ぶっ壊しぶっ殺しぶっ放す!〜映画『エンド・オブ・キングダム』

エンド・オブ・キングダム (監督:ババク・ナジャフィ 2016年イギリス/アメリカ/ブルガリア映画)


ホワイトハウスがテロリストの強襲を受けて『エンド・オブ・ホワイトハウス』になっちゃてから2年、あの最強シークレット・サービスが帰ってきたッ!?という映画『エンド・オブ・キングダム』でございます。前作のアメリカから今作ではその標的がイギリスとなり、例によって手に汗握るアクションを繰り広げております。
ところでこのワタクシ、今回映画を観に行くにあたって時間を間違ってしまい、相当ギリギリな時間で映画館に向かったもんですから、映画なんか観る前から相当手に汗握る、というか全身汗まみれでの映画鑑賞となってしまいました。近所の席の皆さん、汗臭いオッサンがゼイハア肩で息しながら映画観てたりしてホントに申し訳ありません。
さて今回のお話、アメリカのシークレット・サービスがなんでイギリスくんだりまで出張して暴れまわるかと言いますと、実はイギリス首相が突然亡くなり、その国葬に出席するアメリカ大統領の警護でってことなんですな。なにしろイギリス首相ですから世界各国からも沢山の首脳が出席します。なんとそこで各国首脳を狙った大規模な同時多発テロが勃発するというわけなんですな!いやこりゃ大風呂敷拡げたね!こうしてロンドン市内は一気に戦争状態へと突入するのですよ!
なにしろロンドン市内のありとあらゆる歴史的建造物がどっかんどっかんぶっ壊され、街の中ではどっかんどっかん銃撃戦が巻き起こり、敵も味方も一般市民もどっかんどっかんと頓死してゆきます!その中でシークレットサービスのマイク・バニング(ジェラルド・バトラー)はアメリカ大統領ベンジャミン・アッシャー(アーロン・エッカート)の命を救う為、決死の逃避行を繰り広げるというわけなんですよ。テロ作戦は相当の大規模であり、政府内部にも内通者がいるため敵味方の区別すらつきません。果たしてマイクは大統領を無事保護できるのか!?
いやーなにしろもう小気味いいぐらいぶっ壊しぶっ殺しぶっ放す映画でしたね。破壊と殺戮と銃撃戦の大盤振る舞いなんですよ。あまりのド派手さに嬉しくなって途中からヘラヘラ笑いながら観ていたぐらいですね。やっぱ映画はぶっ壊しぶっ殺しぶっ放してナンボ!おまけに主人公は無敵の脳筋ヒーロー!既に21世紀のランボー状態です!あんまり楽しかったもんだからこの映画、もう2016年上半期最高傑作ってことでいいだろ……としみじみと思ってしまったぐらいです。
なにしろ主人公が恐るべき戦闘殺戮マシーンで、銃で素手でナイフでとブルドーザーのように次々と敵をぶち殺してゆきます。いやもう軍隊なんか出さなくても、こいつ一人いれば朝飯前でテロ組織の1個や2個片付けちゃうだろ……と思っちゃったぐらい。だいたいさあ、イギリス特殊部隊SASを差し置いて単独行動で敵アジト潜入ですよ!ある台詞なんか「敵は100人もいます!」「もっと出さなかったことを後悔するんだな……」なんてほざいてくれちゃってて、きゃあああ!なんてマッチョなの!
国際情勢における欧米の思惑が背景になったある意味キナ臭い話ではある筈なんですが、実の所その辺全部素っ飛ばして「脳筋マッチョのワルモノ成敗」という単純化された話になってて、観る人が観るととても不快かもしれませんが、オレはかえってそんな単純さが爽快感を生んだ作品だと思いましたね。なんかFPSゲームやってるみたいなんですよ。昔は「映画みたいなゲーム」が話題になりましたが、今や「ゲームみたいな映画」の時代なんでしょうかね。
だからゲーム好きのオレなんかは「この市街戦の雰囲気は『コール・オブ・デューティー』だろ」とか「このステルスなんざ『スプリンターセル』だろ」とか「ここのアクションは『アンチャーテッド』だよな!」なんて思ったり、「この殴り合いシーンはゲームだとQTEが導入されるな」とか想像したり、「この密集陣形の敵にはアサルトライフルじゃなくて手榴弾だろ!」「そんなカバリングじゃ的にしてくれって言ってるもんじゃないか!」とかツッコミを入れたりして楽しかったですね。そんなわけでFPS・TPSアクションゲームのお好きな方にもお勧めしたい映画でしたね!

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