Hatena::ブログ(Diary)

メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20140228(Fri)

[]諸星大二郎の「妖怪ハンター」新刊『夢見村にて』 諸星大二郎の「妖怪ハンター」新刊『夢見村にて』を含むブックマーク 諸星大二郎の「妖怪ハンター」新刊『夢見村にて』のブックマークコメント

■夢見村にて 妖怪ハンター 稗田の生徒たち (1) / 諸星大二郎

妖怪ハンター 稗田の生徒たち (1) 夢見村にて (妖怪ハンター 稗田の生徒たち) (ヤングジャンプコミックス)

諸星大二郎の「妖怪ハンター」シリーズ最新刊が出た。過去作の再編集版ではない新作諸星単行本が読めるのは実に目出度い。まあ新作とはいっても奥付を見ると2010年と2012年の作みたいなんだけどね。この単行本『夢見村にて』は「稗田の生徒たち」という副題が付けられているように、民俗学者であり妖怪ハンターの異名を持つ諸星キャラ・稗田礼次郎とかつて別の事件で関わったことのある子供たちが主人公として登場する。収録されている作品は「夢見村にて〜薫の民俗学レポート」、「悪魚の海」の2編。

まず「夢見村にて〜薫の民俗学レポート」で主人公を務めるのは昔ある事件で稗田に助けられたことのある兄妹、薫と美加。二人が最初に登場したのは多分エピソード「川上より来たりて」。その後エピソード「天孫降臨」の事件で二人は不思議な力を持つことになる(両作品の収録単行本は『天孫降臨』)。

この「夢見村にて」では、民俗学専攻の学生へと成長した薫が山深い村へフィールドワークに訪れる所から始まる。薫が訪れた村「夢見村」は、"夢"を信奉し、他人の夢を買ったり盗んだりということが行われているという。やがて薫は奇妙な村人たちの中で夢とも現実ともつかない体験をすることになる…というもの。稗田もちょっとだけ出て来る。作品的にはかつての諸星作品のような異様で強烈なアレゴリーが炸裂する、というほどのものではなくて、"夢"というテーマもあってかどちらかというとダーク・ファンタジー的な展開を見せる。最近の諸星作品は伝奇的な要素が薄くなり、逆にファンタジー色が濃くなっているが、これもその流れに沿った作品になっている。山奥の温泉村ということでやたら入浴シーンがあり、サービスショットも多くて、作品全体も諸星作品にしては重苦しくない。そんなカジュアルな諸星作品、そして妖怪ハンターシリーズが楽しめる一篇。

一方「悪魚の海」は、大島という名の少年と渚という名の少女が主人公。この大島&渚ペアはエピソード「うつぼ舟の女」(単行本『黄泉からの声』収録)が初登場だったろうか。その後エピソード「海より来るもの」「六福神」他で活躍を見せている(単行本『六福神』収録)。大島&渚が登場するエピソードには稗田は登場せず、大島&渚が体験した不気味な出来事を稗田への手紙として物語る、という形をとっている。そして大島&渚が出遭う怪異はその全てが《海の怪》という体裁がとられている。

この「悪魚の海」も同工となっており、やはり大島&渚が普通では説明のつかない《海の怪》と遭遇するというもの。物語は夜の海で渚がかつての級友を救う所から始まる。救われた少女・カオリは過酷な海女の訓練に耐えられずに逃げ出してきた、と説明するがどこか様子がおかしい。そして物語はカオリが住む辺鄙な漁村に伝わるある忌まわしい習俗へと近づいてゆくことになる、というもの。ネタバレするのでメインのテーマは書かないが、こちらの作品もやはりそのテーマ性もあってダーク・ファンタジー色の強い作品だ。諸星作品で《海の怪》を扱った作品としては「海竜祭の夜」(単行本『海竜祭の夜』収録)を思い浮かべるが、30ページ足らずの「海竜祭の夜」のほうが100ページある「悪魚の海」よりも数倍おどろおどろしくて濃度が高く、異様な読後感を後々まで引き摺ることを鑑みると、やはり若干の物足りなさを覚えてしまう。まあこちらもカジュアルになった諸星作品ということもできるが。また、《海の怪》をテーマにした作品としてラブクラフト好きにも訴求力があるかもしれない。

ただどちらにしろ、諸星の妖怪ハンター・シリーズが「稗田の生徒たち」といった形になって成長し続けていくのを見るは嬉しい。どこまで書くつもりなのかいつ終わるのか皆目見当のつかない『西遊妖猿伝』なんてシリーズも書かれている諸星センセ、大変かと思いますがまた新作よろしくお願いいたしますよ!

天孫降臨 (ヤングジャンプコミックス ワイド版)

天孫降臨 (ヤングジャンプコミックス ワイド版)

黄泉からの声―妖怪ハンター (ヤングジャンプ・コミックス)

黄泉からの声―妖怪ハンター (ヤングジャンプ・コミックス)

六福神―妖怪ハンター (ヤングジャンプ・コミックスUJ)

六福神―妖怪ハンター (ヤングジャンプ・コミックスUJ)

海竜祭の夜 妖怪ハンター (ジャンプスーパーコミックス)

海竜祭の夜 妖怪ハンター (ジャンプスーパーコミックス)

[]アゼッチさんと再び横浜 / みんな10年だった アゼッチさんと再び横浜 / みんな10年だったを含むブックマーク アゼッチさんと再び横浜 / みんな10年だったのブックマークコメント

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先日は会社帰り横浜で『あんぱん買うとみせかけてメロンパン』のアゼッチさんと久しぶりにお会いして飲んでました。自分の日記探したら前回お会いしたのが2011年8月11日だったみたいで、3年ぶりぐらいって所でしょうか。途中からオレの相方さんにも来てもらって(アゼさんと相方さんは初対面)、3人でワイワイ飲んでました。

場所はいつものベルギー・ビール屋だったんですが、この日は割とアルコール度数の高いビールばっかり飲んじゃったんで結構酔っぱらっちゃたよオヂサンわ!アゼさん楽しかったです、また東京横浜近辺にお寄りになったら誘ってください。あと相方さん、付き合ってくれてありがとう。

それにしても気づいたんですが、オレ自分の日記が10周年だ!とか一人で騒いでましたが、自分と面識あるはてなブログ界隈の知人って、みんなだいたい10年選手ばっかりなんですよ。多分アゼさんもそうだろうし、相方さんも9年ぐらいって言ってたし、自分がよく読んでるブログの方(ワッシュさん)もこの間10年だって言ってたし、この間Twitterでも、別のブロガーの方(doyさん)も「気づいてみたら自分は10年過ぎてた」とか呟いてました。

別にはてな5年とか3年とかの方がいらっしゃってもおかしくないだろうに、なぜだか自分の周りは10年前後の方が多いんですよね。10年前、いろんなブログサービスが始まってブログがぱっと流行った頃(Wikipediaなんか見ると2002年頃から急速に普及みたいなことが書かれている)の、熱気と言いますか雰囲気を知ってるもん同士だからってことなんですかねえ。

だからなんだ、って訳でもないんですが、なんだか不思議でした。

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20140227(Thu)

[]PS4のローンチ・タイトル、SFタイプFPSKILLZONE SHADOW FALL』をプレイした PS4のローンチ・タイトル、SFタイプFPS『KILLZONE SHADOW FALL』をプレイしたを含むブックマーク PS4のローンチ・タイトル、SFタイプFPS『KILLZONE SHADOW FALL』をプレイしたのブックマークコメント

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PS4のローンチ・タイTル、『Killzone』シリーズ最新作『Killzone: Shadow Fall』をプレイしてみました。この『Kz:SF』、PS4が発売されたら絶対プレイしちゃる!と楽しみにしていたんですよ。ええ、ええ、例によってFPSであります。バリバリ撃ってガシガシ殺すよッ!のFPSであります。しかし実際はバリバリ撃たれてガシガシ殺されてますけどね!

この『Kz:SF』、宇宙共和国「ヴェクタ」と独裁国家「ヘルガーン」との惑星国家間の戦いを描いたSFタイプのミリタリー・シューターなんですね。SFタイプと言っても『Halo』みたくエイリアンやパワードスーツが出てくるわけじゃなくて、最近の『CoD』のような近未来的な銃弾系武器を使った戦闘を架空の惑星を舞台に展開したものと言えるんじゃないでしょうか。

《物語》惑星ヘルガーンの壊滅から30年。ヴェクタ市は未曽有の発展を遂げた。だが、都市をふたつに隔てる巨大な壁をはさんで、対立する「ヘルガスト」と「ヴェクタ市民」の両勢力がにらみ合う緊張状態が続く。そして、ヴェクタでは過激派によるテロが発生。ヴェクタの切り札「シャドーエージェント」は、ヘルガスト自治区への極秘潜入ミッションから総力戦まで、悪化してゆく状況に対応する。惑星ヴェクタを滅亡の危機から救い出すために。

一応物語は前作から引き継いでいるんですが、まああってないような物語なので深く考える必要は無いし前作やってなくてもまるで問題ありません。FPSだし。撃ってナンボだし。

そんなことよりこの『Kz:SF』のウリは、なんといってもPS4ならではの高い処理速度で描かれる美麗なグラフィックと60fpsでヌルヌル動くプレイ画面ですよ!解像度が高くなった分物体がくっきり描かれて照準合わせが楽ですね。未来の巨大建築物がそびえ立つ大都市の情景などは目を奪います。また、戦場で巻き起こる土煙や散らばる土砂や光線や光の反射その他もろもろの細かい描写がリアルさを増しています。FPSゲームというのは、やはりこういった画面の迫真性がまず第一に面白さを引き立てるジャンルですから、PS4FPSをプレイできることは本当に楽しいですね。

今回の『Kz:SF』の新機軸となるのは「OWL」と呼ばれる戦術飛行ドローンを操れる、ということでしょう。この「OWL」、基本性能として「アタック」「ジップライン」「シールド」「スタン」「ハッキング」「蘇生モード」があり、ゲーム攻略にはなくてはならないアイテムとして存在しています。特に「ジップライン」はロープを射出して高低差のある任意の場所を降下できるようにすることができるんですね。また「ハッキング」は敵のアラームを止め、無限増殖する援軍を食い止める手段として重要です。この「OWL」が『Kz:SF』を今までの『Killzone』シリーズで一番SFぽい雰囲気にさせているんですね。

そしてこの「OWL」、PS4コントローラーの新要素「タッチパッド」を使って命令を出すんですよ。画面だけではなくこういった部分でも「ニューハードやってるぜ!」という気分が盛り上がるんですねー。あとゲーム中「音声ログ」を拾ったりするんですが、この音声というのがPS4コントローラーに新たに組み込まれたスピーカーから出てくるんです!他愛ないと言えば他愛ないんですが、ゲーム画面の美しさ、処理の速さだけではなく、こういった細かい部分もPS4のゲーム・タイトルらしさが出ていて楽しいんですよ!

