2009-01-08
通信カラオケのデータ制作の話
これ読んだのでちょっと書きます。昔話だけどな。
通信カラオケの楽曲は、誰がどこでどうやって作っているのか?(活字中毒R。)
おれもこの稼業やってましたが、もうかれこれ10年以上前には足洗ってます。多分、TAITO以外のメーカーのは殆どやりました。で、なんでやめたのか?というと、なんか疲れたのとか一番大きいのが値切られるようになってきたのとか、、、まあいろいろいありますね。
おれのやってた頃は、まず発注者からDATの音源が届くわけです。コレをカセット*1にダビング。DATのままだと走行系がトラブったとき怖いのでカセットがベストだったな。あとHDRにつっこんでやる人もいたけど、おれはやりませんでしたなあ。
で、ヘッドフォン*2かけて、コイツを何度も何度も巻き戻しては再生、巻き戻しては再生、目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れてスイッチ、、、という果てしないループ再生を繰り返しながらメーカーからお借りしているカラオケ音源の実機または同等のGM/GS/XG音源などとMIDIシーケンサを使ってデータを構築して行く、という作業でした。早いもの*3で半日程度、長くかかるもの*4で3,4日くらいの作業時間を要しました。
シーケンサはPC98+レコンポーザが多かった。理由は確かメーカーにより.RCPファイルで納品だったりとか、慣れるとあれほどステップ入力が高速に出来るソフトはなかったりとか*5色々あります。ただ自分の場合はピアノパートとか鍵盤系はよくリアルタイム入力したので、そんときはMacのVisionなんかを使ったりとかもやったりしました。*6
作業は完全に耳コピ。譜面はあったりなかったり*7。あっても殆どアテにしませんでした。アテにならない場合が多かったし、譜を読むより音聞いた方がはやいというのもあったり、おれの場合はあくまでも聴音命で作業してました。てか殆どの人そうなんじゃないかな。
なんかこのあたりの話は長くなっちゃうな。まあ大変だった事といえば
- 新曲対応の場合、納期が異常に短い事が多かったので徹夜は当たり前。そして音源のミックスが大概仮のものだったりして耳コピするのが困難を極めた。
- フルオケの曲など、同時発音数が多いアレンジの曲の聴音と、実機の仕様に合わせた音数を減らすアレンジ作業。ただただ減らせばいいってもんじゃなくて、原曲の雰囲気をだしつつというのが。
- 遊んでてもカラオケが普通に楽しめなくなった。オケが気になって歌う気になれないし一緒に行った他の人の歌も聞いちゃいない。*8
- さらにいうと、音楽を聞く耳がおかしくなったというか、聴音ばかりに気を取られてしまっちゃうというか。
楽しかった事は
- MIDIのインプリメンテーションに強くなった。例えば原曲で使われている変わったSEを鳴らしたいがために制作仕様上の出来る範囲でSystemExclusiveのバイトコード書いたりとか、そんなんもやった気がする。
- 耳が鍛えられた。
- ミックスダウンのセンスが鍛えられた。
- アレンジ力が鍛えられた。
ちなみに、今からやる気があるか?と聞かれたら、即答でNoと答えますw
でも、徹夜やヘッドフォンの使いすぎで耳が疲れる、などの過酷な作業を苦にせず、耳の訓練とアレンジ力を身につけたい人は是非やってみるといいかもしれませんね。おすすめはしないけどいい経験にはなるでしょう。
あと、このブロードバンドの時代に未だになんでMIDI音源なんだ?って話ですが、恐らく
- キートランスポーズ(移調)が容易に出来る
- オケと歌詞テロップとの同期作業が楽
- ハモリデータの設定が楽
あたりかなと思います。
