2006ねん01がつ30にち
『カウント・ゼロ』ウィリアム・ギブスン
ターナーはニュー・デリーで爆猟犬を仕掛けられた。こちらのフェロモンと髪の色に標的を定めているやつだ。そいつは、チャンドニ・チョウクとかいう通りで追いついてきて、林なす茶色の脚と輪タクのタイアとを縫い、ターナーのレンタルBMWめがけて突進してきた。そいつの核は一キログラム分の再結晶ヘクソーゲンと薄片TNT。
俺は一度読み終わった作品やその作者に対してかなり冷淡なところがあって(id:goldhead:20060113#p2)、どんなに読中に大きな印象を受けても、その後は冷めるがままにしてしまう。で、その冷めたものに適当なラベルを貼って、頭の中のどこかの倉庫に放り込む。その適当なラベルというのが本当に適当なもので、『ニューロマンサー』(id:goldhead:20050714#p2)に貼り付けられたそれは「サイバーパンクのはじまり」で、ウィリアム・ギブスンに貼り付けられたそれは「サイバーパンクの人」というだけ。読んでも読まなくても一緒じゃないかという代物だ。しかし、何かのきっかけであらためてページを開けば、一気にぱちぱちと音を立てて蘇ってくる。ウィリアム・ギブスンの世界。ハードボイルドでセンチメンタル、ネオンと電気信号の輝く世界。
というわけで、『ニューロマンサー』の続編にあたる『カウント・ゼロ』。これ、面白くて、のめり込んで、一気に読んでしまった。まあ、続編というより同じ舞台の後年、というところ。登場人物も、中心人物がメーンで再登場するわけじゃない。しかい、ところどころに顔を出す脇役や、あるいは、全編を包み込む何ものかは紛れもなく『ニューロマンサー』の続編だ。
ストーリーは複数人の視点から進む。この技法、先に『ヴァーチャル・ライト』(id:goldhead:20050727#p1)と『あいどる』(id:goldhead:20050728#p1)で読んでいる。とういわけで、特に驚きもしなかったが、やはりこれはあまり好きとは言えないのも確か。SFが読み手を引き込む「迷い込み」感みたいなものが薄い。とはいえ、別の視点から見たら他の視点の答えが単純に出ているような代物では決してなく、これも幕の内弁当的でオーケーだわな。
小説にはたまに作中芸術作品が出てくる。幻の名画でもなんでもいいけれど、小説の中、言葉でしか記されないオブジェ。この小説にもキーとなる箱のオブジェが出てくるが、これが滅法すてきな代物なのだ。言葉でしかないけれど。さらに、その箱を作るシーンも出てきて、これも壮大で優雅で悲しい。このあたりがギブスン調という感じがする。
登場人物については……、そうだな『ニューロマンサー』のモリイのようなすごい個性は感じられないか。『ヴァーチャル・ライト』のウォーベイビーを思い浮かべるような、ヴードゥー黒人たちなんかは印象的だったかな。けれど、どちらかというと生活感をちらほら感じさせるような描写など多く、そのけれんの無さもまた味か。
けれんの無さといえば、強烈なルビ攻勢はなりを潜めていた印象。翻訳は黒丸尚で『ニューロマンサー』と一緒だけれど。とはいえ、今回は電脳空間率が低く、アクション映画的アクションシーンなんかもいっぱいあったからか。
えーと、というわけで、『ニューロマンサー』には及ばないが、続編としては大満足の一作だった。続いて三作目『モナリザ・オーヴァドライブ』も手に入れているので、こちらにも熱気を引きずったまま取りかかりたいと思う次第。
ザッツ・オール?
http://www.asahiinryo.co.jp/newsrelease/topics/pick_0499.html
広告宣伝活動の中心となるTVCMでは、今回CMキャラクターとして、人気コメディアンであり、かつ演技派・実力派の俳優として注目を集めている宮迫博之さん、さらに、TV・グラビア等で活躍中の安めぐみさん、映画・TV等で人気急上昇中の瑛太さんを起用いたします。
アサヒの「若武者」のCMが気になる。定食屋でペットボトル緑茶はないだろう、という理由だろうか。いや、違う。サブリミナルのように一瞬出てくる「看板おやじ」が気になるのだ。どこかで見たような気がするが。誰だ? というわけで、サイトを見ても残念ながら記述はない。ん?きじゅつ?……奇術! そうか、ピカデリー梅田だ!
