7時出発!

とりあえず新幹線でカツサンドの朝食をば。相方さんは新幹線に乗るときの定番なんだそうです。

f:id:globalhead:20130504141813j:image

新幹線那須塩原駅には9時半頃到着。さらにここから所要時間70分のシャトルバスに乗り込みます!

f:id:globalhead:20130504142031j:image f:id:globalhead:20130504142030j:image

そして11時過ぎ、やっと「那須どうぶつ王国」に到着!ここまで家から出て4時間!

f:id:globalhead:20130504143719j:image

早くカピに会いたい気持ちを抑え、まずは腹ごしらえに園内のレストランへ。しかし11時過ぎと早く入ったにもかかわらずここが結構な列!もし行くことがある方がいらっしゃいましたらお弁当持参をお勧めします。そんなレストランになぜ入ったかというと、ここ名物のカピバラランチを食べたかったから…。

f:id:globalhead:20130504143517j:image

腹ごしらえも終え、いよいよカピたちとご対面!ああ、カピたちがオレを待っている…ッ!!

f:id:globalhead:20130504143141j:image

ぬ〜…ん。

f:id:globalhead:20130504143138j:image

ぬ〜…ん。

f:id:globalhead:20130504143139j:image

ぬ〜…ん。

f:id:globalhead:20130504143140j:image

なにしろ可愛いカピたちの間に入って触ったり餌をあげたりできるのが本当に楽しいんです。いつもまったり「ぬ〜…ん」としているカピなので、触ってもあんまり反応がないのがまたご愛嬌なんですが、餌を見せると鼻をフムフム言わせながら近づいてきます。そしてとても美味しそうに餌をもしゃもしゃ食べてくれるんですね。動画も撮ったのでドウゾ。

D

こちらは池の中のカピと、1分ぐらい後には餌を食べる小カピの動画。

D

一旦カピバラの森を離れ、他の動物たちを見てから「王国ファーム」へ移動。この「那須どうぶつ王国」はカピバラなどの小動物がいる「王国ランド」と、大型動物のいる「王国ファーム」の二つに分かれているんですね。その「王国ファーム」は馬や羊、カンガルーやアルパカなどが牧場内で飼われており、動物園なんかで見るのとはまた別の雰囲気を味わえます。歩いて20分ぐらいの距離ですが、移動バスが出ています。ただし移動バスは相当列が出来ているので、まず有料リフトで下に降り、そこからトラクターバスに乗って王国ファームへ。

f:id:globalhead:20130504151231j:image f:id:globalhead:20130504151227j:image

ここでは「バードパフォーマンスショー」が行われていました。間近で大空を翔る鳥を見る事が出来るんですよ!鳥カッコいい!本当は他にも牧羊犬が羊を追いかける「ニュージーランドファームショー」というのもやっているんですが、時間が無くてこれは断念。

f:id:globalhead:20130504151336j:image f:id:globalhead:20130504151327j:image

そして再び「王国ランド」に戻り、チャーターバスが出発する3時45分ぎりぎりまでカピと遊んでおりました。

f:id:globalhead:20130504151522j:image

お腹をさすられて気持ちよくなり水の中ででんぐり返ししちゃったカピ。

f:id:globalhead:20130504150952j:image

さて時間が来たのでカピともお別れ。楽しかったよカピ!また遊びに来るからね!

「ぬ〜…ん」

f:id:globalhead:20130504150948j:image

●那須どうぶつ王国でおさわりカピバラ / とは云ふもの丶お前ではなし

●那須どうぶつ王国で猛禽類とファームの動物たち / とは云ふもの丶お前ではなし

lazy-daisy5113lazy-daisy5113 2013/05/08 22:25 まさに「ぬ〜…ん」としか言い様がない。食べたい、食べたくない、眠い、暑い、寒い、ほわぁん、くらいの表現しかしてくれない所がまた魅力なんですよね。人間と遊ぶ気満々なカピバラだったらかえってイヤかも^^。でも熊笹食べるのは異様に速い…。胃が丈夫そう。

globalheadglobalhead 2013/05/09 12:33 あのぬぼっとして大人しそうなところが好きなんですが、あとカピバラっていつも目を細めていて、どこか賢者っぽいところがあるんですよね。カピバラは平和だなあ。もう人間の時代は十分やったから、地球はもうカピバラのものにしてもいいような気さえします。でもカピは支配しないのね。ただいるだけなの。なんか神様みたい。

