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メモリの藻屑、記憶領域のゴミ

20170731(Mon)

[]極悪女ミイラはハクいチャンネーだったッ!?〜映画『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女極悪女ミイラはハクいチャンネーだったッ!?〜映画『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク 極悪女ミイラはハクいチャンネーだったッ!?〜映画『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女 (監督:アレックス・カーツマン 2017年アメリカ映画)

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映画『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』である。「マミー」というのはミイラの事でお母さんとか乳飲料とは関係ない。1932年に公開されたホラー映画『ミイラ再生』のリブート作であり、同じくこの映画のリブート作である『ハムナプトラ』シリーズの異母妹みたいな作品でもある。お話は古代エジプトのとっても悪い女王のミイラが運ばれてきた現代のイギリスで復活して大パニック、と、そういう映画である。

しかしこの映画、それ以前にトム・クルーズが主演している作品でもある。トムクルとホラー。今まで無かった組み合わせである。無かった、というよりあまりに似つかわしくなくて誰も組み合わせようなどと考えなかったのだろうと思う。あの溌剌としたおっさんをどんよりじっとりしたホラー・ジャンルに抜擢してもホラーのクセに颯爽としてしまう訳の分からないものになってしまうだけではないか。ところがこの作品ではその禁を犯してトムクル主演のホラー映画を作ってしまったのである。

結果はどうかというと、当たり前と言えば当たり前だが、いつものトムクル主演映画になっている。ホラーだろうが何だろうが、とりあえずトムクル映画として完結しているのである。しかも水と油とかそういうこともなく、いわばトムクルがホラーを捻じ伏せた形で完成しているのだ。ミイラ女の呪いガー、復讐ガー、とかいう物語なのにもかかわらず、トムクルが颯爽と溌剌と飛んだり跳ねたり拳にモノを言わせていればそれは紛う事なきトムクル映画でしかないのである。げに恐るべきはトムクルのスター性である。

逆に言うならトムクルがそのスター性でもって牽引していなければ単にしょーもないB級ホラーに成り果てていただろう。いや、実際の所、作品それ自体は古臭いプロットしか持たないホントにしょーもないB級映画であるのは確かなのだ。

実はそんなしょーもないB級ホラー作品を魅力的に見せたのはトムクルだけの尽力ではない。悪い女ミイラ役のソフィア・ブテラ、彼女がいいのだ。かつては『キングスマン』のガゼル役でキャラ萌え男女を大いに沸かせた彼女だが、この『ザ・マミー』でも悪い女ミイラを実に魅力的に演じているのだ。いやーソフィアちゃん可愛かったなー、人間のヒロインとして登場したアナベル・ウォーリスとソフィアちゃんだったらオレ、やっぱりソフィアちゃん取っちゃうなー、呪われてゾンビになってもソフィアちゃんのほうが断然いいよ!というわけでトムクルとソフィア・ブテラ、この二本柱の存在によりしょーもないB級映画でしかないはずの『ザ・マミー』がそこそこに楽しめるエンターティメント作品に仕上がっているのである。

しかしなんだかモニョっちゃう部分がひとつあって、それがこの作品がユニバーサル・ピクチャーズによる「ダーク・ユニバース・シリーズ」の第1作目となる作品だとかなんとかいうことなんだよな。「ダーク・ユニバース・シリーズ」っちゅうのは、この『ザ・マミー』を皮切りに半魚人とかフランケンシュタインとか狼男とか、かつてのハマー・ホラーを復活させようとかいう企画らしいのだ。で、それをどうやら、「マーベル・シネマティック・ユニバース(アベンジャーズ)」や「DCエクステンディド・ユニバース(ジャスティス・リーグ)」みたいなクロスオーバー作品群にしたいらしいんだよな。

この辺でなんでモニョッちゃうかというと、まずこの『ザ・マミー』には「対モンスター組織:プロディジウム」なんてェのが登場して、ラッセル・クロウ演じるその親玉というのが「ジキル博士」という、その名前だけで「あーハイハイ」って人物だったりするのよ。で、「人類の平和ガー」とか言っちゃったりしてんのよ。この辺で「ハァ?」とか思っちゃうわけなのよ。多分「ダーク・ユニバース・シリーズ」は、この「対モンスター組織:プロディジウム」と「ジキル博士」を『アベンジャーズ』でいう所の「シールド」みたいな位置付けにして今後展開してゆくんだろなあと予測できるわけなんだけど、ハマー・フィルムのモンスターに人類の平和結びつけてどうすんの?って気がしないでもないんだよな。

この展開で思い出す映画が『ヴァン・ヘルシング』と『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』なんだけど、オレは嫌いじゃないんだが、結構「あかんヤツや」という評判も高いんだよなー。あと"ごちゃ混ぜな雰囲気"ということでは『47RONIN』あたりもこの辺りの系譜にちょっと引っ掛かるよなー。