『Killzone: Shadow Fall』海外レビュー/Choke Point

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キルゾネキルゾネ 2014/02/27 13:28 日本語ここだよ
http://www.youtube.com/watch?v=zP7_i2XNdOo

globalheadglobalhead 2014/02/28 08:16 お、ありがとうございます。ついでにこちらのほうに動画差し替えておきます。

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20140226(Wed)

[]ダニー・トレホ兄ィが地獄から蘇って敵を討つ西部劇『トゥームストーン/ザ・リベンジ』 ダニー・トレホ兄ィが地獄から蘇って敵を討つ西部劇『トゥームストーン/ザ・リベンジ』を含むブックマーク ダニー・トレホ兄ィが地獄から蘇って敵を討つ西部劇『トゥームストーン/ザ・リベンジ』のブックマークコメント

■トゥームストーン/ザ・リベンジ (監督:ロエル・レイネ 2013年アメリカ映画)

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オレの大好きな【鬼顔の歩くエレクチオン】ことダニー・トレホ兄ィ主演のホラー・ウェスタン映画です(ホラーの部分はほとんどないんですが)。お話はならず者集団のボス、ゲレロ(トレホ兄ィ)が仲間の裏切りに遭って殺されちゃいますが、堕ちた地獄で冥界の番人ルシファーと、再び地上に戻って裏切った6人の仲間を24時間以内に全部ぶっ殺して来れば命を助けちゃるよ?という契約を結ぶんですね。かくしてトレホ兄ィの復讐の戦いが始まる!というもの。監督はロエル・レイネ、誰なのこの人?と思って調べたら『デス・レース2』『デス・レース3 インフェルノ』の監督さんでありました。この2作、結構面白かったな。

地獄の悪魔をミッキー・ロークが演じてます。でもミッキーさん、デブデブすぎて悪魔に見えません。しかも例によって顔が変形しまくっているので、最初ミッキーさんということもよくわかりません。最初デブデブの体形だけ見てヴァル・キルマーかと思っちゃいました。旦那の保安官を殺されトレホに協力するヒロイン、カラテア・マッセーをディナ・メイヤーが演じており、なかなかに熟女の色香をふりまいていてオレは結構お気に入りでした。この人、あの『スターシップ・トゥルーパーズ』でディジー・フロレス役を演じていた女優さんですよ。

しかし実際の所、トレホ兄ィ主演!ということ以外、特に見るべきものの無い凡作に仕上がっちゃってます。銃撃戦やら殴り合いやら爆発やら派手にはやってるんですが、なーんといいますかまるで緊張感もサスペンスも興奮させられるシーンも無くてね。ただ漫然とバンバン撃ってガシガシ殴ってボンボン爆発しているだけなんですよ。いったい何でこうなったんだ!?と思いましたが、意外と主演のトレホ兄いのせいかもしれなくてねぇ。

といいますのはトレホ兄ィ、1944年生まれの69歳、とうに還暦も過ぎたお爺ちゃんでありまして。癖の強い脇役としてアクション映画には多く出演はしていたでしょうが、基本的にちょい役殺され役、出ずっぱりでアクション映画出たのは例の『マチェーテ』(レヴュー)が多分ほぼ初めてでしょう。しかしオレの心の映画として数え上げられるこの『マチェーテ』ですら、あたかも往時のジャイアント馬場の如く、全然体動いていないんですよ。トレホ兄ィ主演で2012年制作の日本未公開映画『バッド・アス』(レビュー)でも、やーっぱり動けてなかったよなァ。

この映画『トゥームストーン/ザ・リベンジ』でも、トレホ兄ィは仁王立ちしてるかニラミを効かせてるだけなんですよ。動きの速いアクション・シーンや、西部劇につきものの乗馬シーンは、ほとんどスタントマンがやっているようでしたね(ってか馬から降りるシーンなんてトレホ兄ィ、単にずり落ちてるだけだったよ…)。いやでも、動けなくてもいいんです。トレホ兄ィのカリスマ的鬼顔をバーンと正面に据えて、あとは『マチェーテ』みたいに周りがきちんと動いて盛り上げてくれればいいんですが、この映画ではそれがなってなかった、と思われるんですよねえ。まあ結局は監督の采配の拙さなのかなあ。

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マチェーテ [Blu-ray]

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20140225(Tue)

[]"正義"のその向こう〜映画『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー"正義"のその向こう〜映画『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』を含むブックマーク "正義"のその向こう〜映画『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』のブックマークコメント

キック・アス/ジャスティス・フォーエバー (監督:ジェフ・ワドロウ 2013年アメリカ映画)

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■前作の覆面自警団たち

奴らが帰ってきた。キック・アス、ヒット・ガール、レッド・ミスト改めマザーファッカー。前作で大暴れした彼らは、この2作目でそれぞれに変節を経ている。アメコミオタクの一人覆面自警団、キック・アスは、一端はヒーローをやめるのだけれどもやっぱりムズムズしだし、同じ覆面自警団で組織された「ジャスティス・フォーエバー」に入団する。ヒット・ガールは保護者となった警官に「普通の女の子になりなさい」と固く言い渡される。レッドミストはキック・アスへの復讐を胸に、マザーファッカーと名を変え、覆面のゴロツキどもを組織する。三人三様の事情により物語は再び絡み合い、そして予想通り血塗れの死闘が幕を開けるのだ。

「自分も覆面ヒーローになって社会の悪を懲らしめるんだ!」という、アメコミの読み過ぎでちょいとイカレてしまった連中が、そのイカレ具合をどんどんエスカレートさせ、イカレてるだけでは済まされないとんでもない超暴力の世界へ行き着いてしまったのが前作だった。こういったモチーフは同工の覆面ヒーロー映画『スーパー!』でも描かれていたが、『キック・アス』と『スーパー!』が違うのは、ヒット・ガールとビッグ・ダディという、"玄人"の覆面ヒーローの存在だった。

ヒット・ガールとビッグ・ダディは、復讐のために覆面ヒーローを演じてたが、彼らは「筋金入り」だった。凡人が覆面ヒーローを演じるのは普通に考えたら滑稽な話で、その滑稽さが『キック・アス』のモチーフの一つだったが、ビッグ・ダディ親子のそれは、滑稽では済まされない狂気じみた領域まで達し、そして過剰にアンモラルである部分で物議を醸していた。キック・アス一人ではどうしようもなく非力な部分をヒット・ガールとビッグ・ダディは易々と飛び越えた。そんな"玄人"の覆面ヒーローと行動を共にすることにより、凡人ヒーロー・キック・アスは復讐と殺戮のめくるめくような世界を垣間見ることになる。それはアンモラルであるかどうか以前に、圧倒的な暴力の快楽であり、"正義"を名乗ることの快感だった。

■今作の覆面自警団たち

そんな彼らはこの2作目でどんなふうになっただろう?一度は覆面ヒーローを止めながらカムバックしたキック・アス。彼の入団した「ジャスティス・フォーエバー」の面々は、それぞれに事情を持つけれども、結局は「我こそに正義あり」と信じて疑わない痴れ者たち、よく言って能天気な連中の集まりでしかない。キック・アスはそんな連中と楽しくつるみながらもやはり満足できず、ヒット・ガールにもう一度仲間になろう、と声を掛ける。ヒット・ガールはヒーロー活動を止められており、死した父の思い出もまだ残っているにもかかわらずだ。同志として死闘を繰り広げながら、キック・アスはヒット・ガールの気持ちを考えようとすらしない。ヒット・ガールに特訓を仕込まれながらも、こいつの頭の中身は相変わらず成長の無いボンクラなのだ。

一方活動を止められたヒット・ガールは、覆面ヒーローとしての活動に未練たっぷりでありながら、なんとか自重しようとする。意に染まぬながらも保護者の言いつけどおり懸命に「普通の女の子」を演じようと苦闘する。その姿はいじましくもあり、普通の女の子の格好でスクリーンを闊歩するクロエ・モレッツもそれはそれで可愛らしいのだけれども、しかし変節の中で停滞したヒーローなど誰も見たくはないだろう。むしろここで描かれるべきだったのは、ヒット・ガールをどこにでも転がっているような「普通」の鋳型に押し込むことではなく、イカレた父に殺戮機械として育てられた自らの出自と向き合うことだったはずで、それを乗り越えてさらに「正義とは何か」ということに辿り着き、凄惨な笑みを浮かべながら死地へと赴く彼女の姿だったのではないか。

レッド・ミスト改めマザーファッカーについては特に書くことは無い。こいつは最初からイカレたガキだったが、復讐に猛り狂うこの2作目で、さらに目も当てられないようなイカレトンチキと化した。しかし発想も方法論もやっぱりガキのままで、成長が無いという意味ではキック・アスと五十歩百歩である。しかも1作目の『キック・アス』は一応大人の社会に存在するマフィアを倒すことが使命だったのが、この2作目ではキック・アスVSマザー・ファッカーという成長が無いガキ同士の戦いという意味では、おつむの足りない洟垂れコーコーセー同士が喧嘩ケンカに明け暮れる日本のDQNコミックとたいして変わり無いものと化している。まあこっち(キックアス)は結構な数で人死にが出ているが。

■"正義"のその向こう

このようにこの2作目は、前作で突き抜けたものを突き抜ることができないまま、不完全燃焼を起こした作品として出来上がっている。最大の問題は、主要人物3人が3人とも、自分のことに手いっぱいのまま、収束することなくてんでばらばらに描かれてしまっているという点だ。

しかしだ。こうした演出とシナリオ面の稚拙さ物足りなさがありながらも、自分はこの作品がやはり嫌いになれないのだ。決して前作は超えていないけれども、案外半年後ぐらいには観たことすらも忘れているかもしれないけれども、それでもキック・アスの連中と、とりわけヒット・ガールと、再び映画館のスクリーンで相まみえる事ができたことが嬉しくてしょうがないのだ。

だからもし3作目があるならオレは迷わず観に行くだろう。その時はこの『2』はオレの心の中ではこっそり『1.5』ということにしておこう。そしてその3作目(オレの中では真正なる2作目)では大人になった彼らを観たい。大人になり何がしかのものを得て、何がしかのものを失った彼らに、その時「正義」とは、「戦い」とはなんなのか、あるいは、なんだったのか、自らの口で語ってもらいたいのだ。若さに身を任せた「正義」のその向こうに、その茫漠たる荒野の果てに何が見えたのか、是非聞かせて欲しいのだ。

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キック・アス (ShoPro Books)

キック・アス (ShoPro Books)

20140224(Mon)

globalhead2014-02-24

[]ブログへの異常な愛情: または私は如何にしてたいした書きたいことも無いのにしょーもないブログを書き続けるようになったか ブログへの異常な愛情: または私は如何にしてたいした書きたいことも無いのにしょーもないブログを書き続けるようになったかを含むブックマーク ブログへの異常な愛情: または私は如何にしてたいした書きたいことも無いのにしょーもないブログを書き続けるようになったかのブックマークコメント

自分のブログは映画記事が多く、映画ブログと思われている方もいらっしゃるかと思いますが、実は自分ではそういうつもりもなくて、ただ映画記事は一番書きやすいから書いているだけなんですよ。

自分はもともと世の中なり人様なりに思うことも主張したいこともなーんにも無い人間で、だからブログを書くに当たり「観た映画、読んだ本・コミック、聴いた音楽、遊んだゲームを余さず記事にする」というルールを作ってあれこれの記事を書くことにしているんですね。

その中で、映画記事は90分なり120分の映画を1本観れば1本書けます。映画を観たその日のうちにチャチャッと書けちゃうわけですね。これが本だと、自分は本を読むのがとても遅くて1冊1週間以上はかかります。ブログにするまで時間が掛かるということです。コミックだとさっと読めますから、これは記事で書くのは簡単ですが、例えば続き物だとそんなに毎回書くことはありませんね。音楽は、例えばCD1枚70分程度ではありますが、音楽というのは文章にするのが大変難しいジャンルなんですね、少なくとも自分にとっては(だから音楽ブログを書いている方はとても尊敬しています)。ゲームもよくやりますが、これはそんなに頻繁に買うものでもありません。

というわけで映画の記事が一番すぐ書けて、(レンタルなら)安上がりで、そして一番一般に受け入れられやすいジャンルである、という理由で、映画記事ばかり書いているんですよ。自分は実は、映画や本やコミックや音楽を、まんべんなく記事にして、合間に個人的な(割とどうでもいい)日記を挟んで、1週間まとめて見ると様々なジャンルを網羅した1冊の雑誌みたいなブログにしたかったんですよ。まあ理想通りにはいきませんでしたが!

それと、自分が書いているブログの記事というのは、これは書きたいことがいっぱいあるから書いている、というわけでもないのですよ。ブログを毎日続ける、という大前提の為に記事を書いているんですね。即ち「手段の目的化」した記事でありブログであって、だから書きたいことがたいしたなくても無理やりひねり出して書いてしまっているんですね。言ってしまえば自分のブログ記事のある程度の部分は「手段が目的化した飛ばし記事」ということになってしまうんですね、恥ずかしながら。

そんな記事なのになんであれだけの分量の文章を書いているかというと、ひとつの記事に対して「ある程度の文章量」というルールを決めているからです。自分にとって記事は内容よりも量なんですね。レイアウト的に、パッと見てある程度の文章量がある、そういうふうにしたかっただけです。確かに映画なりなんなりに、感想が無いわけではないですが、そんなのはせいぜい2,3行で事足りるような感想で、そしてその2,3行で事足りる感想を思いっきり水増しし、上げ底し詰め物をしてあの長さにしているんですよ!

そしてもう一つ、相当長文の文章に関しては、ただ単に「何を書くか決めていないのに書き始めた結果まとまりがなくとりとめもないダラダラした文章になる」、ただこれだけです。書きながら考えて、書きながらまとめているんですよ。だから最後まで書いてやっと「ああ、これってこういう結論になるのか!?」と自分で気付いてびっくりするぐらいです。全くなんじゃそりゃ、って感じですよね。結論が分かったんだからダラダラした分を削って簡潔にしたらいいのかもしれませんが、それだとそれまで書いた文章が勿体ないので、あえて削らないんです。だってせっかく時間かけて書いたんだもん!