CUSCUSCUSCUS 2013/05/19 15:42 ご無沙汰しております。
こんなんネットで見つけました。ひょっとしたらもうご存じかもしれませんが、お知らせします。楽園的な光景です。
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52128062.html

globalheadglobalhead 2013/05/19 16:49 リンク先の外人家族みたくカピバラを飼いたくてしょうがないです。結構いいお値段らしいですがその前に庭付きプール付きの家でないと飼うのは無理でしょうねえ。その分カピバラ求めて全国行脚の旅にでも出るか…。

20130506(Mon)

[]山口晃展を観に行った 山口晃展を観に行ったを含むブックマーク 山口晃展を観に行ったのブックマークコメント

f:id:globalhead:20130506143302j:image

昨日は相方さんと一緒に横浜のそごう美術館へ【山口晃展〜付り澱(つけたりおり)エンナーレ 老若男女ご覧あれ】を観に行きました。山口の特徴的な代表作である俯瞰図はその精緻さと併せ実にリラックスしたユーモアぶりがいつ見ても楽しいですね。その他にも幾つかのインスタレーション、それと書籍挿絵が多く展示されておりました。書籍挿絵にしても抜群の描写力表現力を誇っているにも関わらずどうにもふざけたオヤジギャグも加味されていて、あーこの人意外と会田誠あたりと通じる肩の力のヌケさ加減があっていいなあ、と思わせてくれました。山口さんこの画力とセンスで漫画とか描いてくれないかなあ。デパート付属の美術館ということで規模はあまり期待していませんでしたが、逆に小振りな展示がサクッと見られる気軽さでよかったかもしれません。

そごう美術館で5月19日まで

f:id:globalhead:20130506145705j:image

f:id:globalhead:20130506145706j:image

[]マイ箸買った マイ箸買ったを含むブックマーク マイ箸買ったのブックマークコメント

箸なんざどんなだって一緒だよ、安物で構わないよ、と思っていたオレではありますが、相方さんに勧められて箸屋に行ったところ、面白くてついついお高いお箸を買ってしまいました。2000円ぐらいだったかな。買った勢いで使うのかどうか判別しない箸置きまで買ってしまいました。絵柄はヤモリ。ついでに相方さんとお揃いにしてしまいました。相方さんのは茶色なんですよ。

f:id:globalhead:20130506145132j:image

f:id:globalhead:20130506145131j:image

f:id:globalhead:20130506145130j:image

[]そして連休もおしまい そして連休もおしまいを含むブックマーク そして連休もおしまいのブックマークコメント

というわけで連休ももうおしまい。連休後半は日記に上げた通りですが、前半には映画観たりちょっと小旅行したり牡蠣で大騒ぎしたりしておりました。その辺は明日以降おいおい日記に書いていくつもりであります。というかもうみんな下書き済ませてるんだけどね。あと後半の4日間は洗濯したり掃除したりゲームしたり日記書いたり相方さんとグダグダしたりとのんびり過ごしておりました。結構いい連休でしたね。

そしてこんなどうでもいいような日常のことを日記に書けるのも心理的時間的に余裕があるからなんですよね。いつもは映画やら本やらのことばかり書いてあんまり日常のこと書かないのは、実は心理的にも時間的にも余裕が無くて自分自身のことをなかなか顧みられないからなんですよ。その点感想文ってぇのは要点並べるだけですから意外と適当に書けるもんなんですよね(ええ、だいたい適当なんです、感想文なんて)。昔は割と個人的な事を多く書いていたこのブログなんですが、最近あんまり身の回りのことを書いていないのはこんな具合に余裕がないからだったんですよねー。なんかもう仕事がさあ…(ブツブツ

まあ愚痴っても仕方がないんですが、こんなに伸び伸びした気持ちになったのが久しぶりだったので、ついついあれこれ書いてしまいました。皆さんも明日から仕事の方が多いのかな。ずっと仕事されていた方もいらっしゃるんでしょうね。あれこれ大変ではありますが、自分もこんなブログに戯けたことをつらつら書ける程度に余裕もってこれからも過ごしたいものです。それでは、めげない程度に頑張りませう。では連休の最後、よい夜を!

