2010-04-23
雇用保険法違反でしょ、それ
twitter経由で事務所へ近づいてきたNが、太鼓持ち芸をいかんなく発揮し、事務所のメンバーほぼ全員が胡散臭く感じているにもかかわらず、すっかりボスの懐に入り込んできた頃、こんなことを持ちかけた。
「海外留学している人が失業保険を受け取るために、代わりに窓口へ行く仕事をしない?」
持ちかけられた人は、そんな違法行為はしたくありません! と激しく拒絶した。
「でもね、制度そのものがおかしいんだよ。知り合いの男の子は引き受けてくれたよ。もう、15人くらい協力してくれているんだよ」
拒否した人は、どうしても無理だと断り続け、Nの行為に加わることは回避できた。
おそらく、という予想でしかないが、Nがそういった仕事の誘いをしていることを、ボスは気づいていない。
胡散臭いという印象にとどまっていたNの人物像は、インチキな人へと変わりつつあった。あいまいな状況を確定させるため、失業保険についてハローワークに問い合わせた。
「失業保険の認定日には『受給資格者証』が必要になります。代わりの人が認定を受けるというのは、ありえないです。『受給資格者証』には写真を添付することになっていますから、代理というのは考えられません」
具体的には、どのような罪になるのでしょうか?
「雇用保険法に違反しますね」
くらくらしてきたが、念のためと思い、別の場所にあるハローワーク窓口にも、重ねて、同じ問い合わせをした。
「それは違法ですね」
先ほどのハローワーク窓口よりも、断定的に言われる。
認定日には受給資格者証というものが必要で、そこには写真が添付されているから、たとえ手続きだけでも他人がおこなうことはありえないですよね? とさらに確認をする。
「それは、他人になりすますということですね」
具体的には、どんな法律に違反するのでしょうか?
「雇用保険法には間違いなく違反しますし、詐欺罪なども適用されるでしょうね」
唖然として電話を切った。そして、Nの人物像はインチキから『詐欺師』へと定着した。
2カ所のハローワークから聞いた受給資格者証明書について調べると、
雇用保険受給資格者証について(インターネットハローワークより)
http://hellowork.kilo.j/koyouhokenjyukyuushikakusyasyou.html
裏側に写真を添付、とある。
失業保険の認定日には、本人がこの資格者証をもって、ハローワークの窓口へ行かなくてはならない。代理というのはありえるのか、雇用保険法を調べると、
(未支給の失業等給付)
第10条の3 失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、その者に支給されるべき失業等給付でまだ支給されていないものがあるときは、その者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の失業等給付の支給を請求することができる。
とあって、本人死亡の場合にのみ、配偶者か親族という条件付きだ。他人には代理をする資格がない。今回のケースは当然、本人は元気に外国で暮らしているわけだ。なりすまそうと思ったら、受給資格者証の写真を取り替えて文書を偽造しなければならない。
Nはいったい、何をしているんだ? これまで少しずつ調べて来たことも合わせると、いままでに事件沙汰の登場人物になってきていないらしいことが、不思議なくらいだ。
はからずも巻きこまれかかっている、ヘボ(と思われる)詐欺師と、それに騙されかかっているtwitterでのプチカリスマについて、しばらく記録を続けていこうと思う。
ちなみに、今回の失業保険がらみで、Nが実行しているらしい行為が、違反している可能性がある法律としては
雇用保険法
刑法 第155条 公文書偽造等、第158条 偽造公文書行使等、第246条 詐欺
それぞれの罰則を見ると、
雇用保険法…返還命令がある。最大で給付額の2倍。
刑法第155条…三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金
刑法第158条…三年以下の懲役又は二十万円以下の罰金
刑法第246条…十年以下の懲役
ハローワークの窓口の人も、持ちかけられた話をそのまま伝えたら呆れていたが、ありえないし関わった人間は全員、犯罪者だそうだ。
偏見といわれるかもしれないが、詐欺という行為はその人間の性質と固く結びついていると思っている。要するに、根っから嘘つきなのだ。Nは、いったい、他にどんな嘘をつき続けているのだろうか?

人間とは弱いものだと痛感するこの頃です。他人のために、わざわざ忠告をしてくれる人はいませんから、褒め言葉を鵜呑みにし続けると、世の中を構成しているのは、スイートなものだけだと勘違いしてしまう。Twitterは蛸壺の数が増えただけだとは、なかなか認めたくないんでしょうね。