そんなにどうでもよく思ってるのになぜブログを続けているかというと、10年続けたある段階から、ブログを毎日書くというのが生活サイクルに組み込まれてしまったからです。生活習慣病というのがあって、体に悪いと知ってても、どうしてもダラダラお酒を呑んだり煙草を吸ったり、脂質や糖分の多い食事を摂ったりしてしまう、それはもう好きとか楽しいとかいう問題じゃなく、そういう習慣の生活が楽だからなんですね。習慣になってしまうと、逆にその習慣を止めるのが苦痛だったり不安だったりするから、だから止められない、そういった意味で、自分にとってブログを書くのは生活習慣病みたいなもんなんですよ。人に読まれたいとか評価されたいとか理解されたいとか以前に、ただ書く、ただただ書く、その為のブログなんですね。なんか荒行みたいですね。続けても御利益なんかなーんもありませんけどね!

博士の異常な愛情 [Blu-ray]

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20140223(Sun)

[]レオス・カラックスはやっぱり苦手〜映画『ホーリー・モーターズ』 レオス・カラックスはやっぱり苦手〜映画『ホーリー・モーターズ』を含むブックマーク レオス・カラックスはやっぱり苦手〜映画『ホーリー・モーターズ』のブックマークコメント

■ホーリー・モーターズ (監督:レオス・カラックス 2012年フランス・ドイツ映画)

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レオス・カラックス、苦手っていうよりも「この人はなんだか気になるけどよくわかんねえんだよなあ」って監督で、処女作『ボーイ・ミーツ・ガール』を劇場で観て「無理。わかんね」とぶんなげた監督ではあるんですが、その後もなんだか気になって『汚れた血』と『ボンヌフの恋人』までは観ました。どれもハッとするシーンはあるにはあるんですが、記憶に残るのもそれだけで、まあ好みじゃねえってことなんだろうなあ。

映画『ホーリー・モーターズ』は、リムジンの乗った老人がその中でいろんな仮装しては表に出て、なにやら役柄を演じてはまたリムジンに戻り、また別人になって外に出て…ということが繰り返されるんですね。最初は「いったいなにこれ?」と思って観ていると、人刺したり拳銃で撃ったりと行動がエスカレートし、でも車に戻るとまたケロッとして別人に変装している。このあたりで「ああこれは現実と仮構がごっちゃになった映画なのね」と分かり、つまりリムジンも老人の行動も何がしかの暗喩であろうということが分かってくる。じゃあなんなのかというとこれは俳優という生き方なのかな、と自分なんかは思った。その演じられる「仮構」にはしかし、主人公の老人の「現実」もちょっとづつ混じっているのかもしれない、それはどこがどう、ということではなくて、「仮構」を演じ続ければその中にどうしても「現実」は混じってくるのかもしれない、そういった部分で演じる者にとっての「現実/仮構」がお互いに流入しあい曖昧になる感じ、そういった部分も描かれているのかな、などと、よく分かんないなりになんとなく思った。

とはいえやっぱり難解といえば難解で、面白かったかといえばなんとも答え難く、ただ「なんなんだろうこれは?」と思いつつ観る体験は得られる映画ではあった。

それともう一つ思ったのは「非常に映画的な映画だなあ」ということ。小説やコミックや演劇や、最近ではゲームなんかは容易く映画化されるし、また逆もあるのだけれども、それはどのジャンルでも物語だけ取り出せば互換の効く表現であるということで、極端な事を言えば「どれでもいいじゃん」ということになってしまうんだけれども、ことこの『ホーリー・モーターズ』に関しては、これはまさに映画でなければ表現できない、映画であることが前提で成り立っている作品である、という部分で、レオス・カラックスという監督がどう映画に向き合おうとしているのかうかがい知る事ができた。オレはゴダールとか観ないし観ても最初の3分ぐらいで映画を投げ出すような人間なんだが、推測としてゴダールという人もこの「映画でなければ成り立たない映画」を撮っていた人で、だからレオス・カラックスが「ゴダールの再来」なんて言われてたりするのかな、と思えた。ただこういった「映画でなければ成り立たない映画」が苦手なオレは実の所そんなに「映画」それ自体にはこだわってないんだよなあ、ということも理解できた映画であった。

それにしても主演のドニ・ラヴァン、『ボーイ・ミーツ・ガール』の頃から不細工な顔してたけどどんどん汚くなってこの映画でも相当汚くて、いやあフランス人ってこういうリアリズム好きだよなあ、レオス・カラックス自身、自分の化身として抜擢してるんだろうけども、こういう汚さに自分を仮託するのって壮絶な自己否定だよなあ、そこが映画作家としての潔癖さの表れなのかなあ、としみじみ思えた映画でもあった。

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20140222(Sat)

[]Playstation4が来たッ!! Playstation4が来たッ!!を含むブックマーク Playstation4が来たッ!!のブックマークコメント

Playstation4が届いた

今日発売のPlaystation4を早速ゲットいたしました!

予約が始まった時、Amazonは速攻で品切れになり、ありゃーと思ってたらヨドバシ・ドットコムはまだまだ余裕だったみたいでそっちで予約、今日届いたという訳です。ちなみにAmazonは暫くしてから予約再開してましたが。

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箱を開けたらこんな感じだよ!

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本体と付属品を並べてみたんだ!

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PS4、思ったよりも小さくてちょっとびっくり。現行で出ているPS3とそんなに大きさ変わらないぐらい。

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早速繋げて、いざスイッチ入れようとしたら、スイッチの場所が分からない…。逆上気味に本体を引っ繰り返しあちこち確認するオレ…。よく見たら、正面のほっそい隙間にあった。その下にイジェクトもあった。スイッチ入れると上面の細い隙間部分にライトが点くんですよ。

小一時間ぐらいかけてセットアップ。新しいホーム画面に見とれる。ホーム画面やブラウザのレスポンスは全然早い。コントローラーはパッと見PS3と同じように見えて実は結構違う。タッチパッドやらスピーカーやら発光するライトまで付いている。いろいろ触ってみるとやっぱり新鮮。それと、あんまり気にしてなかったが、PS4はやっぱりPS3ソフトと下位互換してないんだね。

それはまあそれはいいとして…。

ゲームソフトがまだ届いていない。

『Call of Duty: Ghosts』PS4版をD/Lした

さっき書いたように本体はヨドバシで買ったんだけど、ゲームソフトはAmazonで予約しちゃったんだよね。この間の雪のせいもあるのか、結局今日1日待ったけど来なかったな。

しかしそれならそれで。

PS3でプレイ済みの『Call of Duty: Ghosts』PS4版にアップグレードする(有償。1000円)クーポンがあったので、これをD/Lして遊んでみた。

おおお…やっぱり画面がくっきりして綺麗だわ…。見違えるほど、というほどではないけど、意識して見るとやっぱり表現力が増している。テクスチャの質やアンチエイリアスの掛かり具合も進歩してる。特にスコープ覗いて敵を撃つ時のくっきり具合にはハッとしたな。画面が鮮明になった分シューティングゲームとしてのプレイも快適になっておるのではないだろうか。おまけにPS4にはスクリーンショット撮ってTwitterFacebookに投稿する機能があるのでこれも早速やってみた。

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ちなみにアップグレード版をプレイするにはPS3版のディスクを入れないとプレイできません。クーポンコードだけとっておいてディスク売っちゃった!という方はプレイ出来ないんじゃないかな。

購入特典ゲーム『Knack』をプレイ

それと、PS4本体の購入特典として海外ではローンチタイトルだった『Knack』というアクションゲームが無料D/Lできるので、これもD/Lして遊んでみた。(ちなみに↓の写真も自分でスクリーンショット撮った)

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舞台は地球じゃないらしいどこかの惑星、そこでは人類とゴブリンの戦いが続けられていて、その人類が秘密兵器として開発したのが「Knack」と呼ばれる奇妙な人工生命体。この「Knack」、喪われた古代科学の産物だそうで、謎の力場により小さな粒々が寄り集まり、ふわふわと浮かんで人の形をしている、という面白い形状をしているんだね。で、小さい粒々がたくさん集まると体も大きくなって強力な破壊力を発揮したりする。

ゲームシステムとかマップとかは斬新ってほどでもないんだが、この「謎の力場で浮かぶ粒の集合」がそれぞれキラキラしたり模様があったり、磁石で動いているみたいにみょーんと伸びたり、敵にやられるとパラパラと零れ落ちたり、そういう部分にPS4の新しいグラフィック・パワーを使っているみたいで、なんだか操作していて面白いんだよね。Knack以外のキャラも、ディズニーのCGアニメっぽくて親しみやすいかな。やりはじめたら止め時を失って、今日は2章までクリアしちゃった。

この『Knack』がプレイできたから、ある意味他のソフトが今日届かなくてもよかったかもしれないな。

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という訳で今日は一日ゲーム三昧(PS4が届くまでPS3のゲームで遊んでた)だったもんだから、実は今目はショボショボ、あと頭と肩が若干痛いです…。

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20140221(Fri)

[]書いたブログが10周年!飲んだビールが5万本!? 書いたブログが10周年!飲んだビールが5万本!?を含むブックマーク 書いたブログが10周年!飲んだビールが5万本!?のブックマークコメント

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2004年2月21日から書き始めたオレのブログ『メモリの藻屑、記憶領域のゴミ』がこのたび10周年を迎えました。

ほぼ毎日、土日祝日は基本お休みということで書いていましたが、この間に更新したエントリは2989件、1件1200文字ということでざっくり計算すると3586800文字、400時詰原稿用紙で8967枚、1ページ480文字の文庫本だと7473ページ、1冊300ページの文庫本だとするとだいたい25巻の分量になります。要するに10年で文庫本25冊分の文章書いていたってわけですね。これは文庫本の巻数だけだと池波正太郎の『鬼平犯科帳』全24巻を超え、山岡荘八の『徳川家康』全26巻に匹敵する分量であろう、というわけですな!いや、分量だけだけど!内容に関しては触れちゃいけない!(あと計算は適当だからね!)

この間のPVは、2005年8月からしか集計取れてないんですが、トータルアクセスで1423000件あまり、ブックマークが3826個。いやー多いんだか少ないんだが分かんない、いかにも小物感漂う中途半端な数字ですな!まあオレのブログなんざこんなもんだよ!ちなみにこの10年で飲んだビールは1日1リットル換算で3650リットル、633ミリリットル入りの大瓶ビールだと5766本になります。「飲んだビールが5万本!」ってなわけには行かなかったんでこれからの精進が期待されるところです。あと週一ピザ食ってたんで10年で521枚のピザを食っていた計算になりますね!どうでもいいことですね!

それにしても自分でもこんなに続けると思っていなかったんですが、なんで10年間止めずに書いていたかというとですね。毎回たいした内容の記事書いていないんで、そんなたいしたことのない記事がいつまでもトップに上がっているのが恥ずかしかったからなんですよ。だからまた別の記事書くんですが、実際それもまたたいしたことのない記事でねー。でまた書くと。この繰り返しで10年ですよ!なにやってるんですかね!?それともう一つ、もしも自分が更新停止して、その跡地となったこのブログをもしも見つけた方がいて、「この人ブログ飽きたんだな」とかなんとか思われるのがイヤだったんですね。そう思われたからなんだって話なんですが、なにしろなんだかイヤだったんですよ。なんですかね、見栄っ張りなんですよねきっと。だからその眼に見えない見栄だけで続けていたんですね。なんだか分かり難い妙な理由ですね!

この10年ブログ書き続けて、いろんな方と知り合ったり、お会いしたりすることができました。それこそ北は北海道から南は沖縄まで、年齢も小学生からオレより全然上の方まで、職業だって様々な業種で第一線で活躍されているエキスパートな方たちばかり、そんな沢山の方たちとネットやリアルで知り合えました。これがまた皆さんびっくりするぐらい才知に長けた善男善女美男美女ばかりで、さすがオレの日記を読む人間はレベルが高いよな、ってかレベル低いのはオレだけじゃんかオイ!とか自分に突っ込んでいたりしたぐらいでした。人付き合いが苦手でいい歳こいたボッチのオッサンがここまで人様と交流できたなんて嘘みたいでしたよ。まあ今でもオフ会に呼ばれても何喋っていいのか分かんないからヘラヘラ笑ってるだけの人間なんですけどね。進歩ねえな!そんなこんなで素敵な方たちと席を一緒にさせていただいたり、あまつさえ相方さんというとても素晴らしい女性と知り合えたり、本当に感謝の念に堪えません。

でもまあとりあえず10年続けたことは続けたんで、これから先はもうちょっとゆっくり適当に更新したいかな、と思ってます。「今回で止めます!」とカッコよく宣言しちゃおうかな、とも思ったんですが、他人様にとってはいったいどこがどうカッコイイの?って話なんで、やっぱり減らしたい方向で…。いや、これを言うとですね、オレの事を知っている方から「また"記事減らす減らす詐欺"だよね?あんた前からそんなことばっかり言ってて、でもやっぱり書きまくってんじゃん?」ってことになっちゃうんですけどね…。「今度こそ書く!」と言いながら書けないのと逆で「今度こそ減らす!」と言いながら減らせない、これいったいなんなんでしょうね…ある意味生活習慣病化してますよね…。でも減らすから!…ええっと多分!

