『タイム・シップ』 スティーヴン・バクスター 中原 尚哉 訳 ハヤカワ
- 作者: スティーヴンバクスター,Stephen Baxter,中原尚哉
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1998/02/01
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ウエルズSFの大甲子園であり、
主人公レベルでも、全宇宙全時間全生命体レベルでも「発狂した宇宙」になると言う
時間並行世界テーマの最高傑作である。
SF小道具も小はナノマシンから大はダイソンスフィーアまで登場する素晴らしい話である。
クラークの「楽園の泉」やニーヴンの「リングワールド」が如何に知的レベルの低い話かがよく判る。
シェフィールドが考え付いたアレ(クラークは考え付かなかった)も出てくるので
本書を読む前には「星ぼしに架ける橋」を読んでおくことを勧める。
教養も知的好奇心もない日本のSFファンの為にゲーデルについて補足しておこう。
<完全性定理>
論理体系には自己矛盾があってはならない。
<不完全性定理>
自己矛盾のない完全な論理体系には、必ず、証明できない正しい命題が存在する。
<時間論>
時間は時間軸とか時間流とかで、一次元的に表現するとパラドックスが発生する。三次元的円筒状が回転しながら移動していると解釈すべきである。
<無限論>
カントールの連続体仮説は正しくて、アレフゼロとアレフワンの間の階層に別の無限は存在しない。