ブログトップ 記事一覧 ログイン 無料ブログ開設

をちこち犬の吠ゆるころ - 松葉佐優 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-06-23

[]CAの私がVIPのお客様に教わった話し方のエッセンス - 高橋くるみ

期待どおりの行動をしてもらえる
効果的な叱り方

 CAは、叱られることが仕事のひとつと言えるかもしれません。

 ありがたいことに、航空会社のサービスに対してまだ期待してくださるお客様も多く、それを裏切ってしまったときのお叱りは相当なものです。

 毎回のフライトで叱りを受け続けてきた結果、どのように叱られると人間が反省し、行動を改めようと思うのか、おぼろげながらわかるようになりました。叱り方にも色々あり、「うまい叱り方」というものが存在するのだと知ったのです。

 実のある「叱り」は、「怒り」とは異なり、相手に期待どおりの行動をしてもらえる効果があります。

「ちょっと、あなた今日こちらの担当よね?」

「はい、さようでございます。何かございましたでしょうか?」

 おしゃれと気品に満ちあふれ、世界のファッションを日本に届けた先駆者として著名な女性VIPのお客様に、機内で声をかけていただきました。

「今日のシャンパン、とってもぬるく感じるけれど、どうなっているのかしら?」( 

 かなりご立腹の様子です。いつもの柔和なお顔はまったく見受けられません。

「申し訳ございません。すぐにお取り換えいたします」

 シャンパンといえば、やはり冷えたものがおいしいですから、これはシャンパンを準備したCAの確認ミスです。お詫びして、冷えたシャンパンを再度お持ちしました。

「大変お待たせいたしました。冷たいものをご用意いたしました。大変失礼いたしました」

 そう声をおかけした際、VIPらしい素敵なお答えが返ってきて驚きました。

「私、お酒には詳しくないからこんなものかな? と思ったのだけれど(◆法
 プロじゃないのに、プロであるあなた方に指摘するのは気が引けたけれど()、楽しみにしていたからね、よろしく頼みますね」

 今度はいつもの素敵な笑顔が輝いています。

 怒られた後に、やさしくされる。まさにVIP式の叱り方の極意がここにあります。

 機内ではお客様に怒鳴られることも多いのですが、ただ怒鳴られるよりも、このお客様のようなお叱りはずっと反省につながります。

 このVIPのお客様の叱り方は、次のような仕組みです。

 .ッツリ、しっかりと怒る。受け手にショックを与える
 △垢阿クールダウンし、怒りの理由を端的に説明する
 A蠎蠅離廛薀ぅ匹鬚すぐり、事の重大さに気づかせる

 ,世韻能わってしまったり、△長々とつづくことも多いですよね。

 VIPのお客様は、,鉢◆⊃瓦汎のコンビネーションで叱ります。

 △砲賄椶蠅箸いΩ斥佞鮖箸い泙靴燭、まさに心がもたらすのが怒りですよね。これだけでは、相手は萎縮し、また反感をもたれるだけかもしれません。実際に私も、

「なにこの機内食、ファーストなのにまずい!!」

 とご指摘を受けたときは、謝罪しつつも、実は、

「あら〜ずいぶんご馳走ばかりの毎日でらっしゃるのでしょうね〜。うらやましいですこと」などと心で叫んでいました。

 怒ると、相手の「心」(感情)は刺激できますが、問題解決に必要な「頭」への働きかけはできません。

 叱る側の立場で考えると、今後、相手に期待どおりの動きをしてもらうことが目的ですから、怒るだけで終わらせるのは得策ではありません。怒りの根っこと理由をしっかりと端的に説明することが大切です。

 そして締めくくりは。相手が期待どおりの動きに至るような動機づけも必要です。

 このVIPのお客様は、「プロだから……」とこちらのプライドをくすぐりながら、「プロでこの仕事はないでしょう? しっかりしてよね」と指導くださっていたのです。

 「叱る」と一言で言いますが、叱りとはまさに 銑をトータルで完成させることなのだと、VIP式叱りを受けて感じたのでした。

CAの私がVIPのお客様に教わった話し方のエッセンス

CAの私がVIPのお客様に教わった話し方のエッセンス

目次

はじめに

chapter 1 VIPに学んだ、人脈を飛躍的に広げる会話術

VIP式 話し方

1 言葉尻への「ひと手間」が凡人とVIPを分ける

2 人の魅力は、リアクションの質で決まる

  ・相手の「表情」を見れば質のいいリアクションができる

3 話の中に「消えモノなお土産」を必ず入れる

  ・相手の損を埋めようとする姿勢が支持を集める

4 声のトーンを相手に合わせる

5 プロフィールは披露しない。「知りたい」と思わせる

  ・読むと聞くでは大違い

  ・「秘められたもの」に人は惹かれる

VIP式 初対面

コラム1 「お客様の中に、お医者様はいらっしゃいますでしょうか?」

1 相手を主役にできる人がファンを増やせる

  ・マイナーだからVIPになれる

2 初対面でグッと距離を近づけるには

  ・どうすれば会話がとぎれない?

