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日本企業の国際化が“素材や部材を含めた産業集積レベルでの国外シフト”の段階に入
“欧州危機に火をつけた役人天国のギリシャ”みたいなことにならぬよう、“役人天国の
耐久生産財を代表する工作機械でも、自動車などの耐久消費財の国外生産拡大に引き続
故松下幸之助翁の真骨頂は「政治とは国家の経営。国を破産に追い込むような政治を何
エネルギー問題は、生産財営業の視点からは創エネ、省エネ、蓄エネという三つのセグ
8月15日は、日本敗戦の日であり、同時にドルの金兌換停止で円が360円の固定相
2012-05-06 185.1/2_Aspects:日本というシステム
■[産業集積と競争力] 企業の国際化は更に加速し、生産財営業も輸出よりも直接投資で稼ぐ時代に入っていきそうです。“企業と国民の発展を阻害”している“明治そのままの日本の統治機構と既得権益”はリセットが必要なようです。
筆者/青草新吾は、半年ぶりに曼谷(バンコク)を訪問し、子供の日の5月5日に帰国しました。日本は連休ですが、現地は稼動しているので、どうしてもこの時期には国外にでるスケジュールが入りやすくなります。昨年の東北大震災と、泰国の洪水で、多くの日本企業が背中を押されるように「輸出縮小・現地生産拡大」を更に加速しています。筆者/青草新吾が司る事業組織もこの間にインドネシアと上海の両方での事業拠点設立へと動きました。取引先をみるとインドネシアは泰国からの再投資、上海と長江デルタでは「需要の高級化」に対応した拠点増強という側面が強いと感じます。
今の日本では“企業が果たす役割”がとても多く、その企業は国際化の潮流を航海しています。ドイツ経済の強さは「“地方の中堅中小企業”の“国際化の厚み”」です。「あっぱれ技術大国ドイツ」[ ISBN:9784101322339 ]でそのことを思い起こしました。米国経済の強さは「産業の分厚さ」と「地方の分厚さ」です。日本総合研究所の廣瀬茂夫氏によると「フォーチュン500の売上高5百億ドル以上で、米国は金融保険、小売り、産業機械、日用雑貨、食品、化学といった幅広い産業が出てくる。一方で、日本は自動車、電力、郵便、商社の4分野に偏りがある。米国45社の本社所在地は39都市に散らばり、ニューヨークは6社に過ぎない。一方、日本はといえば“20社中15社が東京”で偏りが大きい。」ということです。
日本のGDPは過去20年間、5百兆円前後で横ばいか微減です。他の先進諸国と同様に、年2-3%の成長が実現できていたと仮定すれば、今は約9百兆円ぐらいになっていたはずです。ソ連共産党が打ち立てたソ連崩壊以降、グローバル化とフラット化が進展し、“規格型大量生産競争”の場が新興国にシフトし、先進国の付加価値の源泉は“多様化と差異化の競争”にパラダイムシフトしました。・・・今の“明治以来そのままの日本というシステム”は環境の激変に不適合のままです。“画一的で均質的なシステム”は“キャッチアップの時代”にはとても威力を発揮しましたが、同時に多くの既得権益を生みました。代表的なのは規制に守られた公務員や大企業の労働組合、福祉法人などです。東京への一極集中は公務員制度とテレビや新聞の大メディアに多くの癒着と既得権益をもたらしました。競争原理が働かないところでは歪みと腐敗が進行します。
“日本というシステム”の競争力を復活するという点からは、大阪市長の橋本徹氏の「大阪は上海や星国(シンガポール)との都市間競争で伍していけるようになりたい。そのためには明治以降の統治機構の維新が必要だ。」との主張は極めて正しいと感じます。VOICE.2012.5月号で、大前研一氏は「現在の都道府県の枠組みをリセットして、十くらいの組織に括り直し、好き好きに競争させて自活の道を探してもらう。世界から繁栄のための資金と人材を“集めてくる自由”を地方に与える。例えば日本の建築基準法は一律でかつ、コンピュータでは判断できない“担当役人による裁量部分”が多い。星国(シンガポール)では、コンピュータにCADでつくった図面を入れれば、適法かどうかは瞬時にわかる。土地利用では、港湾地区は国土交通省、工業地帯は経産省などとタテ割りだから、日本では水際の一等地に住宅地ができない。“土地の使い方は地方に委ね”た方が“日本の活性化”につながっていく。・・・橋本氏の考えで問題なのは、原発対応だ。再稼動できるものは再稼動させないと、おそらく今年の夏は乗り切れない。仮に計画停電で乗り切れたとしてもそのような地域は衰退するし、外から新しく企業が来ることもない。もう一つ、所属議員たちの能力には疑問があり、“橋本の足下”が崩れないことを祈っている。」と述べておられましたが、筆者/青草信吾もほぼ同感です。
