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メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20150310(Tue)

[][]画集『生頼範義 緑色の宇宙』 画集『生頼範義 緑色の宇宙』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク 画集『生頼範義 緑色の宇宙』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

生頼範義 緑色の宇宙 (玄光社MOOK illustration別冊)

スターウォーズ帝国の逆襲」、平成版「ゴジラ」シリーズなど数々の映画ポスター、平井和正幻魔大戦」や小松左京日本沈没」「復活の日」などの装画・挿し絵を手がけ、約50年にわたり第一線で活躍してきた伝説のイラストレーター・生鯣狼繊0掬歸な画力で膨大な仕事量をこなし、特にSFや戦記物の分野では輝かしい実績を残しており、生鬚気鵑留洞舛鮗けたイラストレーターは数多く存在します。2014年2月に代表作約300点を網羅した初の大規模な展覧会をみやざきアートセンターで開催。本書はその展示作品を中心に、代表的な仕事や作品をアーカイブした1冊です。

生頼範義の名前を初めて目にしたのはハヤカワ文庫JA(早川書房の日本人作家小説文庫)だっただろうか。SF小説を読み始めて間もなかった中学生の頃、手にした小説は小松左京の『復活の日』。青みがかった巨大な嚢胞から、苦悶のポーズを取る彫像が飛び出し、手前には海上から潜水艦が艦橋を覗かせ、背後には土色の空に赤い太陽が昇る。禍々しく暗示的なその表紙には作品内容同様深く魅せられてしまった。そして同じく小松左京の『果てしなき流れの果てに』の表紙が決定的だった。やはり重々しいミケランジェロ風の彫像の前に配された一機の未来マシン。そしてその背後には、燦然と輝く幾千もの星と緑色した大宇宙。陶然と魅入ってしまった。なんと美しい宇宙だろう。

『生頼範義 緑色の宇宙』はイラストレーラー生頼範義がこれまで携わってきた様々な表紙絵やイラストを一堂に会したムック本だ。前述の小松小説以外で生頼の仕事をよく目にしたのは平井和正の「狼男シリーズ」で、これも作品内容同様お気に入りだったが、もっと若い方には映画『スター・ウォーズ』『ゴジラ』のポスターがお馴染みかもしれない。ゲーム好きの方には『信長の野望』等コーエーのゲーム・パッケージで見知った方もいるだろう。これら生頼作品は卓越した描写力や独特の画面構成と併せ、彫りの深くグラマラスなキャラクターがなにより特徴的だろう。言うなれば、生頼作品は「こってりと濃い」のだ。その濃さはどこか日本人離れした感性とも言える。

これら生頼氏のグラフィックを眺めながら、SF読みだった少年の頃から慣れ親しんできたあの小説・この小説、読んではいないが名前は聞いたことのあるあの作家この作家の表紙絵の懐かしさに触れるのもまた善し、その息を呑む描写力に改めて感嘆するのも善し、「生頼宇宙」の深遠に触れ楽しむことのできる充実の1冊だった。全作品網羅な作品集というわけではないけれども、これだけ楽しめて2000円という安価な価格で手に入れることができるこの『生頼範義 緑色の宇宙』、多分すぐ品切れになって将来的にプレミア価格がつくこと必至であろうから、気になった方はすぐさま購入することを是非お勧めする。

yoyoshi yoyoshi 2015/11/24 18:31 家にあるSF本の過半数に生頼画伯の美麗な装丁が・・・。アルフレッド・べスターの虎よ!虎よ!は画伯の筆無しには情景が浮かびません。多岐に渡る膨大な量の仕事なのに一目で画伯と判る素晴らしさ!ご冥福をお祈りいたします。

globalheadglobalhead 2015/11/24 19:48 訃報には自分も驚きました。あのグラフィックがもう見ることができないのは残念でなりません。

20141208(Mon)