3 自分のことは聞かれるまで話さない。これだけで魅力が高まる

  ・自分に興味のない相手を振り向かせる

コラム2 飛行機の床下にはCAのベッドがある!?

chapter 2 VIPに学んだ、交渉のエッセンス

VIP式 頼み方

1 命令の代わりに質問を投げかけ、スマートに相手を動かす

  ・相手は「動かされた」と感じない

2 相手の「逃け道」を用意してお願いする

  ・負担に配慮する言葉を忘れない

3 デメリットを示すことでメリットを際立たせる

  ・安い免税店ではなく機内で買っていただくには

4 新人CAが好かれる理由

  ・経営者のヒントはお客様のリクエスト

コラム3 時差ボケを防ぐ必殺小道具

VIP式 質問術

1 短時間で本音を引き出す質問の仕方

  ・「なるほど、でも」でグイグイ食い込む

2 自問自答レベルを上げると、他人への質問力も上がる

  ・本音がこぼれる瞬間を逃がさない

3 「なぜ」は禁句! 会話が広がらないワードです

  ・お客様に指摘された私の失敗

コラム4 ホテルでゆったり! 旅時間を邪魔しないパッキング

chapter 3 VIPに学んだ、心を動かすエッセンス

VIP式 驚かせ方

1 トイレをピカピカにするお客様

VIP式 ほめ方

2 VIPはゆたねることで相手の能力を引き出す

  ・存在感を植えつける効果も

3 「勉強不足でわからない」と言うのは圧倒的にファーストクラスのお客様

  ・へりくだることで紳士ぶりが際立つ

4 「好かれる」よりも「畏れられる」存在になる

  ・ベテランCAの貴重な教え

  ・「畏れ」には明確な根拠がいる

コラム5 CA採用試験は「おばちゃんウケ」する人が受かりやすい!

1 ほめとは、相手をよく見てエネルギーを注ぐこと

  ・通販会社の社長がお怒りに……!

  ・絞った知恵を認めていただく

2 相手が日ごろ大切にしている心がけに注目する

  ・コートをお預かりした際の出来事

3 イタリア人に教わった、恥すかしがり髪でも便えるほめテクニック

  ・質問を重ねて称賛する

コラム6 旅行に持っていくと話がはずむアイテム ベスト3

chapter 4 VIPに学んだ、言いにくいことをさらりと伝えるエッセンス

VIP式 断り力

1 相手に希望を持たせない。しっかり断りお礼で締める

  ・「君の会社ってほんとケチ」と言われたら

  ・すばやく「サンキュー」で切り上げる

2 無理な依頼にはどう答える?

  ・断られることを想定していれば余裕が出る

3 YESの雰囲気でNOを言う

  ・お断りは笑顔とともに

4 断るときは相手の気持ちを想像しすぎない

5 「目に見えないメリット」を添えて断る

  ・相手の顔をつぶさず納得していただくのが肝心

コラム7 パイロットはほんとうにモテる?

VIP式 叱り方

1 期待どおりの行動をしてもらえる効果的な叱り方

2 「誰」が「どのように」困っているかをストーリーにして叱る

3 キャラとスキルのダブル叱りはしない

4 「間違っていたらごめんね」とあくまで指摘の姿勢をくずさない

  ・自分が正しいという前提を捨てる

コラム8 ブラジルのCA養成訓練はジャングルの中で!?

VIP式 お詫び

1 謝罪とお礼を時間差で届ける

  ・会社に届いた一通の手紙

2 体の向きで相手の許し度は決まる

3 理不尽なクレームは人前で解決すれば早い

コラム9 小さな子どもと一緒に乗るときのアドバイス

chapter 5 VIPに学んだ、言葉の習慣エッセンス

VIP式 あいさつ

1 印象に残る映画スターのお辞儀

  ・「正解のマナー」では存在感を残せない

2 「こんにちは」のアフターにこそエネルギーを注ぐ

3 「最近どう?」は相手との距離を測るのに便う

4 大きな声のあいさつは思わぬお釣りを連れてくる

コラム10 機内食はどうして温かい?

1 「やっぱりね」「それは初耳です」という声のあいづちを打つ

  ・エコノミークラスで出会った初老の男性

2 あいづちだけで会話を盛り上げる方法

  ・心を開いたところで本題を投下

3 「言葉が見つからなくて」は様々なシーンでパワーを発揮する

コラム11 空の上で代わりに読んだラブレター

機内での“言葉のひと手間”in English

スパム対策のためのダミーです。もし見えても何も入力しないでください
ゲスト


画像認証

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/gnostikoi/20120623/1340428098