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『FLASH』第10話感想

「僕の名前はバリー・アレンもう地上最速の男じゃない」
前回リバースに完敗したバリー、自虐ネタでスタート。
その後、力強く「取り返す!」と宣言し、スピードと反応の精度を上げる為にドローンを相手に模擬戦で特訓中、と少しずつヒーローとしてタフになっていくバリーの姿を描き、FLASHは音速ミサイル返しを披露。
「ドローンは何機残ってる?」
「2機。しかも、レーザー付きだ」
「駄目だ」「駄目よ」
と、すかさず笑いも挟んでくる辺りのテンポが、今作はホント上手いし楽しい。
一方、街にはキャプテン・コールドが、ヒートガンを装備した相棒のミックと共に帰還。コールドは短気で粗暴なミックをなだめすかしながら、打倒FLASHを目的に動き出す。
再登場した悪役が直接FLASHを標的とし、リバースの事が気になるバリーは博士のそれとない誘導もあって訓練を優先して丸刈りコンビに関わらない事を宣言する、という変化球。
「あいつが特別なのは……一人でも多くを救おうと、我武者羅だからだ。少なくとも、今までは」
「今回は優先順位の問題だ」
「ああ、確かに、バリーも全く同じ事を言った。あいつらしくないとは思ったが、あんたなら言いそうだな」
やーん、って顔になって無言で去って行く博士が、相変わらず最高です(笑)
博士はこの後、FLASHが参戦しなかった事で警官に負傷者が出た事を気に病むバリーに対して、人助けに対する方針が違うから私は敵? 君の敵? とわざとらしくストレートに迫り、
「い、いや、そんな事はないです……」
「そうだよね。パートナー、と呼んでくれて構わないんだよ」
「と、友達からお願いします……」
という、いやらしいどん引きムーヴも発動。
一応味方サイドだけど、マッドサイエンティストキチガイ成分が濃い目、というのはしばしばありますが、ウェルズ博士の、むしろナチュラルなキチガイの方がマシだったは、本当に戦慄。
ロニーの言い残した「ファイアストーム」が、格好いい自称ではなく「F.I.R.E.S.T.O.R.M.」という略称だった事が判明し、論文の著者に接触したケイトリンが、FLASHを誘き寄せる為に丸刈り兄弟にさらわれてしまう。TVをジャックしたコールドの公開挑戦状により、FLASHというヒーローが公になる、という展開なのですが、警察に囲まれた状況で、正面からFLASHに対決を挑む丸刈り兄弟、男らしすぎる(笑)
あとバリーは、戦場予定地には先にトラップを仕掛けておくようにという、先輩の教えをもう忘れたのか!
2対1の戦いで苦戦するも、敢えてスピードを遅くする事によりコールドガンとヒートガンを相殺させたFLASHは、二人の打倒に成功。この戦いでは、FLASHの窮地を救うエディ、警察に貢献を認められるスター・ラボと、FLASHの存在が警察に認知されるという大きな変化に合わせて、周辺の関係性の変化も盛り込まれ、手堅く上手い。
それにしてもエディがどんどんいい人になっていくので、先日割と殺す気で殴りかかった件について、FLASH(バリー)はやはり土下座して謝っておくべきでは。……いや、職場でいちゃいちゃいちゃいちゃしまくりやがっているので、事故に見せかけて横断歩道で突き飛ばさない事を有り難く思いやがれぐらいに思っている可能性もなきにしはあらずですが。走れ、バリー、走れ!
「まるで稲妻みたいに通りを駆け抜けて、一人であの二人を捕らえた」
「凄いよな」
「いったい誰なのかしら?」
「敢えて言うなら、ヒーローだ」
という事件が片付いてからの、警察での会話(特にこれをモブ警官のやり取りにした事)は良かった。
バリーはその力を、「一人でも多くを救おう」とする為に使うからこそ、「ヒーロー」になれる――その理想と感情には危うい部分もたくさんあるけれど、理屈を振り回し始めたらもうFLASHではない、という今作における力と意志の関係を描いた構成も秀逸。
そしていよいよ、アイリスがエディと同棲を始める事になり……ダブルきまずい男達。
「大丈夫か?」
「……んー。……そっちは?」
「いつかは通る道だ」
「うん」
「ピザでも取って野球見るか?」
「ピザは最低2枚ね。……誰かとご飯が食べたくなったら、僕が居るから。それにうちの洗濯機、壊れてるから借りにも来る」
引っ越しイベントが終了し、アイリスとバリーのぎくしゃくもひとまず落ち着き、寂しい男達の会話がまた、とても良かったです(笑) 強がるお父さんの為、バリーがアパートを出て家に戻ってくる事になる、というほのぼのオチから恒例のスーパーどん引きタイム……ではなく、護送中のマルコメブラザーズに。
今回、さすがにコールドが杜撰すぎて(警察に狙撃手でも配置されたらどうするつもりだったのか)、それは相棒も怒るよ、という感じだったのですが、実はFLASHに敗れた場合の手はずも「計画」の内に入っており、“妹”が二人を助けにくる……で続く。
この辺りはシーズン2以降への引きなのかなぁ……という感じですが、ラストで頭脳派の面目を保ってくれたのは良かったです。
さて、「F.I.R.E.S.T.O.R.M.」にまつわる謎が急浮上してきましたが、他にも引きネタが色々ある中で、シーズン1の着地はどの辺りになるのかなぁ……。