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メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20110513(Fri)

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スプライス (監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ 2009年カナダ・フランス映画)

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生化学者のカップルがいろんな生物の遺伝子を結合させた新生物を作り出してしまいエラいことになる、というSFホラー映画であります。しかしよくあるモンスター・ホラーとちょっぴり違うのは、生み出されたクリーチャーが最初は根本敬の漫画に出てきそうな巨大化した精子みたいだったのが、どんどん変態してなんだか人間の女子そっくりのキモ可愛い生物になっちゃうってコトですかね。人間の女子、って言っても毒棘の付いた尻尾はあるし足は逆関節だし時々羽だか鰭だかが生えるし頭はツルッパゲで目は離れてるし顔の真ん中には亀裂があるし、まあちょっとマニアックな好みの女子になっちゃいますけどね。顔だけで言えばシンニード・オコーナー的なスキンヘッドにしたビョークってところでしょうか。っていうかビョーク主演にしたほうが余計なSFX使わなくてよかったかもしれませんねこの映画。

しかし自分らで遺伝子デザインした割に、生まれたクリーチャーがどういう形態と生態を持っているのか予測不可能だった生化学者カップルというのもちょっと間抜けな感じがしますね。こういう形態の生物であることの必然性はどのあたりにあったんでしょうか。いろいろ組み合わせたけどどんな生物になるのかはお楽しみ!ということだったんでしょうか。それとも全ては想定外だったんでしょうか。この時期に科学者の想定外はやはり不謹慎ではないかと言う気がしてなりません。だいたいこいつらが行き当たりばったりな連中で、まあ「生物の創造主になる」という魔力に負けた部分は科学者の好奇心と言うことで分からないでもないんですが、その後クリーチャー作ったのはいいけどやることなすことみんな後手後手で、そのせいで全部その後の悲劇は起こったんですから、ろくなもんではありません。おまけに自分らをNARD(オタク)とか名乗って村上隆的なオタクアートを部屋に並べて悦に入っているいけ好かない連中で、そうかそのせいで出来上がった女子型クリーチャーはネオテニーな幼女顔でツルペタだったのか!?とも思えるんですが、しかしオタクだったらクリーチャー作るんならもっと触手とかそういったもので遊び心をくすぐるべきだったのではないかと思います。

で、出来上がったクリーチャーの置き場所に困った生化学者カップル、クリーチャーを納屋に軟禁して住まわすんですが、おいおいあんな不潔なところに住まわすか?どんな免疫系持ってるかもわかんないような生き物を。そしてその育て方がまた惨くてですね、人間扱いもしなければ動物扱いもしない、言ってみれば「産みたくて産んだ子じゃないし愛情なんか無いからマンションに閉じ込めてほっぽっておこう」的な鬼畜嫁の様相を呈しているんですよ。まあ実のところクリーチャーへの愛情は二人ともあることはあるんですが、「せっかく生まれた生き物なんだから精一杯育てよう」みたいな真摯さに欠けてるんですよね。なんかおっかなびっくりというか、なにかあったらぶっ殺せばいいし、みたいな投げやり感があるんですよね。人間じゃないとしてもせめてペット育てるぐらいの愛情を注ぐべきですよね。だから可愛そうなのはクリーチャーですよ。生まれてきたくて生まれたんじゃないのにこの仕打ちはあんまりというものですよ。そりゃあグレたくもなってくるわな。で、グレればグレたでまたお仕置きですよ。全く惨いっちゃあありません。

そんなわけで『フランケンシュタインの怪物』として始まったこの映画、『エイリアン』や『ザ・フライ』などの名だたるSFホラーのパスティーシュを見せながら、ちょっと『崖の上のポニョ』(まあ監督は観てないだろうが)も入りつつ、ラストは『スピーシーズ』でオチとなるんですね。つまりあのB級トホホ映画『スピーシーズ』がオチだったというのがこの映画のオシイところだった訳で、このままクローネンバーグ的グジャドロ路線を追求してゆけばもっと見所のある映画となっていたかもしれんなあ、とも思えます。それよりも物語冒頭に出てきた頭の先がチンポコみたいな動くタラコ状の実験生物にもっと頑張ってもらいたかったですね。あれが研究所抜け出して巨大化して町で人間食ったり融合したり建物破壊して大暴れ、ペンタゴンも手をこまねいているところを女子顔クリーチャーが「あの生物を倒せるのは私だけ…お父さんお母さん(生化学者カップルのことね)、もう生きて会うことはないと思いますが出撃します!お二人のこと…愛してました」とかベタベタのこと言ってタラコ怪物に死を掛けた戦いを挑むのね。で、戦いには勝つんですが瀕死の重症を負い生化学者カップルの腕の中で息絶えるんです。で、カップルは「私たちが間違っていた…」と女子型クリーチャーの亡骸を抱きながらさめざめと泣いて幕、と。こういう物語のほうが面白かったんじゃないかなあ。え、ダメ!?

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jkjk 2011/05/13 16:51 ドラえもんの「のび太と台風のフー子」も読ませなくちゃー ですね。 なんか色々と掘り下げっつーか食い足りないトコが多い作品でしたが、段ボールにつめて右往左往するシーンは拾ってきた野良犬がみつかりそうになった小学生みたいで微笑ましく

globalheadglobalhead 2011/05/13 22:03 ドラえもんの「のび太と台風のフー子」…ってなんですぐそんなタイトルが出てくるんですかjkさん。意外と結構只者じゃないですね。
そして粗筋調べてみたらスプライス的でもありながらもいい話じゃないですか台風フー子。