……などというのは大嘘もいいところで、「あ、ピカデリー」と思った次第。で、一応検索かけたらどうもそのようなので、俺の中ではそういうことにしておく。上のページの高解像度写真ではいまいちわからないが。しかし、上のニュースリリースにピカデリーが紹介されたらどういう風になるのだろう。
「カナダで‘今世紀最大の入れ歯コマーシャルスター’として知られ、F2層(35〜49歳の女性)の間で絶大なる人気を誇るピカデリー梅田さん」
野宿者vsホームレス
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060130-00000040-mai-soci&kz=soci
2人は石沢さんとホームレス仲間で「一緒に酒を飲んでいるうちにけんかになった」と容疑を認めている。
見出しを読んで普通どう受け取るか。「たまたま終電に乗り遅れたか何かした人が野宿していたら、ホームレスに襲われたのか」と思うのが普通ではないか。少なくとも俺はそう思った。しかし、本文を読んで驚いた、加害者も被害者もホームレス仲間、すなわち同じホームレス。見出しは「ホームレス死亡でホームレス2人を逮捕」と言ってるのと同じこと。
- 被害者にホームレスという言葉を用いることのできない内規がある。
- ホームレスがホームレスを……という言葉の重複を避けたかった。
- 死亡した被害者に関しては生前の生活状況などについて現段階で明かではないため、発見された現場の状況にとどめた。
新聞などを読むにあたって、不自然な表現はまず1.を考えなければいけない。が、しかしこのケースはどうだろう。ホームレスは乞食や浮浪者、ルンペンなどを表現するに一番差し障りのない用語のはずだ。さらに、野宿者という言葉とホームレスの差し障り無さ度を比べ、野宿者>ホームレスとは限らないような気がしてくる。
となると、うまく見出しをまとまらないという、技術的要因による2.だろうか。なるほど、これはなかなか難しい。「ホームレス殺人」という語からは、どちらかといえば「ホームレス狩り」的イメージが強く使いにくいし、「ホームレス同士のけんかで一人死亡二人逮捕」ということを伝えようとするのは欲張りすぎで冗長になる。
あるいは、3.のケース。実際に被害者がホームレスだとしても、一時的に野宿の人という可能性を残した表現。あるいは、被害者に関しては被害状況を表現したい、とか。「歩行者死亡で……」、言わないか。わからん。ここまでくると(というかスタートからして)もうわからない。
というわけで、無駄なことに頭を使った。三連単で買うなら2-3-1というところだが、当然これ以外の出走馬がいる可能性が高く、また、それらが勝つ可能性の方がずっと高いだろう。
バッター交代
ほぼ毎週末買っている内外タイムス。その予想欄の一番バッターがいきなり交代したから驚いた。それまでは鈴木和幸で、おそらく俺がこの新聞を買い始めた一年くらい前に登場したような気がする。最初はメーンだけだったが、すぐに一番バッターと相成った。が、それが予告もなくいなくなり、古谷剛彦という人がバーンと出てきたのだ。
予想家の打順交代と言えば、清水成駿が1馬の一番を降格し、競友の渡辺に譲ったことがあったが、あのときは登場当週の金杯で人気薄のヒカリサーメットに◎を打ってえらく驚いたっけ。というわけで、乗り代わり当週の予想家には乗りか?
……と思ったのだが、思わず躊躇してしまった。この古谷という人の得意分野がパドックというのだ。電子競馬新聞(http://www.jrdb.com/)の人で、ホッカイドウ競馬のパドック解説者だったという。あと、大学の卒業論文も「競馬における新しい予測」(http://www.res.kutc.kansai-u.ac.jp/~yamana/src/soturon.html …同姓同名の別人でなければ)ということらしい。で、それはそうとコラム名も「パドック最前線」。むむむ、媒体は夕刊紙ですよ。もちろん、単なるパドック派ではなく、前々走と前走の比較(縦の流れ)や、馬体適正を見抜くという話なのだが。しかし、馬体派というと、境勝太郎がG1前に診断とか、そういうイメージが強い。
ということで、とりあえず見ということに。というか、俺って別に誰かの予想通りに買うタイプでも無かったか。まあいいや。で、意地悪に土日の結果をざーっと見たところ、これといった大ヒットと的中率ではないような感じ。予想スタイルも、特に大穴狙いという感じでもない感じ。
さて、どうしたものか。やはり俺は一番バッターに‘孤高の◎’的なものを求めたい部分もあるが。けど、正直に得意なのはG1とG1の前哨戦、夏の北海道とか書いていたっけ。まあなんだ、一年も買ったら馬柱やその他予想陣にもなじんできたから、しばらく内外タイムスでいくか。本当のところは専門紙も買いたいんだけど、これには多少躊躇してしまう貧乏なので仕方ない。






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