茨城不安定労働組合

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つくば市での生活保護申請報告

つくば市での生活保護申請報告 


 七月初めに県内在住の二十代女性Aさんから生活相談がありました。仕事もなく住居を喪失してしまい手持ちの現金も少ないとのことで、つくば市での生活保護申請に同行することにしました。
 つくば市社会福祉課へ生活保護の申請に行くと、申請は受理されましたが住居については無料低額宿泊所を勧められました。無料低額宿泊所は断り、自力でアパートを探すことにしました。その際、つくば市生活保護の家賃上限が三万四千円であること、通常申請から十四日以内で保護開始が決定されるが、決定された段階でアパートが決まっていなければ申請は却下になることが伝えられました。
 市役所の次に社会福祉協議会へ、生活費の貸付の相談に向かいました。本来は市役所の窓口で、例えば保護費の前倒しのような形で生活費が支給されるべきですが、つくば市はそのような対応をしていないとのことだったので、貸付という形で対応をしている社会福祉協議会に行きました。しかし詳しく聞いてみるとつくば市社会福祉協議会は住居を喪失した者への対応を全く想定していないとがわかりました。
 こののち社会福祉協議会には、フードバンクが社会福祉協議会に生活困窮者のためにと預けている食材を利用したいと相談をしましたが、一人につき一回だけと返答されました。一人につき一回とは、生涯で一度だけ、と言う意味です。つくば市社会福祉協議会にとって困窮者への食材提供は生存を支えるためのものではなく、支援活動を行っていることの象徴なのでしょう。
 当初一週間程度で見つけられると考えていた生活保護対応のアパートは私たちの力では見つけられず、さまざまな方に助けを求めました。ツイッターでの発信もその一つでした。結局家賃上限内で生活保護申請中にOKを出す大家は見つけられず、上限を二千円上回った三万六千円のアパートを見つけ、そこに入居する準備をしていました。念のためのつもりでつくば市に確認をすると、生活保護の住宅扶助上限をオーバーしている家賃を保護費の中から捻出するのは構わないが、転居費用は出さないと回答してきました。敷金礼金中のオーバーしている二千円分を出さない、ではなく転居費用を一切出さない、です。話し合いをしましたがつくば市はまったく譲りません。さまざまな方に協力を求め、この時点で申請から二週間近くたっていました。茨城県内の弁護士は生活保護問題に関しては全く当てにならず、行政を動かせる方法はもう浮かびませんでした。私たち組合としても、申請を始めてからそれなりの出費をしておりこれ以上の負担は厳しく、市内で限度額内のアパートを見つけられる目途も立たなかったため、本人に経緯を説明し、これ以上支援できないと伝えました。それを受けて本人はつくば市での申請を断念しました。
 詳しくは書きませんが、今回の件では様々な人やグループに協力をしてもらいました。にもかかわらずこのような結果になったのは全く残念で、何よりも私たちの力不足を痛感しています。しかし、私たちの力量不足という問題はあるとはいえ、つくば市の対応には疑問を持たざるえません。