短期放牧の中身を馬柱に少し反映してくれないか

 ラフィアンの拠点が本州にも上陸した。昨年12月、生産牧場ビッグレッドファームの鉾田トレーニングセンター(茨城県鉾田市)が完成。

http://www.nikkansports.com/race/p-rc-tp0-20080122-310239.html

 内厩と外厩の制度を巡る問題、それについてコスモバルクでゆさぶりをかけた岡田総帥の思惑……、などというむつかしい話はお手上げなので放っておく。俺は俺に関する、すなわち馬券にかかわる話をしたい。

BF鉾田が最も重要視している点について、場長は「競馬に一番近い馬を扱うので、トレセンに輸送して、すぐに競馬で使えるように送り返すことですね」と強調した。

 俺が、というか、多くのファンが馬券を買うときに手がかりにするもの馬柱。馬柱にこういった情報がいまいち反映されていないように思うのだ(俺が目にするのは東スポ、ダービーニュース、1馬)。「放牧5ヶ月」とだけ書かれていても、いったい最後どれだけ乗り込んでから来たのかわからないし、短期放牧の場合は馬柱上で無視だ。コメントによってわかる場合もあるが、定型内ではないから、触れられるとは限らない。そこんところ、どうにかならないのだろうか。せめて「放牧」で一コマ潰すようなスタイルのところは。
 って、考えてみれば、今の俺は爆血馬狙撃術に頼ってるわけで、この狙撃術に必要な馬柱情報は「前二走の着順、着差」。で、前二走はともかく前二走。すなわち、二走前と一走前と今回の間にそれぞれ一年間隔があろうと、三連闘だろうと同じ扱いなのだ。いや、しかし、でも、やはり狙撃術を組み入れる、狙撃術に組み入れるって形で、爆血馬以外については情報が欲しいわけだ。
 しかしまあ、著者もどっかで書いていたが、この狙撃術は性善説、というと正確ではないな、使う側の善意を信用した上に成り立っている考え方だ。ともかく、出てくる以上は仕上がっている、全力で調整しているという考え方。あるいは、まったくそれを無視しているというか。まあ、統計データから「こうなる傾向にある」ってところで買うものだから、個別例については無視する、かな。むしろ、それによって積極的に買いにくく思うものの、実際どれだけマイナスかよくわからないようなデータ(馬体重など)を無視して、高配当に繋がる可能性もある。
 ……となるとやっぱり『マネー・ボール』やセイバーメトリクスの考え方に似ていると思わざるを得ない。出塁率に意味があるのに、脚の遅さや得点圏打率が低いから安く獲得できる。与四球、奪三振、被本塁打しか意味はないのに、防御率が、球速が低いから安く獲得できる……などなど。
 データをどう切り取るか、本当に大切なものはなにか。数字……、個別のケースを見ないで、全てデータに還元するとなると、たしかに冷たいもののようにも思える。しかし、俺はむしろそこに数字のロマンを見る、不思議を見る。とても面白いものと思う。だいたい、それを元にして見ようが、野球のプレーは野球のプレーだし、サラブレッドは走るのだ。そこには人間がいて、馬がいて、個性がある。だったら両取りでいいじゃないかってさ。
 惜しむらくは、惜しむらくは、俺に算数がなく、数学がないということ。データ処理もできなければ、統計学のイロハも知らないということ。学校の勉強以外で、数に弱いことを惜しいと思ったのは初めてだ。