40代の始めから書き始めたオレも今年で52歳になります。昔ほど気の利いたことも勢いのあることも書けなくなっちゃいましたし、無理も利かなくなってきました。でもオレがブログを書いたこの10年は、それまでの人生が嘘みたいに思えるぐらい、いろんなことが新鮮で楽しい10年だったな。そういったポジティビティを獲得できたのも、ブログとネットのお蔭なんだと思います。それは、世界も社会も信じられないぐらい広いし、知らなかったけれども素晴らしいことが一杯あるし、知らなかったけれども素晴らしい人が一杯いる、でも自分さえその気になれば、その中に飛び込んでいける、沢山のことを知り、沢山の体験ができる、そして、その中に自分の居場所が見つけられる、自分が誰でどんな人間なのか、知る事ができる、そんなこと全てが、自分にとってとても素敵な出来事だったからなんですよ。

例によってとりとめのない文章になりましたが、皆さんこの10年本当にありがとうございました。今後もしこのブログがまだ続いているのを見かけたら、ちょっと覗いて「まだやってんのかこの人」なーんて思ってもらえるとオレは嬉しいです。

徳川家康 文庫 全26巻 完結セット (山岡荘八歴史文庫)

徳川家康 文庫 全26巻 完結セット (山岡荘八歴史文庫)

20140220(Thu)

[]Cashmere Catはエレクトロニック・ミュージック・シーン期待の新人だぞ Cashmere Catはエレクトロニック・ミュージック・シーン期待の新人だぞを含むブックマーク Cashmere Catはエレクトロニック・ミュージック・シーン期待の新人だぞのブックマークコメント

◆Wedding Bells EP / Cashmere Cat

Wedding Bells EP

ここ最近のベース・ミュージック/エレクトロニック・ミュージック・シーンで「こりゃ大型新人の登場かも」と思ったのがこのCashmere Catだ。Cashmere Catはノルウェー出身のDJ/プロデューサー、Magnus August H〓ibergの別名ユニット。彼は1987年生まれの若干26歳という若さだが、10代の頃から世界的なDJ大会に出場し、その実力の程を世に知らしめていた。

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2012年にデビュー・シングル『Mirror Maru』をリリース、この2月に待望の4曲入りニュー・シングル『Wedding Bells』をリリースした。そしてこれが実にリリカルでチャーミングな曲ばかりなのだ。ピアノやハープをフィーチャーし、ダブステップの中にR&B要素も加味しながら、ポップで力強いをエレクトロニック・ミュージック完成させている。表情豊かで時としてユーモラス、なによりも希望と幸福感に満ちた曲調が素晴らしい。今回のお勧め作品だ。現在ヴィニール盤以外ではAmazon、iTMSでD/L購入することが出来るが、WASABEATのほうがWAV.で置いてあるから値段もそんなに変わんないしこっちがいいかもしれない。 《試聴》

Wedding Bells EP

Wedding Bells EP

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◆Mirror Maru EP / Cashmere Cat
Mirror Maru - EP

Mirror Maru - EP

そしてこちらが2012年にリリースされた1stシングル。《試聴》

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◆Mirror Maru (Remixes) / Cashmere Cat
Mirror Maru (Remixes)

Mirror Maru (Remixes)

同じくCashmere Cat『Mirror Maru EP』のリミックス・シングル。今回紹介したシングル3枚をまとめてアルバム代わりに聴いている。 《試聴》

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[]最近聴いたエレクトロニック・ミュージック / STL、Art Department、50 Weapons、Vril、Will & Ink、Tuff City Kids 最近聴いたエレクトロニック・ミュージック / STL、Art Department、50 Weapons、Vril、Will & Ink、Tuff City Kidsを含むブックマーク 最近聴いたエレクトロニック・ミュージック / STL、Art Department、50 Weapons、Vril、Will & Ink、Tuff City Kidsのブックマークコメント

●Album

◆At Disconnected Moments / STL
At Disconnected Moments

At Disconnected Moments

ハンブルグのSMALLVILLEレーベルからリリースされたSTLのニュー・アルバム。ロウ・ディープハウス&ビートダウンなダブ・テクノ。 《試聴》

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◆Bpm001 / Art Department
Bpm001 Mixed By Art Department

Bpm001 Mixed By Art Department

カナダ人デュオArt Departmentがメキシコの音楽フェス"BPM"開催を記念して作成したテクノなMixCD。 《試聴》

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◆50 Weapons Rmx 01-09 / V.A.
50 Weapons Rmx 01-09

50 Weapons Rmx 01-09

ベルリンのレーベル50 Weaponがリミックス・トラックを中心にコンパイルしたアルバム。 《試聴》

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●Single

◆Vortekz / Vril
Vortekz

Vortekz

DelsinのWebサイトで試聴しながらポツポツとD/L購入したシングルの一つ。ディープ・ミニマル・テックハウス。 《試聴》

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◆Wilson / Will & Ink
Wilson

Wilson

こちらもDelsinで見つけたテック・ハウスもの。 《試聴》

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◆Roby Tease EP / Tuff City Kids
Roby Tease EP

Roby Tease EP

同じくDelsinで。テック/ロウ・ハウス。↓はシングルとは微妙にMix違い。 《試聴》

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20140219(Wed)

[]ジョン・スコルジーの『レッドスーツ』はアクロバティックな展開を見せる傑作ユーモアSF小説だ! ジョン・スコルジーの『レッドスーツ』はアクロバティックな展開を見せる傑作ユーモアSF小説だ!を含むブックマーク ジョン・スコルジーの『レッドスーツ』はアクロバティックな展開を見せる傑作ユーモアSF小説だ!のブックマークコメント

■レッドスーツ / ジョン・スコルジー

レッドスーツ (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

銀河連邦の新任少尉ダールは、憧れの宇宙艦隊の旗艦イントレピッド号に配属される。未知なる宇宙への冒険の旅のはじまりだ。しかし、彼と新人仲間はすぐに艦で奇妙なことが起きていると気づく。任務でのクルーの死亡率が異常に高いのに、艦長たち上級士官はまるで死なず、緊急時には謎の装置に頼って問題を解決しているのだ。この世界では何が起こっているのか?自分たちの命がなにものかに操られていると疑い、イントレピッド号の謎を解こうとするダールたちは、やがてとんでもない真実と直面することになる…。アメリカSF界屈指の人気作家による、宇宙冒険ユーモアSF。

絶好調『老人と宇宙(そら)』シリーズのジョン・スコルジーが書いた新作SF長編と聞いちゃあそりゃ読まなアカン、と早速手に取った『レッドスーツ』です。

お話はスコルジーらしいコミカルな調子で進んでいきます。主人公は宇宙艦隊に配属された新人クルーたち。彼らは配属早々、この艦隊がなーんだか妙なことに気づきます。まず任務でのクルーの死亡率がやたらめったら高い。でも艦長や上級士官はなぜだか全然死なない。緊急時にはインチキ臭い謎の装置に問題を突っ込めばたちまち解決。なんなのこれ?と先輩クルーに話を聞こうにもみんななんだか気まずそうにするだけ。そして主人公らは徐々に、この艦隊と、そして自分たちの運命が「普通に考えたら有り得ないある法則」に支配されていることを知ることになるのです。「この"法則"通りだと俺らも今までのクルーと同じくあっさり死んじゃうことになっちゃうじゃん!?」かくして主人公たちの七転八倒の悪あがきが始まる!?というもの。

この"ある法則"がいったいなんなのかがこの物語のキモとなりますが、ネタバレになっちゃうので特に書きません。読んでいれば「これって実はこういうことなんじゃないの?」とすぐに予想がつくことでしょう。分かってみると「ぐはは、なんじゃそりゃ」って話なんですけどね。そして中盤はこの"ある法則"に翻弄される主人公らが、それをどう回避し消滅させることが出来るか、という所に焦点が合わせられてゆきます。そして思いついた方法というのが、科学考証もへったくれもないインチキな世界を逆手に取ったインチキ極まりない方法で、真面目なSFだと思っちゃうとメチャクチャな話なんですが、「ここって荒唐無稽なSF世界だし!」と既にみんな納得ずくだから出来てしまう、というアクロバティックな展開を見せるんですね。

そしてあんなことやこんなことがあり、クライマックスでは「なーるほど、こういう着地点になるのか!」と頷かされますが、ここまでだと「うん、面白く出来てたし、楽しめたよ、いい作品だったね」とまあまあ冷静に感想が言えるんです。

しかーし!実はここで終わりじゃない!ここからさらに二転三転おまけに四転と、物語は凄まじいひねりを見せるんです!そしてラストに待つのは、これまでのスラップスティックなドタバタストーリーからは想像もつかない、両手いっぱいの愛の花束とでも言い表したくなるような、甘く切ない…おおっともう書けねえ!うおおこう来たか!ずっとコミカルSFだったのが最後に真摯な文学小説になってるじゃねえか!と驚愕させられ感動させられること必至、もう最初から最後まで技ありだらけのジョン・スコルジー新作『レッドスーツ』、SF初心者からすれっからしまで、さらにSF小説は読まんがSF映画なら大好きな方(なぜなら…グフフ)にも是非お勧めしたい、そんな傑作SF長編でありましたよ!

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

アンドロイドの夢の羊 (ハヤカワ文庫SF)

ケレンスキーケレンスキー 2015/02/01 11:20 本当面白かったです!

globalheadglobalhead 2015/02/01 14:43 でしょでしょ!

20140218(Tue)

[]『エージェント・ライアン』はトム・クランシーの臭みにうんざりさせられる映画だったなあ 『エージェント・ライアン』はトム・クランシーの臭みにうんざりさせられる映画だったなあを含むブックマーク 『エージェント・ライアン』はトム・クランシーの臭みにうんざりさせられる映画だったなあのブックマークコメント

■エージェント・ライアン (監督:ケネス・ブラナー 2014年アメリカ映画)

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作家トム・クランシ―の創造したCIAアナリスト、ジャック・ライアンを主人公にしたシリーズ新作『エージェント・ライアン』を観た。ジャック・ライアン物の映画といえばこれまでアレック・ボールドウィンが主演の『レッド・オクトーバーを追え!(1990)』、ハリソン・フォード主演の『パトリオット・ゲーム(1992)』と『今そこにある危機(1994)』、ベン・アフレック主演『トータル・フィアーズ(2002)』がそれぞれ存在するが、観たことがあるのは『レッド・オクトーバーを追え!』と『トータル・フィアーズ』の2作だけかな。今回シリーズ5作目となる『エージェント・ライアン』はそれらの作品をさかのぼり、さらに舞台を現代に時間調整し、CIAにリクルートされたてのジャック・ライアンの初仕事を描くリブート作となっている。今回原作小説は存在せず、映画用のオリジナル・ストーリーなのだという。

お話はアフガン戦争での活躍をきっかけにCIAアナリストとしてリクルートされたジャック・ライアンが、モスクワにある投資会社の不穏な動きを察知し、現地に飛んで調査を開始した所、株式暴落によるアメリカ崩壊を狙ったテロ計画が進行していることを知る、といったもの。ケネス・ブラナー監督による演出は無駄が無く否応なしにサスペンスを盛り上げる。正体を隠しての潜入捜査、初めての任務の緊張感、突然の襲撃、悪玉との丁々発止の腹の探り合い、ハイテクを駆使したデータ侵入、追いつ追われつのアクション、クライマックスの爆破テロ阻止への苦闘。どことなく70年代サスペンスぽい古臭さと既視感はあるものの、エンターティンメント作品としては手堅くまとまった作品だといえる。

主演はジャック・ライアンを新生『スター・トレック』のクリス・パインが演じ、『スター・トレック』同様の青二才感を漂わす。ジャック・ライアンの妻をキーラ・ナイトレイ。この女優は好きなので眼福であった。ジャックの上司をケヴィン・コスナー、ジャックを追いつめる悪玉を監督ケネス・ブラナーが自ら演じている。

