生産財営業のプロセスと心技体−青草新吾の惺々著考 このページをアンテナに追加

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2007-12-16 119. 健康な組織の正当性パワーそしてHDDと記憶装置

組織とは組織目的を持続的実現するために編成される責任と権限の体系ですが、意思決定への影響力は必ずしも組織通りとは限りません。

生産財調達の意思決定モデルである購買センター概念を72[本稿抄録]や7[生産財と消費財の違い]で記述しましたが、組織の中には多様なパワー(影響力)が存在しています。113で前述の奈良市役の病休不正に関して一橋大学大学院教授/沼上幹氏の奇妙な権力についての記述を引用させてもらいましたが、沼上幹氏は著書*1で、権力の源泉について次のように述べています。以下抜粋[権力の源泉が単純素朴に1.正当性パワー、2.同一化パワー、3.情報パワー、4.賞罰パワーのみであれば、組織は極めて健康であり、健康な組織にあっては、自分の権力を大きくしたければ、自分で努力をしたり知識を身につけたりして、人間的魅力を高めるしかない。この場合には健全な競争が促される。しかし常日頃に経験しているドロドロした現実では、組織の中で奇妙なパワーが実在している。例えば大企業に多い優等生組織を温床として跋扈する厄介者の権力や、天下った人が自分の貢献を大きく見せようとしてキツネの権力を発揮して「二つの組織の間をいろいろかき回す」ことや「誇張した外部の脅威で自分の立場を強くする、例えば顧客が実際以上に強く、強い交渉力を持ち、厳しいクレームをつけてくるとか、競争相手がこちらよりも圧倒的な開発力を持ち、はるかに賢いなどとの競争相手を神格化してみたりで、組織が踊らされて組織腐敗が進行する]以上抜粋。これらの奇妙な権力が発生し跋扈するのは、117で前述の優等生組織減点主義形式的年功序列3点セットが揃った組織です。この対極にある組織が、加点主義できるまでやるを標榜する日本電産かもしれません。HDDモータ世界トップの日本電産創業者/永守重信社長が厄介者やキツネにとって天敵みたいな存在なのかもしれません。

永守社長は著書*2で「組織を乱す考え行いには毅然たる態度で臨め。」と、また「大企業出身者は、個人的には非常に優秀で、能力も高い。しかし部下を動かしたり、組織をコントロールしていくための訓練ほとんど受けていないというのが、わたしの実感である。途中入社の社員で入社早々しかるべきポストについた者は、必ずといっていいほど、『みんなの前で、部長をあんなに叱って大恥をかかせたら、あの人の立場がないんじゃありませんか?』と忠告してくれる。私は『あんた、そんなことを言うてるうちは、まだワシに叱られるにはほど遠いな。』と答える。結果的にみると、さんざん人前で叱られて恥をかかされた人間は一人も辞めていない。反対に非常に気を使って、たまに『君はよくやってくれるな』と声をかけてやったりした人の方が辞めている。」「叱って育てるのはまず幹部から。ポストと権限を大幅に委譲する。(逆に)この人間はこのままではダメになってしまうと判断した場合は、思い切った降格を行う。(降格した後に)降格された本人がやり直すことができれば、すぐに元へ戻す人間は何度かやり直しがきくものである。」と述べておられます。組織内部や組織と組織の関係では様々な人間模様が織り成されていきますから、顧客関連のプロセスや営業プロセスのコミュニケーションを考察する上で上述の知見はとても参考になっています。

