導かれし者達

 毎日歯を食いしばる日々が続いて、良く無い事が連続で起こっていました。



 「自分が努力を怠ってきたから、その付けが回ってきたのか?」

と自問自答をする毎日が続いていました。

 そんなある日、また奇跡が僕の中を駆け抜けて行きました。



こっちで知り合った日本人男性の方が、

電気屋さんで少し買い物がしたい」

と言っていたので、僕はそれに付いて行く事にしました。



 ホームステイをしている僕の友人は家で夕食が出るので、

時間の関係もあって、電気屋さんで素早く買い物を済まして、レジで一緒に並んでいました。



 レジで並んでいると、20代の白人のカップルが支払いに少し手間取っている事に気がつきました。

二人は僕の前で向き合う様に立っていて、彼氏の背中越しに彼女の顔が見えました。



 僕は彼女の顔を見て、「友達の彼女に良く似ているな」

と思いながら見ていました。



 その友達と言うのは以前書いたんですが、

カナダの語学学校で一緒になった大親友でスイス人のサムです。



 彼女の顔をずっと見つめていると、彼女も僕の視線に気が付いたようでした。

じっとこっちを見つめてきます。



 「サムと彼女のシモンは2年と半年前にスイスに帰って行ったんだ。

ここにいるはずは無いよ。gogowaywayお前は今寂しいから、

そういう風に見えるだけなんだよ」と自分に何度も言い聞かせました。



 僕はそう自分に言い聞かせながら、彼氏の後ろ姿を上から下までゆっくりと見回しました。

そして「本当にサムにそっくりだな・・・元気にしてるかな?」

と突然思い出がいくつも蘇って来ました。



 そうやって思いながら見ていると、また彼女の方と目が合ってしまい、

「やばい、見すぎだ」と思い、彼らに背を向けて一緒に来た日本人の友人と話す事にしました。



 そして、僕が後ろの棚に有った商品に手を伸ばそうとした時。

肩をポンポンとたたかれて声が聞こえました。



「Excuse me」



その声を聞いた瞬間、僕は振り返り周りの店員や買い物客が驚くほど叫びました。



「サム!!!!!!!」



そして、思わず力強く抱き合いました。



言葉は出てきません。



 頭では「ココにいるはずの無い」と思っている人がココにいて、

目の前の事実と頭の中の理解がバラバラになってしまいます。



 3人共、目の前の光景が全く信じられません。

サムとシモンは僕がオーストラリアに居ると思っていて、

僕はサムとシモンがスイスに居ると思っていました。



涙も出てきません。



 落ち着こうとしても手足の振るえが止まりません。

シモンは忘れていたかの様に溢れ出した涙を拭いながら僕の前でただ立ったまま。



 多くの買い物客で賑わう電気屋さんで、

僕達3人だけが味わう事ができる奇跡の舞台が幕がそこには有りました。



震えは泊まりません。



 ただ、何か内側から様々な思いの塊が、体の隙間と言う隙間から

体を破らんとする勢いで一気に外に飛び出そうとしています。



 高鳴る気持ちを抑えきれなかったので、一度その場を離れて30分後に再開して、

もう一度出会い直して夕食を一緒に取る事にしました。





 その日のお酒は、僕の心が折れそうになっていた事に気付き、

「君の生き方は間違ってないよ、そのまま進もうよ」と、僕に笑顔で語りました。



スイス人の涙 参照

http://ameblo.jp/gonomichi/page-6.html#main


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http://gonomichi.kan-be.com/

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