ザインエレクトロニクスの社長/飯塚哲哉氏は半導体産業新聞2012.3.14付けで「日本の未来を担う若者への就業機会も作らないまま、年金給付開始年齢の引き上げを検討するなど、アンチビジネスの風潮が強くなっている。日本は、高い法人税率、厳しい労働規制、貿易協定の遅れ、過大な温室効果ガス削減、電力不足、円高といった六重苦を解決できない状況。このままビジネス環境が改善されずに放置されない場合、BCP(事業継続計画)の選択肢として国外へのシフトが加速していくだろう。」と述べておられましたが同感です。但し、184[2011.12.30]で前述しましたように、ベルリンの壁とソ連共産主義体制崩壊の後に起こった企業間競争の猛烈なグローバル化とパラダイムシフトからは、日本企業の国際化は一層進めていくべきです。理想的なのは、消費財のユニクロのように、東レのハイテク素材を使った生産をすべて国外で行う“輸入販売”でありながらも、国外に出す付加価値は2割で、国内に残す付加価値が8割にも及ぶというモデルでしょう。
現代社会では「企業」が社会を構成する主要な単位になっていますから、元気な社会にするためには無数の元気な企業が必要です。高い生産性と革新性に溢れた元気な企業は付加価値を生み出すことで国民を豊かにします。高い生産性と革新性は企業に集まっていますから、フェアな競走で稼ぎ出す企業が報われる「フェアな競争社会」が必要です。明治以降の中央集権と戦後の一極集中で生まれたきた既得権益を打ち壊す統治機構改革としては、道州制がその入り口にある課題と考えています。今、世界を見渡すと、元気な国や都市は“地方と地方企業に厚みがある国”ばかりです。チャイナ(支那)も、日本よりは米国に近い地方分権国家です。上海や大連の市長たちは発展を競っています。明治以降の統治機構が邪魔をして、世界の変化についていけない日本では、統治機構改革が極めて重要です。この点で、大阪市長の橋本徹氏の公務員改革・行政改革には大いに期待していますし、大阪を上海や星国(シンガポール)と同格の“世界中からヒト・モノ・カネが集まる”都市にして変えていって欲しいと期待します。
2011-12-30 184-2/2.Industry:対外投資と対内投資
■[産業集積と競争力][マテリアル系生産財][マクロ統計データ] 日本企業の国際化が“素材や部材を含めた産業集積レベルでの国外シフト”の段階に入ったことで、国富の源泉が輸出から“対外直接投資からの受取額”にシフトしつつあります。
日本も米国のように「貿易収支の赤字を、対外資産からの配当や金利で埋め合わせる」経済構造に移行しつつあるような気がします。2010年度ITI統計でみると、日本企業の対外直接投資残高は83.1百億ドル。直接投資からの収益受取額は3.82百億ドルで下術の通り9位のベルギーを抜いて世界7位の蘭に追いつきつつあります。・・・・多くの日本人と日本企業が国外に出て仕事をし、稼ぎの一部を日本に持ち帰るような経済構造に進化しつつあるのですが、日本から出ていくだけでなく、他の国からもっと多くの外国人が来日してくれるような国や都市にしていきたいものです。大阪市長選挙で圧勝した橋本徹市長は「世界から人が集まる大阪にする」と宣言しましたが、大阪府の財政を黒字化した手腕とその発想力並びに実行力は大いに期待できます。11月と12月に興隆著しい上海とシンガポール(星国)を訪問し、衰退し続けてきた大阪市と比較すればするほど、橋本徹氏への賛同の意が強くなりました。
