茨城不安定労働組合

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賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(常雇?)(410)現場で一人

賃金奴隷な日々 日雇派遣日記(常雇?)(410)熱中症で、現場に一人

加藤匡通
七月××日(火)
 今年の夏は暑い。言われなくとも毎日頭上から太陽に焼かれ、足下からは鉄板の照り返しで焼かれ、空気に蒸されているのだからよくわかってる。いちいち気温なんか聞かなくていい。最高気温の更新になんか興味はない。
 熱中症で倒れる人が全国で続出しているようだが当たり前だ。本当に熱中症をどうにかしたいのなら、全ての家にクーラーを設置するべきだし気温の高い日の屋外作業は禁止すべきだ。もちろんクーラー設置費用は国や自治体が負担すべきだし作業員の日当は保証した上での話である。こういうことを言うと、財源はどこにあるとか言い出す人がいるが、それは僕が考えることではない。(前に「核武装論議する際には誰も財源を問題にしないのに、社会保障に関する議論だと途端に財源を問題にするのは脅迫だと思う。」と応えていた人がいて、これは上手いと思った。)そんな話は聞こえてこないのだから、熱中症で人が死ぬことと経済だの生産性だのを天秤にかけて、この国の政府も社会も経済や生産性を選んでいると言われても仕方あるまい。
  今入っている設備現場の職長は六十を過ぎている。彼が設備に移行する前に何度も一緒に働いたことがあるが、今回一緒に動いて老けたなあと思ってしまった。動作も何も、全てがゆっくりになっている。歳をとるとはそういうことで、誰もがそうなるのだから仕方ないはずだが、動作だけでなく判断もゆっくりになっていて、正直少し苛々した。休憩時間に食い込んで作業したりすることを意に介している風もなかったからだ。一人作業なら構わないだろうが、他に人がいるんだから勘弁してくれ。
 しかし動作がゆっくりと言っている間はまだ良かった。暑くなるにつれて作業中の小休止が増えていき、二日続いてのコン打ち相番の後は体調を崩したと、何日か休みを取った(コン打ちの時、現場は一人に減らされていたので僕は他の現場だった。)。休憩だからと声をかけられ、これまではそう言ってから実際にスラブ上から下りるまでにやたらとかかっていたので困っていたが、最近は足場から一段下りるごとに小休止していつになっても下までたどり着かない。体力が持たないので八月は丸々休むと言っていて、最初は冗談かと思った。休んで問題ないのなら、貯えがあるということだからそれはむしろ羨ましい話である。あの派遣会社に長期で休める貯えを作れる人間が何人いることか。
 この数日は、午後になると後頭部にコンビニで買って来た氷を乗せて休んでいる。だ、大丈夫か、職長?それはほぼ熱中症なのでは?昨日今日、僕と職長は別々の作業、職長はスラブ上で梁内へのスリーブ取り付けと墨出しをしていたが、いつになっても終わらない。そのくらいはやってくれないと、と設備の監督は暗に働きが悪いと言っているが、本当に動けないらしい。結局、設備の監督と話し合って、夏休みを早めることにしたと聞いた。これ、現場で倒れた、に近いレベルだよなあ。早く帰れとか言うべきだったのか?うーん。
 と言うことで、明日から一人だ。何もわからない僕が一人で意味あんの?監督の手元?