(039)夏季限定トロピカルパフェ事件

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)

小市民シリーズの2作目。以前に読んだ春期限定いちごタルト事件の時系列的に次の作品。前回で何故「小市民」であろうとしたかというメインの謎が解決されたのでどうなるかと思ったが、相変わらず面白かった。前回と同様に短編ごとのミステリと、作品全体を通してのミステリが平行して展開されていて、一応注意深く読めば最後の謎は分かるようになっている。最後の展開は唐突という人もいるかもしれないけど、あれはあれで中高生独特の潔癖性が出ているようで個人的には好き。あれが青年中年の探偵の発言だったらリアリティが全く無い。ていうか少し気持ち悪い。そして、この作品の肝は小鳩君と小佐内さんの関係性だと思うのだけど今作品で登場人物が増えておらず、その会話劇が薄まらないのは良かったと思った。小市民シリーズは一気に読みたいところだけど、冬季はまだ発売されていないようなので秋季を読むべきか悩ましいところである。ていうか前のシリーズの刊行から結構空いているけど本当に出るのか。