世界経済への日本国の貢献度合いは、GCP(グローバル総生産、Gross Global Production )の考え方が参考になります。GCPが成長することで“領土内の付加価値生産額を示すGDP”よりも“国境を超えた個人と企業の豊かさ”を示すGNI(“雇用所得と財産所得の内外収支”を反映、かってのGNPと同じ)が大きくなり、GNIとGDPの乖離が拡大していく一方です。・・・日経新聞2010.7.31付では「金融と新興市場を除く上場660社の10年3月期は、営業利益の内外比率で、海外が国内を上回る内外逆転企業が245社と5年間で4倍に増えた。資産の内外比率で国外比率50%超が45社、コマツやパイオニアでは国外資産が国内資産に迫りつつある。」と報道していました。
日本からの輸出主要品目は、加工組立型製品の家電が1980年代、自動車が1990年代に生産の海外シフトして以降、2000年代には、製造設備やデバイス・部品などの中間財が主な品目となり、最近では、部材(マテリアル系生産財)と素材(マテリアル生産財)が最後に残る輸出品目といわれてきました。今は、その部材や素材の分野で国外生産が活発化してきています。・・・・“国内から国外へ”という動きに加えて、“中国からベトナムへ”というような海外間の流れについて、鉄鋼新聞2011.12.29付は古河電工に関し「古河電工は、エアコン向けを主力とする銅管生産の国内縮小を完了した。大阪・尼崎の生産キャパを月間1.8千トンから約半分の月間1千トンに、人員も配置転換などで3分の2まで縮小した。・・・ハーネス生産については、中国沿海部の賃金上昇を受けて、恵州古河汽配有限公司の生産の95%、月間十数億円分を占める日本向けは、ベトナム(越国)に順次移管していくことを決めた。ハーネス事業の全体で、14年度で年間2千億円、世界シェア5%を目指している。」と報道していました。
昨今の特長は、人件費の安さよりも頭脳やインフラを求めて、“韓国やシンガポール(星国)への高度な技術を伴う拠点シフト”も目立ち始めていることです。特に半導体の最先端分野や有機EL(OLED)の部材や素材の分野で顕著です。韓国は、法人税が日本の6割、電気代が3-4割、とインフラコストが安く、しかも日本の隣国だけに、日本の産業集積がそのまま活用できる点でとても有利です。半導体産業新聞2011.12.14付で「主要部材メーカーの国外進出が加速度的に進んでいる。・・・・半導体業界では、HOYAは世界シェア8割を持つマスクブランクスを山梨県の長坂事業所だけでしか製造してこなかったが、ついに星国に進出した。最先端の22nmプロセスにも対応する。」と、またOLED(有機EL)では部材メーカーの韓国へのシフトが目立ちますが「・・・・OLEDは、SMD(サムスンモバイルディスプレー)が世界に先駆けて量産を開始。次世代の量産計画も明確だ。現行の5.5世代(LGD4.5世代)を12年から13年にかけていずれも8.5世代にジャンプアップし、大幅な低コスト化と大型パネルの量産にチャレンジするという大きな目標がある。SMDの本気度を感じとった国内の部材メーカーや装置メーカーは今年に入って相次いで韓国進出を決めた。それもベース基材のポリイミドワニス(宇部興産)まで現地化されようとしている。戦略部門の研究開発拠点を構築するところまで事態が進んでいる。有機EL発光材料メーカーの保土谷化学工業をはじめ、JSRも今年に入って相次いで研究所を設けた。装置メーカーのアルパックも“超材料研究所”と名づけた研究所を韓国平澤市に設置した。前工程のLTPS製造装置や、蒸着・封止工程の主要プロセスを持つ同社が立地した意味は大きい。日系のみならず、独メルクも同市に研究拠点を開設。世界のOLEDの頭脳を呼び込んでいる。画期的な技術を韓国企業が先んじて実用化しつつあることも注目に値する。サムスン電子は、日本の科学技術進行機構(JST)から“透明アモルファス酸化物半導体(TAOS)”の特許ライセンシー契約を受け、着々と次世代TFTや有機ELへの応用展開を進めている。・・・イビデンも、従来は国内でしか製造してこなかった半導体やPV製造装置で使われる特殊炭素製品で“部材からの韓国進出”を決めた。富士フィルムもスラリーやフォトレジストなどの部材の量産を開始する。