多分コレ、「マーベル・シネマティック・ユニバース」や「DCエクステンディド・ユニバース」、さらにはキングコングゴジラの登場する「モンスターバース」と「バース」流行りのハリウッドで「俺らもいっちょかみして儲けようや!」という映画会社の目論見としか思えないんだよなー。アメコミやゴジラは分かるとしても、ハマー・フィルム・モンスターによる「バース」って誰得なんだ…という気がしないでもないんだよなー。

とはいえ、これはこれで盛り上がったら「ハマー・フィルム・モンスターサイコーっしょ!?」と大いに沸き立つキャラ萌え大好きの善男善女映画ファンも増える事だろうし、そうならば誰得どころかみんな幸せになれると思うので、ユニバーサル・ピクチャーズの企画担当の皆さんにはこれからも頑張ってほしいと思いマス(棒読み)。

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ヴァン・ヘルシング [Blu-ray]

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20170405(Wed)

[]髑髏島のキングコングはギンギンのエレキに乗ってガンガンに登場する!?〜映画『キングコング:髑髏島の巨神髑髏島のキングコングはギンギンのエレキに乗ってガンガンに登場する!?〜映画『キングコング:髑髏島の巨神』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク 髑髏島のキングコングはギンギンのエレキに乗ってガンガンに登場する!?〜映画『キングコング:髑髏島の巨神』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

キングコング:髑髏島の巨神 (監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ 2017年アメリカ映画)

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キングコングである。髑髏島の巨神である。メリアン・C・クーパー監督にる1933年の映画『キング・コング』(こちらの版は名前に中グロが入るのがポイント)以来何度か映画化されてきたモンスター映画の最新リメイクである。で、最初に書いとくが、……いやー面白かった!!

もう「面白かった」だけ書いて終わらせたいぐらいしみじみと面白かった映画だが、それではブログにならないのであとは思いついたことを適当に書き散らかしておく。

実は「コング」の再映画化と聞いて「今更かよ」ぐらいのことしか思ってなかった。のちのちゴジラと戦わせる構想であることを知っても「またかよ」しか思わなかった。

特にキングコングには思い入れがない。1933年版は観ていないけれども『キングコングゴジラ』(1962)にしてもジョン・ギラーミン版『キングコング』(1976)もピーター・ジャクソン版『キング・コング』(2005)も「へぇー」と思って観た程度で特別"キングコング"というモンスターに愛着があるわけでもない。

なんかこう、「要するにでっかいエテ公だろ?」ぐらいにしか思えないのである。『ウルトラQ』の巨大猿ゴローとどう違うのよ、と思っていたのである(とはいえゴローは『キングコングゴジラ』の着ぐるみの流用らしい)。

しかーし!この『髑髏島』は違うのよ!確かに見た目はドデカイ猿なんだけれども、なんかこう荒ぶる神みたいに獰猛かつ神々しいのよ!ストーリーでも実際そういう扱いだったが、「単にデカイ猿」以上の超自然的なものを醸し出してるのよ。だからこそ堂々と「モンスター」なわけなのよ。

で、このコングが、映画始まってそうそうガンガン出てきやがるのさ!『ジョーズ』やギャレゴジみたいに気を持たせつつ徐々に姿を現したりなんかしないんだよ!「自分らコング映画観に来よったんやろ!思いっきり観しちゃるわ!とことん観るとええねん!(適当な関西弁)」てな感じで出し惜しみしないんである。まずここがいい!

いやしかしコングだけなら飽きてしまうかもしれない。そこを「コングだけちゃいまっせ!おぜぜ貰った分ぎょうさんサービスしたるわ!(適当な関西弁)」とばかりに奇っ怪な巨大怪獣が総出演なのですよ!もう『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』と『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』が合体して1本の映画になってしまったような状態になってるわけなんですよ!

いやー、怪獣って、本当にいいもんですね……(しみじみ)。

さらにこの『髑髏島』を単なるモンスター映画にしていないのは背景にベトナム戦争を持ってきたところだろう。時代設定もベトナム戦争終結直後だが、この『髑髏島』がもう一つのベトナムであることは観た人誰もが分かることだろう。

でね、よかったのが、ベトナム戦争映画によく流れてくる70年代ロックがね、この『髑髏島』でもギンギンに流れまくって来やがるところなんですよ!そしてこれがおもきしズッパマリな上メッチャカッコイイのよ!!

これもみんな思ったと思うけど、地獄の黙示録』みたいなサイケデリックに狂った雰囲気がガンガンにするのね!

そう、この『髑髏島』、モンスター映画であると同時にロックな映画でもあるんですよ!こんなにエレキギターの似合うモンスター映画なんて今まで観たことなかったわ!今回はなかったけど、次作ではジミヘンの『パープルヘイズ』に乗ってノッシノッシと登場するコングの姿を見てみたいね!

