80年代から学ばなくてはいけないこと

昨日、フジテレビにおけるとんねるずの20年間をまとめた番組をやっていた。
「オールナイトフジ」、「夕焼けニャンニャン」、「とんねるずのみなさんのおかげです」、「とんねるずのみなさんのおかげでした
簡単にいうと、この4つの番組の名場面集を公開しているような番組だった。
当然、20年のいいとこ取りなので、番組は面白かった。
テレビ番組であんなに笑ったの、久しぶりだった。


そして今日、中居正広金スマでは、ザ・ベストテンの特集をしていた。
ザ・ベストテンは1978年1月から12年間続いた、言わず知れた名物音楽番組だ。
最高視聴率は、なんと41%!全員集合には及ばないとはいえ、恐ろしい番組だ。
こちらは、番組の名場面と、その裏側のスタッフの苦労を紹介するという、ちょっと変わったアプローチの番組。
もう20年以上も前の、しかも生放送の番組なのに鮮明に覚えていたシーンの裏側が知れて、面白かった。


この二つの番組を見て、正直に感じたこと。
「80年代って、なんてパワフルなんだろう。。。。」


とんねるずの登場したての勢いは、ケタが外れていた。
今の若手芸人には微塵も感じられない勢いが、とんねるずにはあった。
彼らがフジテレビに登場したのは85年らしい。
その後、「一気」を歌いながら高価なテレビカメラを倒してみたり、1万人を集めて野外ライブをやってみたり。
そして、貴さんが当時の日枝編成局長(現・フジテレビ会長)に直談判して、火曜ワイドスペシャルで「みなさんのおかげです」の枠を勝ち取ったというエピソードがあったり。
レギュラーになる前の「みなさんのおかげです」は最高だった。特に、「サンバーダード」は傑作だった。(サンダーバードのパロディーですよ、念のため)


なんだか分からないけど、得体の知れない勢いとパワフルさ。そして、枠にはまらない無謀ともいえる企画の数々。
そして、それを許すことのできる社会情勢と、面白いものを作ってやろうというスタッフの気合。
そんなものを感じた。
それらがうまくミックスされた結果、とんねるずの本当に面白い時代は、80年代にあったんだな。そう思った。



そして、今日のザ・ベストテンだ。
20年以上も前の番組なのに今でも鮮明に記憶させられている、名物シーンの数々。
今日の番組では、その裏でいかにスタッフが苦労をしていたかを知った。
ここでも、今では考えられない「勢い」と「パワフルさ」と「無謀さ」がみなぎっていた。




両番組でしきりに言われていたのが、「現在では実現不可能な・・・」というセリフ。
放送技術はあのころよりはるかに進歩しているはず。
しかし、21世紀のいまどきは、何かと制約が多くなっている。
これはどうしてだ?


80年代が終わり、90年代に入って日本はバブルに突入した。
明らかに90年代は、おかしかったと思う。VTRを見ていても、違和感を感じたほどだ。とにかく、何かと浮かれてしまっているのだ。
そこで、80年代的な泥臭い気合が、きっとなくなってしまったんだろう。
そして、バブルがはじけて、80年代的なものも、90年代的なものも失われてしまったと思う。


加えて、バブルがはじけた後、日本はなにかと「自粛」ムードが増えたように感じる。
それを引きづったまま、現在の日本全体、勢いが感じられない。
テレビ番組なんて、面白い番組が本当に減ってしまった。
ケーブル、BSデジタル、CSなど、放送するチャンネル自体は増えているのに。



先にあげた二つの番組を作りあげた、プロデューサーやディレクターは定年を迎えたらしい。
偶然なのだろうが、彼らの誕生日が昨日、今日と続いていたのだ。(したがって、今までごくろうさま、という意味を含めた番組でもあった)
80年代の良質なコンテンツを作り上げた人たちが、どんどんリタイアしていく。
残されたオレたちは、はたしてその人たちの「気合」「泥臭さ」「無謀さ」をどこまで引き継いでいるんだろうか。


80年代に青春時代をすごし、そのDNAを持っているはずのオレたち。
これから、何ができるのか。真剣に考えなくちゃいけない。
このまま「昔はよかった」と語るだけの大人にはなりたくない。
娯楽番組を2日続けて見ただけなのに、そんな真剣なことを考えさせられたオレだった。