しかし出来こそ悪くはないと思いつつ、作品全体に漂う"トム・クランシー臭さ"が非常に鼻に付き、どうもいい印象がない映画であることも確かだ。トム・クランシ―の小説はそのタカ派的な作風に閉口させられ、ちょっと読んだだけで嫌気がさしたほどだ。とにかくロシア・ソ連は冷酷無比で頭のおかしいサイコパス国家として登場し、アメリカは正義と愛国心でもってそれと神聖なる戦いを繰り広げるのだ。この『エージェント・ライアン』でもロシアの一部高官の暴走という形はとられてはいるが、結局ロシアは陰謀と恐怖の支配する国扱いで、「いまどきこれを正面からやっちゃうのか?」と思わせる。それに対するCIAは優秀過ぎるほど優秀な集団として登場し、蒙昧なロシアの姑息な陰謀を英知と高潔さで叩き潰す、というわけだ。

それとこれがトム・クランシ―臭さなのかは別として、何も知らないジャックの一般人の嫁が容易くCIAの作戦に参加し、危機に陥った挙句ジャックとCIA騎士団が白馬に乗った王子様の如く救出する、といったくだりは流石に鼻白んだ。こういった大時代性に実にうんざりさせられたのも確かで、そもそもこれが嫌だったのでジャック・ライアン映画はそれほど観ていなかったのだ。トム・クランシ―、その軍事オタクぶりからミリタリー・ゲーム制作の方面でも非常に活躍しており、ゲーム方面に関してはお気に入りのゲームも多々あるのだが、こと物語に関しては、やはりリブート作でもその臭みは抜く事ができなかったようだ。

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JACK RYAN: SHADOW RECR

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トータル・フィアーズ [DVD]

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20140217(Mon)

[]映画『マイティ・ソー ダーク・ワールド』は蛮族ソーが暴れるSFファンタジーだった! 映画『マイティ・ソー ダーク・ワールド』は蛮族ソーが暴れるSFファンタジーだった!を含むブックマーク 映画『マイティ・ソー ダーク・ワールド』は蛮族ソーが暴れるSFファンタジーだった!のブックマークコメント

マイティ・ソー ダーク・ワールド (監督:アラン・テイラー 2013年アメリカ映画)

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  • マイティ・ソー ダーク・ワールド』をIMAX3Dで観てきましたよ。
  • 2月の初めには公開されてましたが、同時期公開されていた『ウルフ・オブ・ウォールストリート』や『ザ・イースト』のほうを先に観て、『ダーク・ワールド』を後回しにしたのは興味が薄かったからじゃなくて、多分どう観たって安定した面白さだろうし、すぐ観なくても大丈夫って安心してたんですが、実際観てみるとホントに安心して観れる面白さでしたね。
  • 特に粗筋も省きます。またしても宇宙的な危機が訪れ、ソーが必死の戦いを繰り広げる、というヒーローものの定番ストーリーです。6つだか9つだかの平行宇宙が重なる時、そこに全宇宙を暗黒に陥れる恐ろしい災いが!という物凄い大風呂敷を広げたお話ですが、結局地球にあるイギリスで宇宙的な危機がなんとかなっちゃう、という所がソーらしくていいですね。
  • 今回目を惹いたのは、そのSFファンタジー的なビジュアルと世界観の味付けでしょうか。
  • 前回の『マイティ・ソー』は北欧神話の神・ソーとその一族の世界を、偉大なる神の眷属の住まう煌びやかな世界として神話的に描き、そしてそこにシェイクスピア悲劇的な物語展開を持ち込むことによって、アメコミ・ヒーロー作品を重厚な物語として描くことに成功していました。
  • しかし今回の『ダーク・ワールド』ではちょっと味わいが変わって、北欧神話の持つ太古の匂いがするファンタジーのテイストに、バトルシップがミサイルやレーザー砲で戦いを繰り広げるスペース・オペラ的な戦闘を持ち込んでいるんですね。
  • 要するに今回の『ダーク・ワールド』、ロード・オブ・ザ・リング』的な世界の中で『スターウォーズ』的なメカ同士の戦闘が展開し、そこで強力なパワーを持った蛮族ヒーローが暴れまわる、という、ファンタジー映画とSF映画とヒーロー映画のいいとこどりを成功させているんですよ。
  • ここで前作よりも今作のほうが面白い、というのは簡単ですが、前作でしっかりした世界観を構築したからこその、今回の作品の展開なんだと思いますね。
  • そこに前作、そして『アベンジャーズ』でのソーとロキとの確執が改めて描かれ、大いなる危機を乗り越えるためにソーとロキの共闘が持ち込まれる、というのがまたお話を盛り上げるんですね。
  • さらに前作からのソーと地球の恋人ジェーンとの恋の行方、そしてそのジェーンの危機までもが描かれて、お話はさらに盛り上がってゆくんです。
  • 物語では『アベンジャーズ』についてのくすぐりも登場しファンをニヤリとさせ、戦闘が熾烈を極めてゆくクライマックスにおいてさえもユーモアのある描写を忘れないという、もう至れり尽くせりのエンターティンメント大作に仕上がっておりましたよ。
  • しかしマーベル・ヒーロー映画は本当に驚くべき高いクオリティで安定しているのがやはり凄いなあ、と思わせました。観て損の無い映画です。

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20140216(Sun)

[]怪しいはてダ隊新年会・その他休日日記 怪しいはてダ隊新年会・その他休日日記を含むブックマーク 怪しいはてダ隊新年会・その他休日日記のブックマークコメント

■怪しいはてダ隊新年会だった

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この間の2月15日土曜日は「怪しいはてダ隊」の新年会が開かれたのであった。「怪しいはてダ隊」というのはオレが日記を始めた頃に知り合った気の置けない仲間の皆さんとの間で結成された「思い出した頃にどっかでみんなで適当に集まって飲みに行こうかい」という会である。その裏では地球征服の陰謀が進行していたりもするのだがそれは残念ながら公にはできないのである。2月15日で新年会というのもいつものことで、1月は年の初めでお互い忙しかったりするので、落ち着いてからやろうじゃないかということで毎年この頃なのである。

今回集まったのは恵比寿の「酪農農家ビストロ Subrideo Restaurare」というお店で、チーズをメインにしたイタ飯屋といったところであろうか。集まったメンバーはオレと相方さん含め全部で4名、オレ以外の3名は女性で、毎回のことだがオレは「女子会に紛れ込んでキョトンとしている変なオッサン」をこの日もやっているのであった。イタ飯はようわからんので集まった皆さんの注文したものをつまんでおったが、なかなか美味であった。6時開催だったが、いつも長っ尻の我々、この日も11時までああだこうだとお喋りに花が咲いていたのであった。まあオレは酔っぱらってヘラヘラしておっただけだったが!雪の中皆さん集まっていただいてありがとうございました。またどこかで一緒に飲みましょう。

〇酪農農家ビストロ Subrideo Restaurare


■その他休日日記

・雪だった

それにしても2週続きで凄い雪だったですねえ。2週続きの大雪なんてオレが30年前上京してきてから初めてかもしれない。この土日も出掛けるのに苦労しましたが、一応予定はこなせました。

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・バレタインだった

相方さんからチョコレート・ビールとレミーマルタン・チョコを頂きました。相方さんありがとう。

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・鯨カレーだった

あと相方さんが以前里帰りした時買ってきた仙台土産(?)の鯨カレーを食した。カレーはサラサラのスパイシーな感じ、鯨肉はきちんと鯨肉しておった。

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20140214(Fri)

[]若きP・K・ディックがルサンチマンの咆哮を上げる幻の処女純文学小説〜『市に虎声あらん』 若きP・K・ディックがルサンチマンの咆哮を上げる幻の処女純文学小説〜『市に虎声あらん』を含むブックマーク 若きP・K・ディックがルサンチマンの咆哮を上げる幻の処女純文学小説〜『市に虎声あらん』のブックマークコメント

■市に虎声あらん / P・K・ディック

市に虎声あらん

アカ狩りがはびこりレイシズムとセクシズムの壮絶な暴力が横行する街。核戦争の恐怖に覆われた末世澆季、ハルマゲドンを預言する黒人カルト教祖の荘重な声が響き渡る…異常なまでの外見偏重とその裏返しの内面の歪み、肥大化した自我のケダモノと化した青年の破滅と現実への帰還を描く「カフカパルプ・フィクション」。ディック二十五歳の処女作。あまりの過激さゆえ長く筐底深く沈めることを余儀なくされ、死後四半世紀を経てようやく日の目をみた問題作。待望の日本語版。

I.

若い頃、SF小説は割とよく読んでいたが、中でもP・K・ディックのSF小説が一番好きだった。『ユービック』、『火星のタイムスリップ』、『パーマーエルドリッチの三つの聖痕』、どれも現実感覚がいびつにねじ曲がってゆく様に興奮させられた。ディックのSF小説は相当の数があるが、名作凡作含め、清濁併せ呑むつもりでだいたいは読んだのではないかと思う。そんなディック・ファンのオレではあったが、ディック晩年の、『ヴァリス』をはじめとする宗教的なヴィジョンに彩られた幾つかの"問題作"はやはり苦手だった。それと、実はSFではなく文学小説家を目指していたというディックの、非SF作品にもどうにも退屈なものを感じ、やはり苦手だった。

そんなディックの、”幻の処女長編”が刊行されるという。まだSF作家として身を立てる前、若干25歳のディックが書き上げた非SFの純文学作品で、しかしどの出版社からも「こりゃ売れないね」と断られ、これまで日の目を見ることのないまま、ディックの死後4半世紀を経てようやく出版に漕ぎ着けたという作品なのだという。ディック・ファンのオレとしても、これまで未出版だった非SFというだけで二の足を踏むような作品ではある。しかしこの失敗によってSF作家に転身し、赤貧の中でドッグフードを食らうような生活を送りながら、いつしか超絶的なSFヴィジョンを完成させ成功していったディックの、その「ルサンチマンの核」が、この処女長編には存在していそうな気がして読んでみることにしたのだ。

II.

翻訳タイトルは『市に虎声あらん』。これで「まちにこせいあらん」と読む。「しにとらごえあらん」ではない。物語の舞台はこの作品が書かれたのと同じ50年代の、アメリカ・サンフランシスコ。主人公ハドリーは若くして身重の妻を抱え、町の小さな電気店の、しがない店員として糊口をしのいでいたが、その心の内には常に名指し難い不安と混乱、寄る辺なき飢餓感と惨めさを抱えていた。そんなハドリーはある日、町にやってきた黒人巡回説教師の説教を聞き、自らの不安と混乱を説明する鍵はその教義の中にあるのではないかと思い込む。妄念に取り憑かれたハドリーは、黒人説教師を中心とする宗教団体に近付くが、そこで出会ったのはレイシストを公言しながら黒人説教師と同棲する白人の女だった。女との出会いにより一層精神が不安定になったハドリーは、遂に仕事も結婚生活も投げ打ち、自滅と救済の両方を乞い求めながら、茫漠たる夜の闇の中に遁走してゆくのだ。

若書きである。鉄板の若書きである。ここにあるのは失敗した青春を運命付けられた若者の、狂えるルサンチマンと逡巡である。世間知らずでちっぽけなプライドを押し潰され、幻滅の中で生きざるを得ないことを思い知らされた者の、血を吐くような咆哮である。主人公のそのオブセッションの根源は、「自分は本当は、こんなところで生きるべき人間じゃない、自分は本当は、こんな人間じゃなかった筈なのだ」という、青春期の若者が陥り易い自己否定であり現実否定である。それはどこまでも痛ましいけれども、同時にどこまでも甘っちょろい現実認識である。

この作品の主人公の想いと性格と生活ぶりは、そのまま当時の若きディックを反映したものとみて間違いない。知的で洗練されたユースカルチャーの洗礼を受け、洋々たる理想と将来を夢見ながら、現実には物語の主人公と似たような、しがないレコード店店員でしかなったディックの、あらんかぎりの呪詛と悲嘆がこの作品には詰まっている。そして、その思いのたけの詰まった作品が、「売れない」の一言で全否定される。その時、ディックの胸に去来した失意はいかほどのものであったのか。

III.