それとちょっとひとつだけ思ったのが島の原住民のことなんだけど、いかにも東洋人しているんだよね。映画テーマがベトナム戦争絡みだからってことなんだろうけど南海といったらどっちかっていいうとポリネシア系じゃないかと思うじゃない。でもそこが東洋系だってことは、太古に南海に人種の流入があああってこうあって……いやこれもまたミッシングリンクのひとつのなのか?とか変なこと想像しちゃったね。

というわけで最高にギンギンでガンガンだったキングコング:髑髏島の巨神』でありましたッ!!

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キング・コング [Blu-ray]

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20131002(Wed)

[]クローネンバーグ初期傑作選その3 / 人間の形をしたデキモノが襲って来やがるんですよ。〜映画『ザ・ブルード 怒りのメタファー』 クローネンバーグ初期傑作選その3 / 人間の形をしたデキモノが襲って来やがるんですよ。〜映画『ザ・ブルード 怒りのメタファー』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク クローネンバーグ初期傑作選その3 / 人間の形をしたデキモノが襲って来やがるんですよ。〜映画『ザ・ブルード 怒りのメタファー』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

■ザ・ブルード 怒りのメタファー (監督:デヴィッド・クローネンバーグ 1979年カナダ映画)

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『ザ・ブルード』である。プルート。それはこの間惑星の呼び名から外されランク下扱いされている不憫な星、冥王星である。ブルーザー・ブロディ。それはプロレスラーである。ちなみに得意技はキングコング・ニー・ドロップ。そうではない。ブルードとは「獣腹の子」、みたいな意味なのである。沢山の子豚が親豚のおっぱいにブヒブヒ言って群れてるみたいな感じ、あれね。というわけでデヴィッド・クローネンバーグが1979年に撮った劇場長編、それがこの『ザ・ブルード 怒りのメタファー』なのである。

お話はと言いますと、サイコなんちゃらとかいうインチキ臭いセーシン治療がまず描かれるんです。この治療法、心の中の恨みやら怒りなんぞといったドロドロした感情をデキモノの形にして外に出しちゃえ、という治療法らしいんですが、この物語の主人公の別れたヨメがこの治療法受けてるんです。で、物語の進行と共に主人公や元ヨメのトーチャンやカーチャン、さらに娘の先生までが次々と惨殺されてゆくんですよ。それもコビトの姿をした不気味な連中に鈍器でボコ殴りにされてぬっ殺されるんですな!

で、ネタバレするとこの不気味な子供連中というのが元ヨメの生みだしたモノ、つまり「ザ・ブルード」というわけなんですな。元ヨメの恨みつらみがセーシン治療の作用によりコビトの形をしたでっかいデキモノとなってヨメの腹の下から生えてきたんです!それも何個もですよ!?いやあ因業の深いヨメですな!花環和一の漫画に出てきそうなヨメですよ!

人の形をしたデキモノと言えば人面瘡なんていう奇病がありますな。日本の中世から伝わる怪談話のネタなんですが、漫画「ブラックジャック」にも登場してたりします。こちらは人の顏の形のデキモノが体のどこかにできて、それが喋ったりモノを食べたりするそうなんですよ。肘とか膝にできたグチャグチャの人の顏したデキモノが夜中に「ヴヴヴ」とか呻いたり「腹減ったぁ」とか言うんです。で、煮干しとか食わせるとパクパク食う。いやあ気色悪いですね。食ったもんどうやって消化するんだ?とかは言わない約束ということでお願いします。

で、この人面蒼がさらに発展していわゆる「人体蒼」になっちゃった、というのがこのお話なんですが、そもそも人の形をしたデキモノが独立して生きててさらにそれが人を襲う、という発想が既に異常(褒め言葉)ですわな。しかもそのブルードが何人もいて宿舎みたいなところで寝泊まりしている、という段階で相当シュールです。そのうちブルードの皆さんは労働組合作ったり積立預金を始めたりお互い恋が芽生えて結婚したりするのかもしれませんな。映画ではこの「ブルード」を不気味なメイクをしたちっちゃい子供たちが演じているんですが、これがそれぞれ色違いのヤッケを着ていて、フードを被ると普通の子供にしか見えないんです。それが人々を恐怖に陥れるんですが、「ヤッケ姿の子供が怖い」というのも、この映画の変で面白い所だったりするんですな。

「映画をつなげて観るブログ」さんの「メタファーじゃない?『ザ・ブルード 怒りのメタファー』」という記事によると、この『ザ・ブルード』、前妻との親権争いに疲れ果て、その怒りと怨念から作られた映画なのらしいですな。子育てに精も根も尽き果てたデヴィッド・リンチがその悪夢のような日々をあの処女作『イレイザーヘッド』へと昇華したのと似ているかもしれないですな。

まあしかしこのなんたらいう精神療法、心が平穏になるのはいいとして、かわりに体のあちこちが気色悪い腫瘍だらけになっちゃうというのはどうなんでしょうな!体中デキモノだらけになってしまったら逆に心の平穏もなにも無いと思いますけどね!