・・・重要部材の生産を国外に出すという主要部材メーカーの苦渋の決断だが、生き残るためには必要な措置である。国内セットハウスが魅力的なセットを打ち出すことがなくなり、このままでは、関連するデバイスや装置・部材産業が衰退化していくのだから。2000年のITバブル崩壊以降、この流れが顕著で、日本電機業界の負のスパイラルとなって重くのしかかってきている。研究開発で先行しておきながらも、いざ商業化段階の本格量産で出遅れるという“日本勢の負けパターン”を断ち切る必要がある。 」と俯瞰情報をまとめてくれていました。電機業界は国外のEMS企業に委託する例が急増し、自動車業界も新興国市場の拡大に対応しての国外生産拡大が続きます。三洋電機を完全子会社化したパナソニックは、太陽電池事業について、技術流出の懸念から国内生産にこだわってきたコア技術のセル製造について「技術のブラックボックス化のめどがつき、生産設備も内製化できること」並びに「マレーシア(馬国)は、水、電気料金、ガスといったインフラが完備し、税制優遇といった政府の支援も手厚い」ことから、馬国への進出を決定しています。パナソニック アジアパシフィックの100%出資で、4.5百億円を投資し、生産能力300MWの、ウエハー加工からセル・モジュールまでの一貫工場を建設すると発表しています。
他方で日本国内での投資にも注目しておく必要があります。半導体産業新聞2011.12.21付でまず半導体業界で外資が日本国内で投資する動きについて「日本でしか製造できない製品はまだまだあるはず。2011年は、海外メーカーによる日本の企業・工場買収も目立つ年となった。10年にテキサス・インスツルメンツがSpansionの会津工場を買収し、オンセミコンダクタが三洋半導体を買収した。この動きが11年にも続き、タワージャズセミコンダクタによるマイクロンテクノロジー西脇工場買収、台湾シノアメリカンによるコバレントマテリアルのウエハー部門買収も行われた。“日本のものづくり技術”を海外企業がいまだ高く評価しているという側面もある。このことを日本はもっと誇りに思うべきだ。 」と、また京都のメテック北村の社長/北村隆幸氏は同紙で「安定した品質で提供できる銀めっき技術を確立し、これが80%以上の高い可視光反射率を持つために、LEDリフレクターとして採用が急増している。LED産業集積を進める徳島県の誘致で、徳島県阿波市で新工場建設に踏み切り、この秋に立ち上がった。工場排水は完全クローズドシステムを採用し、場外に排出しない。国内外におけるコスト競争力をつけていく。・・・国外では、馬国(まれーしあ)と泰国に拠点工場を持っており、徳島の新工場で培った省人化プロセスを段階的に海外工場に移植していく。国内350人、国外550人で、今や国外の方が従業員も多い。最近の年商は1百億円前後で横ばい。今後の成長については、新技術開発につきる。先ほどの銀めっき工程を使って、ガラスへの乾式めっきを“湿式めっき”に変えるとコストが安く、液晶よりも割安なECDディスプレーができる。自動車、高速鉄道、航空機、住宅やオフィスなどの窓ガラスで大きな需要が出てくるとみている。2次電池向け“粉体めっき”も開発中。無機材料に無電解めっきする手法で取り組んでいる。・・・国内における不毛な消耗戦は避けて、グローバリーゼーションで勝負していくことが重要。 」と述べておられました。
GDPよりも一国の世界経済への貢献の実態をつかみ易いGCP(グローバル総生産、Gross Global Production )を見ていく上で参考になるのが、上述した対外投資と対外投資からの受取額です。以下で米国など他国と比較してみます。日本はGDPで世界3位の大国ですが、対外投資ではそこまでの大国になれていません。世界の中で、日本企業の対外直接投資はまだまだ少ないほうで、例えば、対外投資残高で世界1位の米国の対外直接投資残高4.843兆ドルは日本の5.8倍、直接投資からの収益(受取額)も43.2百億ドルで日本の11.3倍もあります。以下、直接投資からの収益(受取額)を国別にみると、2位が英国12.6百億ドル、3位の香港8.7百億ドル、4位の独8.65百億ドル、5位の仏7.32百億ドル、6位のスイス6.91百億ドル、7位の蘭4.98百億ドル、に8位で日本3.82百億ドルが続きます。