その失意からディックは、一般から見るなら粗雑で低俗なSF雑誌の、売れない三文ライターとしての生活を始める。その生活は極貧を極め、長年その生活は好転しなかったという。しかしそこで生み出された作品群こそが、卓越した想像力と驚くべき幻視によって構成された、あの綺羅星の如きSF作品だったのである。つまりこの『市に虎声あらん』の失敗こそが、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を生み、『高い城の男』を生み、『ダーク・スキャナー』を生み、そして最後に問題作『ヴァリス』3部作へと高められていったのだ。人生とはこと皮肉なものだが、ディックの人生もまた、数奇なものであったと言わざるを得ない。

ではこの『市に虎声あらん』は、ディックが望まぬSF作家としてデビューする前の、単なる失敗した足掛かり、意味の無い駄作だったのだろうか。実はそうではないのだ。解説でも同様なことが書かれているが、「処女作にはその作家の全てが詰まっている」とよく言われるように、この『市に虎声あらん』には、その後のディックの、様々な要素がたっぷりと詰まっているのだ。幻滅と失意に満ちた人生を送る主人公、強大かつ眩惑的な(つまりは宗教的な)ヴィジョンを提供する絶対者の出現、その絶対者に対峙した主人公が至る認識の変容、そしてクライマックスに用意される、現象世界と認識世界の崩壊。これらは全て、『市に虎声あらん』の中に余すところなく網羅されているのだ。つまりはディックSF小説の【元型】が、この『市に虎声あらん』に既に花開いていると言えるのである。文学として表現されたなら青臭い若書きとなるテーマが、SF作品としてそのテーマを相対化した時に、初めてえもいわれぬ醍醐味を生む。これはどんな文学創作でも有り得ることではないだろうか。そしてSFとは、時としてその相対化作業の中で作品の価値を高める文学でもある。

ディックの処女純文学作品『市に虎声あらん』は決して失敗作ではない。それは、ディックがディックになる為の、必然の経緯として書かれた作品だった。確かにディックを何も知らない方が読めば、よく書かれた青春小説程度の物ではあるかもしれない。しかしディックのSF作品に魅了され、その作品の虜になった事がある方なら、この作品の中に溢れかえる、若きディックの懊悩に、その眩惑と混乱に、大いに心動かされることに違いない。ディックを愛したことのある方にこそお勧めしたい、そんな作品だ。

市に虎声あらん

市に虎声あらん

20140213(Thu)

[]PC版より面白い?現在PS3版『ディアブロ III』をプレイ中 PC版より面白い?現在PS3版『ディアブロ III』をプレイ中を含むブックマーク PC版より面白い?現在PS3版『ディアブロ III』をプレイ中のブックマークコメント

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『ディアブロ III』のPS3版を買ってプレイしております。実はPC版もやっていたことはやっていたんですが、モンスターぶっ殺してアイテム集めて経験値上げて…というだけの作業がなーんだかつまんなくて、途中で放り投げてたんですよ。まあハクスラゲームって実際そんなもんなんですが、これまで『1』『2』とやってきて感じてた面白さがなんだか今回の『3』にはあんまりなかった。ゲームシステムが若干複雑になっていた、ということもありましたね。え?あれで複雑?と思われる方もいらしゃるかとは思いますが、オレ的には以前より面倒くさかった。というのは自分、英語が苦手だということもありまして…新システムよく理解できなかったという…。

それと、しばらくぶりにやろうとしたら今度は認証はじかれて全然ログインできなくてね。対応策をあれこれ調べましたが、面倒臭いことがいろいろ書いてあり、いやちょっと遊びたいだけの話なのになんでこれだけ時間割かないといかんの?と結構イラッときて、あー、もう『ディアブロ』はいいや、他にもゲームなんていっぱい出てるし!とリタイアしてたんですけどね。

で、そうしたら今度PS3で『ディアブロ III』が出るという。体験版もあるという。実はリタイアしたのがちょっと悔しいオレはこっそりその体験版をD/Lしてプレイしてみたんですが、確かにPC版の『ディアブロ III』と変わりないとはいえ、コンソール用にあれこれ調整してある。そしてなにより日本語版になっていて、テキストは全部日本語だしキャラボイスは吹き替えになってる。これまで「ゲームのストーリーなんてどうでもいいや」とは思ってたんですが、実際日本語で、これがどういう物語なのか、どういうストーリー展開しているのかやっと分かり、PC英語版よりもゲーム世界に没入しやすくなったんですよ。そしてプレイしていて全然面白い。やっぱりPC版が味気なかったんでしょうねえ。じゃあこりゃ買っちゃおうか!という訳で新たに買い直しちゃいました。

PS3版の『ディアブロ III』、やることは基本PCと一緒なんですが、まず操作体系と装備・スキル等のメニュー画面がコンソール用に刷新されている。まず操作は、PCでは行きたい場所にマウスクリックだったのが十字キーでの移動。これだけでキャラとの一体感が違う。さらに回避コマンドキーなんてのもある。

そして全く違うのがメニュー画面。GUIもシステムも大幅に簡略化されている。アイテムはPCでは升目に埋めていくような形で整理する必要があったけど、PS3版は持てるアイテム数の上限まで(最初は60個)際限なく持てる。レベルアップ時は数値が勝手に割り振られて適当に能力が上がっている。装備はRPGによくあるリング型のメニューで管理。スキルもツリー型ではなくボタンが増えてゆくみたいな感じ。で、このスキルがコントローラーのボタンにあれこれ割り振る事ができる。こんななのでメニュー画面は大きくて見やすい。

いわゆるPC版の細微に渡り自分向けに調整できる、というのではなくて、かなり大雑把な形になっているんだけど、逆にメニュー画面いじくっている時間をゲームプレイに割くことができるのでゲーム進行がサクサク行ける。あと、画面の解像度はPCと比べたら酷なんですが、慣れると気にならない。なにしろプレイにストレスが殆どないってのがいい。それと、どうやらPC版と比べるとレア装備アイテムの出現率がかなり高いらしい。逆にカスなアイテムが戦闘の度に落ちて鬱陶しいというのが無い。PC版って調子に乗ってアイテム拾ってるとカスみたいなアイテムですぐ物入れがパンパンになるのもいやだったんだよなあ。

「そんなのディアブロの簡易版じゃねーの」と思われるかもしれませんが、海外レヴュー見るとこれが実はかなり評判がいい。「Choke Point」の「コンソール版『Diablo III』海外レビュー」なんか読むと、「現在手に入る『Diablo III』の中でも最良のバージョン」「コンソール版『Diablo III』は、金で買える最高峰の協力プレー・ゲーム」「私はPC版よりもコンソール版の『Diablo III』の方がはるかに楽しめた」「この移植版こそが『Diablo III』の決定版」と絶賛の嵐で、オレの感想もあながち間違ってはいないんじゃないかな、と思わせてくれました。

というわけで個人的にはやっと『ディアブロ III』を始められた、って感じです。今回クラスはデーモン・ハンターを選んだんですが、いやあ、楽しいなあ…。

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ディアブロIII - PS3

ディアブロIII - PS3

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20140212(Wed)

[]ナイーブさを巡る闘争〜映画『ザ・イースト』 ナイーブさを巡る闘争〜映画『ザ・イースト』を含むブックマーク ナイーブさを巡る闘争〜映画『ザ・イースト』のブックマークコメント

■ザ・イースト (監督:ザル・バトマングリッジ 2013年アメリカ映画)

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I.

この『ザ・イースト』は映画『アナザー・プラネット』の主演女優ブリット・マーリングが、『アナザー・プラネット』と同様に製作・脚本・主演を手掛けた作品である。『アナザー・プラネット』は個人的に相当好きな映画作品なのだが、ブリット・マーリングの美貌にも大いにそそられるものがあった。そして31歳という若さで製作・脚本も務めるとは頼もしい。これは観に行かねばなるまいと思い劇場に足を運んだ。

『ザ・イースト』は環境テロ集団イーストのアジトへ、正体を隠し潜入捜査を行う民間調査会社の女性職員サラ(ブリット・マーリング)を主人公にした物語だ。サラはイーストの実態に触れ、その破壊活動にメンバーとして同行するが、そこで目にしたのは彼らの奇妙にナイーブな生い立ちだった。最初活動に反発していたサラは、彼らの攻撃する大企業の悪辣さにも疑問を持つようになり、自らの職務とイーストの信条の間で心が揺れ動く。そしてサラはイーストの指導者であるベンジーに次第に惹かれてゆく自分に気付き始める。潜入捜査の緊張感と、その中でじわじわと不明瞭になってゆくアイデンティティを描くさまがスリリングなサスペンス映画だ。

II.

『ザ・イースト』と『アナザー・プラネット』に共通項があるとすれば、それは【世界へのナイーブさ】だろう。『アナザー・プラネット』においてはそのナイーブさは、苦痛と後悔に満ちた生のありかたを、ごく一個人の視点から痛々しく表現することとなった。そしてこの『ザ・イースト』では、世界に対するナイーヴさを「社会悪を糾弾するために暴力的なテロを行う地下組織」という形で一歩引いた形で表現する。社会悪は糾弾されねばならない。しかしその手段として暴力を持ち込むことは果たして正しいのか。そしてまた、「社会」という大きな主語を扱うテロリストたちのその本性には、実は彼らの単に個人的で「ナイーブな」事情が存在しているだけではないのか。

『ザ・イースト』におけるテロ集団イーストは、最初こそ急進的な戦闘的テロ組織のように登場する。しかし彼らのサークルに潜入したサラが見たのは、奇矯な儀式を行うカルト教団の如き存在だった。武闘派環境保護団体シーシェパードというよりは、まるでインドかぶれのヒッピー教団のようだ。そしてその後ザ・イーストのメンバーというのが、無政府主義やらなにやらの思想に凝り固まった戦闘集団というわけではないらしいこと、そしてその行動の裏側に、個々人の心情的なわだかまりの発露があることが徐々に描かれる。やはり彼らの本質にあるのは憎悪や政治思想ではなく、純粋さであり牧歌的な正義であり、そういったナイーブなピュアネスを阻害するものへの、窮鼠猫を噛むような抵抗だったのだ。

イーストに潜入したサラは、次第に彼らの思想の在り方に感化されてゆくかのようにも見えるが、実はサラが感化されたのは、「環境保護」という思想ではなく、彼ら自身のナイーブなピュアネスだったのではないだろうか。それはイーストの指導者ベンジーとサラの恋に現れている。サラがベンジーに恋したのは、その正義心と思想の正しさからではない。ベンジーのそのナイーブさが、潜入捜査官を生業とするサラの、殺伐としたビジネスの世界、二重生活と精神的緊張で軋む心の中に、すっと染み込むように入り込んでしまったから、サラはベンジーに恋したのではないか。だからサラは、正義の為ではなく、「ベンジーの為に」、イーストに心情的に入り込んでゆくのだ。そしてそれ自体が、サラのナイーブさだったのである。

III.

この作品は社会問題とそれに声を上げるものとの拮抗をテーマとして描いた作品であることは確かである。しかし、決してそれ自体がテーマの中心ではない。何故なら、製作者ブリット・マーリング自らアナーキストや"フリーガン"と呼ばれる廃棄食料救済活動者にリサーチしながら、この物語が社会悪追及や企業陰謀論や血で血を洗うテロ活動に塗れたガチガチに社会派のダークでシリアスな作品にならなかった(だからこそ物足りないとか青臭いと評価されることもあるが)のは、製作者ブリット・マーリングが物語の主眼をそこに置くことを善しとしなかったからだ。ブリット・マーリングがテーマにしたかったのは、「社会悪」という大きな物語の陰にある、個人個人の小さな物語であり、そしてそれらの人々の圧殺された心情に、同情とは別の形で寄り添うことだったのではないだろうか。

テロ集団イーストが、正義や真実の為のみに集った集団ではなく、実は社会的弱者(聾唖者とゲイがいたことに注意)や心弱き者たちが身を寄せ合う為のサークルでもあったのは、そこが彼らの避難場所であったからだ。メンバーそれぞれの、なにがしかの理由で鞭打たれ傷ついた心を癒し解きほぐす、仲間と言葉が、彼らには必要だったのだ。そして彼らを団結という形で心をより強く保つために形成されたのが、「社会悪」という敵役だったのだろう。それはイビツで、間違った方法論だったけれども、環境テロという使命があったからこそ、その時彼らは弱者であることから克服できたのだ。人は理性を重んじられる社会的な生き物であると同時に、傷つきやすい感情を持った個人でもある。その傷つきやすい感情を持った個人であることを否定された時、人はどのように生き延びればいいのか。『ザ・イースト』は傷ついた者たちの、そのナイーブさを巡る闘争を描いた物語だったのである。

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20140211(Tue)