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20130308(Fri)

[]恋に狂ったピエロの暴走殺戮物語!〜映画『気狂いピエロの決闘』 恋に狂ったピエロの暴走殺戮物語!〜映画『気狂いピエロの決闘』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク 恋に狂ったピエロの暴走殺戮物語!〜映画『気狂いピエロの決闘』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

■気狂いピエロの決闘 (監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア 2010年スペイン映画)

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I.

スペイン内戦中、デブの女装ピエロが銃弾をかいくぐって突撃、マチェーテ片手に玉砕!という唖然とするシーンから始まるこの映画、その後その女装ピエロの息子もサーカスピエロになり、サーカスクラウンのDV夫が振るう暴力に悩む曲芸美女に岡惚れした挙句、成就しない恋に遂に発狂!酸や熱したアイロンで顔を醜くただれさせ、毒々しいピエロの衣装を着こんで町に突撃!両手にマシンガン抱えてダイナーを襲撃!アイスクリームカーに乗り込んで曲芸美女を拉致!もはやキチガイピエロを止めることは誰にもできない!という凄まじい映画です。

サーカスのピエロって滑稽な存在ではありますが、ちょっと怖い感じもしますよね。この「怖いピエロ」のモチーフは小説・コミックや映像作品に結構現れます。TVムービー化もされたS・キングの小説『IT』でも"超自然的な究極の邪悪"はピエロの姿を身にまとって現れましたし、バットマンに登場する最凶のヴィラン・ジョーカーも道化師の格好です。宇宙からやってきたピエロ型宇宙人が人間を襲う『キラークラウン』なんていうホラー映画もありました。そもそもサーカスという空間自体が異世界を感じさせるものですから、そこで愛嬌をふりまくピエロが異界の住人のように感じられるのも当然でしょう。その中でも一番この映画『ラスト・サーカス』とテイストが似ているのはアレハンドロ・ホドロフスキーの映画『サンタ・サングレ 聖なる血』でしょう。サーカス団出身の少年が両腕の無い気の狂った母親に操られ、次々と女性を殺害する、というストーリーですが、ホドロフスキー独特のアンダーグラウンドな毒々しい美術が美しい作品なんですね。『気狂いピエロの決闘』も『サンタ・サングレ』も、強烈なカルト臭がする部分も実に共通していますね。

II.

おぞましい格好のピエロが画面を闊歩し、殺戮や死や狂気が全編を覆うこの映画、しかし実はホラーやサスペンスというのとはちょっと違うんですね。全編が過激で過剰な表現に満ち溢れてはいますが、物語の核となるのはピエロの悲恋なんですね。だから言ってみればこれ、あまりにもいびつな「暴走恋愛映画」ということもできるのではないかと思います。

そしてこの映画は同時に、「怪物映画」の系譜をきちんと踏んでいるんですね。醜い顔のエンターティナーが美女に岡惚れした挙句拉致し、悲劇的な結末を迎える、というのは「オペラ座の怪人」ではありませんか。ピエロが不気味な洞窟に隠れ住む、というのも「オペラ座〜」っぽいですよね。さらに映画のクライマックス、高い塔に上ったピエロと美女、そして軍隊との攻防戦というのは、これは「キングコング」なんですね。そして「オペラ座〜」にしろ「キングコング」にしろ、そこに通底するのは「美女への恋」なんですね。つまりは「美女と野獣」の悲劇、という怪物映画のパターンを踏襲しているんですね。ですからこれらを総合するなら、この映画は「暴走怪物恋愛映画」ということができるんですね。

世界に背を向け"怪物"と化した主人公が、それでもどこか哀れな存在として描かれるのは、初期のティム・バートン作品でも頻繁にモチーフとされた「フリークスの悲しみ」がそこにあるからなんですね。真っ当に生きようとしながらも果たすことが出来ず、ただひとつの希望を美しい女性との愛に見出そうとしながら、結局それさえも潰え去り、怒りと絶望から狂気の中に取り込まれ破滅へとひた走る主人公。おぞましい顔のピエロと彼が手を下す殺戮が描かれながらも、この物語の中心となるのは「愛の不在とその悲しみ」だったのです。

ところでこの映画は2011年に「ラテンビート映画祭」で限定的に国内上映されましたが一般公開はされておらず、日本語版ソフトも発売されていません(訂正:ついこの間『気狂いピエロの決闘』というタイトルで日本語版が出ていたようです。訂正しエントリ・タイトルも変えさせてもらいました)。自分も日本語字幕等のない輸入盤Blu-rayを購入し視聴しましたが、英語が苦手でもだいたいの内容は把握できました。そしてこの映画はDOYさんのブログ「THE KAWASAKI CHAINSAW MASSACRE」のエントリ「スペインの悲しき歴史と壮絶な三角関係 - 『The Last Circus』」で知り、いつか観たいなあと思いつつやっと観ることができた作品でした。DOYさんのエントリではこの映画の歴史的背景も触れられているので是非ご覧になってくださいね。