20130505(Sun)

[]味噌とチーズだった! 味噌とチーズだった!を含むブックマーク 味噌とチーズだった!のブックマークコメント

先日は「はてなダイアリー」の古い頃からの友人たちの集まり、【怪しいはてダ隊】によるGW決起集会が開催されました。まあ決起集会とは言っても居酒屋に行ってダラダラと飲み食いするだけなんですが。

この日のお店は神田にある「鍛冶二丁」。「チーズと味噌の店」というのが珍しくて相方さんが予約してくれました。集まったのはオレと相方さん含め4人なんですが、オレ以外はみんな女性で、オレは例によって「女子会に居合わせたオッサン若干1名」をやっておりました。皆さんこんなオッサンを話しに混ぜてくれてありがとう…。お店はGW中だったからなのか若干空いていて、掘り炬燵のある割と大き目の個室に通してくれたのが嬉しかったな。

さてこの「鍛冶二丁」、普通の居酒屋メニューもあるのですが、「チーズと味噌の店」というだけあってメニューにはなにかと味噌とチーズを使ってあります。まず味噌の種類がびっくりするぐらい多い。HPからコピペしただけでも「木の芽味噌 金山寺味噌 豚肉味噌 鶏皮味噌 バジル味噌 レモン味噌 香味味噌 ふき味噌 ゆず味噌 柚子胡椒味噌 葱味噌 バルサ味噌 トマト味噌 コチュジャン味噌 ニンニクマヨ味噌」、とこれだけあります。これらの味噌のうち適当に7種出てくるお通しはあれこれの味を楽しめて面白かったな。

f:id:globalhead:20130505083750j:image

サトイモなんかを頼んでも「納豆塩」とかいう塩がついていて、なにがなんでも発酵食品をアピールしてるんですよ。

f:id:globalhead:20130505084041j:image

焼きアボガドには発酵バターがかけられていてこれもまた発酵食品が一枚噛んでいる発酵の黒い罠!

f:id:globalhead:20130505084042j:image

揚げ出し豆腐と見せかけておいて揚げ出しモツァレラチーズ!

f:id:globalhead:20130505084421j:image

味噌とみりんで焼く西京焼きにはさらにチーズがトッピングしてあって畳み掛けるような発酵食品の二段重ね!

f:id:globalhead:20130505084553j:image

チーズフォンデュも注文しましたがこれにもしっかり味噌が入っていて、東西発酵食品の雄を渾然一体と掛け合わせたキングオブ発酵食品状態!

f:id:globalhead:20130505083936j:image

もちろんチーズの盛り合わせも注文。しかし臭いチーズは好きなのにもかかわらず、この山羊チーズはとても山羊臭くて殺意を覚えたという展開も。皆さんは美味しいと言って食べておりましたが、どうもオレは山羊とは遺恨まみれの敵同士だったのに違いありません。

f:id:globalhead:20130505084554j:image

みなさんと会話していたら、この日来ていたメンバー1名が味噌嫌いだったということが判明。味噌は日本人の心じゃないか!と言いそうになりましたが、しかし考えてみると味噌って実際そんなに毎日食べてないし、使ってもせいぜい味噌汁だし、あとたまにカップラーメンの味噌食ったりするぐらいで、実は味噌無しでも普通に生活しているどころか、自分もまるで味噌を意識せずに生きていることが発覚。案外味噌よりチーズのほうを多く食ってるんじゃないのか?そもそもオレ、白いご飯もそれほど食べないほうで、日本人の心などと言うのもおこがましい人間だったんですよねえ。そんなことをあれこれ考えさせる面白い店でした。ここはまた行ってみたいな。

というわけでこの日も話に花が咲き遅い時間までワイワイガヤガヤと盛り上がっておりました。皆さんいつもありがとう。またお会いしましょう。

ぐるなび【鍛冶二丁】〜味噌とチーズのお店〜 神田店

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130505

20130502(Thu)