[]最近聴いたエレクトロニック・ミュージックだのなんだの / PANGAEA, Monolake, Toro Y Moi, Fokus Group, Rocketnumbernine, o13, Nite Jewel 最近聴いたエレクトロニック・ミュージックだのなんだの / PANGAEA, Monolake, Toro Y Moi, Fokus Group, Rocketnumbernine, o13, Nite Jewelを含むブックマーク 最近聴いたエレクトロニック・ミュージックだのなんだの / PANGAEA, Monolake, Toro Y Moi, Fokus Group, Rocketnumbernine, o13, Nite Jewelのブックマークコメント

◆Fabriclive 73 / PANGAEA

Fabriclive 73

Fabriclive 73

Fabricliveの73番はベース・ミュージックDJ・PANGAEAのMix。最新型ベース・ミュージック&ハード・テクノを知る事ができる怒涛の全27曲。 《試聴》

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◆Hongkong Remastered / Monolake

Hongkong Remastered

Hongkong Remastered

アンビエント・ミニマルダブユニット、Monolakeの1997年にリリースされた1stアルバムをリマスタリング&リエディットしたもの。環境音を取り込みながらベーチャンゆずりのミニマルダブがぶわぶわと躍る。2008年リリースだが今聴いても和むな。《試聴》

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◆Anything In Return / Toro Y Moi

Anything in Return

Anything in Return

米サウスカロライナ出身のChaz Bundickによるソロ・プロジェクトToro Y Moiの3rd。全編ヴォーカルがフィーチャーされたチルウェイブ系エレクトリック・ポップ。ちょっぴりユーモラスな音が可愛い。 《試聴》

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◆Nut Nut EP / Fokus Group (Ben Sims & Paul Mac)

Nut Nut EP

Nut Nut EP

Ben SimsとPaul Mac、UKテクノのベテラン2人によるユニットFokus Groupのニュー・シングル。オールドスクールなミニマル・テクノ。この間FabricからリリースされたBen Simsのミックスがよかったので聴いてみた。 《試聴》

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Fokus GroupのEPをリリースしたPennyroyalレーベルからリリースされていたシングルも聴いてみた。どれもミニマル・テクノ

◆KopKopKop EP / Boner M

KopKopKop

KopKopKop

《試聴》

◆Squirtle Squad / J. Tijn

Squirtle Squad

Squirtle Squad

《試聴》

◆Jack 2 / J. Tijn

Jack 2

Jack 2

《試聴》

◆MeYouWeYou / Rocketnumbernine

Meyouweyou

Meyouweyou

Four Tetとのコラボでも知られるUKのインプロビゼーション・デュオ、Rocketnumbernineのデビュー・アルバム。ロックをベースにジャズ、エレクトロニカのテイストが加味されたジャンル・ミックスな作品。 《試聴》

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◆Time Wave Zero / o13

Time Wave Zero

Time Wave Zero

80年代NYCアンダーグラウンド・シーンで活躍してきたStuart ArgabrightとMark Cによる新ユニット。エレクトリック・パンク・サウンド。シンセ・ミュージックありファズ・ギターあり。 《試聴》

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◆Good Evening (Expanded Reissue) / Nite Jewel

Good Evening (Expanded Reissue)

Good Evening (Expanded Reissue)

LAを拠点に活動するシンガーソングライターRamona GonzalezのプロジェクトNite Jewel2008年にリリースされたデビューアルバムのリイシュー盤。ふわふわもこもこしたインディー・シンセ・ポップ。 《試聴》

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20140210(Mon)

[]ワンフェスに行ってきた ワンフェスに行ってきたを含むブックマーク ワンフェスに行ってきたのブックマークコメント

2月9日に幕張メッセで開催された【ワンダーフェスティバル2014年[冬]】、20年に1度とか30年に1度とかいう大雪の降った次の日に、雪をじゃりじゃり踏みしめながら行ってきましたよ!

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京葉線で東京駅から京浜幕張へ、大雪の次の日ということもあって電車は各駅停車のみ、朝なんかは止まったり動いたりの運転だったらしいですが、なんとか会場までたどり着きました。入場には2000円のパンフレットを買って、このパンフレットが入場券替わりというのが面白かったですね。

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ワンフェスって実は初めて行ったんですが、この日は雪のせいもあって若干出足は鈍ってたのかな?既に売り切れなんていうブースもあったのでしょうが、出展者の方が雪でまだこられないのか、何も出ていないブースもちらほらありましたね。

展示については一緒に行ったcocoさんのこちらの写真をご覧になってくださればよろしいのではないかと。

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それにしてもこの日は、雪がまだ残っているということで、去年買ってまだ一度も履いていなかった長靴を「ヒャッハー!元道産子のパワーを思い知るがいいさ!」とばかりに調子こいて履いて行ったんですが、これが蒸れる&サイズキツイのトホホな履き心地で、結構ツライ思いをしていた一日でした!

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まあそんなこんなありながら打ち上げはベルギービール屋で乾杯。イモと肉を食いまくりました。みなさんお疲れ様でした!

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20140207(Fri)

[]サイバーパンクSF作家ウィリアム・ギブスン原作!クリストファー・ウォーケンウィレム・デフォー主演!…の超しょうもない映画『ニューローズ ホテル』 サイバーパンクSF作家ウィリアム・ギブスン原作!クリストファー・ウォーケン、ウィレム・デフォー主演!…の超しょうもない映画『ニューローズ ホテル』を含むブックマーク サイバーパンクSF作家ウィリアム・ギブスン原作!クリストファー・ウォーケン、ウィレム・デフォー主演!…の超しょうもない映画『ニューローズ ホテル』のブックマークコメント

■ニューローズホテル (監督:アベルフェラーラ 1998年アメリカ映画)

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この『ニューローズホテル』、まずあのサイバーパンクSF作家ウィリアム・ギブスン原作!と聞いてギブソン好きSF小説ファンとしては「うおおおお!?」と盛り上がるんですよ!さらに主演がクリストファー・ウォーケンウィレム・デフォー!それに絡むのがイタリアのホラー監督ダリオ・アルジェントの娘、アーシア・アルジェント!さらにさらに、共演がジョン・ルーリー坂本龍一!おまけにゲーム『ファイナル・ファンタジー』のイラストで有名な天野喜孝が映画初出演!いったいどんな凄いことになってんだ!?と興奮はいやがおうにも高まるではないですか!?

しかし作品評価を見ると、相当残念なことになっている、ということらしいんですね…。そりゃまあ1998年作で今まで何の噂にもなっていなかった、という部分からも推して知れるものではありますね…。しかーし!一人のギブソン好きSFファンとしては、内容がどうであろうと観なきゃアカン!ということで殆ど特攻隊状態でDVDレンタルして観ましたよ!…でまあ…結論から言うとやっぱり相当残念な出来でありましたね…。

原作は随分昔読んだから(短編集『クローム襲撃』収録。1987年刊、といいますから既に30年近く前ではないですか…)内容は忘れちゃってるんですが(それでもギブソン好きSFファンなのかよ!?)、映画のストーリー的には、近未来の東京を舞台に、二人の男が世界的バイオ企業の研究者を引き抜く策略を決行したばかりに、企業の私兵同士が命を奪い合う企業間戦争に巻き込まれる、というものなんですよね。しかしこう書いてみて気が付きましたが、これって組を抜ける幹部を巡って争われるヤクザ戦争を換骨奪胎しただけの話じゃねーか!?…まあ原作はこれを、巨大化した国際複合企業が超国家的存在となり、傭兵とハイテク兵器を駆使して戦争を繰り広げる、という未来像として描いたものだったのでしょう(よく覚えてないけど多分そんなところ)。

で、映画ではクリストファー・ウォーケンウィレム・デフォーが研究者引き抜きの山師となり、坂本龍一扮する企業役員の依頼で、天野喜孝扮する研究員を引き抜こうと、アーシア・アルジェント扮する娼婦に色仕掛けさせる、というものなんですね。しかし映画ではSFらしい描写はまずほとんど出てきません。しかも描かれるのはウォーケンとデフォーがホテルの部屋でずっとワァワァやってるだけ!そこにアーシア・アルジェントが出てきてクネクネしてるだけ!天野喜孝は盗撮映像とされる汚いビデオ映像に出て来るだけ!坂本龍一はふんぞり返っていつもの聞き取り難い鼻声で1分ぐらいモニョモニョ言ってるだけ!ジョン・ルーリーはどこに出てたかわかってない!なにしろ、世界を股にかけているように見せかけて、登場人物がほとんどホテルとホテルの部屋から出てこない、という凄まじい映画!

いやあ、こりゃいったい…。とか言いつつ、「クソ映画!」と吐いて捨てず、それなりに楽しもうと観ていました。結局、SF作品を題に採りながら、映画の本質的なテーマとなるのは、デフォーとアーシア・アルジェントとの道ならぬ恋、ということだったんだと思うんですよ。それを退廃的な雰囲気で描こうとしたのがこの映画だったんですね。まあ、それが成功していたかどうかは別ですが。

それと、ウィレム・デフォーが出ずっぱりで様々な表情を見せ、ロマンスに悩み、裸体をさらしベッドシーンもきっちり演じており、ある意味ウィレム・デフォー・ファンにとっては「デフォーのイメージビデオ」としてこれほど堪能できるものはないかもしれません。というわけでこの『ニューローズホテル』、ウィレム・デフォーを90分間舐めるように見つめていたいファン向けの作品だと言えるのかもしれません。

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ニューローズ ホテル [DVD]

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クローム襲撃 (ハヤカワ文庫SF)

クローム襲撃 (ハヤカワ文庫SF)

azecchiazecchi 2014/02/08 10:52 お疲れ様です。。。かなりお忘れのようですが、原作もほぼそんな感じです。ドンパチも無ければ手に汗握る駆け引きもありません。僕はこの短篇集が大好きで何度も読み返していますが、この作品はつまらなすぎて記憶に残らないので、常に新鮮な気持ちで読めます。まあ常につまらないんですけど。

globalheadglobalhead 2014/02/08 11:01 そうでしたか…そんな短編集でもいっとうつまんない作品をどうして映画化しようとしたんだか…。
それにしても原作短編集、部屋のどこにあるのかわからない…本やCDは場所とるので棚に入らない分は押入れにつっこむか捨てるかしてるんですが、さすがに捨ててはいないと思うけど、探す気になれない…。こうして「もう一回読みたい・聴きたいけどどこにあるのか分からない本やCD」がいっぱいあって、たまに買い直しちゃうことがあります…。

20140206(Thu)

[]超ハードSF小説『白熱光』をやっと…やっと読み終えた… 超ハードSF小説『白熱光』をやっと…やっと読み終えた…を含むブックマーク 超ハードSF小説『白熱光』をやっと…やっと読み終えた…のブックマークコメント

■白熱光 / グレッグ・イーガン

白熱光 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

はるかな未来、150万年のあいだ意思疎通を拒んでいた孤高世界から、融合世界に住むラケシュのもとに、使者ラールがやってきた。衝突事象によると思われる惑星地殻の破片が発見され、未知のDNA基盤の生命が存在する可能性があるというのだ。その生命体を探しだそうと考えたラケシュは、友人パランザムとともに銀河系中心部をめざす! 周囲を岩に囲まれ、〈白熱光〉からの熱く肥沃な風が吹きこむ世界〈スプリンター〉の農場で働くロイ--彼女は、トンネルで出会った老人ザックから奇妙な地図を見せられ、思いもよらない提案をもちかけられるが……現代SF界最高の作家による究極のハードSF。

最近巷のSFファンの間で「こりゃ難解だわ!」と話題になっているグレッグ・イーガンのハードSF、『白熱光』をやっと読み終えた。読み終えた、というよりも「とりあえず最後まで文字を追った」という状態なのであるが…。

お話はというと、広大な銀河を舞台に、2つの物語が進行する形になっている。

ひとつはDNA由来の知的生命とソフトウェア知性がデータとして生きる百万年後の未来が描かれる。銀河腕状部に存在する知的生命群によって形作られた「融合世界」から、銀河中心部に存在する「孤高世界」への、探求の旅を描いたパート。銀河の歴史上「孤高世界」は、「融合世界」に対して頑なにアクセスを拒んできたが、ある日「なんかうちらの領域に未知の生命の痕跡のある岩の破片があったんだけど、別に調べたかったら調べにきたっていいんだぜ?」とかいうかなりツンデレな知らせをもたらしたのだ。主人公ラケシュは人格をデータ化し、長きに渡る旅を経て「孤高世界」に辿り着き、そこで未知の生命の探査を始める。このパートでは、簡単に数万年単位の時間が経過し(イーガン世界では光速は決して超えない)、データ化された登場人物がその容器として入るのがいつも人間の形をしているわけではない、という部分がイーガンらしい。