HDD(固定磁気ディスク装置)の記憶容量の飛躍的拡大はレスペーパーや検索のスピードアップなどで省資源・省エネルギーへの支援材料となります。

半導体産業新聞2007年7月25日付は米ガートナー社の予測を「2011年には7億台まで拡大し、非パソコンのシェアは3割に拡大する。半導体と競合する1インチと1.8インチの小型HDDはカウントしていないが、現状の3千万台が5年後には5-7千万台に拡大するだろう。・・HDDメーカーは1998年頃に35社もいたが、06年現在は、シーゲート、ウエスタンデジタル、日立GST、東芝富士通サムスン電子の6社に絞られ、さらに勢力図が塗り換わる可能性も大きい。」と報道していました。また同紙2007年6月28日付では「日立GST富士通東芝サムスンシーゲーイトなどHDDメーカー各社は、ハイブリッドストレージアライアンスを設立した。ハイブリッドストレージは、フラッシュメモリHDD組み合わせた製品。またリムーバブルHDDでは、AV機器からPCまで幅広く対応する次世代大容量データプラットフォーム策定を目的としたiVDR(Information Versatile Disk for Removable usage)に向けて、02年にはiVDRハードディスクドライブ・コンソーシアムが設立されている。」と報道されていました。HDDの非パソコン用途開発では、DVC向けに関し電波新聞2007年8月2日付が「キャノンが発売開始する同社初のHDD採用モデルは、40ギガバイトのHDDを採用し、ハイビジョン映像を最長で約15時間記録できる。落下などの衝撃からHDDを守る三つの保護機能を搭載したスリーウエイHDDプロテクションを搭載し、撮影した記録を守る。」と紹介していました。また薄型テレビ向けでは同氏2007年4月5日付が「海外メーカーにはない日系メーカーの強みを活かした提案で、日立製作所は別売りのiVDRをそのままテレビ側面に挿入するだけで、簡単にHDDの増設が可能なシリーズを順次発売する。東芝もPC用外付けドライブ用拡張インターフェースeSATA対応HDDの増設が可能なシリーズを発売開始した。」と報道していました。

 小型HDDの領域ではSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の市場投入も増えてきました。

HDD2007年度世界需要予想5億台の内で1億台がデジタル家電やカーナビ含むモバイル機器です。これらの小型HDDの分野へのSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の市場投入も活発になってきています。

TDKの参入を日経新聞2007年9月17日付は「TDKが商品化するSSDの容量は64ギガバイトでパソコン内部のHDDを外してそのまま置き換えられる。同じサイズの1.8インチの小型HDDの容量は80ギガバイトが主流だ。10年度年間1百万台の出荷を目指す。TDKはHDD向けでは磁気ヘッドを主力事業としているが、HDD向けでは大容量化に対応できる高機能型磁気ヘッドの品揃えを拡充する一方で、SSDにも参入し記憶装置関連事業収益拡大を狙う。」と報道していました。

電波新聞2007年10月1日付は「SSDは、サムスン電子東芝サンディスクTDKインテルなどが製品化している。サムスン電子では、SSDは今年1.73百万台(2.2億ドル)、10年には9千万台(68億ドル)と予測している。SSDは、モバイルPCなどには最適の記憶メディア。読み出し速度がHDDの約3倍、書き込み速度が約1.5倍と速く、半導体モジュールのため耐衝撃性に強く、低消費電力。価格は32ギガバイトで約65千円と価格容量比ではHDDには及ばないが、一部のPCでは搭載が始まった。」と報道していました。

HDDの今後の発展の方向性に関し115で日立GST執行役/城石博氏の「フラッシュメモリとは共生し、光/光磁気メディアとの競合が強まる」を引用しました。HDDとの競合関係が強まっていくであろう光/光磁気ディスクの需要見通しに関しレアメタル・ニュース2007年12月1日付は「日本記録メディア工業会は記録メディア製品の2008-2010年の世界需要予測を発表した。CD-Rから記録型DVDへのシフトが進んでいることから、記録型CD-R(データ用・録音用合計)は08年65.76億枚が10年に55.07億枚へと減少、記録型DVD(追記型・書換型)は08年66.82億枚が10年に71.25億枚へと増加、青紫色レーザーディスク需要(BD、HD DVDを含む)は、08年24百万枚10年2.15億枚へと急増を予測。」と報道していました。

*1:「組織戦略の考え方沼上幹著 ISBN:4480059962 ちくま新書

*2:「人を動かす人になれ」永守重信著 ISBN:4837917682