[][]ウルトラ怪獣を描いた男、成田亨作品集 ウルトラ怪獣を描いた男、成田亨作品集 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク ウルトラ怪獣を描いた男、成田亨作品集 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

成田亨作品集

いわゆる「おっさんホイホイ」と呼ばれるものにはなるべく近づかないようにしている。「おっさんホイホイ」とはいい歳したおっさんが、子供の頃に夢中になった何がしかの事柄、アニメや特撮や歌謡曲その他に、懐かしさからついつい再び手を出してしまう行為を言う。

オレの場合、それはウルトラマンやウルトラセブンなどの特撮ドラマである。さらに言うと、仮面の忍者赤影や、キャプテン・ウルトラなんかも入る。仮面ライダーが入らないのは、それはオレの田舎では仮面ライダーがTVでやっていなかったからである。なんたってオレの子供の頃、田舎じゃ民放が2つしかなかったんだぜ!?あとガッチャマンロボコンもやってなかった気がするなー。まあそうは言いつつ、仮面ライダーカードは田舎でも大ブームでオレもカードシコシコ集めてはお菓子捨ててたけどね!

話が逸れたが、オレがおっさんホイホイ物件に近寄らないようにしている理由は、基本的にボックスセット形式の高額商品になってしまうから、という経済的な理由がある。さらに、そんな高額商品を買ったとしても、今観て面白いかどうか、といった理由がある。思い出補正は掛かってはいるだろうが、思い出に金使うよりは、今現在にある面白いものに金使ったほうが新鮮さが違うだろ、と思う訳である。オレは新しいもののほうが好きなのだ。

さてそんなオレではあるが、この『成田亨作品集』をネットで目にしたときは速攻でポチッてしまったことを白状せねばなるまい。成田亨、上に挙げた書影を見れば明らかなように、かつて円谷プロのSF特撮ドラマで怪獣その他のデザインを手掛けた人である。詳しい略歴などはWikipediaをご覧になるといい。実際の所自分は成田亨の名前をこの本を見るまで知らなかった。だから成田氏の功績を一堂に会したこの本を見て、氏がどのようなデザインを手掛けていたか初めて知った程度の人間である。

成田氏の怪獣デザインは今見ても思い出補正など関係なく素晴らしいと思う。元は彫刻家だったと聞くが、アート全般に通じているであろうシュールさがデザインの中に横溢している。またこの本の中の成田氏のインタビューでは、氏がどのようなこだわりを持って怪獣たちをデザインしていたのか知ることができ、これは非常に興味深く読むことができた。

この本ではウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン、マイティジャック、ヒューマン等お馴染みの円谷特撮デザインが収められているほか、氏が企画しながらも日の目を見なかった特撮ヒーローや怪獣のデザインも収録されている。ただしこれら後期の企画デザインは、やはり没企画だけあって氏の作品のセルフコピーとでもいうような悪達者な作品となっており、資料的には面白いもののデザインとして目を見張るものが無いのが残念だ。本ではその他、神話伝説上のモンスターを描いた「モンスター大図鑑」、さらに特撮怪獣を離れた美術作品、特撮美術などが収められている。また、この本で成田氏がメカデザインも手掛けていたことを初めて知り、その才能振りに驚いた。

どちらしろ一つの特撮史を知る上でも、またユニークな美術書としても楽しむことができ、5000円で400ページあまりという高額・大部な本ではあるが、買って損は全く感じ無かったし、これからもためすがめつ眺めることになるであろう本であろうと思った。というわけでウルトラファンの皆さん、あなたも買いなさい。

なお収録作品の一部はこちらでも確認することができる。

20140910(Wed)

[][]『ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ』全10巻コンプリート 『ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ』全10巻コンプリート - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク 『ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ』全10巻コンプリート - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

『ピナコテーカ・トレヴィル・シリーズ』は今は無き出版社トレヴィルから1995年から1997年までかけて出版された全10巻のアート全集である。取り上げられている画家は決して有名ではないが、どれも偏執的なまでの様式主義と耽美的な頽廃に彩られた作品ばかりが収められ、そのどこか【狂っている】とさえ思わせる異様さは、《【裏】近代西洋美術史》とでも表現したくなるような体裁となっているのが特徴的であろう。

