桜坂洋はなんなんだろう、というお話(リハビリ気味)(リハビリに付き合わされて、作家って大変だな)(けど、批評喚起力っていい作家になるためには必要だよね)(だからエラそうだよお前)

いまさら『All You Need Is Kill(以下AYNIK)』を読む。ノベライズよりはるかによくできた「ガンパレ(以下GPO)」ノベライズ(いまさらかい)*1(しかも失礼な物言いだ)(てか本家ノベライズの方は、ゲームで掘り起こしきれなかったニーズを満たす、という意味においてアレはアレで十全でしょ)(単にお前個人に該当データベースがなかった、ってだけで)。



「線が見えるようになった」とか「戦場で踊る」とか「魂が高性能な娘」とか、まあ類似点、影響、オマージュはいくらでもあるわけなんですが、そもそもAYNIKメインのシカケに持ってきたのはループとスキル上昇なわけ。
んで、このリミクスが正解なのは、ちゃんと換骨奪胎しているところ。「世界の謎」は、初期においては有効なRPGだったけど、受動ユーザと、理由なんか要らないから己の限界まで殺しまくりたい求道的シリアルキラ、リアリスティクな組織(軍隊)主義者にそれは必要ないわけで、AYNIKはそれをばっっっっっっっっさりと切って捨てている。
ちなみにボーイミーツガールもばっっっさり(「っ」が少な目)。
んでもっておれは求道的シリアルキラであり、リアリスティク組織主義者ゲーマ、つまり守旧派化石前世紀の遺物ゲーマ、なワケで。
多分彼・桜坂洋もそうなんだろうね。
さらにおれと同じく彼は本気のディープゲーマじゃない。ゲーマを取り囲む一種隔離された環境とか、フレーム単位とかドット単位でものを考えるゲーマの脳みそとかが好きで好きでしょうがない人種で、そのコミュニティに属するためにゲームをやってるフシがある(とかって勝手に共感してみる)(ストーカーくさいよお前)(コワ)



それは『スラムオンライン』でさらに明確になる。んだけど格ゲー小説は『バーチャファイター・リラックス』で完成を見てるので、残念でした。むしろヒゲ。みたいな。



んー。おれは特にSF方面のエンタテイメントに対しては「センスオブワンダ」原理主義者、つまりなんでもいいから未知の概念を咀嚼吸収できないと気に入らない、というしみったれ食獣。なので、桜坂さんの作品は理解可能部分が大きすぎる(だからストーカっぽいって)(いいんだよ。おれらの世代にとっちゃ「ストーカ」はほめ言葉だろうが。タイトー。クォータビュウ。思い出せ)ってことでゴメンナサイでした。これからも買うけどね。



ちなみに理解可能性の返す刀で西尾維新を重ねて四つ! とかやろうかと思ったけど疲れた。(重ねて四つで思い出したけど〈浅右衛門つながり〉〈イヤなつながりかただなぁ〉、にらぎ鬼王丸終わりましたね。股旅ものの亜種なので、伏線の回収が云々とか無粋なこと言わないように。久々に、萌える/萌えさせるための女キャラが一切出てこないコミックを読んだ気がします。昔はみんなこうだったんだよなぁ。非常に旧き善きで良い作品でした。でも絵柄は〈旧き善き〉ラインの正統後継なんだけどかなりエッヂに逝っちゃってて、そこがまた良い感じでした。次回作に期待。ところでゲイの人はコレ好きなんだろうか?〈単純疑問〉)とっぴんぱらりのぷう。

*1:と、思ったらあんまり言われてないのか? http://aoiro.ciao.jp/page016.htmlくらいしか明示的に言及してるのが見つからんかった。ご教示お願いしますです。暗示的になら本人がバッチリ言うてるけどhttp://dash.shueisha.co.jp/feature/0412.html。コレによると執筆当時は「まだやってなかった」そうですよ。井上深海さん/笹木沙紗茶さん。あれ? AYNIK≒GPOってもしかしなくても「公然の秘密」「お約束」「空気嫁」?