[]惜しまれつつ世を去った白山宣之の瑞々しい遺作集『地上の記憶』 惜しまれつつ世を去った白山宣之の瑞々しい遺作集『地上の記憶』を含むブックマーク 惜しまれつつ世を去った白山宣之の瑞々しい遺作集『地上の記憶』のブックマークコメント

■地上の記憶 / 白山宣之

地上の記憶 (アクションコミックス)

白山宣之氏の名は漫画界の80年代ニューウェーヴと呼ばれた時期以降に大友克洋氏との活動があったので記憶していた。何作か短編を読んだとは思うのだがタイトルは覚えていない。白山氏のことは自分の中では「大友克洋周辺」という括りだったために失礼ながらそれほど注目はしていなかったし、その白山氏が昨年亡くなられていたことも知らなかった。この『地上の記憶』はその白山氏の遺作集になるのだが、端正な描線の絵を描かれていたこと以外その作風がどんなものか思い出せず、折角だから読んでみようと思い購入してみた。そして読んでみて驚いた。これが近年にない素晴らしい漫画体験だったからだ。収録作品は最も古い昭和54年作「Tropico」から平成15年作「大力伝」まで全5作。寡作だったことで知られ、さらに現行で流通している単行本はこの「地上の記憶」だけだということを考えると、「埋もれたままなのがあまりにも惜しい作家」の秀作の数々を、遺作集という形でしか体験できないことがなにより口惜しい。

作品を見てみよう。「陽子のいる風景」は映画監督・小津安二郎的な手法を徹底的に漫画の中に盛り込んだ作品だ。求婚に心を揺らすある若い女性のありふれた日常が瑞々しくもまた淡々と描かれるが、ドラマらしいドラマなど存在しないにもかかわらず、じっくりと描かれたそのコマ運び一つ一つの緊張感が尋常ではない。登場人物たちの内面を決して独白などで描くことをせず、読者は彼らの心情を会話とコマ運びだけから類推するしかない。説明を徹底的に削ぎ落としたがゆえに、逆にそこからうっすらと立ち上る情緒の美しさが胸をとらえて離さない。非常に文学的であり映画的であり、にもかかわらず漫画だからこそできる表現。この作品集中の白眉だろう。

「ちひろ」は父を亡くし母も病床にある、ある女子高生の夏の一日を描いた物語だ。「陽子のいる風景」の少女版といった作りになっており、これもまた「陽子のいる風景」同様ドラマ性を排した日常の光景だけを淡々と描いてゆく物語だが、やはり端正に積み重ねられてゆくコマ割りの中から浮き上がってくる、不安や孤独や家族への愛情と言った少女の情緒の描写手法が素晴らしい。

一方「Picnic」は雰囲気変わって戦国時代を舞台にした時代掌編。タイトル「Picnic」とはなんの事かというと、とある村の村人たちが小山に上って「関ヶ原の合戦」を物見雄山しながら酒盛りしていた!という唖然とさせられる内容だからである。確かにこの時代、お侍さんたちが死に物狂いで争っていることなど一介の農民にとっては現実味の薄い絵空事のようなものだったのかもしれない。続く「大力伝」も戦国時代を舞台にしたもの。こちらは主人公が勇猛果敢で知られる大名…と見せかけて、男所帯のむさ苦しい大名屋敷に奉公に来た一人の怪力女を中心にして物語が進んでゆく。「Picnic」もそうだったが、よくある戦国時代物語を視点を変えユニークな登場人物にスポットを当て作話する手法が実に面白い。

最後を飾る「Tropico」前後編は現在に戻り、南の島を舞台にヤクザの取引に関わってしまったおっさんたちと謎の女とのドタバタを描く冒険活劇。この短編集の中で最初期の作品ということもあってか絵や物語に粗さがあり、展開もおそろしくギクシャクしているが、逆に波乱万丈な鍵カッコつきの「冒険活劇」を短いページ数でサクッと描こうとしたということなのだろう。お話はカラッと明るくどことなく能天気で、深夜番組のB級アクション映画を観ているかのようだった。