出版当時は気に入った巻を5冊ほど購入し所蔵していたが、全巻購入までには至らなかった(高かったからなあ)。それがつい最近書棚を整理していた時に、ムラムラと全巻制覇の野望が頭をもたげ、現在古書でしか手に入らない残りの巻をポツポツと買い揃えていったのである。いやあ、どれもプレミア価格付いていて痛かったけど…。

というわけで全巻制覇の野望は達成され、ここに書影と簡単な紹介を記することにした。

■第1巻 モンス・デジデリオ画集 / 第2巻 ジョン・マーティン画集

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《第1巻 モンス・デジデリオ画集》「世界の終りの画家」と呼ばれ、偏執狂的な緻密さで倒壊する聖堂や亡霊のような廃墟ばかりを描き続けた17世紀ナポリの謎の画家。
《第2巻 ジョン・マーティン画集》聖書等のテーマに基づいた壮大な構図と精緻な細部の中に、激烈な天変地異や悪魔の君臨する地下世界を現出させた19世紀英国の画家。

■第3巻 カルロ・クリヴェッリ画集 / 第4巻 フォンテーヌブロー派画集

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《第3巻 カルロ・クリヴェッリ画集》澁澤瀧彦が溺愛した「マグダラのマリア」で知られる、過剰な装飾性と冷艶な官能性を湛えたイタリア・ルネサンスの異色の画家。
《第4巻 フォンテーヌブロー派画集》16世紀フランソワ一世の宮廷に一夜の夢の如く華開いた、優美な官能性と知的な寓意に満ちた、極めて洗練されて耽美的な独自の様式。

■第5巻 ティントレット画集 / 第6巻 リヨン派画集

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《第5巻 ティントレット画集》ヴェネツィアで16世紀騒然たる注目の的であった巨匠が、劇画的なまでの大胆な構図と強烈な明暗表現で幻視させる奇跡譚の神秘。
《第6巻 リヨン派画集》19世紀フランスの古都リヨンで独自に展開した神秘的な象徴主義絵画、フランドラン、シャヴァンヌ等を含む、ラファエロ前派の先駆。

■第7巻 ハドソン・リヴァー派画集 / 第8巻 ティエポロ画集

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《第7巻 ハドソン・リヴァー派画集》ヨーロッパでは失われた手つかずの自然、神の意志が普遍する旧約聖書的な世界の崇高美を描いた、19世紀アメリカのロマン主義的風景画群。
《第8巻 ティエポロ画集》18世紀イタリア・ロココ、ヴェネツィア最後の黄金時代を華麗に飾った巨匠の天井画・壁画群が、軽やかに官能的に、見る者を天界に誘う。

■第9巻 イタリアのマニエリスム画集 / 第10巻 北方のマニエリスム画集

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《第9巻 イタリアのマニエリスム画集》澁澤瀧彦、ホッケ、ハウザーらに多くが語られてきたものの、カラー図版の紹介が限られていた16世紀の綺想的・観念的美術を豊富に収録。
《第10巻 北方のマニエリスム画集》ハプスブルク家の宮廷に開花した、スプランゲルらの危うく官能的な絵画、アルチンボルドの綺想、その他の北方画派も収録。

20120816(Thu)

[][]Banksyの10年の軌跡を収めた作品集『Banksy.: You Are an Acceptable Level of Threat』 Banksyの10年の軌跡を収めた作品集『Banksy.: You Are an Acceptable Level of Threat』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク Banksyの10年の軌跡を収めた作品集『Banksy.: You Are an Acceptable Level of Threat』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

Banksy: You Are an Acceptable Level of Threat and if You Were Not You Would Know About It