もう一つのパートは「ハブ」と呼ばれる大質量天体を巡る小惑星「スプリンター」に住む体長数センチの昆虫に似た知的生命体が主人公。このパートこそが難物。「スプリンター」の中は多数の虫食い穴のようなトンネルが行きかっており、昆虫型生命体はこの穴の中に住んでいる。ここで登場するロイという女性とザックという老人が「スプリンター」内の重力偏移に興味を持ち、様々な実験を繰り返すうちに、この「スプリンター」の成り立ちと、「スプリンター」に待ち受ける危機に気付く、というもの。このパートでは危機を回避するために、単純な力学から(多分)相対性理論までの物理学を、ロイたちのたった一世代で検証し法則を見つけてゆく、という凄まじいスピード感が醍醐味。昆虫型とはいえキャラクターは人間らしく造形され、奇妙に感情移入しやすい。数センチの昆虫(型生命体)の死に心が痛む、というのもSFならではかもしれない。

この『白熱光』、何が難解なのかというと、「スプリンター」に住む知的生命体たちが、物語全体のほぼ半分のページを費やして物理法則の実験を行っているのだが、この実験についての記述が、そこそこの物理学・幾何学の知識がないと読み解けないであろうものなのである。この異星人たちは、物理・幾何の理論や知識がほぼゼロの段階から実験を始め、仮説を立て、検証し、推論を行い、法則を見出してゆく、ということを延々と繰り返し、それは徐々に複雑なものとなっていく。ただ、物語の中でそれらは、地球人ならよく知るような物理学・幾何学の用語を一切使わずに行われるのだ(異星人だからね)。

即ち、この物語のキモとなるもののひとつは、「さて、この異星人たちは、何を検証し、どんな法則を見つけたのでしょう?」という、パズルの如き謎かけを楽しむものとして成り立っているのである。だからもともとの理論や法則をきちんと知っている方には、この上なく知的興奮を与える作品となることではあろうが、そういう知識の足りないオレの如き者にとっては、どうにもこうにもチンプンカンプン、ということになってしまうのである。そういった部分において、難解だ、といわれる作品となっているのだ。そんな内容だったため、四苦八苦しながらの読書となり、読み終わるのに1ヶ月もかかってしまったオレなのであった…。

しかし、かといってこの小説がつまらなかったというと、実はそういうわけでもない。もとよりイーガンのSF小説は好きで、これでも一応全部読むことは読んでおり(ここだけちょっと自慢。他に自慢出来るところがないんだから許してやっておくれ…)、あまつさえかなり楽しんでいる。この『白熱光』はこれまでのイーガン小説と若干趣きは異なるが、しかしこれまでのイーガン小説の流れからすれば、必然的に辿り着いた内容だとも言える。

ところで蛇足だが、ある意味非常に難解なこのSF小説、ネットであれこれ探してみたらこの作品の科学的な側面を実に丁寧に解説してくれているサイトがあった(JGeek Log/白熱光メモ)。おお、なんと素晴らしい方が世の中にはいるのであろう…とよくよくサイトを見たらちょっとだけ面識のある方だったのでさらにびっくり…。

20140205(Wed)

[][]『セインツロウ IV』暗黒皇帝漫遊記 『セインツロウ IV』暗黒皇帝漫遊記を含むブックマーク 『セインツロウ IV』暗黒皇帝漫遊記のブックマークコメント

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暗黒皇帝である。苦しゅうない。

わしは今、敵性異星人に捕らえられ、ゲーム『セインツロウ IV』のヴァーチャル・ワールドに取り込まれておる。わしも迂闊であったが、わしを守るべき側近どもの無能ぶりにもはらわた煮えくり返る思いじゃ。わしがこのヴァーチャル・ワールドから抜け出した暁には、血も凍るような粛清の嵐が我が暗黒皇帝星に吹き荒れるであろうことは間違いない。しかしまずはどうにかここから脱出せねばならない。

そもそもこのヴァーチャル・ワールドにおいてわしが着用せねばならない衣類が、ブラジャーとブリーフだけである、というのが誠に腹立たしいやら情けないやら…!!

寒くておしっこが近いわい!

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道行くヴァーチャル・ワールドの住人どもにも怪訝な目で見られる始末…っていうか住人どもの着ているもんだって充分おかしいわい!

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「皇帝!それ私のブラジャーでしょ!?自分で勝手に着たんでしょ!?なに嘘ばっかついてんの!?」
「あ、いや、うーん…」

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「いやでもさすがにパンティーまでは履かなかったよ…?」
「そういう問題じゃねーだろ!」

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「クソウルセー!カンチョーガンでカンチョーしたる!」

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「マアマア ミナサン、ナカヨク シマショウヨ」

「ダッチワイフに言われたかねーよ!!」

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◆暗黒皇帝七変化

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(注:今回の記事はゲーム『セインツロウ IV』のキャラクター・エディット機能を使い、主人公を暗黒皇帝の顏に作成して撮影したもので、分かってるとは思いますが実際のゲームにこんな顔のキャラはもともとおりません)

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20140204(Tue)

[]感動的なまでにお馬鹿なオープンワールドゲーム『セインツロウ IV』 感動的なまでにお馬鹿なオープンワールドゲーム『セインツロウ IV』を含むブックマーク 感動的なまでにお馬鹿なオープンワールドゲーム『セインツロウ IV』のブックマークコメント

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ヒップホップなチンピラがアメリカ大統領になった世界を舞台に、その大統領となって侵略宇宙人と戦っちゃう!というバカゲー、それがこの『セインツロウ IV』であります。ゲームの作りは『GTA』タイプのオープンワールドで繰り広げられるSFアクション、というか、初代『セインツロウ』はGTA』に似すぎていて『GTA』販売元からもゲーマーからもクレーム来まくったらしく、それでこういうトンチキなお馬鹿ゲーへと方向転換したらしんですな。いやあ、バッタもんらしい心温まるお話だなあ。

ところで個人的にはあんなに評判も評価も高い『GTA』、「リアルな世界」ってヤツに興味が無くってプレイしてないんですよ。リアルでも十分クサイ仕事してるのにゲームでまでクサイ仕事したくないや!ってことなんですけどね。『セインツロウ』自体はその頭の悪そうな外見から『3』あたりをプレイしてみたんですが、なにしろ車の運転の嫌いなオレがゲームの中でまで車の運転させられるのであえなくギブしました!それと、やっぱりオープンワールド・ゲームって、とりとめがなくってなーんだか苦手なんだよなあ。

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そんなオレがまた『4』に挑戦したのは、【バカ度】が前回なんかよりいやがおうにも高まっているように見える…ということだったんですよ。もともと頭の悪そうだったのがさらに頭悪くなってるんですよね。それにお話が宇宙人と戦闘とか言ってるし、リアルの苦手なオレ向きじゃないのか?とかね。お話はアメリカ合衆国の統治者として悠々自適の生活を送っていたチンピラ"セインツ"たちが、突如襲来した極悪エイリアン軍団との戦いに敗れ、バーチャル空間に閉じ込められてしまう所から始まるんですね。このバーチャル空間でエイリアンたちを打破し、アメリカを取り戻せるのか!?というのが内容なんですが、まあ『マトリックス』のパクリだと思えばいいです!全くパクリは『GTA』だけじゃねーのかよ!?

というわけでプレイ始めたんですが、いやーこれは正解だった!メッチャオモシレエ!もちろんオープンワールド・ゲームらしい好き勝手できるシステムが楽しいというのもありますが、もともとハチャメチャな舞台なので好き勝手やると、もはやカオス状態なんですね!体力無くなったらそこらへんの市民ぶっ殺してライフ奪うとか。おまけに舞台となる街がなんだか下品なうえに変なコスプレしている連中が多くてたまらんわ!まあこの辺のカオス具合って『ポスタル』のパクリっぽいんだけど…。

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そして一番楽しいのがスーパーパワーでの移動なんですよ。このゲーム、自キャラが猛烈なスピードで街を走ることができ、さらに凄まじいジャンプ力で民家もビルも飛び越え壁を駆け昇ることができるんですね。だから車の運転なんかしなくても高速で移動できるんですよ。でも実際この辺のシステムは『プロトタイプ』っていうオープンワールド・ゲームのパクリだっていうのも知ってるんですけどね…。

ゲームではさらにスーパーパワーを使った戦闘や、「ダブステップ・ガン」などみょうちきりんな武器、バトルシップやメカスーツの登場で、なかなかにSFしてくれている上に、ボーナスゲームとしてストリーキングやら町中大破壊やらぶっ殺し大会やらファイトクラブなどまで盛り込んであるという、なんでもやりゃあいいってもんだ!とでもいうようなバカさ加減を誇っております。オレは今暗黒皇帝のキャラ作ってブラジャーにボンテージルックさせて凶悪宇宙人と戦ってるよ!

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20140203(Mon)

[]終わりなき熱狂と狂躁のラプソディー〜映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』 終わりなき熱狂と狂躁のラプソディー〜映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を含むブックマーク 終わりなき熱狂と狂躁のラプソディー〜映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のブックマークコメント

■ウルフ・オブ・ウォールストリート (監督:マーティン・スコセッシ 2013年アメリカ映画)

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『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、学歴もコネもないまま若くして証券会社を設立し、口八丁手八丁で年収49億円を稼ぎ出しながら、その荒っぽい商売によりFBIに逮捕され失墜した、ジョーダン・ベルフォートという男の半生を描く作品である。そこで描かれるのはカネまみれ・オンナまみれ・ドラッグまみれという、アメリカン・ドリームの裏側に存在する悪性腫瘍の如き病根だ。スコセッシ監督はそれをどこまでもねちっこい演出とグロテスクなユーモアを交え、3時間に渡る長丁場によって描ききる。主演はレオナルド・ディカプリオ、彼の持ち前であるカリスマ的魅力は、「ウォール街の狼」ジョーダン・ベルフォートのたがの外れたような人生を、デモーニッシュなまでに体現し尽す。

物語はとことん下衆であり、気違いじみており、それと同時に、甘く危険な法悦に満ちている。ここで描かれるのは、強大なパワーと莫大なカネと止まる所を知らない欲望に操られ、着弾地点を見失ったまま大気圏外を邁進するICBMのように破滅へとひた走る男の生き様である。だが、スコセッシがこの作品で描こうとしたのは、欲望に囚われた男のデカダンスではない。盛者必衰のアイロニー、社会悪を糾弾するモラリズムでもない。歪んだ資本主義の果てのカリカチュア、アメリカ史の暗部を記述するジャーナリズムでもない。確かにそれらの要素はこの物語に存在するだろう。しかし映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』の本質はそこではない。この映画の本質、それはぐつぐつと煮え立ち、暗く赤々と燃え盛る【熱狂】と【狂躁】なのである。

主人公とその側近たちは、違法きわまる商売の果てに、莫大なカネとより取り見取りのセックスと有り余るドラッグを手に入れる。そして手に入れてなお、より多くの、より潤沢なカネとセックスとドラッグを求め止まない。しかしその止めを知らぬ欲望の中心にあるものは、利得と消費なのではなく、どこまでも求め続けそれがどこまでも得られ続けることの、永久運動の如き終わりなき悦楽であり、その悦楽が果てしなく高まり続けてゆくことの【熱狂】であり【狂躁】なのだ。インフレーションを起こしたハイテンション、その【熱狂】と【狂躁】を生み出すものが、イリーガルでアンモラルだからこそ、さらに止めを知らぬものとなってゆくのだ。

映画では悪疫の如き欲望に取り付かれた男たちの狂奔と狂態がこれでもかとばかりに描かれる。しかし常識的に考えるなら醜悪でしかないこれらの描写に、観る者もまた巻き込まれ、いつしか洪水のように奔出するカネとモノとセックスとドラッグに、登場人物たちと同じように酩酊させられてしまっていることに気づかされるのだ。これはまさにスコセッシらしい演出話法の見事さと言わざるを得ない。物語は主人公ジョーダン・ベルフォートがその全ての帝国を失うことで幕を閉じるが、しかしそれは物語には終わりがなければならず、また主人公の末路を史実どおり描いただけのことであり、実際にはこの作品は、「終わりなき熱狂と狂躁」をただただひたすら堪能することにこそに魅力があるのだ。3時間という長丁場はその為に用意された装置であるということもできるだろう。映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、イリーガルとアンモラルの果てに醸し出される、「終わりなき熱狂と狂躁」を描いたラプソディーだったのである。

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The Wolf of Wall Street (Soundtrack)

The Wolf of Wall Street (Soundtrack)