こうして並べてみると実にバラエティ豊かであり、そのそれぞれにこだわりと試行錯誤があり、並々ならぬ力量を感じさせる作品ばかりだった。絶版になっている他の作品集も是非読んでみたいと思わせる作品集である。最後に、多くの漫画家たちに愛され、この作品集にもたくさんの寄せ書きが集められた白山宣之氏に合掌したい。

地上の記憶 (アクションコミックス)

地上の記憶 (アクションコミックス)

[]最近読んだコミック 最近読んだコミックを含むブックマーク 最近読んだコミックのブックマークコメント

ブラック・ジャック創作秘話〜手塚治虫の仕事場から〜(3) / 宮崎 克

漫画の神・手塚治虫の驚くべき逸話、鬼気迫る漫画制作現場、呆れる様な珍行動を描く「ブラック・ジャック創作秘話」の第3巻。しかし3巻目ともなってくると1,2巻で登場した「驚異の逸話」というのもネタが尽きたようで、今回は手塚のアシスタントたちや天才編集者と呼ばれた阿久津邦彦にスポットが当てられている。ただしこういったアシや編集者と漫画家の物語なら他の漫画家でもありそうなことが多く、やはり衝撃度は少ない。後半は手塚治虫の漫画家人生に登場する6人の孫悟空を描いた作品。こちらも「狂える神・手塚」を感じさせるようなエピソードというものでもないが、知らないことが多かったのでフムフム言いながら読んでいた。実は自分、アニメ「悟空の大冒険」、もうホンット大好きだったんですよ!

西原理恵子人生画力対決(5) / 西原 理恵子

西原理恵子の人生画力対決〈5〉

西原理恵子の人生画力対決〈5〉

例によってサイパラ理恵子の画力対決という名の漫画家暴走ルポ。今回はガンダムをキーワードに混乱と暴動の中に叩き込まれる哀れな漫画家たちの雄叫びが闇に木霊する。しかし言うまでもないことなんだろうが山口晃は本当に絵がうまいなあ…。

毎日かあさん9 育っちまった編 / 西原 理恵子

毎日かあさん9 育っちまった編

毎日かあさん9 育っちまった編

サイパラ理恵子の子育て漫画「毎日かあさん」も9巻目を数え、子供たちもすっかり大きくなった。大きくなっても手の掛かる息子と娘…を描いているように見えて、大きくなったけど手を掛けたいサイパラの「大人になりやがってさみしいです」といった心情がどこかに透けて見える。おおらかに育った子供たちではあるが、そろそろ反抗期だぜサイパラ…。

20130501(Wed)

[]最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの〜『ロックアウト』『コロンビアーナ』『エージェント・マロリー最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの〜『ロックアウト』『コロンビアーナ』『エージェント・マロリー』を含むブックマーク 最近ダラ観したBlu-rayだのDVDだの〜『ロックアウト』『コロンビアーナ』『エージェント・マロリー』のブックマークコメント

ロックアウト (監督:スティーヴン・セイント・レジャー、ジェームズ・マザー 2012年フランス映画)

ロックアウト (初回数量限定生産 スチールブック仕様) [Blu-ray]

ロックアウト (初回数量限定生産 スチールブック仕様) [Blu-ray]

リュック・ベッソン製作による「ああ、ベッソンまたやっちゃった…」と思わずにはいられない乱暴なSF映画です。この場合乱暴とはザツという意味であります。軌道上に浮かぶ極悪受刑者専用の監獄宇宙ステーション「ヒャッハー!」で叛乱が起こり、たまたま居合わせた大統領の娘がヒャッハー!な皆さんに拉致された!それを救う為、元CIAの問題児である主人公が送り込まれる、というお話なんですが、例によってベッソン一流の大味ぶりが炸裂しております(あ、すいません、宇宙ステーションの名前は嘘です)。っていうかこの筋、なんか「ニューヨーク1997」ぽいっていうか、宇宙監獄を舞台にしたB級映画ってなんかなかったっけ…。しかもこの映画、一応SFの体裁をとっていますが単に舞台が宇宙ステーションってだけの話で、SFである必然性が限りなく皆無であり、実際これが人跡未踏の荒れ地でも南海の孤島でも全然構わない内容なんですよねえ。あとこれだけは言わせてもらいたいんですが、大統領の娘がブス。ただでさえ盛り上がらないお話がこの不細工な大統領令嬢のお蔭でさらに物悲しい効果を上げることに成功しております。まあしかしベッソン映画って、全否定するつもりはなくて、毎回掴みはOK!で、なんとなく期待を持たせられてしまうんですよねえ。まあその後掴んだまんまどっかにいなくなっちゃって「おいおい!?」って気にさせるんですが。力押しだけで十分通じる物語ならこの人はそこそこの仕事が出来るのでしょうが、ディテールの積み重ねやマニアックさや知性の必要なお話は向いてないんだなあ。