気狂いピエロの決闘 [DVD]

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The Last Circus (Blu-ray) (2011) / Amazon.com

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The Last Circus /

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サンタ・サングレ 聖なる血 [DVD]

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イット [DVD]

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キラークラウン [DVD]

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wataruwataru 2013/03/08 21:31 アレックス・デ・ラ・イグレシア監督の映画は好きなのでこの映画がよーやくレンタルになって嬉しいです。絵ヅラの狂いっぷりに目を奪われがちですが、中心にあるのものが意外にも鉄板の恋愛物語というのもあってか、なんか「ちゃんとした映画」という気がしましたね(笑)。「どつかれてアンダルシア(仮)」や「13/みんなのしあわせ」など濃い作品をもう一度観たくなりました。(できればブルーレイで再販してほしい.....)

globalheadglobalhead 2013/03/09 09:32 後で教えてもらったんですが、これ最近日本版出てたみたいなんですねー。随分前に書いてほっぽらかしていたエントリだったんでチェックしてませんでした。まあBlu-rayで観られたからいいやってことにしておくか…。
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督については全然知らなくて、この映画が初めてだったんですよ。他の作品もこの作品みたいに濃いいんですかねー。「どつかれてアンダルシア(仮)」はレンタルになかったしAmazonでもプレミア価格になってて観られそうにないんですが、他の作品は何作かレンタルにあったので今度観てみたいですね。

20111205(Mon)

[]『タンタンの冒険 / ユニコーン号の秘密』はスピの超絶アクションをピージャクがさらに濃縮したCGアニメだ! 『タンタンの冒険 / ユニコーン号の秘密』はスピの超絶アクションをピージャクがさらに濃縮したCGアニメだ! - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク 『タンタンの冒険 / ユニコーン号の秘密』はスピの超絶アクションをピージャクがさらに濃縮したCGアニメだ! - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

■タンタンの冒険 / ユニコーン号の秘密 (監督:スティーヴン・スピルバーグ 2011年アメリカ映画)

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  • スティーブン・スピルバーグ監督、ピーター・ジャクソン製作、という夢のようなタッグで作られたCGアニメ、『タンタンの冒険 / ユニコーン号の秘密』を観てきました。ちなみに3DIMAX版を観ましたよ。
  • それにしても、原作となっているタンタンって、その絵柄こそなんとなく観たことはあったんですが、どんなお話のものなのかは全く知らなかったんですよ。
  • そして映画を観てみるとこれがスピルバーグの『インディ・ジョーンズ』を思わせる大冒険活劇。可愛い絵柄のタンタンをスピルバーグが冒険劇として脚色したのかな、と思ったらそうではなくて、タンタンって、もともとこういった冒険劇の物語なのらしいんですね。
  • スピルバーグも30年前、『レイダース/失われた聖櫃(アーク)』公開時にパリに行った時、「"インディ"と"タンタン"はそっくり」という評論を読み、その時初めてタンタンを読み、「これは自分の手で映画化しなければ!」と思ったということなんですね。
  • それなもんですから、この『タンタンの冒険 / ユニコーン号の秘密』で、スピルバーグは水を得た魚のように素晴らしいアクションに次ぐアクションを展開しているんですね!本当に楽しかった!これは老若男女誰もが楽しめる最高峰のアクション・アニメだと言ってもいいでしょう。
  • それまで実写のアクションを撮ってきたスピルバーグにとって、CGアニメは初挑戦だったということですが、あたかも実写のような実にリアルな映像をCGで再現しながら、その動きは、実写では有り得ない、しかし現実離れし過ぎない、絶妙なバランスのアクションを見せているんですよ。これがそのまま実写だと嘘っぽくにしかならない動きを、アニメであることを逆手にとって、びっくりするような動きとして再現し、そしてそれがとても成功しているんですよね。アクション映画監督スピルバーグの面目躍如といったところでしょう。
  • ですからアクションは息つく暇も無いぐらい次から次へと連打され、一つのアクションがまた新たな次のアクションを生み、恐るべき高速さで物語が展開してゆくんです。
  • これはコンマ1秒で製作可能なCGアニメだからこそ可能だったことなのでしょう。アクション映画監督の天才といってもいいスピルバーグは、その持てる才能全てを、コンマ1秒単位でこの物語のアクションに注ぎ込んでいるんです。そうして出来上がったものが恐るべき作品であるのは言うまでもありません。
  • しかし、一緒に観に行った相方さんは、面白かったけど、なんだか疲れた、とも言ってるんですよね。これ、映像と動きが緻密に濃縮され過ぎるからだったんでしょうか。
  • この緻密に濃縮された映像、というとこれは実は製作のピーター・ジャクソンの影響のものであるだろうと感じました。
  • ピーター・ジャクソンは、『ロード・オブ・ザ・リング』などの名作を生み出している監督ですが、実はこの監督、映像にしても編集にしても結構クドイ演出の目立つ監督でもあるんですよね。初期の『バッド・テイスト』や『乙女の祈り』も相当濃厚な味わいの作品だったし、『LOTR』完成後に撮った『キングコング』にしたってその尺も主演のジャック・ブラックの顔つきまでも濃いいものでしたし、近作『ラブリー・ボーン』でも徹底的にやっちゃった死後の世界の映像には相当のこってり感が目立っていたと思うんですよ。まあもともとがエネルギッシュなキャラなんでどうしてもこうなっちゃうんでしょうね。
  • つまりこの映画、スピルバーグの超絶アクションをピーター・ジャクソンがさらに濃縮した、というとんでもない作品でもあると言うわけなんですね。そんな映像を一度に全部体験するのは確かに疲れるかもしれませんが、ソフトを買って2度3度と楽しむにはもってこいの作品とも言えるでしょうね。
  • それともう一つ、これだけの満腹感たっぷりな映画のはずなのに、物語的にはさらっと流れている感じがしたのは、これがタンタンという、少年の物語だったというのもあるんでしょうね。『レイダース』と比べて『タンタン』に無いものは、オカルトと大人の女性とのロマンス、エグい暴力と死体の山、そしてむさ苦しさなんですね。つまりね、スケベじゃないんですよ。胡散臭くないんです。クリーンなんです。ただこれは宮崎アニメにエロシーンを期待するようなもので、観客層や原作を考えるとどうしてもこうなっちゃうんでしょうね。どちらにしても映画としては大満足しましたし、大ヒットするといいな、と思います。