日本の後ろには9位のルクセンブルク3.78百億ドル、10位に加3.67百億ドルが続いています。米国経済の強さは、規模もさることながら投資が出て行くだけでなく“他国からの対内投資”が209.9兆ドルもあり、対外直接投資の7割ぐらいの規模で対内投資を呼びこんでいます。つまり双方向で投資が動いています。一方の日本は対外直接投資45.0兆ドルに対して、国外からの対内投資は10.8兆ドルと、対外投資の2-3割規模で、投資の流れに大きな偏りがあります。政府・行政には「日本にもっと投資と人材を呼び込む」努力が求められます。
2011年度は、3月の東日本大震災と津波で寸断されたサプライチェーンがようやく復活し、生産を取り戻そうとした矢先に泰国での洪水が起こり、年末にかけては欧州危機が深刻化するという、多くの日本企業にとってはまさに試練の年であったとともに、多くの企業がアジア展開への一層の傾注を決意した年でもあったと思います。
2012年度は、多くの日本企業がアジアを中心として世界経済への貢献度を更に一層高めることを通して収益を拡大し、一方で日本国が行政の財務省以下、自治労や官公労などの組合を含めた役人の既得権益拡大で食いつぶされて破綻に追い込まれることがなきよう、どうしようもなく不具合な政治プロセスがまともに機能できるように、“公務員改革”と行政改革が始まる年になりますように。
2011-10-26 184-1/2.Aspects:公務員天国でギリシャと大阪
■[ものづくり支援プロセス]“欧州危機に火をつけた役人天国のギリシャ”みたいなことにならぬよう、“役人天国の大阪市や財務省”には改心をして公務員改革と歳出削減に取り組んで欲しいものです。
2011年11月27日に大阪で行われる大阪府知事と大阪市長の同日ダブル選挙が、日本を行政破綻と財政破綻の瀬戸際から立て直すきっかけの一つになってくれるものと期待します。大阪府の財政赤字を黒字に立て直した橋本知事と、自民党から割ってでた自民党改革派が合流して立ち上げた“維新の会”が橋本知事を大阪市長候補にぶつけ、対戦相手の現職の平松市長が自治労と民主党並びに自民党守旧派に推されて戦います。平松市長は、“大阪を守る”といいますが、改革案は何も示していませんから、要は自治労などを代表しての現状維持、露骨に言えば“ぬくぬくとした大阪市役所に巣食って利権を守る”ということに他ならないような気がします。1965年(昭和40年頃)までの“かっての日本の公務員”は、世界から羨ましがられるほど汚職も少なく使命感に燃えた方々が多い集団だったように思います。給与水準は民間よりも低いものの、郷土や国を想う方々が多かったように思います。・・・183-2/2[2011.9.30]で前述した世界フォーラムでは日本の公的部門の仕事の成果は世界最低レベル。旧社会保険庁のように国民のお金をネコババする泥棒職員も多く巣食っています。今の公務員は、民間の足を引っ張る存在に成り下がっていながらも、給与水準だけは世界最高です。かっての公務員と“今の公務員”の“違いのキーワード”は、先祖が伝統を培ってきた国や郷土への思い入れだったような気がします・・・・。ラトビア(LATVIA)の公務員改革は立派です。テレビ東京が、確かモーニングサテライトあたりで放送して公務員改革の実例を知らせてくれました。2009年に就任した40歳のドムフロスキスなる首相がインタビューで行う説明は祖国への想いを感ずる立派なものでした。事実、ラトビアでは公務員の方々も祖国のために痛みを分かち合い、大幅な歳出削減を実行し、公務員を4分の3にまで削減し、政府や市役所の関連組織を半減し、さらの“給与25%カット”も実現したそうです。ロシアやソ連に蹂躙されてきた歴史と、必死の思いでソ連から独立を勝ち取った自立の歴史、先祖から連なる祖国への想いがそうさせているのではないでしょうか。