グラフィティ・アーティスト、Banksyの過去10年に渡る作品を集めた『You Are an Acceptable Level of Threat』が発売されてます。ハードカバーで240ページ、日本のAmazonだと\2400ぐらい、意外と手を出しやすい値段ですね。Banksyはグラフィティというものの概念を変えたアーチストだということが出来ると思いますが、Banksyのグラフィティは「そこに描かれていることの意味」がある、即ち描かれたものと描かれる場所に密接な関連性を見出すことの出来るアーティストであることが突出していますね。そして描かれるものは、単にユースカルチャーの枠内に留まらない、広い層に受け入れられやすい表現のありかたをしている。勿論そのシニカルで体制批判的な批評性、それとは別に"遊び"としての絵の楽しさを持った諧謔性も優れているんですね。それと同時にモダン・アートに対する挑戦的な態度も面白かったりするし、そういった複数方向での先鋭さがBanksyを優れたアーティストたらしめているのでしょう。

「Banksy.: You Are an Acceptable Level of Threat」は特設サイトが設けられており、ここで大きな画面表示のスライド形式で作品を見ることが出来ます。

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イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ [DVD]

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ [DVD]

Wall and Piece

Wall and Piece

Banksy's Bristol: Home Sweet Home: The Unofficial Guide

Banksy's Bristol: Home Sweet Home: The Unofficial Guide

20120308(Thu)

[][][]最近買った画集やらなにやら 最近買った画集やらなにやら - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク 最近買った画集やらなにやら - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

■GARY PANTER PICTURE BOX

Gary Panter

Gary Panter

アメリカのパンクなグラフィック・アーチスト、ゲイリー・パンターの1970年代〜最近の仕事を集めた箱入り2冊組豪華画集。体裁は豪華だけどアート作品はラクガキみたいなのばかり!それぞれ350ページあまり、でかい、分厚い、重い、凶器にもなる、そして楽しい、そんなボリュームたっぷりの画集となっております。定価は結構お高いですが海外ネットショップで古本を探して購入しました。

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■スチームパンク / ジェイ・ストロングマン

スチームパンク

スチームパンク

おお麗しのネオ・ヴィクトリアン・ロマン!ジェイ・ストロングマンが編集したアート集『スチームパンク』はタイトル通りスチームパンクにまつわる30を超えるアーチストたちの様々なアート作品が網羅されています。蒸気機関が発達したもうひとつのヴィクトリア朝時代、重々しく物々しくそして懐古趣味的なエレガントさに満ちたこれらの作品は、収録されたグラフィック作品などよりもオブジェ作品のほうにその真骨頂が現れているでしょう。

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■遠い町から来た話 / ショーン・タン

遠い町から来た話

遠い町から来た話

町外れに住む水牛、誰にも愛されなかったものからペットを手作りする方法、真夜中に犬が吠える訳、誰にも読まれず忘れ去られてしまった詩の行方。文字の無い絵本『アライバル』で驚異の幻想世界を創り出したショーン・タンの新作絵本。こちらは幾編かのショート・ストーリーで綴られ、今回は文章付き、ファンタジックなイラストレーションと物語でちょっと懐かしくちょっと不思議な世界を創出しています。

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■SUN CHILD / ヤノベケンジ

SUN CHILD

SUN CHILD

現代美術作家のヤノベケンジ氏が「再生・復興してゆく人々の心に、大きな夢と勇気を与える希望のモニュメント」としてプランニングした「SUN CHILD」プロジェクトの様子を収めた小冊子。当然"再生・復興"という言葉の影には3.11以降の芸術活動とは何か、という自分への問い掛けがあったのだろうけれども、それ以前にも、氏は自作の放射能防護服を着て原発事故後のチェルノブイリを訪問する「アトムスーツ・プロジェクト」というのも行っていて、ただ理念のみでアート作品を成しているというわけではなく、氏には確固とした未来像がヴィジョンとして存在するのだろうと思う。