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ペーパーバック版 なぞのユニコーン号 (タンタンの冒険)

ペーパーバック版 なぞのユニコーン号 (タンタンの冒険)

タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 - 3DS

タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密 - 3DS

EbisEbis 2011/12/05 13:57  パンズ・ラビリンスにはピージャクさんかかわってないのでは……。

globalheadglobalhead 2011/12/05 13:59 あ、ほんとですね。こっそり直しておきます。

20100212(Fri)

[]「死後の世界は存在する!」あの世の丹波哲郎センセもご推薦!?映画『ラブリーボーン』 「死後の世界は存在する!」あの世の丹波哲郎センセもご推薦!?映画『ラブリーボーン』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク 「死後の世界は存在する!」あの世の丹波哲郎センセもご推薦!?映画『ラブリーボーン』 - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

■ラブリーボーン (監督:ピーター・ジャクソン 2009年ニュージーランド/アメリカ映画)

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■ピージャク映画の新作

言うまでも無く『ロード・オブ・ザ・リング』の監督としてその名を世に知らしめたピーター・ジャクソンの新作映画であります。ただ、この人、『LOTR』の成功はあったけれども、その容貌と同じくパワフル、悪く言えば暑苦しい演出を好む人なんだと思う。『LOTR』自体はその暑苦しさゆえの演出の濃さが、長大な原作を3部作という形に濃縮する、という方向に結実して効を奏し、大成功を収めたわけなんですが、『LOTR』後の監督作品『キングコング』は、主演のジャック・ブラックの顔から秘境の原住民からコングの体毛まで、なにからなにまで暑苦しく描かれていて、それが3時間もの長さで続き、見ている最中胸焼けのあまり「おーいだれか制酸剤持ってこーい!」と言いたくなりましたわ。

初期のホラー作品『バッド・テイスト』あたりも、ホラー描写云々以前に「いやーなんだか濃いいなあ」とその悪乗り具合に感心したものです(残念ながら『ブレイン・デッド』は未見)。さらにタイトルから文芸作を思わせる『乙女の祈り』にしたって、乙女の空想が妖しく美しく描かれる映画と思いきや、「妄想どっかーん!あひゃひゃひゃひゃ」とばかりに腐女子の原点みたいな女子二人が歯止めの利かない妄想の暴走をみせる、という、耽美というよりは珍味、といっていい映画でありました。だから逆にこの新作『ラブリーボーン』は、"感動の名作"の皮を被っておいて、どんだけピージャクの暑苦しさが発揮されているのか、妙な所が楽しみで観に行ったんですよね。

■『ラブリーボーン』と『乙女の祈り』

物語は14歳の少女スージー・サーモン(シアーシャ・ローナン)が暴漢に襲われ痛ましい死を迎えるところから始まります。スージーは霊となり現世と天国の境界の世界に留まり、悲しみに暮れる家族や自分を殺めた殺人犯の行方を見つめるのです。”境界”の幻想的な映像や、家族を亡くした家庭の崩壊と再生、そして犯人探しの緊張感溢れる描写が描かれてゆき、ラストは救済と癒しに満ちた大団円を迎えるんですな。クライマックスへとひた走る物語の盛り上がり方はさすがピーター・ジャクソンと思わせる怒涛の展開で、オレみたいに「死後の世界とか信じてねーし湿っぽい話とかキライなんだよな」なんてスカしたことを言いたがる人間でも納得できる出来になっています。