先祖が営みを続けてきた郷土や祖国への思いについては、先ずは“事実に基づく判断”が重要です。アジアは何も支那中国と韓国だけではありません。日本の大手メディアの多くが、中国共産党のプロパガンダや日本の左翼にたきつけられた韓国の反日運動と反日史観ばかりに偏って報道することが多いのですが、反日教育を行っている支那中国と韓国の両国を除くアジア諸国から日本を見ると、世界の中の日本と反日史観に歪められていない“あるがままの日本の歴史”がよく見えてきます。筆者/青草新吾は、今月はベトナム(越国)のハノイ(河内)と、タイ(泰国)のバンコク(曼谷)を訪問しました。・・・・まず泰国ですが、欧州人の日本を代表するイメージの一つが「日本とは一度も植民地にならなかった東洋の国」[デュラン・れい子 ISBN:9784062724487 ]ですが、泰国も植民地とならず独立を維持していました。アジア諸国の中で、西欧列強諸国の植民地支配を避けることができたのは、日本と泰国の二国だけのようです。泰国は、当時の地政学上の幸運と“ラーマ5世”という名君に恵まれ独立を維持できました。名古屋の日泰寺には、明治33年(1900年)にラーマ5世が日本国民に贈ってくれた仏舎利が安置されているそうです。・・・・次に越国ですが、日本と越国に共通するのは、140[2008.8.30]で前述しました世界人口の半分を支配した史上最大の帝国のモンゴル帝国からの来襲を撃退できたのは日本と越国の二国だけだったという事実です。清仏戦争の結果、越国は仏国の支配下に入ることになったため、越国の指導者だったファン・ボイ・チャウが、日本を訪問し犬養毅に会ったときに、犬養毅から「自分の国は自分で守るものだ。そのための協力は惜しまない。しかし、自分は何もしないで、他人に血を流してもらおうというのでは料簡が違う」といわれ、とても恥じ入り、帰国後に“東遊運動”で多くの若者を日本に送り出して学ばせたそうで、そのうちの一人がボーグエンザップ将軍だったそうです。ボーグエンザップ将軍は日本に留学して独立の気運を高めたお方だそうです。ボーグエンザップ将軍は、ディエンビエンフーの戦いで仏国を追い出し、隣国のカンボジアでは、支那の中国共産党の後押しで政権を奪取し残虐な虐殺と暴政を行ったポルポト政権を倒し、支那中国の人民解放軍を国境から撃退しました。・・・・列強の過酷な植民地支配からの民族独立を目指すアジア各国の国士諸兄においては、西欧列強の植民地とならず、日露戦争に勝利した日本は、アジアの先行モデルとして希望を与えてくれる存在だったことは間違いないようです。そのアジアの希望の星だった日本が、183で前述しましたように日露戦争に勝利した1905年ごろをピークに国家破滅への道へとずるずると落ち込んでいきました。合理的な判断よりも“場の雰囲気に流され易い国民性”もあって、ソ連のコミンテルンが仕組んだ“日米開戦に向けてのアリ地獄”に自らずるずると落ちていき、敗戦で国家破滅へと至りました。戦前の日本では、選挙も政党政治も行われていました。しかし“大局を欠いた政党政治”の“瑣末な事での足の引っ張り合い”で国政の混乱が深まり、183-1/2[2011.9.18]で前述したような明治憲法に仕組まれた内向きのコントロールタワーなき政府組織の中では、軍部が台頭することとなり、軍官僚が主導権を握ることとなったものです。今の財務省官僚と戦前の軍官僚、戦前の二大政党(憲政会と政友会)と今の二大政党(民主党や自民党)とが重なってみえます。自民党と民主党を解体し、ガラガラポンと政界再編でもしてくれないと日本は衰退するばかりになりそうな気がします。
長期的に世界経済の重心が東アジアに移ってきていることは実感として強く感じます。ギリシャ問題で火がついた欧州危機とは、実は“欧州の終りの始まり”なのかもしれません。世界経済のパラダイムシフトが進み、短中期では、下術のように欧州危機に連鎖してのアジア危機勃発の可能性がでてきたこの時期に、財務大臣の安住淳なる御仁は、財務省の省益のために、“消費税増税を進める国際公約”をしてしまいました。歳出削減をせずに増税のみ行うのが財務省の省益となります。・・・しかし、増税には順番があります。国民の多くは、民主党が公約した“歳出削減”と“公務員改革”を経た上での増税であれば納得すると思います。消費税増税に先立って進めようとしている震災復興の増税について、作家の三橋貴明氏はWill-2011.11号で「大規模自然災害の復興資金の原資を、増税で賄った国など存在しない。