D


コロンビアーナ (監督:オリヴィエ・メガトン 2011年アメリカ/フランス映画)

コロンビアーナ [Blu-ray]

コロンビアーナ [Blu-ray]

リュック・ベッソン製作・脚本による「ああ、ベッソン悪い意味でブレがない…」と思わずにいられない乱暴なアクション映画です。当然この場合も乱暴とはザツという意味であります。幼い頃両親を麻薬カルテルにぶっ殺された少女が大人になり、殺し屋となりながら復讐を誓う、といった物語で、まあまあ設定だけなら幾らでも面白くできそうだし、実際冒頭の少女逃亡シーンのスピード感はこの後の展開を期待させるものでしたが、やっぱり本編に入ってから不動のお粗末さがブルドーザーのように物語を席巻してゆくのでありますよ。例によって掴みはOK!のままその後急速に集中力を失ってしまうといういつものベッソン映画であります。留置所を舞台にした最初の暗殺シーンだって「巧妙かつ狡知に長けた完全な犯行」を見せたかったのでしょうが実際は突っ込み所ありまくって見ていて悲しくなるばかりかむしろ見なかったことにして自分の心の優しさを実感したい、とすら思わせるようなインチキさであります。逃亡した少女の頼る叔父さんとの人間関係も幾らでも人間味溢れるものにできたはずなんですけれども、やっぱり設定だけしといてあとは話を膨らませないし、そもそも大人になってからの主人公に人格の欠片も感じさせないのはこれも動機の設定だけしといてあとはロボットみたいにドタバタ暴れさせているだけだということでありましょう。で、最後は敵の邸宅に特攻しかけますが、いやだったら最初からそうしろよ、と思わないでもなかったのでありました。

D

エージェント・マロリー (監督:スティーブン・ソダーバーグ 2011年アメリカ映画)

エージェント・マロリー [Blu-ray]

エージェント・マロリー [Blu-ray]

スティーヴン・ソダーバーグ監督が女子総合格闘技界のスターとして名を馳せるジーナ・カラーノさんを主演抜擢して制作したアクション映画であります。ジーナさんの役柄は民間軍事企業の雇われ女スパイ、まあ言うなれば諜報活動も出来る傭兵ってことなんですな。ジーナさん演じるこの女スパイが任務遂行中に罠に嵌められ命を狙われ、孤立無援のまま陰謀と戦う、といったお話なんですな。とても役者さんに好かれるソダーバーグ監督、この映画でもユアン・マクレガーマイケル・ダグラスアントニオ・バンデラスなんている豪華メンバーが脇を固めております。ただ映画の出来はといいますと、なんかこう、微妙なんですわ。よくあるアクション映画、スパイ映画を期待して観ているとなんだか肩透かしを食わされる、妙なテンポなんですわ。音楽にしろカットにしろソダーバーグ監督独特の気取りと言いますか格調の高さが邪魔をして、アクション映画なんだけどどうもダイナミックさやフィジカルさに欠けるんですわ。ある意味脱構築化されたアクション映画ということも出来るのかもしれませんが、こういった部分が格闘家ジーナさんの演出にも災いしたのか、「多分本当に物凄く強い人なんだろうなあ」というのは見てて分かるんですが、映画としての見た目のキレに乏しく感じるんですね。ジーナさんの強力さを画面の中に引き出し切れていないように見えるんですよ。そういった部分で惜しい映画でしたね。

D

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/globalhead/20130501