『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』

しばらく小説を書かないでいたくせに結婚されたそうで、身入りはどうするのかと勝手な心配をしていましたが、漫画の原作者となっていた佐藤御大(原作者の佐藤大輔の方です)。
高校生が主人公というのは今までの著作では無かったのですが、掲載誌(月刊ドラゴンエイジ)の関係でしょうかね。もっともゾンビだらけの街と化した状況の中で悪戦苦闘するストーリーと言えば、氏の著作でも『鏖殺の凶鳥(フッケバイン)』がありますし、正確にはゾンビじゃないけれど、理性を失って凶暴化した人々という意味では『黙示の島』もやや近い。*1本作でも海外のゾンビ映画を意識しているようです。何を隠そう、私もゾンビ物がけっこう好きなんですよね。


平凡な日常生活が突如破られ、自らとどめを刺さざるを得なかった親友の死を乗り越えて、主人公が幼馴染や仲間達と過酷な状況の中を生き延びていく。ストーリーが進むに連れて、生ける屍だけでなく、凶悪化した生存者をも脅威となりうるサバイバルの連続。そんなスピーディかつ緊張感あふれた展開に目が離せません。随所に見られる御大節の台詞も健在。佐藤ショウジによる迫力ある作画も気に入りました。*2


原因不明なまま、日本だけでなく全世界にこの疫病(?)が広がっていく中、果たして主人公達はこれからどうなるのか?今後の展開が気になるのですけど、原作者が前科ある*3だけに中断せずにちゃんと完結するのかも大いに気になるところです。
余談ながら、コミック巻末のおまけイラストとして、脇役達の災厄に見舞われる前の幸せな日常が描かれていて、これがけっこう泣けます。


【参考】
ウィキペディア・学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD

*1:H.O.T.Dと同様にオタク少年+剣道少女も出てくるし

*2:ゾンビ物のわりにはスプラッター要素が抑えられている代わりに、お色気はふんだんに盛り込まれていますが

*3:数あるシリーズ物の中で完結したのはたった一つ