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関内関外日記(跡地) このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2010ねん06がつ20にち

今話題の横浜ニューテアトルでアントニオ猪木主演映画『ACACIA』を観るのこと

アカシア

 「明日アウトレイジ』観ましょう」と俺。

 「やだ」と女。

 ほかに面白そうな映画はなかった。みなとみらい映画館では、日本対オランダ戦をパブリックビューイングするとかそんな話ばかりである。それでもずるずると検索を続けると、ひとつ映画が目にとまった。アントニオ猪木の主演する映画である。そういえばつい最近神奈川新聞に載っていたとかなんとか聞かされたところだった。

 「アントニオ猪木のやってますよ」

 「じゃあ、それ」

 「えっ」

 ……考えてみれば、女の本棚には辻仁成の本がたくさんあったように思う。俺は辻仁成のことはまったくといって知らない。俺の人生と交わるところがなかった。ただ、検索したら昔ブックマークした記事が出てきた。強調は引用者による。

 公式サイトプロフィールによると、辻は「Zinc White」という名前で、性別や誕生日は不明。人間未来を予見できる特殊能力を持っており、地球でのミッションを終えたら故郷である月に帰るのが夢だという、常人の理解をはるかに越えたキャラクター設定になっている。

 この日のライブは、ZAMZAにとって初のアンプラグドで、辻本人も「ハードロックバンドなんで、暴れたいんですけど、今日は静かに」と最初は少し戸惑い気味だった。しかし、ライブが進むうちに、調子を取り戻し、激しく体をくねらせながら独特なボーカルスタイルで熱唱。曲中には「すごく舞い上がっている〜〜。ミュージシャン作家映画監督。今の僕は三位一体と叫び、ファンを盛り上げた。辻は先日誤って転んでしまい頭を打って脳しんとうを起こしているそうで、「歌詞が途中で飛ぶかも……」といいながらも最後まで歌い上げた。

激しく体くねらせ熱唱する作家 - ライブドアニュース

 なにそれおもしろそう。

横浜ニューテアトル

 して、上映館は横浜ニューテアトルとある。伊勢崎町のあたりに小さな映画館があるのは知ってるが、はたしてどこにあるのかも知らないという具合。さっそく検索してみて仰天する。

 ユニクロダイソービルの向かい、一階に眼鏡屋、二階に古本屋。もうどれだけ通ったところかわからない。映画館が、あるの?

 そしてもうひとつ

 うはは、って笑っちゃいけないが、『ザ・コーヴ』上映に関して抗議受けたところか! 鈴木邦男来てるし。知らなかった! ひょっとして抗議受けたから『ACACIA』やってんの? いや、それは違うみたい。まあいいや、行くか!

ACACIA』鑑賞

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 11時40分からの上映。入り口でおねーさんにお金払って階段を下る。下で券を出す。すぐに劇場。なにかなつかしい感じがする。そのなつかしさが嘘でないとすれば、それこそ鎌倉藤沢の、もうなくなった映画館のことを思い出しているのだろう。お客さんはわれわれをふくめて10人。われわれ以外はみな高齢者料金と思われる。

D

プロレスラー孤独な老人が、他人に心を許さない少年との出会いをきっかけに、過去の痛みを乗り越える勇気を得ていく姿を描く。

 まあ、ともかくアントニオ猪木アントニオ猪木なんだ。ネット上の感想の中でも見かけたけど、元覆面悪役レスラー大魔神」じゃなくて、「アントニオ猪木」そのまんまでよかったんじゃねえかと思う。マジで。「猪木さん」ってのがいい。だいたい、猪木だって襤褸をまとってホームレス風になってたこともあるし、そもそも彼の半生にしたってこの役をなぞるところがある。ぜんぜんいいと思う。それに、猪木に悪役レスラーの悲哀は感じられない、みてえな。悪役ってより悪なんじゃねえの、とか。ともかく、「アントニオ猪木」だったら、こう、虚実入り混じるプロレス的ななにかがさ、みたいな。

 で、その猪木少年プロレス教えるシーンとかあって、猪木が隙をついて腹に一撃入れてるみたいなところがあって、別にマジじゃねえんだろうけど、猪木だからマジっぽくて。思わず本気で入ったんじゃねえかとか想像すると、なんかわかんないんだけど、もう体が震えるほど笑うの我慢するはめになった。

