こんな日。
外に出てみたら、台風のせいでなま暖かい風が
ビュービュー吹いていて、フェーン現象だとかで、
アスファルトもいい具合に熱くなってたんだけど、
そのアスファルトの上に一匹のカマキリが。
黙ってじっと立っていて、
時おり強風にあおられたみたいに体をたよりなく揺らす。
お日様に照らされて照らされて、そのうちヨタヨタと歩きだす。
全然若くない感じ。・・・歩く。歩く。時々体をゆらして。
これから何か餌になる虫を獲るんだろうか。
獲れるんだろうか。ヨタヨタ歩く。たよりなく歩く。
そして草むらの中にスポッと消えてしまった。
もしかして、これからメスに食われちゃうんだろうか。
それとも、これからオスを食っちゃうんだろうか。
いやそういうこともかなわずにそのまま死ぬのかもしれない。
どうなるかわからないけれど、そうなる前のこの一瞬に
この陽射しの中、この暖風の中、今この時に
私の目の前に現れてくれたことに、なんとなく感謝。
理由はないけれども。