増税どころか、普通の国は減税を実施する。財務省と(新聞の)軽減税率という手打ちをした新聞社も、野田政権の増税路線を猛烈に後押ししている。(財務省と野田政権は)国民の震災復興応援の崇高な心を、自らの邪(よこしま)な意図を実現するために利用しようとしている」と指弾していますが、同感です。自然災害の復興は、一時的な出費ですから基幹税で賄うのは可笑しい。復興債を発行すべきです。喜んで買う国民も少なからずいるはずです。自然災害への復興コストを今の世代だけで負う必要はありません。自然災害の復興は次世代も受益者となるので、次世代も負担すべきです。むしろ次世代に負担を先送りしてならぬのは社会保障です。今の世代が使いきってしまうもの、例えば、社会保障、社会保険庁の窃盗に代表される行政犯罪、官僚が退官後に高額な退職金目的の渡りを仕組むためのハコ作りの無駄遣い、これらの“次世代への先送り、換言すれば未来からの借金”を止めるべきです。公務員改革が必要だからと、日本国民の多くが選挙で民主党に投票しました。その民主党が、公約だった公務員改革と歳出削減を実現する努力もせずに、いきなり増税を言い出す、しかもその増税たるや、日本人の思いやりにつけ込んだ“震災に名を借りた財務省利権の拡大”に他ならず、世界の常識からかけ離れた「自然災害からの復興資金を(復興債でなく)増税で賄うという非常識な愚挙」なのですから、いかんともしがたい。もし財務省が“新聞社だけは例外措置で税金を軽減してあげる”などの甘言で新聞各社を買収し、買収された新聞社が“増税やむなし”のキャンペーンをしているとしたら言語道断です。・・・・財務省と癒着した大手新聞各社は、財務省のプロパガンダにのって“政府債務とはあたかも日本国民が負うべき債務”のようなことを書き連ねます。これはまやかしです。政府債務とは“日本政府が日本国民から借りた借金”であって、日本国民の借金ではありません。政府は、国民の預貯金を預かる銀行や生命保険会社に国債を売って資金調達しているのであって、借り手は政府、貸し手は銀行や生命保険を介した国民です。・・・・・・企業が赤字になれば、まずは自らの身を切り、歳出削減を進めた上で収入を増やそうとします。家計だって同じです。まずはムダドリと節約から入ります。しかるに財務省には“歳出削減”や“歳出削減のための行政改革”に向けて努力をする気など毛頭なさそうです。歳出削減は省益を損ねるからです。そもそもデフレ円高を放置したままで、デフレ下の増税を行うなど無茶です。今の円高はデフレによる円高ですから“悪い円高”です。円高には利点もありますが、今のような実態からかけ離れた円高では国民の富を失う損失の方が大きいので悪い円高です。例えば、国外での対外純資産は増え続けていますが、ドルなどの外貨収益は円高で減ります。田村秀男氏は産経新聞2011年10月23日付で「投資収支黒字は、2007年の16.3兆円が、昨年2010年は11.7兆円にまで細った。日本国民の海外資産は円換算で1百兆円単位で減った」と説明していました。今の日本の実情からは、円高で豊かになるよりも“円高とともに貧しくなっていく”のが実態と思われます。
今の欧州危機が厄介なのは、“欧州の銀行”では“資金の出所”が、欧州の人々の預貯金ではなくて“金融市場からの資金調達”に大きく依存してしまっていることです。銀行によっては負債の7割が市場からの資金調達といいますから、市場からの資金調達が滞ってしまえば破綻してしまいます。破綻を避けるために必死で資産圧縮を進めています。中前国際経済研究所代表の中前忠氏によると「欧州の銀行は先進国向け投融資を1.8兆ドル減らしたが、逆に途上国向けは61百億ドル増やした。日本を除く主要アジア10カ国向け投融資残高でみても、欧州の銀行が1.4兆ドルと米国の45百億ドルと日本の31百億ドルに比べて圧倒的に大きい」そうです。欧州のユーロ導入は、財政収支の健全性維持が義務付けされる一方で、各国が危機時の通貨供給量、独自の判断で市場に流動性を供給する機能を放棄したことで、各国は財政出動もできないし、自国通貨で自国政府に資金繰りをつけられません。