47番目の県

暑い。5月からこんなんで大丈夫だろうか。ふた夏続けて比較的過ごしやすかったけれど、さすがに三年連続というのは虫がよすぎるかな。今が真夏日なら盛夏には猛暑日以外ありえない。ホント想像するだに恐ろしい。
▼この土日は久しぶりに本格的な工事で疲れた。毎年期初は工事が薄く身体がなまっているのだが、これまではぶっつけでもなんとかなった。日ごろ鍛えていなくても、その辺の作業員にひけはとらないつもりでいた。しかし昨日初めて辛くて音をあげた。腹がつかえてかがめない。足首がかたくなってしゃがめない。僕が戦力にならなくてもたいしたことはないが、自分がキツイと早く終わりたくて作業指示や判断にも影響が出る。それが問題。
▼いったい昔とった杵柄はいつまで有効なんだろう。僕が体力に自信があるのは、中高の部活で鍛えたからだ。あれから30年(きみまろ風に)。ついに貯金はつきた。高校卒業後、大学1、2年頃までは体育の授業や母校の合宿に参加していたが、次第に遠ざかった。6年になって大学の柔道サークルに入ったが、まだ身体は動いた。エロ本時代にひやかしで二段の昇段試験を受けたら軽く5、6人は抜けた。30をかなり過ぎた頃、母校に指導者が不在になった年にOB持ち回りで現役の練習台になった。ここまでが限界。
▼僕は小4の時に鼓笛隊でトランペットを吹いていたが、やったのはその1年間のみ。その後中2の合唱コンクールの課題曲が「若者たち」だった時、よせばいいのに間奏でトランペットの独奏(森山直太朗風に)を買って出た。かなり練習したが、意外なほどうまく吹けなかった記憶がある。いずれの場合も共通するのは、やっていた時よりやらなくなってからの方がずっと長いのに、いつまでもできるつもりでいることだ。さて、その教訓は?
▼沖縄でまた悲惨な事件が起きた。嘉手納基地勤務の32才の元海兵隊員が、うるま市在住の20才の会社員を強姦目的で暴行し殺害した。容疑者は日本人女性と結婚して子供ができたばかりだという。幸せいっぱいの新婚さんがなぜ?と思う人もいるかもしれないが、日本人の平均的な常識をいったん脇に置かないと、この事件を理解することは難しいかもしれない。
▼今日のワイドショーでデイブ・スペクターは「(海兵隊除隊後、)本国に帰っても働ける場所はなく、日本滞在延長目的の結婚」と断言していたが、その通りだと思う。逮捕から4日。取材も進み、ニューヨークのスラムに住む母親がインタビューを受けていた。もう2年連絡がなく、何年も会っていない。父親はおらず、11才からヤク中だった…。問題はそんな人間が、軍隊という組織で特別な存在なのかどうかということだ。
▼一般に軍隊に入るような人はどのような人間だろう。まず経済的に裕福でないことは確かだ。優秀な人、あるいは頭のいい人は将校や下士官になれるかもしれない。しかしいわゆる兵隊さんはどうか。軍隊に行かなければ日雇い、もしくはヤクザ者、累犯者、浮浪者になるほかはないような人間も相当数いるはずだ。彼も間違いなくそんな、戦争になって死んでも誰も困らないような人の一人だ。
▼不幸な幼少期を過ごし、身寄りもなく、刑務所に入れば糊口がしのげると考えるような人間が、軍隊に入り、遠い外国の、しかもかつて占領地であったような常夏の島に駐留する。彼らにとって、そこはほとんどパラダイスに違いない。占領国の女の一人や二人強姦して殺しても構わないというのは言い過ぎだが、少なくとも多少の好き勝手は許されると考える人がいても不思議ではない。
▼このような人間を福祉で支えるのは無理がある。福祉は何も生まない。いわゆる裾野がない。経済の波及効果がない。一方軍需産業は金のなる木だ。戦争で億万長者になった死の商人はたくさんいる。話がそれかけている。人間が生きてゆくにはまがりなりにも目的が必要だ。仮想敵を作り、愛国心を煽る。自分も社会やお国のために役立っていると思わせる。兵役はうってつけだ。世界中の軍隊(非正規も含めた戦闘組織)はそのためにある。
▼デイブはペルー人の大量殺人事件をあげ「軍隊がなくても残虐な事件は起きる。基地と犯罪は無関係」と言っていたが、今回の事件は解放区における強姦という、極めて軍隊に典型的な犯罪だと言える。敗戦国である日本が、もしどうしても米軍を受け入れなければならないとしたら、沖縄に米軍基地の7割以上が集中する現状は不公平だろう。軍隊について回るこれらの犯罪も、日本全体で分担しなければならないはずだ。その意味で今回の事件はまさしく沖縄に基地が集中するが故の事件だと言える。

結婚記念日の土曜は僕らのホームグランドの韓国料理屋でささやかなお祝い。こんな僕によく21年もついてきてくれたと思う。調子にのってマッコリをやかんで頼んだら怒られてしまった。

金曜は根菜炒めにポテトサラダ。

日曜は明太クリームパスタにカリフラワーサラダ。

そして真夏日の今日は妻得意のガパオライス。