撮影のとき、ちょうど腰を痛めていてあまり動けなかったんだけど、もうちょっと腰の調子が良ければ、大技もかけてあげたかったんだけどね。残念だよね。

映画『ACACIA-アカシア-』アントニオ猪木 単独インタビュー - インタビュー - Yahoo!映画

 それで次のシーンでケースワーカー役の北村一輝腹話術でお年寄りに語りかけるんだけえど、いっこく堂にクソ似てて腹筋崩壊。いや、よくわかんないんだけど、たしかに北村一輝いっこく堂似てるじゃん、似てる似てる。したら、もう、北村一輝腹話術人形持たせたら、いっこく堂に見えるのわかりきってるじゃん。だからもう「なんで?」の嵐。「ひょっとしていっこく堂オファー断られたから北村一輝か?」などと頭渦巻いて、勝手にひとりでブルブル震えてた。

 でもまあ、ハイテンションになったのはそのくらいで。あとは落ち着いていたというか、いや、猪木がときどきすごくいいんだけど、まあなんだろう、舞台にしたって、すげえいい場所見つけたじゃんというような。津軽だかどっかの団地なんだけど、なんか平屋のやつでさ。この風景だけ見つけたら、もう勝ったも同然だろ、みてえな。まあ、実際に勝ったかどうかは別なんだけれども。

 でもあれだ、あの、子役の子とかはよかったな。最初から「Tシャツを破かせろー」(←セリフです)っていじめられる役の林凌雅くん。奮闘してたね。それで、なんだろう、いまどきの子らしくニンテンドーDSやってて(なのに破けやすい安物のシャツしか着させてもらえないんだけど)、だいたいこういう場合ゲームの扱いって、人との交流やら自然田舎の良さやら友だちやらなんやらを得たら捨てられるものじゃん。その象徴みたいな。それが、なんか最後までやっててよかったな、とか。なにがいいんだかわかんないけど、マンネリイクナイ、か?

 そういえば、だいたいアントニオ猪木がずっと同じ服着てて、そのあたりは孤独で貧しい年寄りとしてはいいんだけど、なんかオシャレなんだよ、そのシャツパンツブランド物じゃねえのか、みたいな。もっとこう、作業服みてえなのでいいんじゃないかとか、余計なお世話かもしれないけど。でもなんだ、その猪木ってそんなに大きくないのな。そんな風に思った。なんかこう、アントニオ猪木言うたら、一般人相手にいえばジャイアント馬場くらいデカイような(じゃあ、一般人相手のジャイアント馬場はどんくらいデカイんだよ?)、そんなイメージがあったんだけど。でも、そのイメージはあれだ、たぶんアントニオ猪木っつー存在のデカさに違いない。それが演技で縮こまってるなら、大した役者じゃないか。

 いや、まあ、演技というかなんというか。ほうき相手にプロレスができる(最初「法規相手にプロレスが……」ってなった。カシン? あと、この映画にもそういうシーンありますので)し、坂口征二人間不信に陥らせるっていっても、やっぱりちと違うか、とか。たまにこう、ですます調になるあたりとかいいけどさ。うーん、ムフフ、でも、この、アントニオ猪木映画をってのは、これは正直、マジいいんじゃねえのって思った。これはなんかあるよ、そう思う。今の猪木映画出演はアリアリのモハメッドだよ。

 けど、まあ、でも、正直、どうよ? みたいな。こう、勝てる要素がそれなりに揃ってたのに、どっかしらずれてるような。珍映画とか怪作とか、そっちまで突き抜けているかどうかというと、そこまででもないような。なんかこう、まったくぶっちゃっけ、なんかウトウトしてたし、俺。それで、石田えりバチコーン! って生肉叩きつける音でビクっとして起きた。石田えりも、なんか急に説明的な一人台詞とか言わされてて頑張ってた。あと、川津祐介がすっかり忘れられてたと思ったら、急にあんなことさせられてて思わず吹きそうになった。吹いたらだめですか。それと、根本的に、映画に映ってたのアカシアじゃなくてニセアカシアじゃねえの? とか。まあ、ともかく、まあ、ええと、そうだ、坂井真紀もっと見たかったとか。いや、坂井真紀好きなので。あと、主題歌はよかった、持田香織。さすが三位一体

 ……っと、もう1,800円分語ったか。よし、終わるぞ。

ついでに

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 映画終わったあと、並びにある元寶楼いう中華料理屋行った。台湾ラーメンだったか、パクチーの香りがしたような気がする。隣の席で作業服のあんちゃん二人がウーロンハイ飲みながら「三十代の合コン」について語ってて、その中に出てきた「名古屋から新幹線合コンに来た男」の話が面白かった。おしまい

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