ギリシャは政府債務を偽ってユーロに加入し、破綻を前にしても公務員が公務員ストで既得権益を維持しようとする公務員天国のようですから“秩序ある破綻処理”が必要なのかもしれません。秩序ある破綻ということでは、人災で原発問題を複雑にしてしまった東京電力も同様に秩序ある破綻が求められているのかもしれません。・・・上述通り、欧米の銀行がものすごい勢いで新興国から資金を引き上げているようです。支那中国もアセアンも“高成長を支えてきた欧米からの資金流入”が逆転して“資金流出”が増えていくと、“欧州の危機がそのままアジアの危機へと連鎖”することになります。このような世界経済の逆回転に対し、今回の20カ国蔵相会議での安住淳なる大臣の「消費税増税の公約」は、日本国民のためではなく、財務省の省益のためとしか思えません。また復興税などと称する“復興に名を借りた増税”は日本国民をさらに貧しくします。太るのは財務省と役人と、財務省の予算に連なる既得権を持ち経営努力を怠ってきた既得権益集団です。代表的なのは、179-2/2[2010.12]で前述しましたが“補助金目当てでTPP反対を騒ぐ農協”や兼業農家と連なる政治家です。今の日本には“税金へのたかり”が多すぎます。
今回の欧州危機の発火点となっているギリシャでは、公務員が3−4割を占め、しかも給与水準が民間よりも高く、公務員ポストそのものが利権化しているそうです。赤字国なのに、まるで他人事のように“赤字を作ったのは政治家だ”と言って利権維持のデモをしますが、稼ぐことを考えずに予算配分とバラマキばかりを考える公務員天国の思考回路丸出しです。・・・・欧州危機の発火点となったギリシャのような公務員天国になってしまっているのが、不祥事が多い奈良市や大阪市です。週刊ダイヤモンド2011.10.15で「2004年に職員厚遇問題が浮上した大阪市では、公費で職員に家電製品などを配り、OBにも一人当たり約3.8百万円ものヤミ退職金やヤミ年金を支給していた」と当時をレビユーしていました。市長や議会が自治労と懇(ねんご)ろにお手盛りをする典型事例でした。その大阪市では、無駄遣いの借金を増やしておきながら、当の大阪市の自治労や公務員の多くは他人事のような平気な顔をしています。公務員天国の大阪市は、何もしなければギリシャのような状態に陥っていくだけです。連合は、税金にたかる分配論ばかりの自治労とは袂(たもと)を分ち、民間企業労組だけの労組運動に集中した方が国益に適うのでないでしょうか・・・・。今の日本の公務員は、行政犯罪に甘い。旧社会保険庁では年金をネコババした職員が散見されましたが、泥棒なのに逮捕もされず、裁判も行われず、服役もせず、内輪の内部訓告程度で済まされたケースばかりでした・・・・。
公務員改革と歳出削減、土木利権や補助金といった利権の巣窟になっている農業や漁業、保育園などの行政に“健全な競走を取り入れていくこと”が望まれます。“健全な競走”なきところでは必ず腐敗が起こるのは、人類社会の常です。公務員改革ができなければ、公務員天国の大阪市や、果てはギリシャのようになって国や自治体が滅びてしまいます。国(行政機構)や自治体が滅びて“国滅びて山河あり”となっても、企業や個人は生き残らねばなりません。私たち日本国民は、政府と国民を一体化して考えてきました。しかし、今の日本では、先ずは“政府や自治体と個人を切り離し”て考える時代に入りつつあるような気がします。・・・・長期トレンドとしては、西欧中心の近代が終焉し、東アジアを中心とした新興諸国のウエイトが世界経済の過半を占める時代に入りつつあることは間違いありません。短期では欧米の資金がアジアから引き上げており“欧州危機に連なったアジア危機”が始まる様相が見え初めていますから危機への備えを怠れません。ビジネスの上では、当面では、欧州危機に連なるアジア危機が爆発せぬように祈りますが、予防処置は講じておくに越したことはありません。日本国産業界にとっては痛手となる泰国中部の洪水も重なってしまいました。
“役人天国による自治体破綻や国家破綻”という最悪の事態を防ぐためにも、企業も個人も出来うる限りの予防処置を施しながら,同時に、先祖たちが積み上げてきた地域や日本の再建と再興のために自分に出来る範囲で余力を使っていきたいと考えるところです。