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関内関外日記(跡地) このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

2016ねん04がつ11にち

『百日紅 Miss HOKUSAI』を観る

 葛飾北斎の娘とその父と家族関係者の話であるものすごく大きなテーマはない。妹のことはそう言えるかもしれないが、そうではないと思った。江戸日常が描かれている。怪異と一体となった江戸の話である。「これは映画ではなく続き物の三十分アニメでいいのではないか」と思わないでもなかった。しかし、不思議と心に残る作品である。「これは映画でなくてはならなかったのだ」とも思わないでもなかった。

 主たる声優は専業声優がつとめていない。松重豊などはもう声優でもバンバンいける域だな、と思った。杏という人が主役になるのだが、「非声優声優をつとめたらこんな感じ」として成功しているといっていい。全体的に地に足がついていて、足がついている理由にもなるだろう。

 そもそもこの監督は、などという知識もないので、このていどの感想しか出てこない。しかし、繰り返せば不思議と心に残る映画である浮世絵を全面に押し出して、これが日本の江戸でござい、などとやってみるのも「波」のシーンくらいであって、あとは落ち着いたものである。終わり方もスッとしていて嫌いじゃない。もっとも、最後最後カットはどうなのだろうかと、やや疑問には思う。とはいえ、やはり不思議と心に残る作品のような気はする。

きみにも城はあるか? 『心が叫びたがってるんだ』

 大船には「城」という名前ラブホテルがあった。高台の上にはなかった。おれの知る限り、大船ラブホは「城」のみである藤沢には二軒か三軒ある。アニメとは関係ない話である

 とはいえ、ラブホである「城」がヒロイン(あるいは主人公四人組のうちの一人)に与えたインパクトは強烈であるえぐいところを持ってくるなあという感じである。おしゃべりな少女が、父が「城」から母とは別の女性と出てくるところを見てしまう。無邪気な少女はそれを母に話す。すべては台無しになって、少女は語ることをやめる。

 超平和バスターズか、という感じはある。この映画がどれだけ成功をおさめたのかよく知らない。興行的な意味である。おれにとって成功映画だったかというと、まあ成功だったんじゃないのか、というくらいである。いろいろと問題のある高校生たちが、やらざるをえなくなったミュージカルに向かって心を一つに重ねていく。しゃべれなくなった少女も心が溢れきれなくなってくる。まあ、いい話じゃないか。おれは心が死んでいるので、そのていどにしか思えなかった。もっと若くして観たら別の感想があったかもしれない。あるいは、高校生時分に観たら嫌悪していた可能性すらある。おれはおっさんとしてこの作品を観て、おっさんなりの上滑りを感じた。それは作品の出来とは関係ない。おれがもう歳を取り過ぎているということにすぎない。

 大船には「城」というラブホがあった。おれは「城」に行ったことがある。