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■R.I.P. Best Of 1985-2004 / THOMAS OTT

R.I.P.: Best of 1985-2004

R.I.P.: Best of 1985-2004

スイスのコミック・アーチスト、トーマス・オットによるダークかつブラックなホラー作品集。そして絵のほうもダーク&ブラック、これは黒い画用紙を削り取って描く「スクラッチボード」という手法によるものなのだそうです。台詞は全く無く、救いようの無い暗くおどろおどろしい話が幾編も収められています。物語自体はひねりがあまり無いのですが、真っ黒なグラフィックをひたすら堪能するのが正解なのだと思います。

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20120306(Tue)

[]『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』に行って来た 『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』に行って来た - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク 『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』に行って来た - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

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先日は東京国立近代美術館へ『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』を観に行きました。例によって美術のことは少しも知らない自分なのですが、絵の具をばしゃばしゃと豪快に散らかした彼の抽象作品が載っているチラシを見て、あーなんだか面白そう!と思って観にいったんですね。

ポロックは、第二次世界大戦中に戦禍を避けてアメリカに避難していたシュルレアリスト達との交流や、かねてから尊敬していたパブロ・ピカソやジョアン・ミロらの影響により、無意識から湧き上がるイメージを重視したスタイルをとりはじめる。1943年頃から、キャンバスを床に広げ、缶に入った絵具やペンキを直接スティックなどでしたたらせる「ドリッピング」という技法を使う。はじめは遠慮がちに使っていたが、1947年から全面的に展開する。このころ、批評家のクレメント・グリーンバーグにより「いくら称えようとしても、称えるための言葉が存在しない」と最大級の賛辞を受ける一方、雑誌や新聞によってからかい半分の取り上げられ方をする。床に置いて描くことはインディアンの砂絵の影響などによると言われる。

また、絵画(平面芸術)は現実の風景や物の形などを再現するものではなく、描画行為の場(フィールド)であると考えていた。彼は単にキャンバスに絵具を叩きつけているように見えるが、意識的に絵具のたれる位置や量をコントロールしている。「地」と「図」が均質となったその絵画は「オール・オーヴァー」と呼ばれ、他の抽象表現主義の作家たちと通じるものがある。

Wikipedia-ジャクソン・ポロック

躍動感溢れる代表作も楽しかったのですが、初期の作品である「西部へ」の幻想性がとても気になりました。

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目玉はかつてイラン革命によって門外不出となったという伝説の作品《インディアンレッドの地の壁画》。いや、ポロックの作品のどれが一番優れているかなんて判断できないんですが、しかし「作ってるとき楽しかったろうなあ」という気はします。精神療法として絵画を描いていた部分もあったそうですから、描きながら自分の心の内にあるものを探り出してゆく、その行為には、無私なる自分に没頭できるものがあったのではないでしょうか。「私は音楽を楽しむように抽象絵画を楽しむべきだと思う」とポロックも言っていたそうですから、しかつめらしい顔などせずに、カンバス一杯に踊る絵の具の軌跡を無心になって楽しめばいいのだと思います。

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ポロックの半生はエド・ハリス主演・監督で映画にもなっているようですね。

20120208(Wed)

[][]大友克洋のイラスト集『KABA2』を買ってきた 大友克洋のイラスト集『KABA2』を買ってきた - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク 大友克洋のイラスト集『KABA2』を買ってきた - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

■OTOMO KATSUHIRO ARTWORK KABA2

OTOMO KATSUHIRO ARTWORK KABA2

大友克洋のイラスト集『OTOMO KATSUHIRO ARTWORK KABA2』を買ってきました。

第1集である『KABA』の出版が1989年ということですから、20数年ぶりの第2集ということになります。第1集が1971年から1989年の19年分の作品を収めたものであり、この第2集では1990年前後から2011年までの作品が集められています。1990年は『AKIRA』の雑誌連載が終了した時期であり、ある意味、『KABA』と『KABA2』は、『AKIRA』前『AKIRA』後、ということも出来るんですね。

