(041-043)マルドゥック・スクランブル

興味はあったので読んでみたけど、感想としては中々難しい。本作品の一番のハイライトがカジノでのギャンブルの場面なのだけどそこを楽しめなかったのがその原因だと思う。読了後に各書評を読んでみたのだけどそこが一番面白くて本作品の肝だという人が多く、作者の後書きを読む限りでもそこに一番力を入れていたようなのだけど、個人的には作品の中で一番冗長な箇所に感じた。描写の問題というよりは相性の問題だと思う。自分としてはハードボイルド作品のカタルシスだけを求めていたので、丁寧に詳細な描写は逆にクドく感じてしまった。あと、その箇所を読む時は用事が重なった影響で数日に分けて読んでしまったのも原因かなと。なので人によっては感想はかなり違うとは思う。それ以外は結構楽しめて読めたと思う。文章で読むアクションシーンは結構イメージ出来ないことが多いのだけど本作品に関しては結構具体的に脳内で映像化することが出来て読んでて分かりやすかった。キャラクターも魅力的なので映像化したほうが面白い作品なのかなと思ってたら、アニメ作品になってるみたいで。ただサイトを見る限りでは自分の脳内イメージと違うけど(特にボイルド)。ちなみに本作品で一番良かったのは作者の後書きかもしれない。皮肉とかじゃなくて作品を作るということがどれだけ困難で劇的で美しいかということがよく分かる。