The Arcade Fire "Funeral"

Funeral

Funeral

  • Amazonに注文したのが届いて今聞き始めたけど、これはイイ!何と言っても、1曲目(Neighborhood "1)と2曲目(Neighborhood "2)が抜群にイイ。Psycho Killerの頃のTalking Headsみたいな、ぐんぐん上り詰めていくような高揚感があって、聞いているとどんどん昂奮してきて、あっ、また熱が出てきそう。。。(本当に熱が出たのでここで4時間経過) 
  • 鶴の首を絞めて絞り出しているようなボーカルのスタイルは、トーキング・ヘッズっぽい感じがちょっとある。曲の構成とか、オルタナティブ感は、何かピクシーズっぽいような気もする。何より、このメロディーラインは、無茶苦茶、デビッド・ボウイっぽい。これは、絶対に名曲になるよ。ロキシー・ミュージックの初期2枚っぽいという人もいるらしいけど、あんまりそういう気はしないんだけどな。いずれにせよ、作曲能力ありそうなので、今後日本でも盛り上がって欲しいなあ。

David Byrne Played with The Arcade Fire
http://dailyrefill.blogs.com/daily/2005/02/byrne_fire.html

ひかりごけ 武田泰淳

ひかりごけ (新潮文庫)

ひかりごけ (新潮文庫)

一、たんなる殺人。二、人肉を喰う目的でやる殺人、三、喰う目的でやった殺人の後、人肉は食べない。四、喰う目的でやった殺人の後、人肉を食べる。五、殺人はやらないで、自然死の人肉を食べる。
  • 昨今の日本の世の中では、飢えという問題に切実さを感じられないが、それでもこの問題には胸に迫ってくる何かがある。死んでしまえば、人間は人間では無く、ただの肉なのか?人肉を食べてしまっても、人間は人間なのか?死んでしまったものを食べれば生き延びられるかもしれないのに、喰わずに死んでいくことが正しいのか?もし、「自分を食べて生き延びてくれ」と遺言されたらどうすればよいのか?
  • ES肝細胞など最近の生物学が突きつけている問題も、これと同じところがあるのではないか?そのまま普通に育てれば人間となるものを、初期段階で実験に提供し、その結果作られた薬で多くの人々が生き延びることになっても、それは、人の肉を食って生き延びることとどういう違いがあるのだろうか?
  • 一方で、世の中のモラルはこれ以前の段階にまで後退しているという気もする。何故、人を殺してはいけないのか?という問いかけが成立する時代なのだから。

第三の男 (1949)

第三の男 [DVD]

第三の男 [DVD]

  • 105 分 イギリス 東和=東宝公開 1952/09 公開
  • 監督: Carol Reed
  • 製作: Carol Reed David O. Selznick Alexander Korda
  • 原作: Graham Greene
  • 脚本: Graham Greene
  • 撮影: Robert Krasker
  • 音楽: Anton Karas
  • 出演:
    • Joseph Cotten
    • Orson Welles
    • Alida Valli
    • Trevor Howard
    • Bernard Lee
    • Geoffrey Keen
    • Ernst Deutsch
  • ¥500DVDが出ていたので、買っておいたのを見る。この音楽って、サスペンスのストーリーとのギャップを狙ったんだろうけど、何かうるさい。風邪ひいて、くらくらしながら見てるので、わざわざ画面を斜めに傾けたりされると、こっちがふらふらしているんだか、何なのか分からない。ウザイ。
  • これは、オーソン・ウェルズが大好きな、いかにも彼がやりたがりそうな役柄だなあ。最初から最後まで彼が話の中心なのだけど、途中でどんでん返しがあって、そこからはもう彼の見せ場。ジョゼフ・コットンも嫌な役回りの2枚目。でも、アリダ・ヴァリが出ているから、満足。
  • 戦後の四分割統治時代のウイーンの話とはいえ、何か、脇役がイヤーな感じの怪しい人が多い。あの男爵とか。話もイヤーな感じ。ペニシリン横流しやってるとんでもない野郎、そのひどい野郎でも愛人は愛人だからと未練を残す情婦、その嫌な元親友の野郎を警察に売り飛ばしつつもその愛人に恋慕たらたらの男、の三角関係。最後の有名な並木道のシーンも何か見ていて寒かった。グレアム・グリーンの脚本がこういう苦くて嫌な世界といえば、それまでなのだし、イギリスっぽいと言えばそうかもしれない。でも、こういう話なら、アリダ・ヴァリはもう少し悪い女として描かれていて欲しいし、主人公がハリーを売るところも病院で子供を見せられたからではなくて、何かドラマとして説得力がないと。小説としてはそれでよいのかもしれないけど。まあ、ハリウッド映画ではなくて、イギリス映画なのだけれど。でも、確かに、これは後味悪いな。
  • でも、この500円DVDって、どういう仕組みなの?著作権が切れているから、フィルムからおこせばこういう値段で商売できてしまう訳?不思議だ。
  • ちょっと調べていたら、 「著作権の「危機」って何だ」山形 浩生(評論家)というページにを見つける。さすが、良いこと言っている。イギリスは映画の著作権50年なのかも?それなら、話が合うが?困ったときは、…。そうだ、ここは「はてな」じゃないか!