そして『AKIRA』終了後は、大友克洋が漫画の世界よりはアニメなどの映像の世界に近づいていった時期でもあり、この『KABA2』では、大友のそういったアニメ・映像関係の仕事が多めに収録されています。ですから『AKIRA』終了後に製作されたアニメである『老人Z』、『MEMORIES』、『スチームボーイ』の様々な設定画を見ることができます。特に『MEMORIES』の中の一編「大砲の町」を題材にした、オールカラーの『絵本 大砲の町』が目を引くでしょう。

さらに大友版『ガンダム』や『バットマン』など、こんな仕事もしてたのか!というイラストにもびっくりさせられますよ。大友デザインの『ガンダム』なんて三葉虫みたいだった!『バットマン』はアメコミ『バットマン:ブラック&ホワイト』に収録されたものを彩色しています。

一世を風靡した大友克洋ですが、今見ると絵的には20世紀だなあ、と感じる部分があって、決して往時の勢いを感じることはないのですが、既に漫画史にその名を残す氏の仕事の数々を堪能できるといった意味で、貴重なイラスト集であることは間違いないでしょう。あとこれで美少女描けたらなあ…。

ちなみに4月9日から5月30日まで《大友克洋GENGA展》というのも開催されます。これ、完全予約制なので行きたい方は要注意。自分も予約とか得意じゃないので行けるのかどうか…。詳しくはHPをチェックされてください。

OTOMO KATSUHIRO ARTWORK KABA2

OTOMO KATSUHIRO ARTWORK KABA2

大友克洋アートワーク KABA (OTOMO KATSUHIRO ART WORK)

大友克洋アートワーク KABA (OTOMO KATSUHIRO ART WORK)

■ヒピラくん / 大友克洋、木村真二

ヒピラくん

ヒピラくん

朝がこない吸血鬼の町、サルタ。いたずらが大好きなヒピラくんがともだちのソウルくんと一緒に、今日も冒険を繰り広げるよ!世界から注目されるふたりのクリエイターが織りなすコミック・アートブック!一話分が追加書き下ろしされた新バージョンで登場!

一方こちらは大友克洋原作、木村真二絵による絵本。主人公ヒピラくんは吸血鬼の町に住むちびっこ吸血鬼、今日もいたずら三昧でみんなを困らせます。そんなヒピラくんの不思議な冒険を描いたこの絵本、木村真二氏の実に美しく丁寧に描かれたグラフィックと、「大友さんこんな物語も書くんだ?」と思わせる愉快な展開で、大人の自分も十分楽しめました。

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アニメにもなっているようですね。

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とびだすアニメ!! ヒピラくん Blu-ray 3D

とびだすアニメ!! ヒピラくん Blu-ray 3D

じゅーしーじゅーしー 2012/02/08 13:58 KABA、友人に借りて延々見てました。
河の底から伺っているカバの目が美しくて驚いたのを覚えています。
NHKの「YOU」イラストとかが好きですね。

globalheadglobalhead 2012/02/08 15:32 「AKIRA」連載前後の大友は本当に神がかっていましたからね。
一挙手一投足が全て注目の的でした。
そんな中でリリースされた第1画集「KABA」は自分も舐めるように見ていましたよ。
最近はアニメ等の活躍が多くなってしまいましたが、また大友の新作SF漫画が読みたいです。

RASRAS 2012/02/18 09:54 高校生の頃、教師から職員室に呼び出しをくらいました。ビクビクしながら出向くと先生は鞄の中からKABAを取り出して「大友ファンのお前に見せびらかそうと思ってな!w大友は矢張り凄いよな!」と自慢されました。

globalheadglobalhead 2012/02/18 18:25 実はいい先生だったんではないですかね。今回の自分のエントリも実は「買ったんだぜ!」の自慢だったりして。しかしKABA発売の時が高校生!自分はなにやってたっけかなあ。