(146)女には向かない職業

探偵稼業は女には向かない。ましてや、22歳の世間知らずの娘には―誰もが言ったけれど、コーデリアの決意はかたかった。自殺した共同経営者の不幸だった魂のために、一人で探偵事務所を続けるのだ。最初の依頼は、突然大学を中退しみずから命を断った青年の自殺の理由を調べてほしいというものだった。コーデリアはさっそく調査にかかったが、やがて自殺の状況に不審な事実が浮かび上がってきた…可憐な女探偵コーデリア・グレイ登場。イギリス女流本格派の第一人者が、ケンブリッジ郊外の田舎町を舞台に新米探偵のひたむきな活躍を描く。

洋ミスの各ランキングでは軒並み上位にある作品だったのでかなり期待して読んだのだけどそこそこの作品というのが感想。読んで損はしない良作といったところか。内容以上にタイトルが秀逸。本作品の評価としては女性探偵の活躍というエポックメイキング要素も強いんだろうか。そういう意味では「ハンニバル」や「検屍官」シリーズを読める現在としてはそれが評価のポイントにはならないよなと思ったり(正確には探偵じゃないけど)。本作品の真の見せ場はコーデリアとの活躍ではなくダルグリッシュとの対決なのだろうけど横になりながら半分寝ている状態で読んでいたせいかあまり感じ入るとこがなかった。個人的には感情の爆発や吐露するシーンは好きなので本来ならハマりそうなシチュエーションなのだけどコンディションの問題かもしれない。もう一度読み返せば感想は変わるかもしれない。

【採点】
★★★★★★☆☆☆☆(6)