人生とはなんぞや

この時期週に一度くらいのペースで雨が降るが、夜中に降って朝にはあがるのでそれほど影響はない。下の子が「これって五月雨?」ときく。おおかた俳句の宿題でもでているのだろう。サミダレサミダレつぶやいているが、後が続かない。稲作が富が争いが状態だ。
五月雨や ああ五月雨や 五月雨や
▼昨日は結婚記念日だった。20周年だと思って覚えていたのだが、そうでなければ忘れたまま過ぎてしまうことの方が多い。実際には19年目だったが、まあ似たようなものなので、夕食は下の子に行きたいところをきいてスシローにした。僕らくらいの年になるとエゴが薄れ、なんでもまず子供の希望をきくようになる。
▼家事は年中無休なので、奥様へのプレゼントで最高のものは、何もしなくていい状態にしてあげることだと言ったのは誰だったっけ。だから一番喜ばれるのは旅行。ダンナがいっしょじゃなければなおよろしい。旅行が無理なら外食だ。食事の支度をしなくてもいいというだけで、かなりの負担軽減になる。
▼夕食時に回転寿司で番号札を取らずに案内されたのは初めてである。やっぱり何をするにも平日に限るね。上の子はナマモノをあまり口にしない子だったので、ひとり減っても総額はあまり変わらない。デザートや椀物なども好きなだけとって食べる。アルコールを頼まないと、その分二割増注文できる気がする。

▼スシローはシェア№1だけあって、この手の回転寿司チェーンではリピート率が高い(我が家比)。シャリが小さくて種類が多いのでついお皿を取りすぎてしまう。高級ネタ1貫皿や180円280円設定のサイドメニューも豊富で、いたるところに客単価が高くなる工夫がなされている。それでもお客さんの最終的な満足度が高くてリピートしてくれるなら、店も客もWinWinの関係で、これが商売で一番いい形である。
▼スズキの軽自動車「ハスラー」が、これまでの軽にないアウトドアスポーティな外観がウケてバカ売れらしい。先日ふとバカでかいハスラーが走ってるなと思ったらトヨタの車だった。デザインを参考にしたのは間違いない。スズキは他社メーカーの車を分解して研究するようなことばかりしているが、これをパクリというのは早計だろう。
トヨタの本格的ランドクルーザーの正確な値段まで知らないが、いくら軽が割高でもハスラーの倍以上するのは確実だ。カッコイイなと思って買いたくても、容易に手が出ない価格帯である。おのずと購買層も限られる。比較的若い富裕層。日本でそんな階層に属する人はそんなに多くはないだろう。
▼パッと見のデザインがどれほど似ていようが、そんなことは問題ではない。性能、価格帯、購買層など新車開発の際の総合的なコンセプトと、できあがった車の完成度がうまくマッチングした時に、初めて車はヒットする。スズキはハスラーで新しい需要の掘り起こしに成功したのだ。
▼あるいは先日、テレビで行列のパスタ店を紹介していた。モチモチカリカリの食感がウリのカルボナーラ専門店である。この店では、麺のモチモチ感を出すために、ある特別な手間をかけているらしい。それはあらかじめ麺を茹でて、一晩冷蔵庫で寝かせるというものだ。
▼しかしこれは特別でも手間でもなんでもなく、普通の喫茶店ならどこでもやっていることである。ちょっと考えればわかることだが、乾麺はゆで時間が長いので、客の注文を受けてからバラバラに茹でていたのでは、大量の客を捌けないからだ。はっきり言ってしまえば、要するに作り置きである。
▼当然茹でたてよりコシはない。麺をカリカリに焼くのは、欠点をごまかすためでもある。飲食店ではポピュラーな、このパスタの作り置き製法に、おそらくもっとも相性がいい調理法がカルボナーラなのだろう。店名にその名を冠し専門店を謳う。実際には作り置きと単品化という効率化の推進が、結果的には独特な食感を産む特殊なレシピの専門店と受け取られる。
▼成功に向かって日々努力を惜しまない。これらが僕の考える生きるってことだ。ニュースを見て世を憂う態度を否定するつもりはない。でも僕の仕事じゃない。マクロを悲観するマイナス思考は学生や評論家に任せておけばいい。不可能を可能にするために細部にこだわって徹底的に考える。それが人間の本来の姿勢だろう。
▼自分の人生が成功だったか失敗だったか、それは最後の瞬間にしかわからないことだ。僕が今できることは、目の前の仕事にベストを尽くし、人生の成功者たらんと努力することだけだ。さあ、明日からまた頑張るぞ!

今日は焼肉にカレイの煮付にチキンとモヤシのサラダ。