それにしてもピージャクはなんでこんな「死後の世界」を描きたかったんでしょうか。実はコレ、妄想が暴走する『乙女の祈り』の裏版じゃないのかとオレは思うんですな。思春期の二人の少女が二人だけの妄想の世界を構築し、それが狂気を孕みながらどんどんと増殖してゆき、終いには二人を認めようとしない大人を惨殺してしまうという、実話を元にしたこの『乙女の祈り』の見所となるのは、なんといっても百花繚乱と咲き乱れる美しくもまたグロテスクな少女二人の妄想の映像化です。自らもまた暑苦しい妄想に満ち満ちたピージャクは、「妄想の暴走」というその一点にシンパシーを覚え、この題材を作品として撮り上げたのではないでしょうか。

■妄想の暴走

翻ってこの『ラブリーボーン』では、現実の世界とは別に、スージーがさまよう"境界"の世界がもうひとつの舞台となります。天国に限りなく近いその場所の映像は、幻想的でひたすら眩く美しく描かれ、この映画のファンタジー風味を盛り上げています。"死後の世界"が実在するのかどうかを知る術はないし、”見た”という人がいたとしても、それが本当かどうかは分かりません。それは想像するしかないわけです。そこでピージャクです。ピージャクはこの映画の原作なり脚本なりに触れて、まずこの”死後の世界”を映像化してみせることに興味が湧いたんではないでしょうか。

ピージャクにとって、本当は、"死後の世界"の存在とか、家族を亡くした悲しみとか、闇を徘徊する凶悪な殺人者とか、割とどうでもよかったのではないか。それよりも、ただただファンタジックに花開く”死後の世界”を映像化してみたい。そう思ったとき、ピージャクはきっと「これはいける!」と感じたんじゃないのか。映画『ラブリーボーン』は、意外とそうやって製作されたんじゃないかと思うんですよ。ピージャクの作家性というのは、まさにこの「妄想の暴走」により発揮されるものだからです。そして暴走しているからこそピージャクの映画は、濃厚で暑苦しく、そしてエキサイティングなんです。

蛇足ですが、映画のサウンド・トラックをなんとあのブライアン・イーノが手掛けています。冒頭一発『ミュージック・フォー・エアポート』が流れたときは思わずニヤニヤしてしまいましたが、映画BGM向きのアンビエント・ミュージックのみならず、初期のポップな楽曲からもボーカル抜きで何曲かセレクトされています。だから実は「これ何の曲だっけ」と考えてばかりいて物語になかなかノレなかったりして…。エンド・クレジットの曲は知らないけど、あのギターはきっとロバート・フリップだと思うんだがなあ。ちなみに、サウンド・トラックは発売されていないようですね。

■ラブリーボーン 予告編

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Music for Airports

Music for Airports

azecchiazecchi 2010/02/13 14:06 僕も昨日観ました(家で、ですが)。
フモさんの言うとおり、濃い作品でしたね。
評価はし辛いですが、味があるというか、ありすぎるというか、記憶に残る作品であることは確かですね。僕は好きです。

globalheadglobalhead 2010/02/13 14:21 「死後の世界なんかないし」とか思って観ると白けるんですが、あの世のシーン全部が家族の「こんなふうに迷ってるんじゃないのだろうか、天国にいけないんだろうか」という妄想だと思って観る事も出来るんですね。本当に救われなければならないのは既に死んだ者ではなく残された者ですから。クライマックスの金庫の展開は圧巻でした。

20080104(Fri)

globalhead2008-01-04

[]AVP2 エイリアンズ VS. プレデター (監督:コリン・ストラウス / グレッグ・ストラウス 2007年アメリカ映画) AVP2 エイリアンズ VS. プレデター (監督:コリン・ストラウス / グレッグ・ストラウス 2007年アメリカ映画) - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ を含むブックマーク AVP2 エイリアンズ VS. プレデター (監督:コリン・ストラウス / グレッグ・ストラウス 2007年アメリカ映画) - メモリの藻屑、記憶領域のゴミ のブックマークコメント

異種格闘技戦とは異なったジャンルのもの同士が一つのリングに上り”本当に強いヤツは誰か”を見極める戦いである。これまで猪木対アリ、ゴジラキングコング、グレートマジンガー対ゲッターロボ、ジェイソン対フレディなど、そのジャンルの最も強いもの同士がしのぎを削る対戦カードが実現しているが、この『AVP2 エイリアンズ VS. プレデター』は全作におけるエイリアンとプレデターとの遺恨試合の決着を付けるべく市街地へと戦いの舞台を移して再戦されたものである。しかし異種格闘技戦、その戦いの趣旨は志高く思えるものの、オトナの事情というヤツなのか、実際には単に客寄せ興行としての企画もん臭さがあるのも否めない。

