得ること。


84歳で、文字の読み書きを学ぶため、小学校に入学するマルゲ。
ある手紙を、自分で読み、理解したいという想い。
実話。「われわれの世代は、犠牲を払ってきた」という言葉の重み。
同級生の子どもたちを見つめる優しい目。厳しい目。それはケニアという国の将来を見る目なのだと思います。

自分自身、その歴史の知識がなく、そうだったのかと思い知る作品でした。
恥ずかしながら。

学ぶ楽しさを感じられるまでの、彼の本当に悲惨で過酷な過去は、あまりに重すぎるように思います。
その学ぶものが、「英語」であることの、重さも。

「当たり前」の大切さや貴重さを、いろんなことで、最近考えていますけど、それを得るまでの苦難にまでは、想いは至っていませんでした。

失うことは、もしかしたら、本当に、一瞬なのかもしれません。

だからこそ、今あることを、今、ふと思い、感じて、心にとどめておかないといけないのだなと思いました。

失うことは、得る苦しさと同じくらい、やっぱり、辛いことですから。
とても。

最後、マルゲは、あんなに自分で読もうとしていた手紙を、信頼する教師に託します。
彼の想いは、どんなものだったのだろうかと、さっきからボーっと考えています。
その言葉を聴く彼の表情が、柔和だったので。

子どもたちの笑顔と、同じ温かさ。

学ぶことで、子どもたちに見るように、彼自身に、未来を見つけたのかもしれません。

ボクも知らなかったことを、少し調べてみます。