それはどの戦いも申し合わせたかのように痛み分けの決着を取ろうとするからである。大体グレートマジンガーとゲッターロボは共闘するも対決などはしておらず、「どっちが勝つんだ!?」と勇んで劇場に足を運んだガキのオレは騙された様な気分になって帰ったものである。しかしそもそもが世界観の違う人気キャラを両方いっぺんに見られるというお得感のみで成り立っている訳だし、それ以上求めるのは欲張りと言うものなのかもしれない。だからこの『AVP2』にしても、前作が別にどうといった面白さの無い凡作だったのにも拘らず、こうして続編ができるとやっぱり観に行くし、3作目が出来たらやっぱり観に行くのだろう。

で、この『AVP2』なんだが、うーん、前作が南極大陸という特殊な場所における異様なシチュエーションということで、エイリアンとプレデターというお馴染みのキャラに新鮮な要素を付加していたんだが、この『2』では舞台がアメリカのその辺にあるような田舎町であり、主要登場人物が嘴の黄色いティーンで、そこにモンスターが現れるとなっちゃあ、これはもう自ら望んで60年代70年代に粗製濫造された薄っぺらいB級SF映画を模倣しようしたのかとさえ思えてしまう。物語冒頭でガキ同士のイジメだか小競り合いだかが描かれた時はどうにも悪い予感がよぎった位だ。以下ネタバレあり。

なにしろ登場人物に魅力が無い。「どうせ端っこからブチ殺されていくんだろうなー」と思っていると実際その通りになってしまう。だから前半の街が次第にエイリアンとプレデターによる殺戮の戦場と化してゆく場面はたいした盛り上がりも無いまま進んでゆく。結局、ブチ殺されてゆく市民たちというのが丸腰なわけだから、なすがままになぶられていくのを観ているだけになってしまうからである。しかし、州兵が登場し、登場人物達が銃を手にして反撃し始める中盤からなんとか観られるものになってくる。そう。アメリカ映画の基本は見境無しの銃撃戦なんだよ!

そして州兵達でさえ全滅し、登場人物たちが自らの手で生き残りを賭け始めるところからやっと映画らしい見せ場が出来てくる。この中盤からエイリアンがゴキブリのように大量に押し寄せるようになり、倒しても倒しても現れるエイリアンとの戦いの恐怖感がじんわり効いて来る。しかも今作では女子供どころか妊婦まで情け容赦なくチェストバスターに腹を食い破られ、妙な部分で鬼畜ぶりを発揮している。そしていよいよ政府が重い腰を上げるが、「生き残った人たちは町の中心部に集まってください」というどう考えても怪しげな通達でもって、主人公達の意見が二分するあたりで、賢明な観客であれば、「ははーん熱核照射で全部やっちゃうのね」と分かってしまう。

だいたいこの何の変哲も無い田舎町に、何故か原子力発電所がある時点でお話の行方は見え見えなのである。つまり広島長崎をその端緒とするところのバタリアン方式と言うかバイオハザード方式というか、「取り合えずウジャウジャと沸いてるもんがあったら熱核兵器で全部イテまえ」というアメちゃんらしい豪快かつ大味な結末の付け方が待っているだけであり、「ああまたなのね」とこの辺で鼻白んでしまう。モンスター両雄の対決は夜と土砂降りの雨とで何がどうなっているのか皆目分からず、キメラである”プレデリアン”なる新種も何がどう強いのか最後まで分からなかった。最後にエイリアン1作目で非道な企業として名前が出てきたユタニ社の現代における胚芽が垣間見せられるが、これもなんだかターミネーターにおけるサイバーダイン社じみた描かれ方で、何か既視感ありまくりだった。

■Alien vs Predator - Requiem trailer

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EbisEbis 2008/01/04 14:27  中部版ぴあにはこないだのは何故か載ってなくて(と思う)しょんぼりしたんすけど、今回は載ってましたよ! やったー。

globalheadglobalhead 2008/01/04 16:05 EbisさんAOKY!遂に発見してしまいましたか!あの性格の悪いオカマみたいな顔したオッサンがオレであります!そんなの宣伝してどうするオレ!いや今年はもうなんでもアリですよ!玄関先に貼っておくと泥棒避け悪霊退散の効果がありますが、逆に不毛不毛羅が出没して部屋中ピザ臭くなるから善し悪しです!

EbisEbis 2008/01/04 21:29  いや、これべつにお世辞じゃなく、すごい芯が強そうな御尊顔でしたよ。その芯が回線を通して各御家庭のPCの前に滲み出てくるのが不毛不毛羅ですよ。フモフモラもエンラエンラ同様、澄んだ心の持ち主にしか姿が目に見えません(Wikipediaより)けど!

globalheadglobalhead 2008/01/05 08:08 わはは。芯が強く見えるんですかね。きっと好き勝手なことばっかりしてる上にバカなことを迷わずやるからそう見えるのかも。不毛不毛羅はネットを通してウィルスのようにあなたの脳を侵蝕する!しかしその向こうにはおバカの桃源郷が…。と言う訳で夢の様な新たな世界を垣間見せるオレの日記をこれからもよろしく!